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夜行 単行本 – 2016/10/25

4.1 5つ星のうち4.1 1,158個の評価

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僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。

私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。
十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。
十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。
夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。
私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作!
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 小学館 (2016/10/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/10/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 256ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 409386456X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4093864565
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 1,158個の評価

著者について

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森見 登美彦
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1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ペンギン・ハイウェイ (ISBN-13: 978-4048740630 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
5つのうち4.1つ
1,158グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
京都には、独特空気があります。
盆地特有の。

じとっとした暑さ、芯まで冷える寒さ、その京都ならではを味わったことがあれば、この作品は面白いと思います。

そうでなければ、どこか遠くの妄想の一つでしかない、よくわからない。そう感じると思います。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体をぼんやりと読んでいると夜行の不思議な世界観が楽しめる作品です。
ただし聞き手となる人物である大橋君に感情移入すると居た堪れなくなるので
明確な救いのようなものを求める人には絶対にお勧めできません。

銅版画「夜行」の作者である岸田は恐らく何らかの理由で銅版画「曙光」の存在する世界の自分とごっちゃになってしまった人であり、銅版画の世界では妻である長谷川さんの影を追うように連作である「夜行」に顔のない女性として彼女の姿を描いていました。
 顔のない理由は別世界であるためぼんやりとしか姿を思い描けなかったためであると思われます。10年前の火祭の際にそんな狂気じみた執着をもつ岸田と長谷川さんが英会話スクールの集合の前に出会っていたとしたら、それが失踪の理由なのだろうと私は納得しました。
 10年ぶりに英会話スクールの面々と再会した大橋君は百物語のように皆から岸田の銅版画のタイトルにちなんだような話を聞き、最後には自らも銅版画の世界に迷い込んでいきました。
 そこで迎えた最後が『唐突に失ったものを目の前にぶら下げられたと思ったら今度は前回より多少、目に見える形で奪われた』という大橋君のけなげな「おはようございます」です。
結局のところ何も戻ってこなかった。おそらく長谷川さんは元の世界ではもう死んでいるし、銅板画作品の向こうの世界では岸田と幸せに暮らしている。

 自分がいなくなっても皆は各自の人生を続けていたし、誰かいなくなっても自分も生きてきた。
一期一会、それぞれの歳月。一度しか来ない朝と延々と続く夜を繰り返してどうしようもなく人生は続いていく。
そんな作品でした。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
独特な世界観が描かれていてとても惹き付けられる作品です!
先が気になってしまい、読む手が止まりませんでした笑
似たような作品があれば読んでみたいです
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 まず、端的に書いてしまえば、夜行は雰囲気を楽しむにはいいが、あまり娯楽小説として機能していない。著者の代表作である四畳半神話体系や、有頂天家族と比すると、単純な面白さでは及ばないと思う。

 本作は短編連作の形で書かれている。
 簡単に筋を書くと、十年前にあるグループが祭りに行った夜、その内の一人の女性が失踪してしまう。
 そして、その十年後である現在、もう一度当時の面々で集まり、女性を偲ぶ意味も込めて、祭りに行ってみようという話。
 祭りに行く前に、これまでに旅先で出会った不思議な話を披露しようという流れである。
 この本は、そうした不思議な話が四人分と、この集まりの顛末を描く最終章で構成されている。
 まず、不思議な話があまりうまくない。特に前半二つはあまり面白くない。これらは怪談のようなテイストで語られる。普通の怪談と違うのは、旅先で起きること、失踪した女性の影が見えること、謎の絵描きの絵が関連していることだ。展開は脈絡がなく、夢の中のようにあやふやで、そして一番気になるのが、一つの小咄としてのオチがないことだ。四つの話はすべて異世界のような得体の知れない世界に迷い込んだかのように終わるが、それでは現実に語る四人が集まっていることに説明がつかない。よくある都市伝説のオチに、その場にいる全員が死んでしまった、というものがあって、じゃあその話は誰から聞いたんだよ、とツッコミが入ったりするあの展開に似ている。
 それでも、失踪した女性や謎の画家の正体に徐々に迫っていく後半二つの話はそれなりに面白かったし、最終章は先が気になって読み進められた。
 ただ、最終章の展開では、この物語の根幹を成す失踪した女の正体については釈然としないまま終わる。夜と朝の対比で綺麗にまとめられたような気もするが、そもそも物語の輪郭にあやふやな部分が大きい。一般受けしにくそうな幻想小説だが、それでももう十六万部以上売り上げているのは素直にスゴいと思った。
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界の半分は夜。ドラゴンクエストの勇者が手に入れた世界。不思議な扉の向こうには。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
京都の鞍馬の火祭に行った大学生たちのうち、長谷川さん(女性)が忽然と姿を消した。十年後再び仲間は京都に集まり、再び鞍馬に行こうとする。宴席で数人が「岸田道生」という銅板画家に纏わる話を始める。それには不思議な共通点が…。
森見登美彦さんの小説はアニメが最適…と思ってましたが、これは実写映画で観てみたい!
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
素晴らしいの一言に尽きる作品です。

『きつねのはなし』や、『太陽の塔』の電車描写に見られるような、〈異世界〉の感覚を実に巧みに立体化した物語です。
尾道や津軽といった地方を舞台に導入することで、読者の旅情を喚起しつつ、その世界はどこかひんやりとした〈異世界〉の感覚に包まれています。

たしかに、他のレビュアーの方も指摘されているとおり、ミステリー的な解決や筋の通った物語展開を期待する読者には少し物足りないかもしれません。
しかし、なんと言ってもこの作品の真髄は、物語世界を覆い尽くす〈異〉と〈妖〉の感覚なのだと思います。
夜のバスに揺られて読み終えたいま、この窓の外にも無限の夜が続いているのではないか、そんなことを考えてしまいます。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待していた「森見登美彦節」を感じることができず、
私にはかなり退屈な作品だった。

「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」や「有頂天家族」などの作品にはどれも
登場人物たちの、知的だったり、妙に回りくどかったり、ユーモアにあふれていたり、
本質をえぐったり、アイロニカルだったりする独特な語彙の選択・言い回しがあった。

すなわち、登場人物たち全員が、善悪問わず魅力的なのだ。

そしてそれが、森見登美彦作品の描く世界の輝きに直結していると、
他作品も楽しんできた。

だが本作「夜行」では、そのエッセンスを感じられることができなかった。
篇毎に語り手が変わるという変則的な構成だったことも一因かも知れないが、
それでも、「らしさ」が無かった。

帯には「10年目の集大成」やら「本屋大賞ノミネート」やら書かれているが、
別の作品の方が、もっと面白い。

ポジティブな捉え方をすると、著者自身が自らの殻を破り、
次のステージに向かおうとしている表れなのかもしれないが、
森見登美彦をこれから読もうとする人は、まず別の作品から始めることをオススメする。
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート