2つの物語(1つは小説)が交互に展開していきます。
のめりこんだ頃にフッと違う話になるので頭の切り替えが必要なのですが、それもまた面白い。
登場人物も多過ぎず少な過ぎずキャラがしっかりしているので感情移入しやすいです。
普段使わないような難しい漢字がたくさん出てきますが、かっこ付きで読み方が書かれていてそれも親切。
辻仁成さんの作品の中ではかなり読みやすい方なのでオススメ。
下巻も楽しみです♪
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オキーフの恋人 オズワルドの追憶 (上) 単行本 – 2003/3/14
辻 仁成
(著)
本作品は、異なる二つの作品がパラレルで展開する独自のスタイルを持つ。「オキーフの恋人」は、サリンジャーにも通じる孤高の作家の謎の失踪に端を発し、ジョージア・オキーフを敬愛する編集者が事件に巻き込まれていきます。一方、「オズワルドの追憶」は、大手証券会社をリストラされ探偵を始めた厄年の男が、下北沢を舞台にした女子高生連続殺人事件に対峙する様をユーモラスに描いています。二つの事件は、下巻以降、徐々に繋がりを持ち、衝撃的結末へ向け一挙に加速していきます。解離性症状や洗脳といった重厚なテーマを純文学的筆致で描いた前者。軽妙な探偵小説の要素が著者にとっては初めての試みである後者。その相乗効果が、全く新しい文学形態として、本書に反映されています。
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2003/3/14
- ISBN-104093423520
- ISBN-13978-4093423526
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商品の説明
出版社からのコメント
パラレルで進行する異なる二つの物語が、戦慄の衝撃的ラストへ向けて繋がっていく!構想から10年、執筆5年。渾身のノンストップ2000枚。気鋭の芥川賞作家は、本作品で、新たなる文学領域を切り拓いた!!
内容(「MARC」データベースより)
女流画家・オキーフに恋をする青年、JFKの暗殺者・オズワルドに仕立て上げられた探偵…。書き下ろし「オキーフの恋人」と、『週刊ポスト』連載の「探偵」に大幅な加筆訂正を加えた「オズワルドの追憶」が一体になった小説。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2003/3/14)
- 発売日 : 2003/3/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4093423520
- ISBN-13 : 978-4093423526
- Amazon 売れ筋ランキング: - 421,437位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10,070位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京生まれ。
89年「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞し、作家デビュー。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年「白仏」の仏翻訳語版「Le Bouddlha blan」で、仏フェミナ賞・1999年外国小説賞を日本人としては初めて受賞。
文学以外の分野でも幅広く活動している。監督・脚本・音楽を手がけた映画「千年旅人」「ほとけ」「フィラメント」「ACACIA」でも注目を集め、メディアの垣根を越えたその多岐にわたる活躍は、今、もっとも注目されている。2003年より渡仏。現在はフランスを拠点に創作活動を続けている。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても面白いのですが、わざわざ劇中劇みたいな作りにする必要があるのかなと。筆者が同じなので、単純に別々の話が交互に語られているだけに感じます。下巻を読めばその辺りが回収されるのでしょうか。
