明日死ぬとしたらどうするか?という、
誰でも一度は考えるであろうことを描いた作品の第3巻です。
世間が良い良いと言うものは手にしたくないという、ひねくれモノの私(笑)ですが、
各メディアで話題騒然・・・と言われているにも関わらず、
作品のテーマに惹かれて購入してしまいました。
読後の感想としては、現実味があるかないかは別として、娯楽として読むには充分楽しめるマンガです。
しかし、ちょっとでもマンガの世界に引き込まれようものなら、大変大変。
思わず感極まって泣いてしまったり、物語の主人公に同調(または同情)してしまい、
読者であるはずの自分も頭を悩ませる場面もあるでしょう。
実際、私も2巻でホロリと涙を流してしまったものです。
この3巻に収められているエピソードは
・命の暴走(区議会議員選挙に立候補するちょっと問題ありな母の息子にイキガミが来る話)
・最愛の嘘(盲目の妹を持つ粋がってばかりの兄にイキガミが来る話)
の2つです。
最愛の嘘のラストは少々読めてしまう展開ではありますが、
そこにくるまでの演出が憎いです。
というのも、作者が出し惜しみなく、無駄なく見開きでの表現を活用するからです。
迫力や緊迫感もひしひしと伝わってきますよ。
基本的に読みきりの話なので、物語の詳しい設定などを追及しなくてもよいなら、
1巻から買わずに2巻、3巻から買っても楽しめます。
イキガミの世界観が気になるなら1巻から、
ちょっと感動したくなったら2巻から、
家族や兄弟の在り方に迫りたくなったら3巻から買うのをオススメします。
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イキガミ (3) (ヤングサンデーコミックス) コミック – 2006/12/28
間瀬 元朗
(著)
▼第5話/命の暴走(1~3)▼第6話/最愛の嘘(1~3)
●主な登場人物/藤本賢吾(武蔵川区役所・戸籍課の“イキガミ”配達員。自らの職務に誇りを持ちつつも、一方で疑問を感じている)
●あらすじ/国繁教育の強化を訴えて、区議会議員選挙に立候補した滝本和子。そんな彼女には選挙をサポートしてくれる専業主夫の夫がいる。周りから見れば何ひとつ問題なさそうに見えるのだが、2人には4年前から部屋にこもりきりの息子がいて…(第5話)。
●本巻の特徴/政治活動に夢中な母親に傷つけられたせいで引きこもり、リストカットをするようになった少年・直樹。そして、幼い頃に事故で両親を亡くし、自分を見失いつつも妹・さくらのことだけを大切に生きてきた少年・さとし。この2人に届いた逝紙……果たして彼らは、残された時間で何ができるのか? 魂揺さぶる究極極限ドラマ第3弾!!
●主な登場人物/藤本賢吾(武蔵川区役所・戸籍課の“イキガミ”配達員。自らの職務に誇りを持ちつつも、一方で疑問を感じている)
●あらすじ/国繁教育の強化を訴えて、区議会議員選挙に立候補した滝本和子。そんな彼女には選挙をサポートしてくれる専業主夫の夫がいる。周りから見れば何ひとつ問題なさそうに見えるのだが、2人には4年前から部屋にこもりきりの息子がいて…(第5話)。
●本巻の特徴/政治活動に夢中な母親に傷つけられたせいで引きこもり、リストカットをするようになった少年・直樹。そして、幼い頃に事故で両親を亡くし、自分を見失いつつも妹・さくらのことだけを大切に生きてきた少年・さとし。この2人に届いた逝紙……果たして彼らは、残された時間で何ができるのか? 魂揺さぶる究極極限ドラマ第3弾!!
