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寂しい写楽 単行本 – 2009/6/26
宇江佐 真理
(著)
寛政3年、改革令に触れて、版元の耕書堂蔦屋重三郎は手鎖50日、身代半減の刑を受けた。
それでも蔦屋は、幕府の倹約令に反旗を翻すように、多色の雲母摺りで歌舞伎役者の大首絵刊行を試みる。
絵師に選ばれたのが、東洲斎写楽。本業は能役者で斉藤十郎兵衛という男だった。大量出版のため、
助っ人に借り出されたのが、山東京伝と、のちの葛飾北斎と十返舎一九。
世間をあっと言わせようという蔦屋一世一代の大勝負だったが……。
屈指の人気時代小説家宇江佐真理氏が、デビュー前から温めていたテーマに取り組んだ。
江戸の繁栄の狭間に一瞬だけ光り輝いた、奇矯の絵師の真実に迫る渾身の一作。
それでも蔦屋は、幕府の倹約令に反旗を翻すように、多色の雲母摺りで歌舞伎役者の大首絵刊行を試みる。
絵師に選ばれたのが、東洲斎写楽。本業は能役者で斉藤十郎兵衛という男だった。大量出版のため、
助っ人に借り出されたのが、山東京伝と、のちの葛飾北斎と十返舎一九。
世間をあっと言わせようという蔦屋一世一代の大勝負だったが……。
屈指の人気時代小説家宇江佐真理氏が、デビュー前から温めていたテーマに取り組んだ。
江戸の繁栄の狭間に一瞬だけ光り輝いた、奇矯の絵師の真実に迫る渾身の一作。
- 本の長さ258ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2009/6/26
- ISBN-104093862508
- ISBN-13978-4093862509
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2009/6/26)
- 発売日 : 2009/6/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 258ページ
- ISBN-10 : 4093862508
- ISBN-13 : 978-4093862509
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,454,101位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 359,242位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
蔦やの盛衰と若き日の北斎、一九、馬琴ら相互のかかわり、創作姿勢の変遷が興味深く、また、中心にある写楽とは何者か、宇江佐さんの推理を面白く読みました。
2014年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宇江佐作品は大好きで、よく読んでいます。この人が書く「写楽」に関心があったので、早速購入しました。
まず、蔦屋重三郎や山東京伝、十返舎一九といった人々の人物伝のような様相もあり、勉強になりました。
が、肝心の写楽に対して、作者本人の「愛」がなかったように思います。
幾五郎(一九)のセリフで「だれも(写楽を)相手にしないでしょう」という突き放し方も、残酷な気がします。
写楽絵の「工房説」をとっていらっしゃったようですが、個性派の北斎が集団の中で、しかも他人名義で絵を描くかどうかは疑問です。写楽が「だれ?」という議論は「斉藤十郎兵衛」とほぼ決着がついていることなので、下級武士にして能役者である写楽の葛藤に焦点をあてても面白かったのでは? と思います。
写楽絵には他の絵師とはひと味ちがう重厚さと躍動感があるので、それを北斎や山東京伝といったネームバリューのある人たちの「お手がら」にまとめるのは、長年の「写楽論争」に追従しているのではないか、と思えて残念です。
まず、蔦屋重三郎や山東京伝、十返舎一九といった人々の人物伝のような様相もあり、勉強になりました。
が、肝心の写楽に対して、作者本人の「愛」がなかったように思います。
幾五郎(一九)のセリフで「だれも(写楽を)相手にしないでしょう」という突き放し方も、残酷な気がします。
