3巻のラスト、氷柱が黒崎と桂木の関係を掴み黒崎に言う台詞が胸に突き
刺さる。そしてこの台詞こそが「クロサギ」と言う物語の真髄だ。
法にも社会にも裏切られた男。その男がたった一人で挑もうとしている途方
も無く巨大で、闇の中にある現実という壁。
方法は違えど同じ壁に挑もうとしている氷柱はその現実の壁に完膚なきまで
に叩きのめされ、自分の無力さを痛感する。
この話のもう1人の主人公は紛れも無く氷柱である。
一見、殺人や強盗とはとは違い直接的な暴力が伴わず、知能犯罪であり被害
者にも落ち度があったのでは?と思わせる詐欺は、実は最も立証が困難で、
人間の信頼関係そのものを完全に破壊し、深い哀しみとやり場のない怒りを
内包する犯罪であることを思い知らせるものである。
人と人とのつながりが最も大切なものであるからこそ、そこに付け込む犯罪
こそが最悪であることをこのコミックスは教えてくれる。
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クロサギ (3) (ヤングサンデーコミックス) コミック – 2004/10/5
▼第22~24話/資格詐欺(前・中・後編)▼第25~29話/結婚詐欺(I~V)▼第30~32話/バイト詐欺(前・中・後編)▼シロサギ・データ・ファイル●主な登場人物/黒崎(人を騙し金銭を巻き上げる詐欺師の一種"シロサギ"のみを標的にする詐欺師。通称"クロサギ")、桂木敏夫(詐欺師を裏で操る大物フィクサー。普段は「スナック桂」のマスター)、吉川氷柱(よしかわつらら。政和大学法学部に通う検事志望の大学生。友人が詐欺被害に遭った際に黒崎と関わり、現在は黒崎が大家を務めるアパートに住んでいる)●あらすじ/同業者の仁義を破ったシロサギ・三田村にケジメをつけてほしいと頼まれた桂木。話を聞きつけた黒崎は、さっそく三田村潰しを買って出て調査を開始する。役に立たない資格をエサに金を騙し取る"講座屋"の三田村と、資格を取ったカモにクズ物件を売りつける"開業屋"の岸が手を染める、一連の「資格詐欺」の手口とは? 黒崎は、最終標的を岸にさだめて作戦を練るのだが…(第22話)。●本巻の特徴/結婚をちらつかせ、起業に絡む多額の出資金をも巻き上げる結婚詐欺師・羽田美咲。人気のある地名の自動車ナンバーを取るためのバイトと偽ってカモを騙す名義貸し詐欺師・柴田厚。黒崎と彼らとの対決に並行して、「スナック桂」の存在を知った氷柱が、黒崎と桂木の関係を追及するエピソードも描かれる。●その他の登場人物/三田村(資格詐欺専門のシロサギ。資格詐欺の第一段階を担う通称"講座屋")、岸(不動産を扱うシロサギ。多くのシロサギが連なって金を騙し取る資格詐欺の中にあり、最大の利益を得る通称"開業屋")、羽田美咲(男を騙す手練に長けた結婚詐欺師[=アカサギ]。しかし、その最終目標は会社設立等に絡む資金詐欺にあるため、シロサギとしての一面も併せ持つ)、柴田厚(テセロ自動車代表取締役。その裏で、高額バイトとみせかけた名義貸し詐欺に手を染めるシロサギ)
- 本の長さ201ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2004/10/5
- ISBN-104091531431
- ISBN-13978-4091531438
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2004/10/5)
- 発売日 : 2004/10/5
- 言語 : 日本語
- コミック : 201ページ
- ISBN-10 : 4091531431
- ISBN-13 : 978-4091531438
- Amazon 売れ筋ランキング: - 307,068位コミック
- カスタマーレビュー:
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2015年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
恐いですね。騙されない自信があっても
お金の誘惑に負けて騙される人間の欲は
もっと恐いです
お金の誘惑に負けて騙される人間の欲は
もっと恐いです
2007年9月29日に日本でレビュー済み
黒崎のターゲットは初のアカサギ(結婚詐欺師)。
女性相手にやりにくそうな黒崎だが...
