最初読んだ印象が、とても四巻とは思えない濃度だなあと。
西遊記のモデルになった玄奘は実はひとりで取経に出たのではなく、兄の通訳として随行していた、という設定が面白かった。マルコポーロの旅もそうだけど、あれほどの旅をひとりでしたとは思えないもので、妙に納得してしまいました。
旅の途中通り過ぎていく国、宗教、人々、、、その中で目にする国家や宗教の興亡、宗教とはなんなのかという問い。取経自体がどれほどの意味があるのかという葛藤。
旅も目標の天竺にたどり着いておしまい、ではなく、その天竺さえも宗教や政治の問題を抱えている、という設定もよく、ハルシャ・ヴァルダナとの対決?もけっこう好きした。
いろいろな読み方ができるのでしょうが、玄奘の人間的成長、ハザクとの友情の描写が一番好きです。ハザク以外の脇キャラでは東天竺の王子がお気に入り。
諏訪さんの、ものごとを正面から見据える姿勢やおおらかな優しさを一番感じる作品だと思ってます。
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玄奘西域記(げんじょう さいいきき) (1) (プチフラワーコミックス) コミック – 1992/2/20
諏訪 緑
(著)
<ご注意>希少本ですので、「在庫あり」でご注文できる場合、装丁等汚れていることがありますことをご了承ください。在庫がかなり少ないため、交換等も難しくなります。
- 本の長さ211ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日1992/2/20
- ISBN-10409172132X
- ISBN-13978-4091721327
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商品の説明
出版社からのコメント
天竺への西天取経を成し遂げた玄奘。当初、彼は兄・長捷の通訳兼護衛だった。そのうちに…!? 人気の歴史ファンタジー。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (1992/2/20)
- 発売日 : 1992/2/20
- 言語 : 日本語
- コミック : 211ページ
- ISBN-10 : 409172132X
- ISBN-13 : 978-4091721327
- Amazon 売れ筋ランキング: - 429,828位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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1984年~「バラモンの塔」でプチフラワー誌でデビュー
代表作は「紀信」「玄奘西域記」「諸葛孔明 時の地平線」「うつほ草紙」「サンソウの仮面」「西王母」
「ひすいの国」「西の国の物語」「砂漠の花の物語」/小学館
「三蔵法師の大唐見聞録 全3巻」/朝日新聞出版社
「パピルスは神」/ハーパーコリンズ社
「諏訪緑ファンタジー短編集1 紀信」
「諏訪緑ファンタジー短編集2 ネフェルティティの胸像」/復刊ドットコム
「あんこちゃんシリーズ」「おさかなちゃんシリーズ」/はちどり
2020年「あっちゃんとリカの日誌」/別冊ハーレクインで連載中
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年9月29日に日本でレビュー済み
『西遊記』でお馴染みの三蔵法師玄奘を主人公とした漫画ですが、史実の玄奘をモデルとしているため、妖怪変化との激闘などは一切ありません。玄奘の性格もまた独特です。『西遊記』ではヘタレ男の代名詞のような玄奘ですが、こちらは体力はあるし、短気だし喧嘩は滅法強いし、髪は生えてるし(笑)で、あなたホントに僧ですか?という感じです。
個人的には第一話の「高昌国」が一番好きです。ここの王様がとても素敵なのです。きれいで優美で気高くて。シルクロードの国の豊かさと、大国に挟まれた小国の悲哀がよく描かれていたと思います。けれど高昌国王に好感をもった分、唐の太宗がケダモノに見えてきました。征服欲旺盛な皇帝の前では、どんな手を打とうと小国の命運など風前の灯なのです。
この作品は、玄奘を通して「人と宗教と国家」という大変難しいテーマに取り組んでおり、哲学的なセリフが出てきたりもしますが、個性的な登場人物たちのおかげで、さほど難解ではありません。史実通り、玄奘とハルシャ王との会見も描かれており、非常に読み応えのある作品となっています。
個人的には第一話の「高昌国」が一番好きです。ここの王様がとても素敵なのです。きれいで優美で気高くて。シルクロードの国の豊かさと、大国に挟まれた小国の悲哀がよく描かれていたと思います。けれど高昌国王に好感をもった分、唐の太宗がケダモノに見えてきました。征服欲旺盛な皇帝の前では、どんな手を打とうと小国の命運など風前の灯なのです。
この作品は、玄奘を通して「人と宗教と国家」という大変難しいテーマに取り組んでおり、哲学的なセリフが出てきたりもしますが、個性的な登場人物たちのおかげで、さほど難解ではありません。史実通り、玄奘とハルシャ王との会見も描かれており、非常に読み応えのある作品となっています。
2007年6月7日に日本でレビュー済み
この本の著者の諏訪緑さんは、諸葛孔明を主人公にした最近の作品でだいぶ知られるようになったが、魅力的な作品が多く、もっと注目されてもいいんじゃないだろうか。なかでも、『玄奘西域記』はすばらしい。
入った食堂にたまたま『プチフラワー』という少女マンガ雑誌が置いてあって、パラパラとながめていたら、当時連載中だったこの作品に、つい引き込まれてしまった。その号には、確かほかに佐藤史生さんの「鬼追うもの」とか載っていて、初期の『LaLa』を思わせるような(「日出処の天子」などが毎月楽しみだった)読みごたえのあるマンガが並んでいた。
