私は猪瀬直樹という人間がそう好きではない。横柄な物腰は、マスコミ経由だけでなく、彼が副知事時代に面談した私の親しい知人からも同じ
印象を聞いている。そして、知事を辞任するところまで追い詰められたあのドタバタ劇。私は、政治家としてあの不明な金の使い方について
どうのこうの思っているわけではない。ただ、追い込まれた時のあの人間の小さそうな対応は、戴けなかったというしかない。
それでもこの書物(決して新しいものではない)に出てくる知の巨人と言われる人々の豪華さに惹かれて、読むことにした。特に私は高坂正堯
京大教授が猪瀬とどのような話をしたのか非常に興味があったし、江藤淳、吉本隆明、阿川弘之等々読んで損はない対談者だと思ったから
だ。とはいえ、この書物で6割程度しゃべっているのは猪瀬、論点もクリアだし、言っていることにぶれがない。また、びっくりするくらい勉強し
ている。当時の小泉首相が猪瀬を道路公団民営化推進委員に指名したこともさもありなんと思わせる。日本の戦後の総括が不十分であること、
5.15事件を起こした青年将校たちは、戦後の左翼と極めて類似していること、ちっちゃな官僚たちが国を滅ぼしかねないこと、等々、論客と
して一流であることを十分見せつける対談集である。政治家として晩節を汚すことになったが、日本の論客として是非更なる活躍を期待したい
と思っている。
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日本の信義 新書 – 2008/6/4
猪瀬 直樹
(編集)
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購入オプションとあわせ買い
「バブル崩壊前夜」から「失われた10年」まで。日本を大きく揺るがしたその時代に、作家・猪瀬直樹が、阿川弘之、江藤淳、高坂正堯、秦郁彦、会田雄次、梅原猛、吉本隆明、山折哲雄、所功、鶴見俊輔という戦後日本を代表する思想界の十傑とともに日本を問うた貴重な対談集。「週刊ポスト」誌上で話題を呼んだ15話を選りすぐって新書化した。 対米関係、天皇制、日本人の宗教観、土地神話、戦後処理、経済復興など日本人と切り離すことの出来ないテーマについて、それぞれの専門家とともに挑んだ対談の内容は、日本人の精神史、国家観を探るうえで欠かせない。日本のゆくえを真剣に考えるための視座の数々と出会える1冊である。
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2008/6/4
- ISBN-104093941688
- ISBN-13978-4093941686
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2008/6/4)
- 発売日 : 2008/6/4
- 言語 : 日本語
- 新書 : 220ページ
- ISBN-10 : 4093941688
- ISBN-13 : 978-4093941686
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,623,769位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家。1946年長野県生まれ。
83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。定評の評伝小説に『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』『こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生』がある。
『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。
2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都知事に任命される。近著に『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』『東京の副知事になってみたら』。また、『昭和16年夏の敗戦』中公文庫版が2010年6月に刊行された。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年7月3日に日本でレビュー済み
去年、大学でこの作家の講義を聴く機会があったので、手にとってみました。
バブル経済というものを経験していない自分の世代にとっては、この本に登場する江藤淳さんや鶴見俊輔さん、会田雄次さんといった名前や著書は一般教養のときに聞いたくらいで、あまりイメージがありませんでした。
ましてや、猪瀬直樹という作家は、僕らにとっては、道路改革で戦った男としてのイメージが強ったためか、この本はある意味で衝撃でした。今から20年も前の日本経済の混乱期に、今の瞬間にも通じる日本の「原則」を語り合っていたなんて。
この著者の知られざる引き出しとその深さを知ることができましたが、それ以上に、改めて、現代日本に生きる自分自身を省みる、いいきっかけとなりました。
バブル経済というものを経験していない自分の世代にとっては、この本に登場する江藤淳さんや鶴見俊輔さん、会田雄次さんといった名前や著書は一般教養のときに聞いたくらいで、あまりイメージがありませんでした。
ましてや、猪瀬直樹という作家は、僕らにとっては、道路改革で戦った男としてのイメージが強ったためか、この本はある意味で衝撃でした。今から20年も前の日本経済の混乱期に、今の瞬間にも通じる日本の「原則」を語り合っていたなんて。
この著者の知られざる引き出しとその深さを知ることができましたが、それ以上に、改めて、現代日本に生きる自分自身を省みる、いいきっかけとなりました。