2021年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は2つの物語が並行して進んでいくのだが、そのどちらもが面白く、2つの物語がどこで集約されるか推理することを忘れてしまうくらい疾走感に満ちている。面白いです。
2003年7月19日に日本でレビュー済み
「オキーフの恋人」はオキーフという女性画家と、
インナーチャイルド、過去の虐待の記憶がメイン。
主人公は編集者。読むのがだるかった。
「オズワルドの追憶」は探偵小説に少し不思議な感じが
加わっている。主人公はリストラにあった探偵。
犯人がまったく読めない殺人事件やほかの伏線に最後まで
ドキドキしてしまい、読み終わるのがもったいないぐらい
面白かった。なぜ、オズワルド、なのか?そこが良かった。
二つのストーリーを見事に一作品にしているところが、
さすが辻さんだという印象は受けましたが、
村上春樹さんの「海辺のカフカ」に続く真似の印象がどうも
拭えなかったので、二作品別々に発売したほうが良かったと思う。
辻さん初のミステリーという点で、恋愛小説仡?外にもすばらしい
作品が書ける人なのだとわかり純粋に一読者としてうれしかった。
インナーチャイルド、過去の虐待の記憶がメイン。
主人公は編集者。読むのがだるかった。
「オズワルドの追憶」は探偵小説に少し不思議な感じが
加わっている。主人公はリストラにあった探偵。
犯人がまったく読めない殺人事件やほかの伏線に最後まで
ドキドキしてしまい、読み終わるのがもったいないぐらい
面白かった。なぜ、オズワルド、なのか?そこが良かった。
二つのストーリーを見事に一作品にしているところが、
さすが辻さんだという印象は受けましたが、
村上春樹さんの「海辺のカフカ」に続く真似の印象がどうも
拭えなかったので、二作品別々に発売したほうが良かったと思う。
辻さん初のミステリーという点で、恋愛小説仡?外にもすばらしい
作品が書ける人なのだとわかり純粋に一読者としてうれしかった。
2003年4月5日に日本でレビュー済み
娯楽小説誌「小説物語」の編集部で高坂譲の短期集中連載『オズワルドの追憶』を担当する小林は、高坂の代理人である榛名潤子より高坂失踪の連絡を受ける、小林は榛名に会い、原稿を受け取り、彼女がカウンセラーとして高坂を治療していたことを知る、そして連載は始まった。
勤めていた会社が倒産し探偵になった夢窓、彼の仕事は目下迷子猫を探すことであり、そんな彼のところにかかってきた女子高校生の殺人予告電話、そして予告通り事件は起こる。
表紙からして一角獣の骨を連想して、村上春樹のあの有名な作品が初めに頭に浮かんだ、2つの話がパラレルで進んでいくが、作家の失踪の謎、そしてその作家の書いた探偵小説という形を取るため読む方は何の疑問もなく読み進めていける。そしてよく分!からない世界をきっちり説明してしまう辻仁成の律儀さがでた作品。けど不思議な物ですっきり説明されてしまうと後に残るのは薄っぺらさだけのような気がする、読者にとっては不親切かもしれないけど、村上春樹の如くあとは読む人におまかせ的の方が、結局は読後感がよいのかなあと思った。
勤めていた会社が倒産し探偵になった夢窓、彼の仕事は目下迷子猫を探すことであり、そんな彼のところにかかってきた女子高校生の殺人予告電話、そして予告通り事件は起こる。
表紙からして一角獣の骨を連想して、村上春樹のあの有名な作品が初めに頭に浮かんだ、2つの話がパラレルで進んでいくが、作家の失踪の謎、そしてその作家の書いた探偵小説という形を取るため読む方は何の疑問もなく読み進めていける。そしてよく分!からない世界をきっちり説明してしまう辻仁成の律儀さがでた作品。けど不思議な物ですっきり説明されてしまうと後に残るのは薄っぺらさだけのような気がする、読者にとっては不親切かもしれないけど、村上春樹の如くあとは読む人におまかせ的の方が、結局は読後感がよいのかなあと思った。
2014年3月15日に日本でレビュー済み
