こういったら著者の方には大変失礼ですが、かなり一方的な視点から書かれた暴露本という印象を受けました。
ピカソだけでなく、ピカソの最後の夫人ジャックリーヌの人格についても不当に貶められていると思われる部分があります。
ピカソの生涯や芸術について、その知名度のわりに日本ではあまり知られているとはいえない状況です。
一般の人にとってはとっつきにくい研究書よりもこうしたセンセーショナルな暴露本のほうが受けやすいだけに、この本に書かれたピカソ像が「唯一の真実」として流布していくとしたら非常に残念なことだと思います。
ピカソの伝記や研究書ならば、もっと客観的・専門的な立場から書かれた本が日本でも多数出版されています。
この本を読んでピカソに興味を持たれた方は、ぜひ他の本も手にとってご覧になることをお勧めします。
ピカソについて詳しくしらない方が最初に手にとる本としては、この本は偏りすぎていてお勧めできません。(幼少期に心の傷を負った人がどのようにそれと向き合い克服していったかという観点で読まれるならば、価値ある1冊かもしれませんが)
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マイ・グランパパ、ピカソ 単行本 – 2004/9/23
20世紀を代表する偉大な画家ピカソ。しかしその偉大さに振り回され、人並みの愛情さえ与えられなかった孫たちがいた。本書は、ピカソの孫娘マリーナ・ピカソの手によるピカソおじいちゃんの実像である。純粋な心を持つ子ども時代、祖父に感じていた敬慕の心。しかし、それはつねに裏切られ続ける。周囲の犠牲の上に存在したピカソの画家としての栄光。幼少のころの大きな心の傷は、マリーナの身体の奥深くに遺留し、ピカソの死後、その影響から逃れるために14年間におよぶカウンセリングが必要となる。偉大な画家の孫に生まれたがゆえの悲しみが連綿とつづられ、最愛の兄が漂白剤を飲んで自殺を図る場面では思わず涙がこぼれる。
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2004/9/23
- ISBN-104093566313
- ISBN-13978-4093566315
商品の説明
出版社からのコメント
孫娘を悲しませ続けた偉大なる画家ピカソ。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2004/9/23)
- 発売日 : 2004/9/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 220ページ
- ISBN-10 : 4093566313
- ISBN-13 : 978-4093566315
- Amazon 売れ筋ランキング: - 973,298位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月7日に日本でレビュー済み
太陽のように圧倒的なエネルギーを放つピカソ。その圧倒的なエネルギーに、周りの人間は焼き尽くされ、再び力の源として取り込まれる・・・。その過程を綴った孫娘マリーナピカソのあまりにも凄惨な評伝。個人的には最後の章、ピカソの業?に触れた箇所が興味深い。破壊的なピカソをもう一枚めくった姿を知りたくなった。
2009年8月24日に日本でレビュー済み
ピカソの詩を書いています。
ピカソという名がどんなに大きなものであったのか、その直系の孫でありながらピカソとフランソワーズ・ジローとの間の同年代の子供達の陰になり ピカソに無視され続けた兄と妹の悲しみがエキセントリックに描かれていて、涙なしでは読めません。
この本はある程度ピカソという稀代の怪物を知っている人にお奨めします。
ピカソという太陽に 祖母、父、兄と焼き殺され
(かなり年下の異母弟がいますが) ただ一人の直系のピカソの相続人となったマリーナ
の その後遺産を役立て生き抜く様が見事で これこそピカソの遺した最大のものだと思いました。
自意識過剰な表現も多い、それがかえってリアルで 他のピカソの暴露本の真偽を確かめるのにも役立っています。
大概本当なのですね。
そんなパブロ・ピカソの一生を詩で綴っています。
宜しかったらお尋ね下さい。
[...] wienne0610
ピカソ・マニマニアでも検索できます。
