人によって白土三平の作品評価、そして最高傑作の評価は別れると思います。
バトル物ならば「ワタリ」、「サスケ」、「カムイ外伝(まぁ初期に限る)」
階級闘争ものなら「忍者武芸帖」、「カムイ伝 」
神話ものなら「バッコス(ホントかな?)」
様々な方向の作品を制作した白土三平ですが、短編で上記のエッセンスを全て濃縮し、高度なレベルでまとめあげたのが
本作品です。
「左翼史観マンガ」なのは事実です。
でも、それはこの作品にとって何の瑕疵にもなりません。
作者自身も、そして私も「で?」と答えるでしょう。
左翼史観がかくも素晴らしい作品を生み出したのならば我々は楽しめば良いだけです。
戦国の世。
残虐極まる暴政を敷く領主。
それに虐げられ、運命を受け入れるだけの敗北者と堕した農民。
そんな左翼的な(そして間違いなく歴史上あり得た)悲惨な階級社会は、
ある一人の男によって書き換えられます。そこに参加した全ての登場人物誰もが予想しなかった結末で。
男の目的は何か?
彼が領主を倒した手段はいかなる忍術か?
未だ古びない白土三平最高傑作
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赤目 (小学館文庫 しB 81) 文庫 – 1998/9/17
白土 三平
(著)
▼第1部▼第2部●登場人物/松造(力も才能もない農夫。妻を信平に殺され復讐心に燃える)。妙(松造の妻)。伊予守信平(横暴な領主。農民のことは人とも思っていない)。 ●あらすじ/永禄年間、領主の伊予守信平は横暴と搾取の限りをつくしていた。松造の身重の妻・妙は、「腹の中の赤子の様子を見てみたい」という理由で信平に殺される。追いつめられた農民たちが起こした一揆も悲惨な終末を遂げ、松造もけがを負い、倒れていたところを忍者に拾われる……(第1部)。▼信平の圧政は続いていた。食糧不足で騒動が起こることを見越した信平は、罪のない娘たちを虐殺して農民たちを怒らせ、農民たちが一揆の相談に集まったところを一網打尽にしてしまう。怒り嘆く農民たち。そこに、「この悲劇は、罪もない兎を殺した呪いだ」と説く僧が現れる(第2部)。
- 本の長さ187ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日1998/9/17
- ISBN-104091922775
- ISBN-13978-4091922779
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商品の説明
出版社からのコメント
白土三平領主の圧制に苦しむ農民の前に老僧が忽然と現れ、赤目教なる宗教の布教を始める…劇画界の巨匠、白土三平の全てが濃縮された幻の名作。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (1998/9/17)
- 発売日 : 1998/9/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 187ページ
- ISBN-10 : 4091922775
- ISBN-13 : 978-4091922779
- Amazon 売れ筋ランキング: - 800,748位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,000位小学館文庫コミック版
- - 4,110位小学館文庫
- - 338,676位コミック
- カスタマーレビュー:
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5 星
『カムイ伝』の原点とも思える。
