猛烈なサラリーマンは高度成長期の日本人を表す言葉でした。
その中の代表格が商社マンです。
世界中を転々と渡り歩き、危ない場所や人間とも接触します。
外交官よりも情報を持っていると言われました。
そして、企業文化の象徴ともいえる組織でした。
その後、商社を扱う小説は出版されましたが、マンガのテーマとは思えませんでした。
それを見事に描いた作品です。凄い。人物描写が特に凄いですね。
山崎豊子の『沈まぬ太陽』に匹敵するのではないでしょうか。
彼らが作った経済大国は、反面、公害と父親のいない家庭をつくりました。
それが現代を生み出している重要な要素であるのは間違いないと思います。
チビで眼鏡でコンプレックスの塊が外国でもがきながらも周りの人間をひきつけたあの時代。
手塚先生は戦後の日本人の典型を残されたと思います。
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グリンゴ VOLUME1 (小学館文庫 てA 8) 文庫 – 1996/12/1
手塚 治虫
(著)
▼序章/カニヴァリア[1982年7月]▼第1章/危険な賭け▼第2章/誘拐者の周辺▼第3章/エセカルタ[1982年9月]▼第4章/文化果つるところ▼第5章/モンテトンボ山[1982年11月]▼第6章/クラブ・エスメラルダ▼エッセイ・関川夏央●登場人物/日本人(ひもとひとし、35歳。総合商社江戸商事のカニヴァリア支店長。大の相撲好き)、エレン(日本人の妻で、フランス人女性である。日本通で、茶道もたしなむ)●あらすじ/1982年7月、商社マン・日本人(ひもとひとし)は南米の商業都市カニヴァリアへ支社長として赴任してきた。本社・藪下専務の懐刀である彼の赴任に、無派閥の前支社長・柳川はいらついている様子。その後、会社の部下に日本人向けのバーに連れて行かれた彼は、相撲のヴィデオに興奮し、飲み明かして帰宅した。すると自宅には柳川の現地人の妻の姿が… 柳川に離婚させられたと訴える彼女は、ただ泣き崩れるばかり。実は彼女は激情にかられて、柳川を刺殺してしまっていたのだった。赴任初日から思わぬ出来事に巻き込まれた翌日、日本を待っていたのは専務の辞任の知らせだった。後ろ盾を失った彼は、なんとしても取引を成功させて地位を固めようと奮闘する(第1話)。●本巻の特徴/高度成長期の典型的なサラリーマン、その名も日本人。彼が異国の地で会社のためと信じて精力的に動く姿を通じて、戦後の日本の一側面を浮かび上がらせる。
- 本の長さ295ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日1996/12/1
- ISBN-10409192008X
- ISBN-13978-4091920089
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商品の説明
出版社からのコメント
グリンゴとは外国人を差別的にさすメキシコ特有のスペイン語である。そして南米の地で典型的なサラリーマン・日本人が会社のためと信じて精力的に動く姿を通じて、戦後の日本の一側面を浮かび上がらせる。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (1996/12/1)
- 発売日 : 1996/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 295ページ
- ISBN-10 : 409192008X
- ISBN-13 : 978-4091920089
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,803,700位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,074位小学館文庫コミック版
- - 7,129位小学館文庫
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年12月9日に日本でレビュー済み
会社への絶対的忠誠心を誓い典型的な猛烈型の主人公(=日本人の典型の一つ)が海外支店の支店長に就任したはいいが、本社での政変による上司の失脚に巻き込まれ、政情不安定な国の支店長に左遷させるところから物語が始まります。
日本人に対する偏見の強い現地ゲリラから命を狙われつつも、このまま敗北したくない一心から、大胆にもゲリラのボスを持ち前の情熱でついに口説き落とし事業を開始します。このまま目的を達成するように思われた矢先、またもやとんでもない展開と過酷な試練が待ち受けています。
バブル前夜に沸く日本に対して、その先にある問題を気づかせようと、戒めの鉄槌を打ち込み、その時代の日本人の価値観に対して大いなる問題提起を促した氏の先見性が垣間見えます。
これからの日本人は何を拠り所にすれば良いのか、驕り高ぶるものの末路を静かに警告した作品です。
一読して損はありません。バブル崩壊後に何が起こったのかを重ねあわせてみていただきたいです。
絶筆となったため未完となっていますが、個人的にはそこからのストーリーを完成させる人が出現することをずっと待っています。結末は一つではなく、様々な展開があってよいと思います。
日本人に対する偏見の強い現地ゲリラから命を狙われつつも、このまま敗北したくない一心から、大胆にもゲリラのボスを持ち前の情熱でついに口説き落とし事業を開始します。このまま目的を達成するように思われた矢先、またもやとんでもない展開と過酷な試練が待ち受けています。
バブル前夜に沸く日本に対して、その先にある問題を気づかせようと、戒めの鉄槌を打ち込み、その時代の日本人の価値観に対して大いなる問題提起を促した氏の先見性が垣間見えます。
これからの日本人は何を拠り所にすれば良いのか、驕り高ぶるものの末路を静かに警告した作品です。
一読して損はありません。バブル崩壊後に何が起こったのかを重ねあわせてみていただきたいです。
絶筆となったため未完となっていますが、個人的にはそこからのストーリーを完成させる人が出現することをずっと待っています。結末は一つではなく、様々な展開があってよいと思います。
2004年10月3日に日本でレビュー済み
「日本人」とは何ぞや。
ということを問いかけた作品です。
残念ながら未完に終わってしまいましたが,
実際自分が海外で生活しているといろいろなことを
考えてしまいます。
まず一読を。
ということを問いかけた作品です。
残念ながら未完に終わってしまいましたが,
実際自分が海外で生活しているといろいろなことを
考えてしまいます。
まず一読を。