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2006/12/28
- ISBN-10409151149X
- ISBN-13978-4091511492
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2006/12/28)
- 発売日 : 2006/12/28
- 言語 : 日本語
- コミック : 205ページ
- ISBN-10 : 409151149X
- ISBN-13 : 978-4091511492
- Amazon 売れ筋ランキング: - 409,581位コミック
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
命と国家権力について考えさせられるマンガでした。こういう方法で自殺率が減るとは思えないが。
2007年3月28日に日本でレビュー済み
死は誰にでも訪れるもの。
だけど、人為的に作られた死ならばどうなるか。
三巻も、するどく描いてくれました。
今巻で対比的だなと受け取ったのは、二作の内容の反比例さではないでしょうか。
ひとつは、家族に愛されない息子の死、もうひとつは、愛情を妹に注いだ兄の死。
自暴自虐になる青年と、未来を託すために最後の一日を生きる青年。
どちらが、正解なのでしょうか。
人間、だれしもが明と暗の両方を持っているでしょう。
それが、最後の一日になった場合に、天秤はどちらにかたむくか。ただ、掌に乗る
錘があれば、どちらへも転ぶでしょう。
生は欲しいもの、死はいらないもの。
ギリギリ、生の側にいる私は、この本の主題が大好きです。
今日も生きている、明日は?
万人に読んで欲しい、生とはなにかを再考させてくれる一冊です。
だけど、人為的に作られた死ならばどうなるか。
三巻も、するどく描いてくれました。
今巻で対比的だなと受け取ったのは、二作の内容の反比例さではないでしょうか。
ひとつは、家族に愛されない息子の死、もうひとつは、愛情を妹に注いだ兄の死。
自暴自虐になる青年と、未来を託すために最後の一日を生きる青年。
どちらが、正解なのでしょうか。
人間、だれしもが明と暗の両方を持っているでしょう。
それが、最後の一日になった場合に、天秤はどちらにかたむくか。ただ、掌に乗る
錘があれば、どちらへも転ぶでしょう。
生は欲しいもの、死はいらないもの。
ギリギリ、生の側にいる私は、この本の主題が大好きです。
今日も生きている、明日は?
万人に読んで欲しい、生とはなにかを再考させてくれる一冊です。
2007年6月2日に日本でレビュー済み
「最愛の嘘」に感動しました。
桜という花に対する日本人の感覚を表現する話は沢山ありますが、すごく悲しかったし心をうたれました。
この作品は全3巻の中で一番感動しました。
話題になっているし、ちょっと読んでみようと思い、3巻を一気に読みました。
誰の人生も大事なんだと実感します。
是非読んでみることをお勧めします。
桜という花に対する日本人の感覚を表現する話は沢山ありますが、すごく悲しかったし心をうたれました。
この作品は全3巻の中で一番感動しました。
話題になっているし、ちょっと読んでみようと思い、3巻を一気に読みました。
誰の人生も大事なんだと実感します。
是非読んでみることをお勧めします。
2007年3月22日に日本でレビュー済み
試しに1巻を買ってみて良かったので続けざまに買いました。1冊に2話で、じっくり物語が進むので良かったです。
読まれる年代によって評価が分かれる作品なんだなと思いました。
私が若かったら辛辣な評価をするのでしょうが、結構いろいろな経験をし、子育てをし、親を見送りしたなかで
『いのち』の大切さがほんの少し分かった世代以上には、ストレートに伝わってきて良い作品だと思いました。
Episode5「命の暴走」のような家庭は実際に存在するのでしょうし、Episode6「最愛の嘘」のようなことは、
実際には出来ないかも知れませんが、読んだ後ジーンときて、清々しくなる、後味の良い作品です。
