私もそう思います。
悲惨で陰惨な恐怖政治時代を生き抜き、精一杯自分のなすべきことを貫いた数多の登場人物たちに
拍手を送りたい…敗者はとかく悪者に仕立て上げられてしまう歴史書の常だけど、きっとドジ江先生は
ジャコバンの人たちの無念を払拭してくれたのだと思いました。レオンが人生の最後の瞬間に観たものが美しいものだったことが、ちょっぴり救われる思いがしました。
過酷な運命にさらされた人々…胸が詰る思いでしたが、爽やかな終わり方の物語でしたね。
処刑の場面も何回もリアルに描かれてるのにも関わらず、やっぱりドジ江先生の描く作品はお日様のように明るくて素敵です。
森園みるくさんの「令嬢テレジア」と合わせ読むと、それぞれのヒロインの生き方が面白いです。ふたりとも聖女と呼ばれるに相応しい稀有なヒロインですが、人に尽くす仕事の手段が対照的で面白いです。
ジャコバンに敵対する側から描かれているものとジロンド派からの視点で読ませるものとは
同じ人物の描かれ方も対照的で、どちらが悪でどちらの政権が正しかったのか…などとはとても
安直に判断してはいけないものだな、と痛感しました。
フランス革命は知れば知るほど複雑で一筋縄ではいかない…難しくて魅力的な題材なのですね。
文庫版のほうは、大幅加筆があるとのことなので、是非文庫もご一読をお勧めします。
ドジ江先生の昔の作品でフランス革命に関わる短編があります。「花ざかりのロマンス」こちらもお勧めです。
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杖と翼 6 (プチフラワーコミックス) コミック – 2005/4/25
木原 敏江
(著)
- 本の長さ236ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2005/4/25
- ISBN-104091720099
- ISBN-13978-4091720092
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2005/4/25)
- 発売日 : 2005/4/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 236ページ
- ISBN-10 : 4091720099
- ISBN-13 : 978-4091720092
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2010年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品を読むにあたり、文庫版にしようか悩みました。
もしかして老眼?の私の場合はこちらで大正解!
さて、私が木原敏江の作品を最後に読んだのはおよそ20年前。
そのため、最初は画風の変化に戸惑い、同じ作者が描いているとは思えませんでした!
が、1巻にはまだ往年の画風の片鱗が残っていたこと、またギャグシーンや作者本人の似顔絵はそのままだったので、読み進むうちにそれほど違和感なく、一気に6巻まで(ついでに外伝1巻まで)読み切ってしまいました。
内容は秀逸です!
6巻ではついに、主要な登場人物の一人にまで残酷な運命が襲いかかるのですが、
そのエピソードすらも、人間の気高さ、切なさ、たくましさ…要するに、人間がどんな状況にあろうとも「筋を通して生きること」の素晴らしさを謳っているようにも思えました。
また私としては、この作品の結末は大団円だと思っています。
私は当初この作品を、『ベルばら』と『栄光のナポレオン』という、フランス大革命周辺の時代を扱った池田理代子の作品の、空白の時代を補完する物語の一つとしてとらえました。
確かに、扱っている時代をみるならばそうかもしれませんが、やはりいくら親しい間柄でも作者同士は全くの別人、これはこれとして鑑賞すべきだと反省しました。
「逃がし屋」…今度は『紅はこべ』を読んでみたくなりました。
もしかして老眼?の私の場合はこちらで大正解!
さて、私が木原敏江の作品を最後に読んだのはおよそ20年前。
そのため、最初は画風の変化に戸惑い、同じ作者が描いているとは思えませんでした!
が、1巻にはまだ往年の画風の片鱗が残っていたこと、またギャグシーンや作者本人の似顔絵はそのままだったので、読み進むうちにそれほど違和感なく、一気に6巻まで(ついでに外伝1巻まで)読み切ってしまいました。
内容は秀逸です!
