この巻には二院制の脳（「二分心」（Bicameral mind））の人間が二人でてくる。
おそらく、この作者は養老孟司さんが毎日新聞（4月17日）で書評をした「神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡」(ジュリアン ジェインズ (著), Julian Jaynes (原著), 柴田 裕之 (翻訳),紀伊國屋書店 ; ISBN: 4314009780 ; (2005/04)）からヒントを得てこの巻を書かれたのではないでしょうか？
トロイとの戦争の最中に「女神○○がいうから、もうギリシアへ帰る」という。ギリシア叙事詩に「イリアス」があるが、この巻のある人物が最初、ギリシア語を話しているにはそういった理由があったのだ。
この本を読んで初めて、そうした謎が解ける。彼らは「意識」を持っていなかったのだ。彼らは<二分心＞の持ち主で右脳に囁かれる神々の声に従って行動していたのだ。人類に意識が芽生えたのは、じつは今から３０００年前のことにすぎないという。
「新暗行御史」の読者の皆様は「神々の沈黙」をお勧めします。ぜひ呼んでみてください。
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