児童図書館の司書から転進して専業作家となったオランダの女流児童文学作家ホフの処女作で「金の石筆賞」他多くの賞を受賞した大きな感動を呼ぶ名作です。本書のカバーに描かれた少女とでっぷりと太った犬が気持ち良さそうにまどろんでいる絵を見ると、この本はきっと穏やかなお話なのだろうなと想像していましたが、実際に読んで見ると意外にも凄くショッキングな内容である事がわかって驚かされました。
幼い少女キークの父はお医者さんで殆ど家におらず危険な戦地に出掛けて行って人々を助ける生活を送っています。家で一緒に留守を預かる母から億万長者になる可能性を例に取った話を聞いたキークは、日頃から戦争のせいで父が死んでしまうのではないかと不安に思っている気持ちを静める為に、可能性を小さくしようと母に内緒で心に危険な考え方を芽生えさせます。やがて本当に父が行方不明になった時にキークの不安は大きくなって異常な行動がますますエスカレートして行くのでした。
死の連想が心の中で発展して人間でなく動物の死であれば許されると軽く考える命の大切さを理解し切れていない幼い少女キークの未熟さは非難されるべき物ですが、父を強く心配するあまりに冷静さを失い必死の思いが取らせた行動であるのと、人間が不安に脅かされると精神的に追い詰められ本能的に正常な判断力を失ってしまう生き物である事を考えると、絶対してはいけない事とは言え同情の余地は十分にあると思います。それにしても偶然にも最悪の事態が避けられたのは幸いで、飼い犬のモナが人間の心を敏感に察する鋭い性質でなく呑気で鈍感なワンコだったお陰で衝撃を和らげ心を静めてくれて本当に良かったと思います。キークの打ち明け話を聞いた母が厳しく叱らずに娘の気持ちを理解してあげた態度は立派だと思いますし、キークも今度の間違った行いを深く反省し立ち直れる根は素直な少女なのだと信じます。不安が募ってやり場のない不満を嫁にぶつけてしまったおばあちゃんを含め様々に大きく揺れ動いた家族ですが、この先もいろいろと困難が予想される中でどうか今回の出来事を糧にしてより家族の絆を深めて行って欲しいと願います。あなたも人間がつい陥りがちな危険に気づかせてくれて、生きる上では何があっても冷静でいる事が大切なのだと学ばせてくれる本書をぜひ味わってお読み頂きたいと思います。
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小さな可能性 (児童単行本) 単行本 – 2010/5/19
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購入オプションとあわせ買い
お父さんが、戦医として戦地に向かいます。
家で待つ娘は、「お父さんが死んでしまう可能性を小さくするために」いろいろ想像をめぐらせます。
いろいろな人の温かい気持ちが張りめぐらされている心優しい物語。
金の石筆賞受賞作品。オランダ発の児童文学の名作です。
家で待つ娘は、「お父さんが死んでしまう可能性を小さくするために」いろいろ想像をめぐらせます。
いろいろな人の温かい気持ちが張りめぐらされている心優しい物語。
金の石筆賞受賞作品。オランダ発の児童文学の名作です。
- 本の長さ168ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2010/5/19
- ISBN-104092905378
- ISBN-13978-4092905375
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2010/5/19)
- 発売日 : 2010/5/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 168ページ
- ISBN-10 : 4092905378
- ISBN-13 : 978-4092905375
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,492,898位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 101,561位絵本・児童書 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年10月23日に日本でレビュー済み
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2011年2月2日に日本でレビュー済み
キークのパパは国境なき医師団として戦地に出かけ行方不明に。キークは考える。パパが死んだ子どもより、パパとペットが死んだ子どもの方が少ない。だったらペットを殺せばパパが死んだ可能性は低くなる。
パパが国境なき医師団である特殊設定と『禁じられた遊び』風エピソードが弱さですが、それをさっ引いても余りある素晴らしい作品。
キークの心の動きのみならず、ママのパパへの思い、義母への思い、義母の思い、パパの思い、それのかなり奥深いところまでが子ども読者にも十分伝わる形で描かれているのがすごいです。
かなり嫉妬しました。でも、大好きな作品が一つ増えたからいいや
パパが国境なき医師団である特殊設定と『禁じられた遊び』風エピソードが弱さですが、それをさっ引いても余りある素晴らしい作品。
キークの心の動きのみならず、ママのパパへの思い、義母への思い、義母の思い、パパの思い、それのかなり奥深いところまでが子ども読者にも十分伝わる形で描かれているのがすごいです。
かなり嫉妬しました。でも、大好きな作品が一つ増えたからいいや