『玄奘西域記』は、三蔵法師として知られる玄奘の西天取経(インドから仏教経典を持ち帰ること)を話の骨格にしているのだが、玄奘が長髪であったり、最初はお兄さんの通訳として同行していたなど、よく知られている『西遊記』のイメージとは異なる設定もオモシロイ。
長捷という兄は実在していたようで、このお兄さんがまたイイ感じなのだ。
コメディタッチの部分もあるのだが、深く考えさせられる話や、感動的なシーンに満ちている。原始仏教から密教へといたる仏教の流れの本質のようなものも、プラジュニャーカラという登場人物とのカラミで、感覚的に理解できるような気さえする(別にコムズカシイ話が出てくるわけではないし、だからこそ腑に落ちるのかもしれない)。
ハルシャ王と玄奘の対峙も見もの。少女マンガらしいハザクと玄奘のやりとりもほほえましい。
一番の感動シーンはネタバレになるので書けないが、読んだ人なら誰でも思い浮かぶはず。
入った食堂にたまたま『プチフラワー』という少女マンガ雑誌が置いてあって、パラパラとながめていたら、当時連載中だったこの作品に、つい引き込まれてしまった。その号には、確かほかに佐藤史生さんの「鬼追うもの」とか載っていて、初期の『LaLa』を思わせるような(「日出処の天子」などが毎月楽しみだった)読みごたえのあるマンガが並んでいた。
『玄奘西域記』は、三蔵法師として知られる玄奘の西天取経(インドから仏教経典を持ち帰ること)を話の骨格にしているのだが、玄奘が長髪であったり、最初はお兄さんの通訳として同行していたなど、よく知られている『西遊記』のイメージとは異なる設定もオモシロイ。
長捷という兄は実在していたようで、このお兄さんがまたイイ感じなのだ。
コメディタッチの部分もあるのだが、深く考えさせられる話や、感動的なシーンに満ちている。原始仏教から密教へといたる仏教の流れの本質のようなものも、プラジュニャーカラという登場人物とのカラミで、感覚的に理解できるような気さえする(別にコムズカシイ話が出てくるわけではないし、だからこそ腑に落ちるのかもしれない)。
ハルシャ王と玄奘の対峙も見もの。少女マンガらしいハザクと玄奘のやりとりもほほえましい。
一番の感動シーンはネタバレになるので書けないが、読んだ人なら誰でも思い浮かぶはず。
2008年6月22日に日本でレビュー済み
諏訪緑は決して絵はうまくないが、物事の本質を捉え、エンターテイメントとして成立させているというか、実直に、ちょうど「ハチクロ」のよーに、青春の恥ずかしさ、として若き玄奘の、青臭い正義感を中心にすえつつ、決してあざ笑っても、斜に構えているのでもない。
作者はまっすぐに問う。宗教とは。正義とは。罪とは。人間の無力さとは。
今こそ読まれるべき、ブッシュや小泉(それを無批判に熱狂した連中)に読んで欲しい内容だ。ま、彼らが人語を解するならの話。
漢民族は草原の民をそしるが、土地を荒廃させたのは稲作をし、勝手な所有の線引きをした漢民族こそ野蛮だ、というエピソードや、拝火教教主の腐敗への深い嘆きは示唆に富んでいる。
作者はまっすぐに問う。宗教とは。正義とは。罪とは。人間の無力さとは。
今こそ読まれるべき、ブッシュや小泉(それを無批判に熱狂した連中)に読んで欲しい内容だ。ま、彼らが人語を解するならの話。
漢民族は草原の民をそしるが、土地を荒廃させたのは稲作をし、勝手な所有の線引きをした漢民族こそ野蛮だ、というエピソードや、拝火教教主の腐敗への深い嘆きは示唆に富んでいる。
2008年6月24日に日本でレビュー済み
昔、ほれこんだ作品だ。今は残念ながら手元にないので、記憶で書く。
もちろんテーマは「宗教とは何か」であり、かなり詳しくお調べになって書かれたようで、突厥の内情やら、サマルカンドの衰退しつつある拝火教、天竺国内の為政者等とのかかわりもしっかりと描かれている。当時新興宗教だったイスラム教がどのように受け入れられたのかなども、実に興味深い。私は、玄奘が師匠に「宗教とは必要なものでしょうか」と問い掛ける回をたまたま雑誌で見つけ、はまったのだが、少女誌にしては理屈っぽいものを載せてるなと妙な感心をしたのを覚えている。
まあでも、難しいことはさておいても、途中から一緒に旅をする突厥の王子様ハザクとの友情物語として読んでも構わないし、玄奘自身がとても魅力的に書いてあるので、読みにくいことはないと思う。
個人的には、ハルシャバルダナ王のファンだった。玄奘に「注意を怠ると宗教は政治に利用される」と、少々意地の悪い方法で教えてくれた人。平山郁夫画伯の素描に彼そっくりの顔を見つけたときは、ちょっとニヤリとしてしまった。
もちろんテーマは「宗教とは何か」であり、かなり詳しくお調べになって書かれたようで、突厥の内情やら、サマルカンドの衰退しつつある拝火教、天竺国内の為政者等とのかかわりもしっかりと描かれている。当時新興宗教だったイスラム教がどのように受け入れられたのかなども、実に興味深い。私は、玄奘が師匠に「宗教とは必要なものでしょうか」と問い掛ける回をたまたま雑誌で見つけ、はまったのだが、少女誌にしては理屈っぽいものを載せてるなと妙な感心をしたのを覚えている。
まあでも、難しいことはさておいても、途中から一緒に旅をする突厥の王子様ハザクとの友情物語として読んでも構わないし、玄奘自身がとても魅力的に書いてあるので、読みにくいことはないと思う。
個人的には、ハルシャバルダナ王のファンだった。玄奘に「注意を怠ると宗教は政治に利用される」と、少々意地の悪い方法で教えてくれた人。平山郁夫画伯の素描に彼そっくりの顔を見つけたときは、ちょっとニヤリとしてしまった。