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グレイト・ウェイヴ: 日本とアメリカの求めたもの 単行本 – 2007/11/1
- 本の長さ381ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2007/11/1
- ISBN-10409356681X
- ISBN-13978-4093566810
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2007/11/1)
- 発売日 : 2007/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 381ページ
- ISBN-10 : 409356681X
- ISBN-13 : 978-4093566810
- Amazon 売れ筋ランキング: - 363,930位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京生まれ。翻訳家・ライター。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。同大学院音楽研究科修了。音楽を中心に、ジャンルを超えたさまざまな芸術文化に関する翻訳・執筆、取材・インタビュー記事等を、書籍・雑誌・webなどに掲載。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レポートに使う本でしたので 非常に助かりました。在庫してくださっていたことに 心から感謝します。適価で よかったです。状況もよかったです。 そして 本当に特急で 届けてくださったこと 心から感謝します。ありがとうございます。
2010年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第1章「太平洋上の二人の漂流者」での、太平洋を距てた両岸から互いの側に向かって旅立ったジョン万次郎とハーマン・メルヴィルについての物語から、モース、岡倉覚三、ヘンリー・アダムスとジョン・ラファージ、パーシヴァル・ローウェルとメイベル・トッド、ラフカディオ・ハーンとアーネスト・フェノロサ、セオドア・ルーズヴェルトとスタージス・ビゲロウらの評伝を経て、終章「一九一三年―ひとつの時代の終焉」で、乃木将軍や九鬼周造らの活躍と影響などに及ぶ、日米の文化的影響関係の歴史を描いている。それぞれ魅力的な人物についての活き活きとした描写に惹きこまれるが、小説ではなく、あくまでも文化史家としての史料に即した記述である。学ぶことが実に多かった。
ジョン万次郎がアメリカの近代文明を貪欲に吸収しつつあった時代に一方のアメリカでは、南北戦争後の「粗悪な物質文明」に幻滅し、社会から離反し放浪する知識人を生み出していた。この不安定な時代は「the Gilded Age(金ぴか時代)」(マーク・トウェイン)と呼ばれるそうだ。つまり近代の出発点において、日本とアメリカは、相手国に対してそれぞれが相異なる幻想を抱いたということになる。
アメリカが日本に魅了されたのは、一九五〇年代のビート詩人たちが最初でもなければ、一九二〇年代の形象主義者たちからでもないのである。それよりもっと以前から、アメリカは日本に魅了されていたのであり、それは今に至るまで変わっていない。メルヴィルの憧憬についての記述が簡潔に示していよう。
大森貝塚の発見者としてのみ知っていたエドワード・モースの偉大さにも驚かされた。しかしずいぶん日本の貴重品をアメリカへ持って行ってしまったものだ。しかし観察者としても収集家としても一流の人物だったのだ。
岡倉覚三(天心)に対する見方も面白い。
……みずからの色あせたキリスト教よりも、もっと精神的に強い何かを求めるボストン市民にとって、岡倉の悲しげな瞳と誇らしげな態度は、東洋の英知を放っているように見えた。
ラフカディオ・ハーンの日本での人気・評価の高さに関しても考えさせられた。
……ハーンが、理想的なもやに包まれた、古い時代の幽霊のような“遺物”を通して、日本を見ていたのは事実である。だが、それが、彼が日本人に尊敬されている主な理由ではない。西洋の批評家たちの中でおそらく彼一人だけだろうが、ハーンが雄弁に語ったのは、日本人の怒り、中でも日本にいる西洋人旅行者と在住者に対する怒りであった。
「高みに向かって進む努力それ自体が、人の心を満たすのに十分である」と主張したアルベール・カミュも「九鬼(周造)のフランス語のこの文章(『時間についての考察』)を知っていたということ。サルトルはよく知っていただろうし、彼らのサークルのもう一人の哲学者レイモン・アロンも、ポンティニーで九鬼の講演を聴いていた」という事実には、日本人として感動させられるだろう。
ジョン万次郎がアメリカの近代文明を貪欲に吸収しつつあった時代に一方のアメリカでは、南北戦争後の「粗悪な物質文明」に幻滅し、社会から離反し放浪する知識人を生み出していた。この不安定な時代は「the Gilded Age(金ぴか時代)」(マーク・トウェイン)と呼ばれるそうだ。つまり近代の出発点において、日本とアメリカは、相手国に対してそれぞれが相異なる幻想を抱いたということになる。
アメリカが日本に魅了されたのは、一九五〇年代のビート詩人たちが最初でもなければ、一九二〇年代の形象主義者たちからでもないのである。それよりもっと以前から、アメリカは日本に魅了されていたのであり、それは今に至るまで変わっていない。メルヴィルの憧憬についての記述が簡潔に示していよう。
大森貝塚の発見者としてのみ知っていたエドワード・モースの偉大さにも驚かされた。しかしずいぶん日本の貴重品をアメリカへ持って行ってしまったものだ。しかし観察者としても収集家としても一流の人物だったのだ。
岡倉覚三(天心)に対する見方も面白い。
……みずからの色あせたキリスト教よりも、もっと精神的に強い何かを求めるボストン市民にとって、岡倉の悲しげな瞳と誇らしげな態度は、東洋の英知を放っているように見えた。