これは、主人公“松造”の復しゅうの物語・・・。“松造”の最愛の妻と生まれてくる筈の子供は“非情な殿様”の手で無残に殺されてしまった。“松造”は復しゅうを成し遂げようと長い時間をかけて“野ウサギ”を神とした宗教の力で農民衆を団結させ、そして・・・。(野ウサギは赤目、それでタイトルが『赤目』)ある意味、あの大河作品『カムイ伝』の原点とも思える。蛇足ではあるが、俳優松山の主演で白土作品の『カムイ外伝』が実写版映画化され、残念ながら原作とはかけ離れた別物という有り様だった。白土作品の実写化に、どうしても俳優松山を主演で起用したいのであれば、この作品『赤目』を実写化した方が絶対に良かったのではないかとさえ感じる。『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、この『赤目』の主人公“松造”こそが彼に相応しいと思う。松山主演によるコミックの実写版映画で“トテモ”評判の良かった作品と云えば、真っ先に『デトロイト・メタル・シティ』が挙げられるだろう。そこでの主人公“根岸”役と“クラウザー”役を見事に演じ分け出来るのだから、白土作品の実写化にどうしても松山を起用したいのであれば、『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、『赤目』の主人公“松造”こそが本当に相応しいと思うのである。俳優松山はヴィジュアル的にも“松造”が本当に相応しい。あの実写版映画での“カムイ”は白土原作の“カムイ”ではなかった。実際、俳優松山主演の“カムイ”に“刀”ではなくU字型の“刺又”という棒を持たせると、『カムイ伝(「外伝」でなく「本伝」)』の登場人物“キギス”にソックリで“松山≒キギス”になってしまう。主人公“松造”のキャラは、髪型こそ違えど“キギス≒松造”なので“松山≒松造”となる筈。どうしても松山主演で実写化するのなら、『カムイ外伝』ではなく、この作品『赤目』を実写化するしかないだろうと“ひしひしと”感じる。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2016年10月4日に日本でレビュー済み
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2020年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もっと早く白土三平に入門すべきだったと思う今日この頃。
2016年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多分初出時に読んだ内容と一部異なるような気がする。
いわゆる差別用語の削除が行われたようだ。
時代の流れとは言え、できればオリジナル通りに復刻していただきたかった。
いわゆる差別用語の削除が行われたようだ。
時代の流れとは言え、できればオリジナル通りに復刻していただきたかった。
2010年5月24日に日本でレビュー済み
これは、主人公“松造”の復しゅうの物語・・・。
“松造”の最愛の妻と生まれてくる筈の子供は“非情な殿様”の手で無残に殺されてしまった。
“松造”は復しゅうを成し遂げようと長い時間をかけて“野ウサギ”を神とした宗教の力で農民衆を団結させ、そして・・・。
(野ウサギは赤目、それでタイトルが『赤目』)
ある意味、あの大河作品『カムイ伝』の原点とも思える。
蛇足ではあるが、俳優松山の主演で白土作品の『カムイ外伝』が実写版映画化され、残念ながら原作とはかけ離れた別物という有り様だった。
白土作品の実写化に、どうしても俳優松山を主演で起用したいのであれば、この作品『赤目』を実写化した方が絶対に良かったのではないかとさえ感じる。
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、この『赤目』の主人公“松造”こそが彼に相応しいと思う。
松山主演によるコミックの実写版映画で“トテモ”評判の良かった作品と云えば、真っ先に『デトロイト・メタル・シティ』が挙げられるだろう。
そこでの主人公“根岸”役と“クラウザー”役を見事に演じ分け出来るのだから、白土作品の実写化にどうしても松山を起用したいのであれば、
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、『赤目』の主人公“松造”こそが本当に相応しいと思うのである。
俳優松山はヴィジュアル的にも“松造”が本当に相応しい。あの実写版映画での“カムイ”は白土原作の“カムイ”ではなかった。
実際、俳優松山主演の“カムイ”に“刀”ではなくU字型の“刺又”という棒を持たせると、
『カムイ伝(「外伝」でなく「本伝」)』の登場人物“キギス”にソックリで“松山≒キギス”になってしまう。
主人公“松造”のキャラは、髪型こそ違えど“キギス≒松造”なので“松山≒松造”となる筈。
