6編の連作とそれぞれのモチーフとなる現代絵画からなる本です。
テーマは魂の救いです。
激情も異常も蒼い色彩の中,野ばらちゃんの世界の静謐にひたれます。
少々展開が唐突で,本編ラストが落ち着かなかったので☆が少し欠けていますが,いいお話です。
巻末のもう一つのカルプス・アルピスでは,落涙のご覚悟を。
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カルプス・アルピス 単行本 – 2003/10/1
嶽本 野ばら
(著)
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嶽本野ばらが夭折の天才画家と紡ぐ恋愛小説。
デビュー以降、“乙女”を描き続けてきた嶽本野ばらの最新作は、「月刊IKKI」という青年マンガ誌に連載されたため、男性にも親しみやすい内容となっている。優柔不断な僕と、記憶をなくした彼女が織りなす恋愛風景。それを、夭折した天才画家・田仲容子の遺作を一章ごとのモチーフとして、親交の深かった著者が綴った恋愛小説全6章。巻頭では目次として、モチーフとなった作品をギャラリー風に紹介し、カラーで楽しめる。さらに、田仲氏をめぐる人々の不思議な真実を書き下ろした26ページに及ぶ「あとがき」も収録。「本編」と「あとがき」、この両者を併せて、初めてこの作品は完結する。
デビュー以降、“乙女”を描き続けてきた嶽本野ばらの最新作は、「月刊IKKI」という青年マンガ誌に連載されたため、男性にも親しみやすい内容となっている。優柔不断な僕と、記憶をなくした彼女が織りなす恋愛風景。それを、夭折した天才画家・田仲容子の遺作を一章ごとのモチーフとして、親交の深かった著者が綴った恋愛小説全6章。巻頭では目次として、モチーフとなった作品をギャラリー風に紹介し、カラーで楽しめる。さらに、田仲氏をめぐる人々の不思議な真実を書き下ろした26ページに及ぶ「あとがき」も収録。「本編」と「あとがき」、この両者を併せて、初めてこの作品は完結する。
- 本の長さ131ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2003/10/1
- ISBN-104093861269
- ISBN-13978-4093861267
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
優柔不断な僕と、記憶をなくした彼女が織りなす恋愛風景。夭折の画家・田仲容子と「絵画のように」綴った、清くて切ない恋愛小説。『IKKI』に連載された「カルピス・アルプス」を改題して単行本化。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2003/10/1)
- 発売日 : 2003/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 131ページ
- ISBN-10 : 4093861269
- ISBN-13 : 978-4093861267
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,034,509位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 23,700位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年2月9日に日本でレビュー済み
嶽本野ばらと画家・田仲容子のコラボレーション作品です。
私は絵画などの芸術に全く詳しくありませんが、それでもひとつひとつのイラストに不思議な魅力を感じます。
また、あとがきに書いてある、この本が刊行される事となった経緯、そのドラマには胸を強く打たれました。
ただ、個人的には最後の超展開などの奇抜な展開に少しついていけませんでしたし、
著者の他の作品と比べるとあまり登場人物に魅力を感じませんでした。
とはいえ、野ばら作品には珍しいハッピーエンドは良かったです。
私は絵画などの芸術に全く詳しくありませんが、それでもひとつひとつのイラストに不思議な魅力を感じます。
また、あとがきに書いてある、この本が刊行される事となった経緯、そのドラマには胸を強く打たれました。
ただ、個人的には最後の超展開などの奇抜な展開に少しついていけませんでしたし、
著者の他の作品と比べるとあまり登場人物に魅力を感じませんでした。
とはいえ、野ばら作品には珍しいハッピーエンドは良かったです。
2005年8月15日に日本でレビュー済み
プロットをたてずに描いたという作品だけあって、ストーリー展開に少し違和感や、おかしいと思う感じもあったけど、最後にはすーっと納得させられるお話でした。