ラフカディオ・ハーンの日本での人気・評価の高さに関しても考えさせられた。
……ハーンが、理想的なもやに包まれた、古い時代の幽霊のような“遺物”を通して、日本を見ていたのは事実である。だが、それが、彼が日本人に尊敬されている主な理由ではない。西洋の批評家たちの中でおそらく彼一人だけだろうが、ハーンが雄弁に語ったのは、日本人の怒り、中でも日本にいる西洋人旅行者と在住者に対する怒りであった。
「高みに向かって進む努力それ自体が、人の心を満たすのに十分である」と主張したアルベール・カミュも「九鬼(周造)のフランス語のこの文章(『時間についての考察』)を知っていたということ。サルトルはよく知っていただろうし、彼らのサークルのもう一人の哲学者レイモン・アロンも、ポンティニーで九鬼の講演を聴いていた」という事実には、日本人として感動させられるだろう。
2010年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ボストン周辺のニューイングランで、自国のあり方と
自分のあり方に悩んだ人々が、日本をどのように捉えたか
を書いた本です。
大森貝塚を発見したモースや東京大学の教授となったフェロノサ、ラフカディオ・ハーンらが
どのような事情で日本へ来て、どのように考えたか。また、彼らの日本に対する理想に岡倉天心
が深くかかわっていたことなど、開国直後の日本の文化を新しい視点で見ることができました。
「セオドア・ルーズヴェルト大統領は体が弱く、子供のような性格だったので、閣議で柔道を披露した」
など、それぞれの登場人物の性格や生活が描かれているので、とても読みやすい歴史物語に仕上がっています。
自分のあり方に悩んだ人々が、日本をどのように捉えたか
を書いた本です。
大森貝塚を発見したモースや東京大学の教授となったフェロノサ、ラフカディオ・ハーンらが
どのような事情で日本へ来て、どのように考えたか。また、彼らの日本に対する理想に岡倉天心
が深くかかわっていたことなど、開国直後の日本の文化を新しい視点で見ることができました。
「セオドア・ルーズヴェルト大統領は体が弱く、子供のような性格だったので、閣議で柔道を披露した」
など、それぞれの登場人物の性格や生活が描かれているので、とても読みやすい歴史物語に仕上がっています。
2011年3月28日に日本でレビュー済み
すばらしすぎる。こういう仕事がなされるのは、本当にすばらしいことだ。
著者からすれば、日本趣味=ジャポニズムの起源を追っかけただけなのかもしれないが。
日米関係の近代史は、どうしても排日移民法以降から戦中、戦後の関係が強すぎて、なかなか見えない。
なぜアメリカはああまで日本を研究するのか、日本脅威論だけでは説明できないのである。
すでにアメリカにとって日本は長い同盟国。まあ、いまでも年次改革書など、政治関係はいろいろあるとはいっても、アメリカの親日的な志向がどこから来るのか、本書を読むまでいまいち見えてこなかった。
メルヴィルとジョン万次郎のエピソードにはじまり、とにかく「アメリカにおける日本」のもうひとつの姿の歴史が非常にうまく描写されている。ついでに、岡倉天心の「茶の本」がハイデガーの後期哲学に影響を与えたなんて、知らなかった…。
渡辺京二『逝きし世の面影』などと読み合わせると、日本がなにを失い、その失う前の日本がどれだけ外国にとって魅力的であったかがわかる。まあ、今日では、その失ったあとの日本でさえも魅力的であるようだが。
文庫化されるなりして、広く読まれるべきである。
著者からすれば、日本趣味=ジャポニズムの起源を追っかけただけなのかもしれないが。
日米関係の近代史は、どうしても排日移民法以降から戦中、戦後の関係が強すぎて、なかなか見えない。
なぜアメリカはああまで日本を研究するのか、日本脅威論だけでは説明できないのである。
すでにアメリカにとって日本は長い同盟国。まあ、いまでも年次改革書など、政治関係はいろいろあるとはいっても、アメリカの親日的な志向がどこから来るのか、本書を読むまでいまいち見えてこなかった。
メルヴィルとジョン万次郎のエピソードにはじまり、とにかく「アメリカにおける日本」のもうひとつの姿の歴史が非常にうまく描写されている。ついでに、岡倉天心の「茶の本」がハイデガーの後期哲学に影響を与えたなんて、知らなかった…。
渡辺京二『逝きし世の面影』などと読み合わせると、日本がなにを失い、その失う前の日本がどれだけ外国にとって魅力的であったかがわかる。まあ、今日では、その失ったあとの日本でさえも魅力的であるようだが。
文庫化されるなりして、広く読まれるべきである。
2007年12月16日に日本でレビュー済み
「ペリー来航」というと、
どうしても私たちは「日本が開かれるきっかけ」
と、すぐにとらえるように教育されています。
でも、地図をひっくり返してみれば、
「アメリカが日本という文化によって開かれる」
ともとれるわけです。
というわけで、
この本は、幕末から明治以降にかけて、
日本とアメリカのつながりを
書いた本です。
のっけは、
ジョン万次郎とハーマン・メルビル。
ふたりの船乗りが、
どんなふうにして結びついて(すれ違って)いたのか、
これだけでも、かなり楽しく読ませます。
その後の岡倉天心やモース、ハーンもまたしかり。
タイトルだけだと、
なんだかよくわかりませんが、
楽しい歴史読みものです。
どうしても私たちは「日本が開かれるきっかけ」
と、すぐにとらえるように教育されています。
でも、地図をひっくり返してみれば、
「アメリカが日本という文化によって開かれる」
ともとれるわけです。
というわけで、
この本は、幕末から明治以降にかけて、
日本とアメリカのつながりを
書いた本です。
のっけは、
ジョン万次郎とハーマン・メルビル。
ふたりの船乗りが、
どんなふうにして結びついて(すれ違って)いたのか、
これだけでも、かなり楽しく読ませます。
その後の岡倉天心やモース、ハーンもまたしかり。
タイトルだけだと、
なんだかよくわかりませんが、
楽しい歴史読みものです。