歴史を勉強していったい何になるのだろう、という素朴な疑問を持ったことのある人は少なくないと思います。
しかし、井沢さんのこの本を読むとそんな疑問が吹き飛びます。
日本人が古代から信じていた思想、宗教感がいまだに現代の私たち日本人に影響を及ぼしていることに気づき、とても驚きます。
その気づきがとても面白いのです。
聖徳太子が17条の憲法で最も大切な第1条に記した言葉が「和を以て貴しとなす」です。
この精神がいまだに日本人の行動に影響を及ぼしています。
「チームの和」を乱した人間は、どんなに好成績をあげても、必ず排除される、という具体例が本書には記されています。
そして「和」とは話し合いがすべての「話し合い至上主義」の世界であると言います。
皆が善意をもって話し合いで決めたことは、絶対の価値を持つ、と言います。
「わ」をなぜ何よりも尊重するかと言えば、タタリの発生を恐れるからです。タタリとはあくまで「死霊」の復讐ですが、生霊の復讐もあります。それは怨念によって発生します。
それゆえ、「わ」の社会では、「怨念」の発生するような争いは一切してはならない、ということになるのです。
日本人はどういう形にせよ、人前で「戦う」ことが嫌いなのだ。つまり「討論」がいけない。「討」とは戦うことである、と言います。
討論がやりにくい雰囲気が日本にはあります。つまり自由にモノが言えない雰囲気が確かにあります。
それは、日本人の宗教観が影響しているからだ、というのです。
日本人は自分たちの宗教観を自覚していないので、にわかにそういわれてもすぐには納得できないかもしれません。
それが、この井沢さんの「逆説の日本史第1巻」を読むと非常によく納得が出来て、腑に落ちるのです。
もっと日本を風通しの良い社会にするため、1人でも多くの人にこの本を読んでいただきたいです。
とっても面白いです。
自由にモノが言える社会にしましょう。怨霊なんてないんですから。
でも、「ない」って言いきれますでしょうか。
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逆説の日本史1 古代黎明編(小学館文庫): 封印された[倭]の謎 (小学館文庫 R い- 1-1) 文庫 – 1997/12/5
井沢 元彦
(著)
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日本人の「わ」の精神のルーツはここにあった
「卑弥呼は天照大神だった!」日本史の常識を覆す大胆な推理で知的興奮を喚起したあのベストセラー初の文庫化。本書では、日本史の総点検をめざす著者の問題意識を読者に投げかけることから始まる。従来の歴史アカデミズムには大きな欠陥があると著者は説く。史料、記録だけが歴史ではない。人間が人間として生きていた時代を今に甦らせるために今必要なことは人々の自由な発想、想像力であると。解説・藤岡信勝。
「卑弥呼は天照大神だった!」日本史の常識を覆す大胆な推理で知的興奮を喚起したあのベストセラー初の文庫化。本書では、日本史の総点検をめざす著者の問題意識を読者に投げかけることから始まる。従来の歴史アカデミズムには大きな欠陥があると著者は説く。史料、記録だけが歴史ではない。人間が人間として生きていた時代を今に甦らせるために今必要なことは人々の自由な発想、想像力であると。解説・藤岡信勝。
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日1997/12/5
- ISBN-104094020012
- ISBN-13978-4094020014
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商品の説明
出版社からのコメント
「卑弥呼は天照大神だった!」常識を覆す圧倒的人気の井沢日本史で、知的興奮の連続また連続。
登録情報
- 出版社 : 小学館; 第9版 (1997/12/5)
- 発売日 : 1997/12/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 496ページ
- ISBN-10 : 4094020012
- ISBN-13 : 978-4094020014
- Amazon 売れ筋ランキング: - 40,636位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 21位古代日本史
- - 81位日本史ノンフィクション
- - 89位地方別日本史の本
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和29年、名古屋市生まれ。早大法学部卒。TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。その後退社し執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 井沢式「日本史入門」講座4 (ISBN-13: 978-4198931230)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
イメージ付きのレビュー
5 星
面白い
学校の授業の日本史が全然面白くなくて成績も悪かったので、大人になってから勉強し直そうと思いました。本屋で見つけた井沢さんの「日本史講座」にドはまりし、せっかくなら詳しく知りたいので逆説シリーズにも手をつけました。第一巻から怨霊信仰を中心に井沢節全快で、独特で納得の切り口や論説が楽しかったです。信長や卑弥呼、神功皇后の回でした。
