1953年、オクラホマの富豪のボンボンがスポーツカーを買いにニューヨークに出かけた。入った店にあった一幅の絵に一目惚れし、車は絵に化けた。絵は若冲の《葡萄図》、それがコレクションの始まりだった。店に連れていったのは、あのフランク・ロイド・ライト。運命的な出会いはなんとなくライトが仕組んだような気もしてくる。
インタビュアーは山下裕二。所蔵している若冲や蕭白の作品の真贋論争に関連して、「絵がよければ、それは『本物』なんです。……私は絵が好きで手に入れたわけで、落款にお金を払ったわけではありません」と言ってしまうあたりが、いかにもジョー・プライスらしい。
残念なことに、昨年4月、彼は93歳で亡くなった。その4カ月後、奥さんの悦子・プライスも84歳で亡くなっている。
(p.s. 最近文庫化された彬子女王『赤と青のガウン』には、師のひとりとしてジョー・プライスが出てくる。彼の家に滞在した時の微笑ましいエピソードも紹介されている。)
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若冲になったアメリカ人 ジョー・D・プライス物語 単行本 – 2007/6/14
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若冲の絵のコレクターとして世界的に有名なジョー・プライス氏のこれまでの半生をインタビュー形式でまとめた一冊。「葡萄図」との出会いで啓示を受け、ついに日本で展覧会が開催されるまでの軌跡を語り尽くす。
- 本の長さ274ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2007/6/14
- ISBN-104093877130
- ISBN-13978-4093877138
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2007/6/14)
- 発売日 : 2007/6/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 274ページ
- ISBN-10 : 4093877130
- ISBN-13 : 978-4093877138
- Amazon 売れ筋ランキング: - 441,757位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 191位東洋・日本美術史
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2024年5月17日に日本でレビュー済み
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2024年4月26日に日本でレビュー済み
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本当に買って良かった。
全ての日本人、全ての芸術を愛する人に読んで欲しい。本当の芸術に繋がる道がこの本にはあります。
全ての日本人、全ての芸術を愛する人に読んで欲しい。本当の芸術に繋がる道がこの本にはあります。
2023年8月10日に日本でレビュー済み
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ジヨープライスの人となりが良くわかりました。
2015年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
若冲に惹かれたプライスさんの魅力が絵画とともに記述されており。若冲作品を世界に紹介した人生ストリーがとても興味深い内容の本です
2013年7月2日に日本でレビュー済み
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伊藤若冲のことが、とても身近に感じられるトークが魅力的。ジョー・プライスさんの人柄に感動。作品解説が、作品を鑑賞するときに非常に参考になった。
2011年10月24日に日本でレビュー済み
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本の内容をうまく表現出来ませんが、読んでよかった。
ジョー・プライスさんが、こんなにも愛情を注いで下さったことに感謝します。
ジョー・プライスさんが、こんなにも愛情を注いで下さったことに感謝します。
2012年5月15日に日本でレビュー済み
この本を読むと、美しいものは名前ではないし古くならないのだとつくづく思う。
それと日本の絵は自然光で見られるときに一番輝くということ。
普通、美術館や展示会での作品は、ガラスの向こうに最近ではLEDの自然に近いと
される明かりのなかでの展示であることが殆どだといっても良い。
プライス氏は、自然の光の変化や日暮れにかけての移ろい、夜の蝋燭の灯りで、
描かれた様々なものが見せる変化していく姿態の美しさが江戸期の美術鑑賞に
重要だと書く。
確かに、江戸時代に照明はないし、ガラス越しに見るものでもなかったのだし、
画家の表現したかったものは変化する日々の光で見る陰影だったのは当然だろう。
床の間に掛け、座敷に広げ、鑑賞でなく生活の中に溶け込んでいる江戸の絵画。
いや、昭和30年代頃には我が家のような小さな家でも父が季節の変わる毎に
床の間の掛け軸を掛け替えていた。掛け物の良し悪しでなく、そんな季節を感じ
させる日常が普通にあった。少し前まで、遠い江戸に繋がっていたんだね。
いろいろ思い出させてくれて、自分まで優雅な気分に浸ることができる。
そんなことに気づかせてくれたプライス氏に感謝。
若冲や江戸期の絵師の作品は本にプライスコレクションの一部が掲載されていますが、
是非、現物を見られることをお勧めします。
私は昨年京都でギッタ−コレクション、広島の奥田元宋美術館で細見美術館の館蔵品展
と、見る機会がありましたが、どれもいつまで見ても見飽きない素晴らしいものでした。
(家の床の間と比較したりしちゃ失礼だね!)