どうしても松山主演で実写化するのなら、『カムイ外伝』ではなく、この作品『赤目』を実写化するしかないだろうと“ひしひしと”感じる。
“松造”の最愛の妻と生まれてくる筈の子供は“非情な殿様”の手で無残に殺されてしまった。
“松造”は復しゅうを成し遂げようと長い時間をかけて“野ウサギ”を神とした宗教の力で農民衆を団結させ、そして・・・。
(野ウサギは赤目、それでタイトルが『赤目』)
ある意味、あの大河作品『カムイ伝』の原点とも思える。
蛇足ではあるが、俳優松山の主演で白土作品の『カムイ外伝』が実写版映画化され、残念ながら原作とはかけ離れた別物という有り様だった。
白土作品の実写化に、どうしても俳優松山を主演で起用したいのであれば、この作品『赤目』を実写化した方が絶対に良かったのではないかとさえ感じる。
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、この『赤目』の主人公“松造”こそが彼に相応しいと思う。
松山主演によるコミックの実写版映画で“トテモ”評判の良かった作品と云えば、真っ先に『デトロイト・メタル・シティ』が挙げられるだろう。
そこでの主人公“根岸”役と“クラウザー”役を見事に演じ分け出来るのだから、白土作品の実写化にどうしても松山を起用したいのであれば、
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、『赤目』の主人公“松造”こそが本当に相応しいと思うのである。
俳優松山はヴィジュアル的にも“松造”が本当に相応しい。あの実写版映画での“カムイ”は白土原作の“カムイ”ではなかった。
実際、俳優松山主演の“カムイ”に“刀”ではなくU字型の“刺又”という棒を持たせると、
『カムイ伝(「外伝」でなく「本伝」)』の登場人物“キギス”にソックリで“松山≒キギス”になってしまう。
主人公“松造”のキャラは、髪型こそ違えど“キギス≒松造”なので“松山≒松造”となる筈。
どうしても松山主演で実写化するのなら、『カムイ外伝』ではなく、この作品『赤目』を実写化するしかないだろうと“ひしひしと”感じる。
これは、主人公“松造”の復しゅうの物語・・・。
“松造”の最愛の妻と生まれてくる筈の子供は“非情な殿様”の手で無残に殺されてしまった。
“松造”は復しゅうを成し遂げようと長い時間をかけて“野ウサギ”を神とした宗教の力で農民衆を団結させ、そして・・・。
(野ウサギは赤目、それでタイトルが『赤目』)
ある意味、あの大河作品『カムイ伝』の原点とも思える。
蛇足ではあるが、俳優松山の主演で白土作品の『カムイ外伝』が実写版映画化され、残念ながら原作とはかけ離れた別物という有り様だった。
白土作品の実写化に、どうしても俳優松山を主演で起用したいのであれば、この作品『赤目』を実写化した方が絶対に良かったのではないかとさえ感じる。
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、この『赤目』の主人公“松造”こそが彼に相応しいと思う。
松山主演によるコミックの実写版映画で“トテモ”評判の良かった作品と云えば、真っ先に『デトロイト・メタル・シティ』が挙げられるだろう。
そこでの主人公“根岸”役と“クラウザー”役を見事に演じ分け出来るのだから、白土作品の実写化にどうしても松山を起用したいのであれば、
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、『赤目』の主人公“松造”こそが本当に相応しいと思うのである。
俳優松山はヴィジュアル的にも“松造”が本当に相応しい。あの実写版映画での“カムイ”は白土原作の“カムイ”ではなかった。
実際、俳優松山主演の“カムイ”に“刀”ではなくU字型の“刺又”という棒を持たせると、
『カムイ伝(「外伝」でなく「本伝」)』の登場人物“キギス”にソックリで“松山≒キギス”になってしまう。
主人公“松造”のキャラは、髪型こそ違えど“キギス≒松造”なので“松山≒松造”となる筈。
どうしても松山主演で実写化するのなら、『カムイ外伝』ではなく、この作品『赤目』を実写化するしかないだろうと“ひしひしと”感じる。
“松造”の最愛の妻と生まれてくる筈の子供は“非情な殿様”の手で無残に殺されてしまった。
“松造”は復しゅうを成し遂げようと長い時間をかけて“野ウサギ”を神とした宗教の力で農民衆を団結させ、そして・・・。