写楽絵の「工房説」をとっていらっしゃったようですが、個性派の北斎が集団の中で、しかも他人名義で絵を描くかどうかは疑問です。写楽が「だれ?」という議論は「斉藤十郎兵衛」とほぼ決着がついていることなので、下級武士にして能役者である写楽の葛藤に焦点をあてても面白かったのでは? と思います。
写楽絵には他の絵師とはひと味ちがう重厚さと躍動感があるので、それを北斎や山東京伝といったネームバリューのある人たちの「お手がら」にまとめるのは、長年の「写楽論争」に追従しているのではないか、と思えて残念です。
2016年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
能の揺るがせない根本原理は顔が動かないとういうことである。それは多分霊や気の変化に対して動かさない方がよく対処でき、よく対処するとはそういうことだということである。
翻ってというか翻して云えば、顔はたとえ表情が変わっても共通の位相をもっていて素顔の表情やその心に返っても元々同相の位相をもっている。写楽が写楽として言いたかったこと、表現したかったことはそういうことだったのではないかな、と私などは直截に当時に立ち返る本書を読みながら考えた。
動かさないから動かないものとした能楽に対し、写楽は動かないから動いても動かせないものとして役者の顔を描いてみせた。
逆に苦言すれば、何が寂しいと云ってそれを理解しないこちら側の感受性や理解力のなさの方なのかもしれない。
翻ってというか翻して云えば、顔はたとえ表情が変わっても共通の位相をもっていて素顔の表情やその心に返っても元々同相の位相をもっている。写楽が写楽として言いたかったこと、表現したかったことはそういうことだったのではないかな、と私などは直截に当時に立ち返る本書を読みながら考えた。
動かさないから動かないものとした能楽に対し、写楽は動かないから動いても動かせないものとして役者の顔を描いてみせた。
逆に苦言すれば、何が寂しいと云ってそれを理解しないこちら側の感受性や理解力のなさの方なのかもしれない。
2013年7月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宇江佐真理さんの大ファンです。すべて読ませて頂いてます。特に「雷桜」は大好きです。映画化もされましたが、映画で観ても素敵でした。
写楽は歴史を追っておられるからか、主役が絞られてない感じがして読み終えても感動がありませんでした。また、宇江佐さんの描く心の
内側の描写もあまり見られなく残念でした。
写楽は歴史を追っておられるからか、主役が絞られてない感じがして読み終えても感動がありませんでした。また、宇江佐さんの描く心の
内側の描写もあまり見られなく残念でした。
2013年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宇江佐さんの小説は「いっちいい」のと「残念」な感じの両極端で、これは「残念」な感じです。登場人物の来歴の部分が多すぎて、興ざめですし、全体的に設定に無理があると思います。
2011年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは「写楽は誰?」という本ではありません。写楽は斎藤十郎兵衛としてそのまま現れます。主役は蔦屋重三郎と山東京伝かなあ。写楽の面白さは「誰?」というミステリーも一つですが、もう一つ蔦屋重三郎が立てた作戦の巧妙さにあると思っています。この本は後者の方を扱った小説です。真実も蔦屋重三郎と斎藤十郎兵衛の2人の話ではなかったと思うのですね。いろんな人が絡んでいたはず。ここの部分は色々と想いが広がって小説にしたいところでしょう。今後は「誰?」路線よりこの部分(蔦屋重三郎が立てた作戦)を取り扱った小説が増えそうです。有名な粋な通人を出せるので楽しいと思います。個人的には斎藤十郎兵衛ももっと粋な人物に仕立ててほしかったですね。それとこの本では大首絵は売れなかったことになってます。デビューの第1期ですね。このところも意見が分かれてます。売れたという論陣を張る人もいます。本当はどうだったのでしょうか?