6巻ではついに、主要な登場人物の一人にまで残酷な運命が襲いかかるのですが、
そのエピソードすらも、人間の気高さ、切なさ、たくましさ…要するに、人間がどんな状況にあろうとも「筋を通して生きること」の素晴らしさを謳っているようにも思えました。
また私としては、この作品の結末は大団円だと思っています。
私は当初この作品を、『ベルばら』と『栄光のナポレオン』という、フランス大革命周辺の時代を扱った池田理代子の作品の、空白の時代を補完する物語の一つとしてとらえました。
確かに、扱っている時代をみるならばそうかもしれませんが、やはりいくら親しい間柄でも作者同士は全くの別人、これはこれとして鑑賞すべきだと反省しました。
「逃がし屋」…今度は『紅はこべ』を読んでみたくなりました。
2011年9月4日に日本でレビュー済み
みなさまのレビューを拝読して、つくづく共感です。ドジさまの作品は「どうしたのデイジー」や「エメラルドの海賊」のころから「銀河荘なの!」、「ロマンスシリーズ」、その後のアンジェリク、夢の碑…思い出はつきません。読み始めたのは中学生でしたが、毎週、毎月の漫画の発売日が楽しみでした。
ドジさまの作品の中に、常に「よりよく生きる」「生命の輝き」というテーマをずっと感じてきました。どれほど悲惨な状況下におかれても、人間は魂の尊厳を失うことなく、他者への深い愛情をもって、常に上を向いて生きる、それが人生のひとつの目的であることを、ドジさまの作品からいつも気付かされます。
今回久しぶりにこの作品の文庫版も合わせて読ませて頂きました。年月とともに更にパワーアップされて、「がむしゃらに生き抜くこと」というテーマに取り組まれるお姿にしびれました。革命期のフランスというドラマチックな時代設定ですが、史実のみにとらわれず、全く独自の世界を描ききっておられます。アデルたちの生きたパリで、あたかも私自身も生きているかのような錯覚を覚えました。
ときにドジさまの作品には、持て余すほどの才能や美しさがあだになり、人が踏み込んではならない世界に、自分から(あるいはやむなく)入り込んで破滅に向かう人々も、登場します。破滅に向かうことを予感しつつ、なおその道を突き進む人々を描きながら、ドジさまはそれらの人々へも深い愛情を注いでおられるように思います。「天才」でも人間である以上は不完全な存在である、その認識を忘れてはいけないことも、いつも教えられるのです。
杖と翼というタイトルは端的ですが、人は翼を持って空高く飛べるのか、あるいは地面を這うように杖をついて一歩一歩前に進むのか、哲学にも似た深遠な境地の作品だと思います。
アデルの光り輝くような生気あふれる姿が、すべての人々の癒しとして描かれているのも、大きな救いです。アデルは、アンジェリクとも少し重なる部分があり、ドジさまが描くヒロインたちの、強さ、明るさ、慈愛にみちた生き方は、「エメラルドの海賊」のヒロインのころから、常に進化し続けていると思います。
「ラ・ティフォン(女台風)」とアデルに呼びかけるリュウにも、ぐっときました。
ドジさまの作品の中に、常に「よりよく生きる」「生命の輝き」というテーマをずっと感じてきました。どれほど悲惨な状況下におかれても、人間は魂の尊厳を失うことなく、他者への深い愛情をもって、常に上を向いて生きる、それが人生のひとつの目的であることを、ドジさまの作品からいつも気付かされます。
今回久しぶりにこの作品の文庫版も合わせて読ませて頂きました。年月とともに更にパワーアップされて、「がむしゃらに生き抜くこと」というテーマに取り組まれるお姿にしびれました。革命期のフランスというドラマチックな時代設定ですが、史実のみにとらわれず、全く独自の世界を描ききっておられます。アデルたちの生きたパリで、あたかも私自身も生きているかのような錯覚を覚えました。
ときにドジさまの作品には、持て余すほどの才能や美しさがあだになり、人が踏み込んではならない世界に、自分から(あるいはやむなく)入り込んで破滅に向かう人々も、登場します。破滅に向かうことを予感しつつ、なおその道を突き進む人々を描きながら、ドジさまはそれらの人々へも深い愛情を注いでおられるように思います。「天才」でも人間である以上は不完全な存在である、その認識を忘れてはいけないことも、いつも教えられるのです。
杖と翼というタイトルは端的ですが、人は翼を持って空高く飛べるのか、あるいは地面を這うように杖をついて一歩一歩前に進むのか、哲学にも似た深遠な境地の作品だと思います。
アデルの光り輝くような生気あふれる姿が、すべての人々の癒しとして描かれているのも、大きな救いです。アデルは、アンジェリクとも少し重なる部分があり、ドジさまが描くヒロインたちの、強さ、明るさ、慈愛にみちた生き方は、「エメラルドの海賊」のヒロインのころから、常に進化し続けていると思います。
「ラ・ティフォン(女台風)」とアデルに呼びかけるリュウにも、ぐっときました。