5月13日”鳩の足”からです。
ピカソという名がどんなに大きなものであったのか、その直系の孫でありながらピカソとフランソワーズ・ジローとの間の同年代の子供達の陰になり ピカソに無視され続けた兄と妹の悲しみがエキセントリックに描かれていて、涙なしでは読めません。
この本はある程度ピカソという稀代の怪物を知っている人にお奨めします。
ピカソという太陽に 祖母、父、兄と焼き殺され
(かなり年下の異母弟がいますが) ただ一人の直系のピカソの相続人となったマリーナ
の その後遺産を役立て生き抜く様が見事で これこそピカソの遺した最大のものだと思いました。
自意識過剰な表現も多い、それがかえってリアルで 他のピカソの暴露本の真偽を確かめるのにも役立っています。
大概本当なのですね。
そんなパブロ・ピカソの一生を詩で綴っています。
宜しかったらお尋ね下さい。
[...] wienne0610
ピカソ・マニマニアでも検索できます。
5月13日”鳩の足”からです。
2010年9月1日に日本でレビュー済み
ピカソと暮らした女は、知られているだけで7人。うち4人がピカソが亡くなる前に他界したが、残る3人の内2人は自殺した。
非常に有名なエピソードであるが、しかしピカソの孫、彼と同じパブロという名の男の子がピカソの死の2日後に自殺未遂をし、結局それが原因で亡くなったことは、意外と知られていない。
本書の著者は自殺したパブロの妹、マリーナである。
ピカソという人が、側にいる人間への自己の影響力の大きさを確認するために、どれほど相手を馬鹿にし、抑圧的に行動したか、いかに自分を偉大に見せようとし、いかに残酷にふるまったかが、赤裸々に描かれている。
共産主義者でファシズムに対する闘士であったピカソの、すさまじい裏面である。
しかしピカソの周りには、ピカソが有名だからと近寄ってきた人だらけで、著者の母もそうだったことも、著者は記載する。
素人の書いた本で、それゆえ自身に関しては突き放して観察するレベルに達していないが、母、父、祖父に対する観察眼は極めて冷静であり、愛がありつつも客観的である。
また、ながらく悪妻とされてきたオルガ(著者の祖母、ピカソの最初の妻)の孫への愛情や、ピカソの愛人マリ・テレーズ(後に自殺)の著者家族への援助など、魅力的な挿話も多く記載されている。
非常に有名なエピソードであるが、しかしピカソの孫、彼と同じパブロという名の男の子がピカソの死の2日後に自殺未遂をし、結局それが原因で亡くなったことは、意外と知られていない。
本書の著者は自殺したパブロの妹、マリーナである。
ピカソという人が、側にいる人間への自己の影響力の大きさを確認するために、どれほど相手を馬鹿にし、抑圧的に行動したか、いかに自分を偉大に見せようとし、いかに残酷にふるまったかが、赤裸々に描かれている。
共産主義者でファシズムに対する闘士であったピカソの、すさまじい裏面である。
しかしピカソの周りには、ピカソが有名だからと近寄ってきた人だらけで、著者の母もそうだったことも、著者は記載する。
素人の書いた本で、それゆえ自身に関しては突き放して観察するレベルに達していないが、母、父、祖父に対する観察眼は極めて冷静であり、愛がありつつも客観的である。
また、ながらく悪妻とされてきたオルガ(著者の祖母、ピカソの最初の妻)の孫への愛情や、ピカソの愛人マリ・テレーズ(後に自殺)の著者家族への援助など、魅力的な挿話も多く記載されている。
2004年11月2日に日本でレビュー済み
偉大なる画家ピカソの実像に迫りたくこの本を手にした。孫パブリートの意図のある自殺の描写あたりから後半はその吸引力にのまれ一気に読破してしまった。現代においては、ネグレクト、児童虐待、トラウマ、自傷行為など、悲しい出来事が日常化しているが、このピカソの孫娘マリーナの記録によって、精神的変調とその因果関係について、多くのことを教示してくれる。さらに終章において、14年間にわたる精神的疾患からの回復の軌跡が描かれているが、それは新たな家族からの愛情と、祖父を赦し、彼も同じ孤独者であったと理解できる心境になれたこと。さらに、何よりも慈善事業を通して生きる希望を見出したことが脱却へと繋がったといえよう。全ては紹介できないが、ともかく、数多示唆に富み、教育や医療関係者そして悩んでいる子をもつ両親にとってもお勧めの一冊といえる。