読まれる年代によって評価が分かれる作品なんだなと思いました。
私が若かったら辛辣な評価をするのでしょうが、結構いろいろな経験をし、子育てをし、親を見送りしたなかで
『いのち』の大切さがほんの少し分かった世代以上には、ストレートに伝わってきて良い作品だと思いました。
Episode5「命の暴走」のような家庭は実際に存在するのでしょうし、Episode6「最愛の嘘」のようなことは、
実際には出来ないかも知れませんが、読んだ後ジーンときて、清々しくなる、後味の良い作品です。
2019年4月10日に日本でレビュー済み
現代の日本によく似た舞台ですが、生命の大切さを認識させるための1000人に1人の死亡予告が許された法律ってのはあまりにも制度の理由としては非現実的過ぎですね。
そしてそんな法律がまかり通る社会ならもっと別の国になるのではないかと思います。
反対派として意見を述べただけで殺されるってのはあまりにも雑な設定だし、やたらと「お国の為に死ぬ」とか宗教じみた思想が当たり前になってる一方で、いざイキガミが届けられると想定以上に落ち込む家庭が一般的になってるという矛盾。
しかも1000人に1人というかなりの確率で死ぬくせに、なぜか自分にはイキガミは届かないと思ってる人々とか・・・個人個人の確率の認識が明らかにおかしいです。
漫画の世界では法律は考えに考えて作ってあるように見えますが、配達員がイキガミを届けるという仕組みも普通は本人だけに伝わるような仕組みがあるはずなのに、不用心にも不在時には不在届けが投函され、挙げ句には不在票のタイトルに死亡予告と明記してある不用心さや、本人以外が対応しても死亡予告を宣告してしまう等、もうちょっと作者は考えて作って欲しかったです。
ハッキリ言って設定が雑すぎて非現実すぎるために何のドラマにもなってない漫画でした。
そしてそんな法律がまかり通る社会ならもっと別の国になるのではないかと思います。
反対派として意見を述べただけで殺されるってのはあまりにも雑な設定だし、やたらと「お国の為に死ぬ」とか宗教じみた思想が当たり前になってる一方で、いざイキガミが届けられると想定以上に落ち込む家庭が一般的になってるという矛盾。
しかも1000人に1人というかなりの確率で死ぬくせに、なぜか自分にはイキガミは届かないと思ってる人々とか・・・個人個人の確率の認識が明らかにおかしいです。
漫画の世界では法律は考えに考えて作ってあるように見えますが、配達員がイキガミを届けるという仕組みも普通は本人だけに伝わるような仕組みがあるはずなのに、不用心にも不在時には不在届けが投函され、挙げ句には不在票のタイトルに死亡予告と明記してある不用心さや、本人以外が対応しても死亡予告を宣告してしまう等、もうちょっと作者は考えて作って欲しかったです。
ハッキリ言って設定が雑すぎて非現実すぎるために何のドラマにもなってない漫画でした。
2008年6月11日に日本でレビュー済み
話としてはえんどコイチの「死神くん」と似ています。
死の宣告をされた人の行動を描いている点が全く同じです。
死の宣告という悲劇的な状況、死にいく人間の命懸けの行動、その周りの人々の感情、変化、対応を描いて読者を感動させる狙いもほぼ同じでしょう。
ですが、決定的な違いがあります。
それは「死神くん」の場合、あの世にいるという架空の存在である死神が、人間のいわゆる広い意味での「寿命」を宣告するのに対し、
「イキガミ」の場合は人間が人間に死の宣告をし、その人間を(生きている人間が命の大切さを感じるため?という名目のもとに)殺します。
死の宣告をされた人は、殺されることに抗えないまま、最後を迎えます。
何が言いたいかというと、「イキガミ」を読んで感動するためには、人間が人間に理不尽に殺される社会を肯定するか、その部分を「見て見ぬフリ」することが必要です。
そんな社会を肯定する常識人はあまりいないと思いますが、見て見ぬフリをする常識人はたくさんおられるでしょう。
というか今の世界情勢を見る限り、見て見ぬフリをするしかないことはたくさんあります。