追記:2013年4月14日大阪市立美術館でボストン美術館の日本美術の里帰り展を見ましたが、
江戸期のもの(絵画は特に)は、多種多彩、個性的で楽しめました。
それと日本の絵は自然光で見られるときに一番輝くということ。
普通、美術館や展示会での作品は、ガラスの向こうに最近ではLEDの自然に近いと
される明かりのなかでの展示であることが殆どだといっても良い。
プライス氏は、自然の光の変化や日暮れにかけての移ろい、夜の蝋燭の灯りで、
描かれた様々なものが見せる変化していく姿態の美しさが江戸期の美術鑑賞に
重要だと書く。
確かに、江戸時代に照明はないし、ガラス越しに見るものでもなかったのだし、
画家の表現したかったものは変化する日々の光で見る陰影だったのは当然だろう。
床の間に掛け、座敷に広げ、鑑賞でなく生活の中に溶け込んでいる江戸の絵画。
いや、昭和30年代頃には我が家のような小さな家でも父が季節の変わる毎に
床の間の掛け軸を掛け替えていた。掛け物の良し悪しでなく、そんな季節を感じ
させる日常が普通にあった。少し前まで、遠い江戸に繋がっていたんだね。
いろいろ思い出させてくれて、自分まで優雅な気分に浸ることができる。
そんなことに気づかせてくれたプライス氏に感謝。
若冲や江戸期の絵師の作品は本にプライスコレクションの一部が掲載されていますが、
是非、現物を見られることをお勧めします。
私は昨年京都でギッタ−コレクション、広島の奥田元宋美術館で細見美術館の館蔵品展
と、見る機会がありましたが、どれもいつまで見ても見飽きない素晴らしいものでした。
(家の床の間と比較したりしちゃ失礼だね!)
追記:2013年4月14日大阪市立美術館でボストン美術館の日本美術の里帰り展を見ましたが、
江戸期のもの(絵画は特に)は、多種多彩、個性的で楽しめました。
2009年7月9日に日本でレビュー済み
「プライス・コレクション」の生みの親、アメリカ人ビジネスマンのジョー・プライス氏の若き日の若冲(じゃくちゅう)との出会い、コレクションを築き上げてゆく中での苦労と苦難、そして何よりも若冲と出会えた喜びの半生が、よきインタビュアーによってて引き出された本。
インタビュアーが"日本美術応援団"の山下裕二教授であることもあずかって大きいものがあろう。
若冲とは、江戸時代後期、京都の日本画家・伊藤若冲のことである。
いまでこそ若冲はかなり人気のある存在となっているが、プライス氏が再発見するまで、日本でもほとんど埋もれた存在であった。
2006年には、東京と京都など日本各地で大規模な「プライス・コレクション」展が行われ、私自身も若冲には大いに魅了された。
しかしながら「出会い」というのは、突然やってくるものだ。ほとんど神秘的としかいいようがない。プライス氏の場合も例外ではない。
メルセデスのスポーツカーを買うためのカネを用意してニューヨークに来たカネ持ちの青年が、父親の友人であり、かつて帝国ホテルの設計も行った建築家フランク・ロイド・ライトに連れられて入った日本画廊で出会った1枚の日本画に魅了され、逡巡した末に大枚はたいて購入してしまったことから物語が始まる。
その時は日本には一回もいったことがなく、もちろん日本語も読み書きもしゃべることのできない、日本文化に関心をもつ人の多い東海岸でも西海岸でもない、中西部オクラホマ出身のアメリカ人。
コレクションを始めてから20から30年は、日本美術について語り合える友もなくまったくの孤独であったという。そんなプライス氏を支えたのもまた若冲をはじめとする埋もれた日本画家の作品たちと京都出身の日本人の妻であった。
この「出会い」は、プライス氏にとってだけでなく、若冲にとっても、日本人にとっても、本当に稀有な、素晴らしい出会いであった。
プライス氏によって「発見」されなかったら、若冲もこれほど日本でも知られることがなかっただろうし、またわれわれも画集や実物を通じてみることもなかったであろうから。
これは「出会い」の喜び、素晴らしさについての本でもあるのだ。
インタビュアーが"日本美術応援団"の山下裕二教授であることもあずかって大きいものがあろう。
若冲とは、江戸時代後期、京都の日本画家・伊藤若冲のことである。
いまでこそ若冲はかなり人気のある存在となっているが、プライス氏が再発見するまで、日本でもほとんど埋もれた存在であった。
2006年には、東京と京都など日本各地で大規模な「プライス・コレクション」展が行われ、私自身も若冲には大いに魅了された。
しかしながら「出会い」というのは、突然やってくるものだ。ほとんど神秘的としかいいようがない。プライス氏の場合も例外ではない。
メルセデスのスポーツカーを買うためのカネを用意してニューヨークに来たカネ持ちの青年が、父親の友人であり、かつて帝国ホテルの設計も行った建築家フランク・ロイド・ライトに連れられて入った日本画廊で出会った1枚の日本画に魅了され、逡巡した末に大枚はたいて購入してしまったことから物語が始まる。
その時は日本には一回もいったことがなく、もちろん日本語も読み書きもしゃべることのできない、日本文化に関心をもつ人の多い東海岸でも西海岸でもない、中西部オクラホマ出身のアメリカ人。
コレクションを始めてから20から30年は、日本美術について語り合える友もなくまったくの孤独であったという。そんなプライス氏を支えたのもまた若冲をはじめとする埋もれた日本画家の作品たちと京都出身の日本人の妻であった。
この「出会い」は、プライス氏にとってだけでなく、若冲にとっても、日本人にとっても、本当に稀有な、素晴らしい出会いであった。
プライス氏によって「発見」されなかったら、若冲もこれほど日本でも知られることがなかっただろうし、またわれわれも画集や実物を通じてみることもなかったであろうから。
これは「出会い」の喜び、素晴らしさについての本でもあるのだ。