一方、氷柱は、偶然にもスナック「桂」のマスターと知り合いに...
闇の世界に踏み込みすぎる氷柱の身を案じて、黒崎は氷柱を遠ざける。
やっと解り合えた二人に別れが...
女性相手にやりにくそうな黒崎だが...
一方、氷柱は、偶然にもスナック「桂」のマスターと知り合いに...
闇の世界に踏み込みすぎる氷柱の身を案じて、黒崎は氷柱を遠ざける。
やっと解り合えた二人に別れが...
2004年10月6日に日本でレビュー済み
詐欺にも三種、素人を騙す白鷺、異性を弄ぶ赤鷺、そしてその白鷺と赤鷺のみを喰らう黒鷺とあるという。そしてその黒鷺を描いたのが本作品。
詐欺師を題材にここまで深く掘り下げた点は目新しい。1巻~2巻はその斬新さで読み進んだ。しかし3巻までくると、キャラクターの造形とドラマ展開に平凡さを感じてしまうのも事実。これまで扱われなかった赤鷺も登場したりと読みどころもあるにはあるが、正直やや弱い。これからの展開次第では『ギャラリーフェイク』や『MASTER キートン』のような分野別知識漫画にもなりうるとも思うが、それにはやはりキャラの立ちがイマイチだ。ここまで綿密に詐欺そのものを扱っている点は評価できるが、大筋のストーリーにもうひとつ爆発力が欲しい。あと、そろそろオレオレ詐欺も料理して下さい。
詐欺師を題材にここまで深く掘り下げた点は目新しい。1巻~2巻はその斬新さで読み進んだ。しかし3巻までくると、キャラクターの造形とドラマ展開に平凡さを感じてしまうのも事実。これまで扱われなかった赤鷺も登場したりと読みどころもあるにはあるが、正直やや弱い。これからの展開次第では『ギャラリーフェイク』や『MASTER キートン』のような分野別知識漫画にもなりうるとも思うが、それにはやはりキャラの立ちがイマイチだ。ここまで綿密に詐欺そのものを扱っている点は評価できるが、大筋のストーリーにもうひとつ爆発力が欲しい。あと、そろそろオレオレ詐欺も料理して下さい。
2005年11月1日に日本でレビュー済み
世の中は人間と人間によってつくられている。
だから人と人は信じ合わなくていけない。
この本ではあたかも社会には詐欺師が溢れているかのように書いてある。そして、安易に人を信じてはいけない、という風に書かれてある。
…が、それは間違いである。
現代は情報社会であり、より多くの情報を人から求めなくてはいけない。そして多くの情報を掴み取るためには、より多くの人を信頼を得なければならない。
信頼される人とはどういう人か?
それは自分を信頼してくれる人間のことである。人は自分を信じてくれる人ほど信じたくなるものだ。
だから人は信頼しなくてはいけない。他人を安易に疑ってはいけないのである。
このような本は社会間に不信感ばかりを募らせる悪書だと思う。
だから人と人は信じ合わなくていけない。
この本ではあたかも社会には詐欺師が溢れているかのように書いてある。そして、安易に人を信じてはいけない、という風に書かれてある。
…が、それは間違いである。
現代は情報社会であり、より多くの情報を人から求めなくてはいけない。そして多くの情報を掴み取るためには、より多くの人を信頼を得なければならない。
信頼される人とはどういう人か?
それは自分を信頼してくれる人間のことである。人は自分を信じてくれる人ほど信じたくなるものだ。
だから人は信頼しなくてはいけない。他人を安易に疑ってはいけないのである。
このような本は社会間に不信感ばかりを募らせる悪書だと思う。