女性週刊誌に連載された「探偵」を最初に読んだときには「低俗だなぁ」と感じていたが、
その小説は、本作で“小説内小説(小説の登場人物である作家が書く小説)”という位置づけとなり,
「オズワルドの追憶」と改題され、大幅に加筆・修正されて収録された。
本作で読み返した時、かなり違った趣であり、見事に蘇生された感を受けた。
最初から、この構成にすることを前提として「探偵」が書かれたものであるならば,
「辻仁成、恐るべきっ!」と声を張り上げて喝采したいほど素晴らしい。
本作は、下北沢を舞台とした二つの物語が交互に展開されていく。
一つは、オキーフと名付けたインナーチャイルドが見える編集者・小林慎一郎を軸とした「オキーフの恋人」。
失踪した作家・高坂譲(本名:室生一馬)は多重人格で、自宅は悪魔崇拝の教会となっていた。
失踪しながらも原稿は、代理人である盲目の棒名潤子に届けられていた。
彼女は高坂のマネジメントをしているとともに、治療院を経営しており、高坂のカウンセラーでもあった。
小林は、高坂の居場所を探る過程で、高坂の妹である如月緋佐子に会い、
自身の元恋人である生野(現・堀田)恵(通称:リサ)と再会する。
また、同僚である編集部の茅野朝子からは積極的なアプローチを受ける。
下巻に持ち越される楽しみは、高坂がどのように登場するのか、
棒名の正体は何であるのか(なぜ盲目になったのか)、
琲佐子、リサ、朝子はどのように小林と絡んでいくのかといった点である。
もう一つの物語は、元証券マンであり42歳で探偵事務所を開いた、
夢窓賢治を主人公とした「オズワルドの追憶」である。
まず依頼に来たのは、亡夫が旧幸野池財閥創業者である幸野池昌子。
行方不明になった飼い猫を見つけてほしいというもの。
彼女には3人の息子、長男・康夫(幸野池開発)次男・俊介(幸野池観光グループ)三男・大介(幸野池地所)がいる。
彼らに命を狙われていると言っていた昌子が誘拐された。
その犯人は…。
次の依頼は、17歳の女子高生・英子から。
中年男と援交していたが、その関係を断ちたいというもの。
その中年とは、夢窓の同級生・遠藤卓郎(建築施工会社)だった。
3人目の依頼は、スーチーから。
一度寝た、相性抜群の男を探してほしいというもの。
その男とは、夢窓の高校時代の悪友であり、いまは代沢署刑事の松下功二だった。
4人目の依頼は、30代半ばの女性・鬼頭裕子。
いじめられている息子・真二を救出してほしいというもの。
物語は、彼女たちからの依頼をこなすことで展開するが、殺人予告の電話があったことから、
夢窓は厄年ならではの不運に巻き込まれていく。
実際に殺人は3回起こる。
1人目は、英子と同じ高校に通う女子高生で、ポリバケツの中で発見される。
2人目は、やはり女子高生で、解体途中の雑居ビルで発見。
3人目は、おとり捜査のため女子高生に扮した女性警官。
夢窓には、元妻・清子、息子・光一、娘・イチメ、20年来の愛人・リサがいる。
いずれの登場人物も、下巻でどのように夢窓に絡んでいくのか、先行きが見えないゆえに、先を急ぎたくなる。
辻作品は全部読んできているのだが、このような殺人事件をはらんだミステリー大作は他に無く、
彼がこれまでにテーマとしてきたもの(ドッペルゲンガー、輪廻、大河恋愛)からすると、
異色ではあるが、かなりの意欲作である。
参考文献を駆使して書いたものには「白仏」「太陽待ち」「嫉妬の香り」「愛と永遠の青い空」
最近では「永遠者」などあるが、本作も認知心理学やマインドコントロールなどの文献をもとに、
裏漉しも丁寧に描かれた、重厚なる物語である。
“もう一度読み返したいので、本棚に置いておこう”という本こそが、名作だと思うので、
その意味では、本作は自信を持ってお勧めしたい。
緻密な人物設定・相関は、相変わらず堅調である。
2003年春の発売当時、私は念願の東京に越してきていた。
つまり、東京で読んだ最初の辻作品だった。
東京の書店で、無料配布の「お試し版」が置かれていたり、
辻仲間と井の頭公園で花見をしたり…今回再読して、色んな情景も運んできてくれた。
