原作ではこれが最終巻となる。
「マミを贈ります」のエピソードでは、ようやくと言うべきか、冷静沈着な高畑君が魔美のために熱くなる場面が登場、「マミを返せ!」・・・そういうのを待っていたよ。
アニメーションではこの作品に命を吹き込んだといえよう。アニメータ、声優、音楽とどれをとっても質の高い作品だったと思う。20年以上経過して、古臭さを全く感じさせない。
しかしその間、我が国は激変した。当時の魔美の家は裕福という位置づけではないが、現代においてはあの規模の家は地域にもよるが裕福といえよう(借家かどうかは不明だが)。その上社会の各システムが根底から揺らぎ、あちこちから膿が噴き出していて最早手遅れかと思われる部分も相当ある。残念ながら、魔美のようなエスパーが1人2人いたところでどうなる状況でもない。はっきり指摘しよう、敗者復活の欠如、どの大学を何歳で卒業したかでその後の将来が決まる制度(たかが20代半ばくらいでその後の一生を決められてもねえ・・・)、嘘といんちきまみれの社会、努力が報われないなどの点が我が国をここまで堕落させた。つまり一部の幸運な人々を除き、希望が持てない社会なのである。こんなのは先進国とは呼べまい。
なんだかエスパー魔美とあまり関係ない自論をつらつらと書いてきたが、当時は現在よりはまだ夢が残っていた時代だったのかな、と思う。藤子先生が今日もご健在だったならば、どんな作品を作られただろうか。
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エスパー魔美〔小学館コロコロ文庫〕 (6) (小学館コロコロ文庫 ふ 1-46) 文庫 – 1996/11/22
藤子・F・ 不二雄
(著)
●ちょっとおっちょこちょいな赤毛の美少女、佐倉魔美は画家の父と新聞社に勤める母と自尊心の強い奇妙な犬、コンポコに囲まれ、楽しい毎日をおくっていた。ところが、ある日、ひょんなことから自分が超能力者であることを知り、複雑な気持ちになる。同級生の天才少年、高畑くんの助言もあって、魔美の超能力はしだいに高められ、テレキネシスやテレポーテーションなどが可能になる。正義感が強く、好奇心旺盛な魔美は、その能力を困っている人たちに役立てようと決心!! その日からエスパー魔美の大活躍が始まった!!▼第1話/いたずらの報酬の巻▼第2話/カッときてグサ!! の巻▼第3話/マミを贈りますの巻▼第4話/彗星おばさんの巻▼第5話/占いとミステリーの巻▼第6話/感動しない名画? の巻▼第7話/リアリズム殺人事件の巻▼第8話/問題はカニ缶!? の巻▼第9話/パパの絵、最高!! の巻
- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日1996/11/22
- ISBN-104091941060
- ISBN-13978-4091941060
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商品の説明
出版社からのコメント
おてんば娘・魔美に、ある日突然超能力が…!! さわやかなお色気と奇抜なアイデアが大評判のユーモアSF!!
登録情報
- 出版社 : 小学館 (1996/11/22)
- 発売日 : 1996/11/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 270ページ
- ISBN-10 : 4091941060
- ISBN-13 : 978-4091941060
- Amazon 売れ筋ランキング: - 452,619位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 493位小学館文庫コミック版
- - 104,700位文庫
- - 237,396位コミック
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年7月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年4月6日に日本でレビュー済み
これで完結。
全6巻すべておすすめです!
明るくおっちょこちょいなかわいいエスパー少女魔美が大活躍!
おもしろい!
全6巻すべておすすめです!
明るくおっちょこちょいなかわいいエスパー少女魔美が大活躍!
おもしろい!
2002年5月16日に日本でレビュー済み
『エスパー魔美』の掲載誌「マンガくん」は、78年に模様替えし、「少年ビッグコミック」となる。
それに伴い、『魔美』の連載形態も、不定期読み切りというかたちに変わった。コロコロ文庫版で言えば、第4巻に収録の「魔美が主演女優!?」以降は、不定期掲載となってからの作品である。
この巻に収録の「カッときてグサ!!」には、魔美が父親の絵のモデルを頼まれ、
「10か月ぶりの仕事だわ……」
と感激する場面がある。
この「10か月前」は、作中時間ではなく、作品掲載の間隔である。こういうギャグが好きな作家だったのだ。コロコロ文庫版第5巻に収録の「まいもどった赤太郎」で描かれるのが、その「10か月前の仕事」なのだが、話数にしてわずか4話前である。
このころは『ドラえもん』ブーム真っ盛りであった。作中に使われる「そーなんですよ高畑さん」「エレファント・ウーマン」などの時事ギャグも含めて、あの頃の狂騒がよみがえってくる私なのであった。って、なんか必要以上に年寄りくさいなー、この原稿(笑)。
それに伴い、『魔美』の連載形態も、不定期読み切りというかたちに変わった。コロコロ文庫版で言えば、第4巻に収録の「魔美が主演女優!?」以降は、不定期掲載となってからの作品である。
この巻に収録の「カッときてグサ!!」には、魔美が父親の絵のモデルを頼まれ、
「10か月ぶりの仕事だわ……」
と感激する場面がある。
この「10か月前」は、作中時間ではなく、作品掲載の間隔である。こういうギャグが好きな作家だったのだ。コロコロ文庫版第5巻に収録の「まいもどった赤太郎」で描かれるのが、その「10か月前の仕事」なのだが、話数にしてわずか4話前である。
このころは『ドラえもん』ブーム真っ盛りであった。作中に使われる「そーなんですよ高畑さん」「エレファント・ウーマン」などの時事ギャグも含めて、あの頃の狂騒がよみがえってくる私なのであった。って、なんか必要以上に年寄りくさいなー、この原稿(笑)。