『ぼっけぇ、きょうてぇ』で知られる岩井志麻子さんの長編小説。
同僚の女性を殺害し、遺体を切断した罪で服役中の女性を主人公とし
女性の濃密な内面を情感あふれる筆致で描く、
まさしく著者ならではの作品です。
人を殺し、その亡霊を見るものの
さして反省するわけでもなく淡々と服役生活を送る日々。
厳格だった母への思いや、
関係を持った男性たち、そして被害者
過去と現在が交錯する中で、やがて語られる殺人と死体の解体。
描写そのものの凄惨さもさることながら
ぬっぺりと、なまぬるい血が体をゆっくりと伝うような感覚や
生温かい遺体の触感が感じられるようで
思わずゾッ〜としてしまいました
また、出所後の女性の行動が
女性のたくましさなのか、あるいは、狂気なのか
判別がつかないのも、著者らしくていい!!
爽やかになるはずはなく、ラストも薄ら寒いものを感じるのに
不思議なほど読後感の良い本作☆☆
頭の中の倫理観を一度リセットしたいときにはうってつけです☆
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五月の独房にて 単行本 – 2009/1/29
岩井 志麻子
(著)
嫉妬と妄想の果てに暴走する女の冷徹な狂気
小説家として、またエッセイストとして幅広く活躍する岩井志麻子が放つ、戦慄のサスペンスノベル。
週刊ポストにて大反響を呼んだ連載小説『愛人の記録の散逸』に大幅な加筆改稿を施し、改題した単行本です。
社員旅行で起きたレイプ事件をきっかけに、その加害男性と不倫関係に陥り、やがて妄執の虜となって
男とその関係者を追い詰める主人公・彩子。物語は彩子の果てることのない肉欲と、おぞましいほどの自己顕示欲を柱に、
殺害から遺体解体作業、さらにはあくまでも殺意を否認する裁判、懲役16年の獄中生活、
そして社会復帰を果たしたその後までを綴っていきます。
嫉妬と妄想の果てに暴走する女の狂気と欲望を描ききった岩井作品の集大成です。
小説家として、またエッセイストとして幅広く活躍する岩井志麻子が放つ、戦慄のサスペンスノベル。
週刊ポストにて大反響を呼んだ連載小説『愛人の記録の散逸』に大幅な加筆改稿を施し、改題した単行本です。
社員旅行で起きたレイプ事件をきっかけに、その加害男性と不倫関係に陥り、やがて妄執の虜となって
男とその関係者を追い詰める主人公・彩子。物語は彩子の果てることのない肉欲と、おぞましいほどの自己顕示欲を柱に、
殺害から遺体解体作業、さらにはあくまでも殺意を否認する裁判、懲役16年の獄中生活、
そして社会復帰を果たしたその後までを綴っていきます。
嫉妬と妄想の果てに暴走する女の狂気と欲望を描ききった岩井作品の集大成です。
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2009/1/29
- ISBN-104093797986
- ISBN-13978-4093797986
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2009/1/29)
- 発売日 : 2009/1/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4093797986
- ISBN-13 : 978-4093797986
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,108,193位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年4月27日に日本でレビュー済み
ニュースに時折出てくる殺人犯にもこんな背景があるのかもしれない。そう思った。
後半、主人公の狂気が徐々に沸点に達していく様は醜悪で、
そこに著者の思い入れのようなものを感じた。
読んでいて、ひくことはなかったにせよ、かなりのドロドロぶりなので、
著者の作品に慣れているか、アクが強いものが好きな方にのみ薦める。
読後は、どんよりとした不気味な余韻が残る。
後半、主人公の狂気が徐々に沸点に達していく様は醜悪で、
そこに著者の思い入れのようなものを感じた。
読んでいて、ひくことはなかったにせよ、かなりのドロドロぶりなので、
著者の作品に慣れているか、アクが強いものが好きな方にのみ薦める。
読後は、どんよりとした不気味な余韻が残る。
2012年10月7日に日本でレビュー済み
彩子は無条件にそのままの自分を受け入れてくれる場所(ひと)がしかったのでしょうね。でもきっと自分自身が誰をも受け容れていませんよね。娘との関係も築けなかった。彩子は愚かな女?哀れな女?でもあなたにも、私にも、身につまされる部分がありませんか。人間(女性)の中の誰もが身につまされる深い闇を丁寧に描き出して見せてくれるからこそ、この作品に、なんだか惹かれてしまうのではありませんか。
2009年4月26日に日本でレビュー済み
タイトルから想像がつきましたが、同僚女性を殺し、
バラバラに遺棄した女・彩子の、手記のような形をとったフィクションです。
現在の女子刑務所での暮らしからはじまり、育った環境、
事件のあらましなどを丁寧に告白していて、
とてもリアルに感じました。
後半はぐっとグロテスクになり、血なまぐさい小説が嫌いな方にはお薦めできません。
全体を通して感じたのは、三つ子の魂百までというのは本当だなと言うこと。
いくら親が嫌いで違った人生を歩もうとしても、
一生その呪縛から抜け出すことはできないし、
いい意味でも悪い意味でも、
気づくと自分はその嫌った親に似た人間になっているんです。
彩子はずっと親の目を伺う子どもの立場から抜け出せず、
悪いことをしたのも誰かのせいにして生きている。
人間の本質は決して変わらないものなんですね。
ラストがとにかくコワイです。
実話かもしれないと思わせる迫力がありました。
バラバラに遺棄した女・彩子の、手記のような形をとったフィクションです。
現在の女子刑務所での暮らしからはじまり、育った環境、
事件のあらましなどを丁寧に告白していて、
とてもリアルに感じました。
後半はぐっとグロテスクになり、血なまぐさい小説が嫌いな方にはお薦めできません。
全体を通して感じたのは、三つ子の魂百までというのは本当だなと言うこと。
いくら親が嫌いで違った人生を歩もうとしても、
一生その呪縛から抜け出すことはできないし、
いい意味でも悪い意味でも、
気づくと自分はその嫌った親に似た人間になっているんです。
彩子はずっと親の目を伺う子どもの立場から抜け出せず、
悪いことをしたのも誰かのせいにして生きている。
人間の本質は決して変わらないものなんですね。
ラストがとにかくコワイです。
実話かもしれないと思わせる迫力がありました。