数ある辻小説の中では、三本の指に入る名作であるのは間違いない。
本作の主人公・夢窓賢治同様、執筆当時やはり作者自身も厄年だったことは興味深い。
その後に発表された作品に中にも傑作は確かにあるが、
脂がのった絶頂期としては、本作が、その最頂点なのではないだろうか。
その小説は、本作で“小説内小説(小説の登場人物である作家が書く小説)”という位置づけとなり,
「オズワルドの追憶」と改題され、大幅に加筆・修正されて収録された。
本作で読み返した時、かなり違った趣であり、見事に蘇生された感を受けた。
最初から、この構成にすることを前提として「探偵」が書かれたものであるならば,
「辻仁成、恐るべきっ!」と声を張り上げて喝采したいほど素晴らしい。
本作は、下北沢を舞台とした二つの物語が交互に展開されていく。
一つは、オキーフと名付けたインナーチャイルドが見える編集者・小林慎一郎を軸とした「オキーフの恋人」。
失踪した作家・高坂譲(本名:室生一馬)は多重人格で、自宅は悪魔崇拝の教会となっていた。
失踪しながらも原稿は、代理人である盲目の棒名潤子に届けられていた。
彼女は高坂のマネジメントをしているとともに、治療院を経営しており、高坂のカウンセラーでもあった。
小林は、高坂の居場所を探る過程で、高坂の妹である如月緋佐子に会い、
自身の元恋人である生野(現・堀田)恵(通称:リサ)と再会する。
また、同僚である編集部の茅野朝子からは積極的なアプローチを受ける。
下巻に持ち越される楽しみは、高坂がどのように登場するのか、
棒名の正体は何であるのか(なぜ盲目になったのか)、
琲佐子、リサ、朝子はどのように小林と絡んでいくのかといった点である。
もう一つの物語は、元証券マンであり42歳で探偵事務所を開いた、
夢窓賢治を主人公とした「オズワルドの追憶」である。
まず依頼に来たのは、亡夫が旧幸野池財閥創業者である幸野池昌子。
行方不明になった飼い猫を見つけてほしいというもの。
彼女には3人の息子、長男・康夫(幸野池開発)次男・俊介(幸野池観光グループ)三男・大介(幸野池地所)がいる。
彼らに命を狙われていると言っていた昌子が誘拐された。
その犯人は…。
次の依頼は、17歳の女子高生・英子から。
中年男と援交していたが、その関係を断ちたいというもの。
その中年とは、夢窓の同級生・遠藤卓郎(建築施工会社)だった。
3人目の依頼は、スーチーから。
一度寝た、相性抜群の男を探してほしいというもの。
その男とは、夢窓の高校時代の悪友であり、いまは代沢署刑事の松下功二だった。
4人目の依頼は、30代半ばの女性・鬼頭裕子。
いじめられている息子・真二を救出してほしいというもの。
物語は、彼女たちからの依頼をこなすことで展開するが、殺人予告の電話があったことから、
夢窓は厄年ならではの不運に巻き込まれていく。
実際に殺人は3回起こる。
1人目は、英子と同じ高校に通う女子高生で、ポリバケツの中で発見される。
2人目は、やはり女子高生で、解体途中の雑居ビルで発見。
3人目は、おとり捜査のため女子高生に扮した女性警官。
夢窓には、元妻・清子、息子・光一、娘・イチメ、20年来の愛人・リサがいる。
いずれの登場人物も、下巻でどのように夢窓に絡んでいくのか、先行きが見えないゆえに、先を急ぎたくなる。
辻作品は全部読んできているのだが、このような殺人事件をはらんだミステリー大作は他に無く、
彼がこれまでにテーマとしてきたもの(ドッペルゲンガー、輪廻、大河恋愛)からすると、
異色ではあるが、かなりの意欲作である。
参考文献を駆使して書いたものには「白仏」「太陽待ち」「嫉妬の香り」「愛と永遠の青い空」
最近では「永遠者」などあるが、本作も認知心理学やマインドコントロールなどの文献をもとに、
裏漉しも丁寧に描かれた、重厚なる物語である。
“もう一度読み返したいので、本棚に置いておこう”という本こそが、名作だと思うので、
その意味では、本作は自信を持ってお勧めしたい。
緻密な人物設定・相関は、相変わらず堅調である。
2003年春の発売当時、私は念願の東京に越してきていた。
つまり、東京で読んだ最初の辻作品だった。