なにせ有名人がそろって出てきますが、名前が当時の呼び名(幾五郎(十返捨一九)、鉄蔵(葛飾北斎)、倉蔵(滝沢馬琴)、伝蔵(山東京伝))なので名簿を手元に作って読んだ方がイメージが膨らんで楽しいです。上記の疑問に対してそれなりに上手くわけが考えられていて、こういう見方も出来るのかと面白く読みました。本の中では写楽の絵が売れなくって仕方がないから破れた襖に張られてるというシーンがあります。今の価値では2000万円以上らしいです。
最後に「寂しい」の意味がなかなか重くていいですよ。それぞれの「寂しい」があって写楽の話は写楽個人の物語でないところが実に楽しいですね。
なにせ有名人がそろって出てきますが、名前が当時の呼び名(幾五郎(十返捨一九)、鉄蔵(葛飾北斎)、倉蔵(滝沢馬琴)、伝蔵(山東京伝))なので名簿を手元に作って読んだ方がイメージが膨らんで楽しいです。上記の疑問に対してそれなりに上手くわけが考えられていて、こういう見方も出来るのかと面白く読みました。本の中では写楽の絵が売れなくって仕方がないから破れた襖に張られてるというシーンがあります。今の価値では2000万円以上らしいです。
最後に「寂しい」の意味がなかなか重くていいですよ。それぞれの「寂しい」があって写楽の話は写楽個人の物語でないところが実に楽しいですね。
2017年11月13日に日本でレビュー済み
板元蔦屋重三郎がしかける北斎興行の熱気と祭りのあとの寂しさを描いた群像劇。蔦屋重三郎(喜多川重三郎)は江戸の出版元(書肆・板元)。
この店とかかわりのある山東京伝(伝蔵),葛飾北斎(鉄蔵,春朗),十返舎一九(幾五郎),曲亭馬琴(倉蔵),喜多川歌麿(勇助だが番頭と同じになるので歌麿と呼ばれている),大田直二郎(大田南畝),それから東洲斎写楽(斎藤十郎兵衛だが主として写楽と呼ばれている)が主な出場人物。それぞれの出自と北斎興行との関係が描かれるがみんな寂しい。
群像劇といえば,アーサー・ヘイリーが有名だが,いまは過去の人だから面白いのに見向きもされなくなっている。『ホテル』『大空港』『自動車』『マネーチェンジャーズ』など,その業界の内幕を描いたらピカイチ。
で,宇江佐真理はアーサー・ヘイリーを超えているかというと,残念ながら寂しい。出場人物の故事来歴を丁寧に紹介している分,まどろっこしい。かといって,それを抜かすとプロットだけになってしまう。重三郎がしかけた北斎興行がしっかり描けているかというと,あまり小説的面白さはない。なにしろ,登場人物はどれも一癖も二癖もある。そのひとりひとりだけで一篇の長篇小説が書けてしまう。その証拠に,歌麿,春朗,伝蔵たちを中心とする高橋克彦の「だましゑ歌麿シリーズ」は7冊もある。鉄蔵は娘の応為を中心に何人かの作家が手がけている。その密度で描いていくと,大河小説になるだろう。
かといってダメ作かというとそうは思わない。この「寂しい」が尾を引くのだ。おそらくこの本はプロットが簡単なだけに,いつまでも頭のなかから去ることはないだろう。そんな寂寞感が残る。
この店とかかわりのある山東京伝(伝蔵),葛飾北斎(鉄蔵,春朗),十返舎一九(幾五郎),曲亭馬琴(倉蔵),喜多川歌麿(勇助だが番頭と同じになるので歌麿と呼ばれている),大田直二郎(大田南畝),それから東洲斎写楽(斎藤十郎兵衛だが主として写楽と呼ばれている)が主な出場人物。それぞれの出自と北斎興行との関係が描かれるがみんな寂しい。
群像劇といえば,アーサー・ヘイリーが有名だが,いまは過去の人だから面白いのに見向きもされなくなっている。『ホテル』『大空港』『自動車』『マネーチェンジャーズ』など,その業界の内幕を描いたらピカイチ。
で,宇江佐真理はアーサー・ヘイリーを超えているかというと,残念ながら寂しい。出場人物の故事来歴を丁寧に紹介している分,まどろっこしい。かといって,それを抜かすとプロットだけになってしまう。重三郎がしかけた北斎興行がしっかり描けているかというと,あまり小説的面白さはない。なにしろ,登場人物はどれも一癖も二癖もある。そのひとりひとりだけで一篇の長篇小説が書けてしまう。その証拠に,歌麿,春朗,伝蔵たちを中心とする高橋克彦の「だましゑ歌麿シリーズ」は7冊もある。鉄蔵は娘の応為を中心に何人かの作家が手がけている。その密度で描いていくと,大河小説になるだろう。
かといってダメ作かというとそうは思わない。この「寂しい」が尾を引くのだ。おそらくこの本はプロットが簡単なだけに,いつまでも頭のなかから去ることはないだろう。そんな寂寞感が残る。