(野ウサギは赤目、それでタイトルが『赤目』)
ある意味、あの大河作品『カムイ伝』の原点とも思える。
蛇足ではあるが、俳優松山の主演で白土作品の『カムイ外伝』が実写版映画化され、残念ながら原作とはかけ離れた別物という有り様だった。
白土作品の実写化に、どうしても俳優松山を主演で起用したいのであれば、この作品『赤目』を実写化した方が絶対に良かったのではないかとさえ感じる。
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、この『赤目』の主人公“松造”こそが彼に相応しいと思う。
松山主演によるコミックの実写版映画で“トテモ”評判の良かった作品と云えば、真っ先に『デトロイト・メタル・シティ』が挙げられるだろう。
そこでの主人公“根岸”役と“クラウザー”役を見事に演じ分け出来るのだから、白土作品の実写化にどうしても松山を起用したいのであれば、
『カムイ外伝』の“カムイ”ではなく、『赤目』の主人公“松造”こそが本当に相応しいと思うのである。
俳優松山はヴィジュアル的にも“松造”が本当に相応しい。あの実写版映画での“カムイ”は白土原作の“カムイ”ではなかった。
実際、俳優松山主演の“カムイ”に“刀”ではなくU字型の“刺又”という棒を持たせると、
『カムイ伝(「外伝」でなく「本伝」)』の登場人物“キギス”にソックリで“松山≒キギス”になってしまう。
主人公“松造”のキャラは、髪型こそ違えど“キギス≒松造”なので“松山≒松造”となる筈。
どうしても松山主演で実写化するのなら、『カムイ外伝』ではなく、この作品『赤目』を実写化するしかないだろうと“ひしひしと”感じる。
このレビューの画像
2019年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語そのものが、白戸にしては稚拙でした。残念です。
2021年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
白土作品では、第一の代表作である「
カムイ伝
」「
忍者武芸帳
」「
サスケ
」「
ワタリ
」などより、二番目くらいの知名度である忍者旋風シリーズ(「
忍者旋風(風魔忍風伝)
」「
真田剣流
」「
風魔
」)や本書などの方が、綺麗にまとまっているし、カラーも明確に出ていて面白いような気がします。
本書では例によって、暴虐の限りを尽くす領主が出てきます。毎度思いますが、どうやって、この藩は成り立ってるんでしょうね。まあ、この武士憎しから始まった話が、今回は中編程度の分量で鮮やかに庶民が勝利するわけですから、本作について言えば、コンパクトで切れ味よく、上手く作用しています。
主人公が復讐のために忍者になろうとするものの、忍者ものにはならず、才能なしとして脱落するところが変化球。その主人公の復讐計画が後半では描かれます。タイトルになっている赤目(ウサギ)から始まる遠大な計画です。
白土作品の大規模な計画は、長大な語りの間に余計な要素が挟まるせいで、ぐちゃぐちゃになってしまって、なんだか見事に決まったのかどうかもよくわからないということが多いです。しかし本書は分量が少ないためもあって、見事に決まったのが明確で、非常に面白い。悪は倒すけれどもハッピーエンドではないというのも、却って整ったラストです。
本書では例によって、暴虐の限りを尽くす領主が出てきます。毎度思いますが、どうやって、この藩は成り立ってるんでしょうね。まあ、この武士憎しから始まった話が、今回は中編程度の分量で鮮やかに庶民が勝利するわけですから、本作について言えば、コンパクトで切れ味よく、上手く作用しています。
主人公が復讐のために忍者になろうとするものの、忍者ものにはならず、才能なしとして脱落するところが変化球。その主人公の復讐計画が後半では描かれます。タイトルになっている赤目(ウサギ)から始まる遠大な計画です。
白土作品の大規模な計画は、長大な語りの間に余計な要素が挟まるせいで、ぐちゃぐちゃになってしまって、なんだか見事に決まったのかどうかもよくわからないということが多いです。しかし本書は分量が少ないためもあって、見事に決まったのが明確で、非常に面白い。悪は倒すけれどもハッピーエンドではないというのも、却って整ったラストです。