写真家・畠山直哉氏の講義録。
僕は名著だと思います。
以前から畠山氏の文章における表現能力の卓越さを感じてはいましたが、
それをまとまった形で読める貴重な本です。
自身の作品のインスピレーションになったというボブ・ショウの小説「去りし日々、今ひとたびの幻」。
この中に出てくる「時間的なズレ」が生じてしまう”slow glass"というガラスを取り上げ、
なぜそれがリアリティを持って感じられるかを考察し、光の速度などについての記述の後、
「実はslow glassという発明は、星と星の間の距離を、一枚のガラス板の厚みにまで圧縮したものにほかならない」
と述べるに至る一連の文章を読むだけで、
畠山氏の洞察力/文才(講義録とは言え)を感じずにはいられません。
その他、学生時代に大辻清司氏から
「できるだけ画面から説明的な要素を省いて写真を撮ってみなさい」
とアドバイスをもらって写真を模索し、
「特に訴えたい気持ちなど込めずとも、完璧な画像がそこにはあり、それはそれで魅惑的な眺めである」
と知るに至ったという話から自身の作品について考察していく『私の仕事について』(p118)。
光はマテリアルなのかメディウムなのかという話から、
アリストテレスの日食についての記録やカメラオブスクラなど、
写真の歴史、カメラの原理から「光」を考える『暗い部屋』(p138)など、
どの章も示唆に富み、読んでいて心地よく、かつ鋭い洞察力に深く感銘を受けました。
おそらくこの本は、畠山氏だから、そして畠山氏が写真家だからこそ書ける、
知性と身体が結びついた本であり、かつ名著です。
「自己表現/自分の内面」ばかりに執着するのはもったいない。
写真に少しでも興味がある方は是非とも一読オススメします。
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話す写真: 見えないものに向かって 単行本 – 2010/7/9
畠山 直哉
(著)
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写真家畠山直哉が真摯に語りかける“写真の今”
石灰石鉱山の写真集『LIME(ライム) WORKS(ワークス)』で一躍注目を浴び、いまや日本のみならず世界的に活躍する写真家・畠山直哉。石灰工場、石灰石鉱山の発破の瞬間、都市のビル群などのたぐいまれに美しいプリントで多くのファンを獲得している。撮影対象の面白さと写真の美しさで話題になることの多い畠山だが、いっぽうで「ことばを発する写真家」としても知られている。
本書は、畠山のことばの中から、講演・講義といった、「話された写真」についてのものを集めて、一冊にまとめる。畠山の〈見ること、認識すること、考えること〉から紡ぎ出された写真についてのことばの中から、さらに、聞き手に伝え、理解を促すことを念頭に考えられた「話し言葉としての写真論」を並べてみると、思考と認識の手段として写真を選んだ、日本にこれまでにあまりいなかった「考える写真家・畠山直哉」が浮かび上がってくる。「写真とは何か」ということを絶えず問い続ける真摯なひとりの写真家の姿である。デジタル時代をむかえて、大きく概念を変えつつある写真について、もういちどきちんと考えるきっかけとなる一冊としたい。
【編集担当からのおすすめ情報】
2010年7月17日~8月14日まで、東京のタカ・イシイギャラリーにて新作による個展「線をなぞる/山手通り」が開催されます。
石灰石鉱山の写真集『LIME(ライム) WORKS(ワークス)』で一躍注目を浴び、いまや日本のみならず世界的に活躍する写真家・畠山直哉。石灰工場、石灰石鉱山の発破の瞬間、都市のビル群などのたぐいまれに美しいプリントで多くのファンを獲得している。撮影対象の面白さと写真の美しさで話題になることの多い畠山だが、いっぽうで「ことばを発する写真家」としても知られている。
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【編集担当からのおすすめ情報】
2010年7月17日~8月14日まで、東京のタカ・イシイギャラリーにて新作による個展「線をなぞる/山手通り」が開催されます。
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2010/7/9
- 寸法15.2 x 2.1 x 21.1 cm
- ISBN-10409388112X
- ISBN-13978-4093881128
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- 出版社 : 小学館 (2010/7/9)
- 発売日 : 2010/7/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ
- ISBN-10 : 409388112X
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上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月25日に日本でレビュー済み
理屈っぽく、かつ、真剣に写真を考えたい人におすすめ。
私にとって、写真を考える上でのバイブルです。
私にとって、写真を考える上でのバイブルです。
2020年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を知ったのはある写真雑誌に紹介されてたので購入。
期待していたが、私のような写真初心者には、内容が「写真の歴史」であったり、
「写真は芸術か」というように固くあまり興味がもてなかった。
期待していたが、私のような写真初心者には、内容が「写真の歴史」であったり、
「写真は芸術か」というように固くあまり興味がもてなかった。
2013年9月2日に日本でレビュー済み
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頭の良い方の文章だな、私にはレベルが高すぎたかな。
若い学生時代なら、理解できたかも。
若い学生時代なら、理解できたかも。