「イキガミを読んで感動した」という人は、いろいろなことを”無意識に”「見て見ぬフリ」することができて、日々それを実践している人なのだと思います。
エンターテイメントとして、この「イキガミ」に人気があるという事実が少し怖いです。
死の宣告をされた人の行動を描いている点が全く同じです。
死の宣告という悲劇的な状況、死にいく人間の命懸けの行動、その周りの人々の感情、変化、対応を描いて読者を感動させる狙いもほぼ同じでしょう。
ですが、決定的な違いがあります。
それは「死神くん」の場合、あの世にいるという架空の存在である死神が、人間のいわゆる広い意味での「寿命」を宣告するのに対し、
「イキガミ」の場合は人間が人間に死の宣告をし、その人間を(生きている人間が命の大切さを感じるため?という名目のもとに)殺します。
死の宣告をされた人は、殺されることに抗えないまま、最後を迎えます。
何が言いたいかというと、「イキガミ」を読んで感動するためには、人間が人間に理不尽に殺される社会を肯定するか、その部分を「見て見ぬフリ」することが必要です。
そんな社会を肯定する常識人はあまりいないと思いますが、見て見ぬフリをする常識人はたくさんおられるでしょう。
というか今の世界情勢を見る限り、見て見ぬフリをするしかないことはたくさんあります。
「イキガミを読んで感動した」という人は、いろいろなことを”無意識に”「見て見ぬフリ」することができて、日々それを実践している人なのだと思います。
エンターテイメントとして、この「イキガミ」に人気があるという事実が少し怖いです。
2007年1月30日に日本でレビュー済み
普通に生活していた人が突然に24時間後に死ぬことを知らされる。知らされた者は人生最後の1日をどのようにすごすか。ある者は絶望しある者は暴走しある者は最後にできることを見出す。極限状況における人間の行動を描いた感動的な物語です。
ただし、感動するには設定の矛盾を気にしないことが条件です。
イキガミの社会には「国家繁栄維持法」(以降「国繁法」と略)という法律があります。これは特定の年代から毎年1000人中1人を選んで殺すというものです。しかも国繁法を批判する者は抹殺されます。
こんなとんでもない法律のある社会なのにそのほかは現実の日本社会とほぼ同じです。イキガミの社会は現実と同様に殺人がありイジメがあり詐欺がある社会です。選挙さえあります。国繁法という異様な法律が通る社会なのにそのほかの部分は日本社会と似過ぎています。
作中では国繁法の効果は「生命の価値を認識させ犯罪を減らし少子化を改善して国力増強を図る」と謳われています。しかし作中では逆に国繁法により犯罪が発生した例や生命の価値を否定された例が記述されてます。
国繁法の批判者を始末するシステムは完備しているのに、そのほかの犯罪や国繁法により発生する犯罪の抑止はされてません。
国繁法に殺される人物だけに注目する限りは、それなりに感動的な物語です。
設定の矛盾に気付いてしまうと、理不尽な法律により人が無意味に殺される物語になります。
ただし、感動するには設定の矛盾を気にしないことが条件です。
イキガミの社会には「国家繁栄維持法」(以降「国繁法」と略)という法律があります。これは特定の年代から毎年1000人中1人を選んで殺すというものです。しかも国繁法を批判する者は抹殺されます。
こんなとんでもない法律のある社会なのにそのほかは現実の日本社会とほぼ同じです。イキガミの社会は現実と同様に殺人がありイジメがあり詐欺がある社会です。選挙さえあります。国繁法という異様な法律が通る社会なのにそのほかの部分は日本社会と似過ぎています。
作中では国繁法の効果は「生命の価値を認識させ犯罪を減らし少子化を改善して国力増強を図る」と謳われています。しかし作中では逆に国繁法により犯罪が発生した例や生命の価値を否定された例が記述されてます。
国繁法の批判者を始末するシステムは完備しているのに、そのほかの犯罪や国繁法により発生する犯罪の抑止はされてません。
国繁法に殺される人物だけに注目する限りは、それなりに感動的な物語です。
設定の矛盾に気付いてしまうと、理不尽な法律により人が無意味に殺される物語になります。