テーマのためにストーリーがあってその駒として人が登場する。そういう印象を受けた話。
実際、全ての疑問はあとがきを読んで解決しました。あとがきを読んだあとまた読み返したら、きっと違った印象を受けると思います。
なんで、田仲容子さんの絵が挿絵としてあるのか?どういうものを基として描いてるのか。
納得した時にまた野ばら先生の偉大さを思い知りました。
途中まではあまり進まず、理解も出来ず読んでたけど、中盤からざっと引き込まれるようにすごいスピードで読み進められました。
説明が不足しがちではあったけど、だからこそ静かで澄んだ雰囲気が出てたし、心に残る素敵なセリフ達。
小説と言うより詩集に近い雰囲気を持ってる作品だと思いました。
田仲容子さんの絵によく合う透明で、深い蒼を秘めた物語。頭の中に田仲容子さんの絵を思い浮かべながら読むと、素敵な空間に引き込まれる。そんな作品。
テーマのためにストーリーがあってその駒として人が登場する。そういう印象を受けた話。
実際、全ての疑問はあとがきを読んで解決しました。あとがきを読んだあとまた読み返したら、きっと違った印象を受けると思います。
なんで、田仲容子さんの絵が挿絵としてあるのか?どういうものを基として描いてるのか。
納得した時にまた野ばら先生の偉大さを思い知りました。
途中まではあまり進まず、理解も出来ず読んでたけど、中盤からざっと引き込まれるようにすごいスピードで読み進められました。
説明が不足しがちではあったけど、だからこそ静かで澄んだ雰囲気が出てたし、心に残る素敵なセリフ達。
小説と言うより詩集に近い雰囲気を持ってる作品だと思いました。
田仲容子さんの絵によく合う透明で、深い蒼を秘めた物語。頭の中に田仲容子さんの絵を思い浮かべながら読むと、素敵な空間に引き込まれる。そんな作品。
2004年5月20日に日本でレビュー済み
はじめにこの話には、絵がある。
はじめにこの話には、静かな精霊がいる。
この話には、魂が宿る。
記憶がない、けれど美しく泳ぐ女性
それをみている、プールの監視人
それだけで物語は始まることができる。
記憶がある、けれど無気力で
記憶がない、それだけに希薄で
それだけに何かを求める。二人(?)の話
最後まで最後をよませない構成は
非常に唐突ではあるが面白いもの
ひとつの話をめぐるひとつのドラマ
個人的に後書きの裏話的な部分がとても好きです。
はじめにこの話には、静かな精霊がいる。
この話には、魂が宿る。
記憶がない、けれど美しく泳ぐ女性
それをみている、プールの監視人
それだけで物語は始まることができる。
記憶がある、けれど無気力で
記憶がない、それだけに希薄で
それだけに何かを求める。二人(?)の話
最後まで最後をよませない構成は
非常に唐突ではあるが面白いもの
ひとつの話をめぐるひとつのドラマ
個人的に後書きの裏話的な部分がとても好きです。
2005年4月1日に日本でレビュー済み
嶽本野ばらさんの本は、エッセイも含め殆ど読んだのですがこの本は他の作品とはどこか雰囲気が違う。それは言葉の言いまわしの独特さだけではない。
この作品はそれぞれの章に田仲容子さんという画家の画が添えられています。
最初私は画を見ずに小説を読み、その後に画を見ました。それからもういちど読み返すとまた違った印象を受けました。読むたびに味が出る、見るたびに色彩の表情が変わってくる、そんな作品です。唯の恋愛小説じゃ終わらせない、複雑な線が絡み合っているとても深いもののように感じました。
そしてこの作品のタイトル、「カルピス・アルピス」もあとがきによりもうひとつの物語が存在します。そちらも必見です。
この作品はそれぞれの章に田仲容子さんという画家の画が添えられています。
最初私は画を見ずに小説を読み、その後に画を見ました。それからもういちど読み返すとまた違った印象を受けました。読むたびに味が出る、見るたびに色彩の表情が変わってくる、そんな作品です。唯の恋愛小説じゃ終わらせない、複雑な線が絡み合っているとても深いもののように感じました。
そしてこの作品のタイトル、「カルピス・アルピス」もあとがきによりもうひとつの物語が存在します。そちらも必見です。
2004年9月29日に日本でレビュー済み
音の無い海を眺めているような,どこか怖い,
けれども引き込まれる不思議なオーラに包まれた物語。
読了して時が経つほどに心に染み込んでゆきました。
運命,深い愛を感じさせる一冊。
けれども引き込まれる不思議なオーラに包まれた物語。
読了して時が経つほどに心に染み込んでゆきました。
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