東京の書店で、無料配布の「お試し版」が置かれていたり、
辻仲間と井の頭公園で花見をしたり…今回再読して、色んな情景も運んできてくれた。
数ある辻小説の中では、三本の指に入る名作であるのは間違いない。
本作の主人公・夢窓賢治同様、執筆当時やはり作者自身も厄年だったことは興味深い。
その後に発表された作品に中にも傑作は確かにあるが、
脂がのった絶頂期としては、本作が、その最頂点なのではないだろうか。
2009年11月29日に日本でレビュー済み
オキーフの恋人は、私にとっては鈴木光司さんのリングに似た読書体験となりました。
こんな不思議な感覚を受けた本は、ちょっと他に覚えがありません。
本著ではメインストーリーである「オキーフの恋人」と小説内小説である「オズワルドの追憶」が、交互にそして絶妙なタイミングで入れ替わりながら進んでいきます。
メインストーリーの「オキーフの恋人」は、小説編集者である小林を主人公とし、20世紀アメリカの画家ジョージア・オキーフの世界観を中心に据えた、やや緊張感のある流れで進行します。
対する「オズワルドの追憶」では打って変わって軽妙なテンポで描かれており、もぐり探偵の夢窓賢治が近所のおばあさんの猫探しや中学生のいじめを解決するなど、何ともほのぼのとした展開です(まあ殺人事件もでてきますが)。
しかも夢窓は女子高生から人妻、おばあちゃんにまでモテモテで、読んでいて男のロマンをかき立てます。
※ちなみに「オキーフの恋人」の主人公である小林が担当しているのが、作家高坂譲の「オズワルドの追憶」という設定。
・・・が!
作者によって仕掛けられた「ある」トリックによって、突然「オズワルドの追憶」の世界が生々しく読む者に押し迫ってくるのです。
それは2枚の少し視点のずれた写真を特殊メガネを通してみると、手元に浮き上がってくる3D写真のような感覚に似ているでしょうか。
リアルに存在する人間(「オズワルドの追憶」の作者である高坂譲)が、本当にこれを書いたんだと生々しく五感に訴えてきて、思わず読み進めるのをためらってしまうほどでした。
件の箇所に限らず、全体として読むべき内容(ジョージア・オキーフ、子どもの性的虐待、悪魔信仰など)は広範にわたり、これらのキーワードに興味を持つ人には特におすすめです。
ベストセラーになっていないのが不思議な、大好きになってしまった一作です。
こんな不思議な感覚を受けた本は、ちょっと他に覚えがありません。
本著ではメインストーリーである「オキーフの恋人」と小説内小説である「オズワルドの追憶」が、交互にそして絶妙なタイミングで入れ替わりながら進んでいきます。
メインストーリーの「オキーフの恋人」は、小説編集者である小林を主人公とし、20世紀アメリカの画家ジョージア・オキーフの世界観を中心に据えた、やや緊張感のある流れで進行します。
対する「オズワルドの追憶」では打って変わって軽妙なテンポで描かれており、もぐり探偵の夢窓賢治が近所のおばあさんの猫探しや中学生のいじめを解決するなど、何ともほのぼのとした展開です(まあ殺人事件もでてきますが)。
しかも夢窓は女子高生から人妻、おばあちゃんにまでモテモテで、読んでいて男のロマンをかき立てます。
※ちなみに「オキーフの恋人」の主人公である小林が担当しているのが、作家高坂譲の「オズワルドの追憶」という設定。
・・・が!
作者によって仕掛けられた「ある」トリックによって、突然「オズワルドの追憶」の世界が生々しく読む者に押し迫ってくるのです。
それは2枚の少し視点のずれた写真を特殊メガネを通してみると、手元に浮き上がってくる3D写真のような感覚に似ているでしょうか。
リアルに存在する人間(「オズワルドの追憶」の作者である高坂譲)が、本当にこれを書いたんだと生々しく五感に訴えてきて、思わず読み進めるのをためらってしまうほどでした。
件の箇所に限らず、全体として読むべき内容(ジョージア・オキーフ、子どもの性的虐待、悪魔信仰など)は広範にわたり、これらのキーワードに興味を持つ人には特におすすめです。
ベストセラーになっていないのが不思議な、大好きになってしまった一作です。