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2015年8月30日に日本でレビュー済み
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2024年4月2日に日本でレビュー済み
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1. 著者は、歴史の研究における専門家の「史料至上主義」が、時に史実認識に悪影響を及ぼすことを指摘
歴史の完全な認識を追求する一方で、懐疑的な批判の重要性を強調
2. 歴史学者の力関係によって、歴史的事実が歪められることが
しかし、本書では専門的な根拠のない大胆な仮説や推論が提示されることにも言及
3. 著者は従来の歴史認識に対して大胆な仮説や反論を提示
これらは稚拙な分析ではなく、今後検討されるべき内容として注目出来ます
4. 本書は従来の歴史認識と一線を画し、歴史の専門家ではない立場からの提言を行っています
その独創的な歴史解釈は、現代において大きな示唆を与えてくれます
また、近所の図書館に本書が全巻揃っていたことは、その普及の重要性を示すものとして感慨深いです
歴史の完全な認識を追求する一方で、懐疑的な批判の重要性を強調
2. 歴史学者の力関係によって、歴史的事実が歪められることが
しかし、本書では専門的な根拠のない大胆な仮説や推論が提示されることにも言及
3. 著者は従来の歴史認識に対して大胆な仮説や反論を提示
これらは稚拙な分析ではなく、今後検討されるべき内容として注目出来ます
4. 本書は従来の歴史認識と一線を画し、歴史の専門家ではない立場からの提言を行っています
その独創的な歴史解釈は、現代において大きな示唆を与えてくれます
また、近所の図書館に本書が全巻揃っていたことは、その普及の重要性を示すものとして感慨深いです
2018年5月19日に日本でレビュー済み
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天皇の祖先は朝鮮から来た人だという記述が興味を引く。
また重要な古墳が宮内庁管理となっており調査させないのも証拠を隠しているからだと。
なるほどです。
古代史のロマンは尽きないってところでしょうか。
また重要な古墳が宮内庁管理となっており調査させないのも証拠を隠しているからだと。
なるほどです。
古代史のロマンは尽きないってところでしょうか。
2023年8月15日に日本でレビュー済み
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著者らしい、話の途中でよそ方向に飛んだりしてするヶ所もありますが、なるほどと納得できた内容もたくさんあります。日本歴史を考えるきっかけになりそう。
2017年2月7日に日本でレビュー済み
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日本史を古代史から復習したいと思い、網羅的に解説してくれている本をさがしていました。ずいぶん前に出版されている本でしたが、以下の理由で手に取ってみました。
1) 同一著者が古代から近代まで解説をしている
2) なにかと「権威」の方々が井沢氏のこの著作を取り上げてバカにしていることが多い(ので気になる)
3) 井沢氏の解説などをTVで見る機会があり、若干強引さは感じるものの理屈として納得できるものが多かった
4) とくに古代史は著者のコダワリが強くでて、なかなか全体像を理解させてくれる本がなかった
こんな思いから手に取った本ですが、最初の方からいろいろと「井沢節」がでてきて読んでいてまったく飽きることはありませんでした。
伊勢神宮が鎮魂の為に作られたもの? 邪馬台国 = ヤマト朝廷 などなど。もちろん全部鵜呑みにするものでもありませんが、一方で教科書ばかりにたよっていてはこういう視点で物事をみることはできないのでとても面白かったです。
ここからスタートしてまだまだ続きますがぜひ読破したいと思います。
1) 同一著者が古代から近代まで解説をしている
2) なにかと「権威」の方々が井沢氏のこの著作を取り上げてバカにしていることが多い(ので気になる)
3) 井沢氏の解説などをTVで見る機会があり、若干強引さは感じるものの理屈として納得できるものが多かった
4) とくに古代史は著者のコダワリが強くでて、なかなか全体像を理解させてくれる本がなかった
こんな思いから手に取った本ですが、最初の方からいろいろと「井沢節」がでてきて読んでいてまったく飽きることはありませんでした。
伊勢神宮が鎮魂の為に作られたもの? 邪馬台国 = ヤマト朝廷 などなど。もちろん全部鵜呑みにするものでもありませんが、一方で教科書ばかりにたよっていてはこういう視点で物事をみることはできないのでとても面白かったです。
ここからスタートしてまだまだ続きますがぜひ読破したいと思います。
2024年2月10日に日本でレビュー済み
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気合いの入った本。ついていけないところもあるが読み飛ばした。落ち着いて読む本でなくガツガツいく本だ。
2019年9月30日に日本でレビュー済み
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(*^_^*)
2022年11月3日に日本でレビュー済み
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私の卑弥呼論研究の資料の一つ、安本美典さんの天照大神卑弥呼説と比較検討したいと思います。