原作の、人間は誰も自分を完全に理解してくれる人間が居ないがゆえに孤独、
という主題を、大胆な脚色を加えて漫画化した作品。
原作では、一人称で書かれているがゆえに読者もなかなか客観視できなかった、
「先生(私)」「K」「お嬢さん(静)」の3者のすれ違いが、
漫画という第三者の視点で見るメディアによって、もどかしいほど明らかになってしまう。
「宜ござんす、差し上げましょう」の名せりふが聞けなかったのは残念だが、
「先生」が「お嬢さん」を獲得し、破局へ向かう過程も現代風のアレンジがなされている。
これを読んだ後で改めて原作を読めば、かなり理解が早いに違いない。
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こころ (ビッグコミックススペシャル) コミック – 2005/5/14
- 本の長さ193ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2005/5/14
- ISBN-104091848168
- ISBN-13978-4091848161
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2005/5/14)
- 発売日 : 2005/5/14
- 言語 : 日本語
- コミック : 193ページ
- ISBN-10 : 4091848168
- ISBN-13 : 978-4091848161
- Amazon 売れ筋ランキング: - 400,085位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1867-1916)1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。
帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表し大評判となる。
翌年には『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年5月29日に日本でレビュー済み
凄い、と思いました。
作品背景を現代に置き換えたことにより、
キャラクターの表情を描写したことにより、
そして、キーポイントの文章はきちんと残すことにより、
原作が伝えたいことが、
まっすぐに読者のこころに突き刺さる。
夏目漱石は、あまりにも有名すぎて、読まなくてはいけない気にさせられ、自分の考えが深くない時期に無理に読んでしまうことが多そうな作家だと思う。
「こころ」は、自分を見つめた経験のない時期に読んでも、難解なだけで本質をつかむことが難しい作品に思われる。
しかし、現代に時代を移した漫画化により
読者は作中人物と同一化し、
深遠なこの世界にどっぷりと浸ることが可能となる。
榎本ナリコさん
ありがとうございます!
作品背景を現代に置き換えたことにより、
キャラクターの表情を描写したことにより、
そして、キーポイントの文章はきちんと残すことにより、
原作が伝えたいことが、
まっすぐに読者のこころに突き刺さる。
夏目漱石は、あまりにも有名すぎて、読まなくてはいけない気にさせられ、自分の考えが深くない時期に無理に読んでしまうことが多そうな作家だと思う。
「こころ」は、自分を見つめた経験のない時期に読んでも、難解なだけで本質をつかむことが難しい作品に思われる。
しかし、現代に時代を移した漫画化により
読者は作中人物と同一化し、
深遠なこの世界にどっぷりと浸ることが可能となる。
榎本ナリコさん
ありがとうございます!
2015年8月28日に日本でレビュー済み
今から約11年前『ビッグコミックスピリッツ』に連載されていた、現代版『こころ』。夏目漱石の『こころ』はすでに高校時代に読んでいたり、高校の国語の教科書にも載っていたので、話自体は知ってましたが、現代版『こころ』も面白く、連載中楽しみにしていました。単行本化されて早速購入し、今でもときたま読み返しています。現代に置き換えてのアレンジや、先生が静子と結婚せずに別れてしまったことなど原作とは違う部分もありましたし、そのあたりに賛否両論はあるかと思いますが、原作のエッセンスが生かされていると思いました。いつの間にか絶版みたいで残念です。復刊するといいのに…。
2005年5月17日に日本でレビュー済み
夏目漱石の代表作「こころ」を榎本ナリコが現代に置き換えた作品。
原作の持つ不条理感ややりきれなさはそのままに、「センチメント」の榎本さんが丹念に物語をつづっていきます。
決して単純明快な内容ではなく、読後感は漱石そのまま。
切なくて、胸の中にいつまでも重く残る話です。このコラボは大正解じゃないでしょうか。
原作の持つ不条理感ややりきれなさはそのままに、「センチメント」の榎本さんが丹念に物語をつづっていきます。
決して単純明快な内容ではなく、読後感は漱石そのまま。
切なくて、胸の中にいつまでも重く残る話です。このコラボは大正解じゃないでしょうか。
2006年10月28日に日本でレビュー済み
夏目漱石という作家が好きだ。原作者が他界している現在において、原作者の了承を得ずに現代風に漫画化させた「こころ」はどうかと思う。
文学作品は文学作品で独立していると思う。また夏目漱石は夏目漱石で独立した人間であると思う。
作品の解釈というのは人それぞれどこに重点を置くかでずいぶん違い、特に文学は漫画に比べてその差が大きい。
特定の解釈や演出を加え、本作と結びつけることでそこから本作に対する誤解偏見が生まれることだろう。もってこのようなことをすることで本作の魅力が薄れることにもつながるだろう。と思う。
タイトルを「こころ」にせずせめてオマージュで留めてほしかった。これでは便乗だ。
ハリー・ポッターの映画化には反対でなくとも、夏目漱石の漫画化にははなはだ反対。
全くつまらなくさせられてしまう。
文学作品は文学作品で独立していると思う。また夏目漱石は夏目漱石で独立した人間であると思う。
作品の解釈というのは人それぞれどこに重点を置くかでずいぶん違い、特に文学は漫画に比べてその差が大きい。
特定の解釈や演出を加え、本作と結びつけることでそこから本作に対する誤解偏見が生まれることだろう。もってこのようなことをすることで本作の魅力が薄れることにもつながるだろう。と思う。
タイトルを「こころ」にせずせめてオマージュで留めてほしかった。これでは便乗だ。
ハリー・ポッターの映画化には反対でなくとも、夏目漱石の漫画化にははなはだ反対。
全くつまらなくさせられてしまう。
2007年7月27日に日本でレビュー済み
やっぱりこころは明治時代だから成り立つ話なのだと思いました。
現代に、特にKを持ってくるとなんだかなーという感じでした。
先生もこの漫画では静子と別れるし、本の内容を一冊々々覚えているというのもなんだか不自然で、
漱石ならそうはしないかなと。
なのでそこら辺の空気はぜひ原作も読んで感じてもらいたいです。
静ちゃんがとてもかわいくてたまらなかったので星は3つ。
現代に、特にKを持ってくるとなんだかなーという感じでした。
先生もこの漫画では静子と別れるし、本の内容を一冊々々覚えているというのもなんだか不自然で、
漱石ならそうはしないかなと。
なのでそこら辺の空気はぜひ原作も読んで感じてもらいたいです。
静ちゃんがとてもかわいくてたまらなかったので星は3つ。
2006年1月16日に日本でレビュー済み
人間のエゴイズムを描いた、名作中の名作「こころ」を榎本ナリコの手によって、漫画という形で見事に描かれている。活字ではなく、漫画であることによって、鳥肌の立つシーンを見ることができたと思う。そして、あらためて夏目漱石の凄さを思い知らされた。
2012年2月25日に日本でレビュー済み
私がレビューするのは「夏目漱石×榎本ナリコ」のコミックです。 (↑他の夏目漱石の「こころ」作品とレビューがまとめられているので)。 原作を知らずに初見がコミックでした。 コミックでも私には小難しい話でしたが、これを読んでから原作を読んでみたい気持ちにはなりました。 文学への入り口・きっかけとしてはとても良いものだと思います(少なくとも、いきなり夏目漱石の原作から読み始めようと思いはしなかったので)。 コミックにするにあたり、どれだけ読みやすくまとめ上げたのか、原作をどれだけ忠実に再現しているのかを(←現代語解釈ですが)原作も読んでみたくなる素晴らしい作品だと思います。