まず、自分の周りの環境を整えよう。飲み物はあるか?ちり紙(涙用)は準備したか?読み終わるまで邪魔は入らないか?この巻は、途中で一息ついたらそれだけで損な気がする筈だぞ。お薦めは一気読みだ。
ニナに対して抑えようのない憎しみを抱き続けるカルエル。しかし、彼自身の知らぬところで彼ら王族によって虐げられカルエルを恨む者の存在。様々な登場人物が憎しみの渦に翻弄されます。
そしてついに始まる圧倒的な戦力による空族達の追撃。命をかけてイスラを守り抜いた学生達の祈りも虚しく、抗いようのない戦火が吹き荒れます。
今回はこの二つを軸として、お互いに話が絡み合いながら、止まる所無く加速に加速を重ねて息つく暇さえなく一気に最終章に飛び込みます。その文章が全て脳内映像になって浮かんでくる様な圧倒的なまでの描写。其処には「追憶」の様な綺麗さは微塵もありません。しかし「恋歌」でなければ出会えない何かが確実にあります。一見評価の低かった一、二巻で描かれたクレアとの淡い恋、この描写が在るからこそ尚のこと今この時を切なく感じさせられます。
そして、命をかけて、心に血涙を流しながら迎えた最終第4章その名も「恋歌」。尽きる事無き憎悪と葛藤の果てにやっと辿り着いたそこは、救いと奈落を併せ持つ章でした。
なのに!「続く」なのだよーこれ。今巻はプレクライマックス?真実の「恋の歌」となるのはいつ?
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とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫) 文庫 – 2010/8/18
はじめて愛した人は、最愛の母の仇だった。
幾百の空砲がイスラの青空に虚しく響いた。本来、死者を納めるべき木棺は、主なきまま聖泉へと落とされていく。
「――わたしは卑怯だ」
仮面の裏に感情を押し込めることには慣れていたはずの、クレアのこころが揺さぶられる。若き飛空科生徒たちの死は、ひとり避難し、生きながらえたクレアの身を苛んでいた。
「――辛いよ。カルエルくん」
目の前で仲間を失い、一回り成長したかにみえたカルエルはしかし、皆の信頼を受ける一方で激しく焦燥していた。その晩、感情のままに叫び、走り、思いがけず辿り着いたシルクラール湖でクレアと再会したカルエルは、その心情を吐露し、自分の正体を明かしてしまう。しかしクレアは、カルエルの期待と裏腹に、彼に別れを告げた。
「好きだから……さよなら」
追いすがるカルエルがクレアを抱き留めようとしたそのとき、夜空から伝う爆音――。空の一族! 空爆と対空砲火により、紅い炎に包まれるセンテジュアル。その炎を背に影絵のように映し出されたクレア。その白い顔からは、感情が失われていた。
「……きみ……は……」
ついにクレアの正体を知ってしまったカルエルは――。
王道スカイ・オペラ「飛空士」シリーズ、衝撃と絶望の最新刊!!
【編集担当からのおすすめ情報】
発売直後から口コミで話題となり、2008年ライトノベル業界の話題を独占! 『新世紀エンタメ白書2009』ブックランキング1位、2008年 Amazonエディターランキング1位、2008年Amazon売り上げランキング6位、2009大学読書人大賞2位など、すばらしい評価を受け続け、ついにアニメ映画化が決定した『とある飛空士への追憶』。その「追憶」と世界観を同一にする「飛空士」シリーズ、ついにクライマックスに突入です!!
幾百の空砲がイスラの青空に虚しく響いた。本来、死者を納めるべき木棺は、主なきまま聖泉へと落とされていく。
「――わたしは卑怯だ」
仮面の裏に感情を押し込めることには慣れていたはずの、クレアのこころが揺さぶられる。若き飛空科生徒たちの死は、ひとり避難し、生きながらえたクレアの身を苛んでいた。
「――辛いよ。カルエルくん」
目の前で仲間を失い、一回り成長したかにみえたカルエルはしかし、皆の信頼を受ける一方で激しく焦燥していた。その晩、感情のままに叫び、走り、思いがけず辿り着いたシルクラール湖でクレアと再会したカルエルは、その心情を吐露し、自分の正体を明かしてしまう。しかしクレアは、カルエルの期待と裏腹に、彼に別れを告げた。
「好きだから……さよなら」
追いすがるカルエルがクレアを抱き留めようとしたそのとき、夜空から伝う爆音――。空の一族! 空爆と対空砲火により、紅い炎に包まれるセンテジュアル。その炎を背に影絵のように映し出されたクレア。その白い顔からは、感情が失われていた。
「……きみ……は……」
ついにクレアの正体を知ってしまったカルエルは――。
王道スカイ・オペラ「飛空士」シリーズ、衝撃と絶望の最新刊!!
【編集担当からのおすすめ情報】
発売直後から口コミで話題となり、2008年ライトノベル業界の話題を独占! 『新世紀エンタメ白書2009』ブックランキング1位、2008年 Amazonエディターランキング1位、2008年Amazon売り上げランキング6位、2009大学読書人大賞2位など、すばらしい評価を受け続け、ついにアニメ映画化が決定した『とある飛空士への追憶』。その「追憶」と世界観を同一にする「飛空士」シリーズ、ついにクライマックスに突入です!!
- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2010/8/18
- ISBN-104094512268
- ISBN-13978-4094512267
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2010/8/18)
- 発売日 : 2010/8/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 360ページ
- ISBN-10 : 4094512268
- ISBN-13 : 978-4094512267
- Amazon 売れ筋ランキング: - 690,984位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年8月20日に日本でレビュー済み
尊い学生の訃報の悲しみも完全には消えないうちに カルとクレアはお互いの正体を知り、カルは憎しみに支配される。そんなカルにはアリーの言葉さえあまり届かず 最終的に立ち直らせたのは まさかのあの人。そしてすぐに空族との決戦が始まり、4人の学生だけが出撃。今までで ぱっとしなかった 二人の学生が覚悟を見せ、命を賭して非常に大切な任務にあたる。その二人の学生は、出撃前に お互い 残った学生と恋愛フラグを立てており、1つのカップルはすでに成立した。死亡フラグも十分たっていた。二人の学生が大怪我を負いながら任務をこなすシーンを読みながら気が気じゃなく ひたすら今度こそは生き延びますように と痛切に祈りながら読み進めた。この作品の途中で 気分が沈み 後の展開では 涙がこぼれた(周りに人がいるのに)。そして カル同様 バンデラス先生に心底感謝。 また、追憶の二人が再登場したときは再び 震えた。やっぱりファナと海猫は最高だ。ルイスもファナ最高と賛辞してた。
カルがニナを許し、ニナに叫んだ ある一言はすごく的確で そこにすべての想いが詰まっているようで良かった。某ロボットアニメを思い出したけれど(笑) このことによりクレアはカルに 風に恋の歌を乗せて届ける。それからは幻想的な描写で 是非 映像化してほしい。
今回判明したこと。イグナシオ 良いキャラしてる。学生の間のあだ名はイグナシオにまさにぴったり。ラストはまた問題が出てきて 次回 最終巻?がすごく楽しみだ。
カルがニナを許し、ニナに叫んだ ある一言はすごく的確で そこにすべての想いが詰まっているようで良かった。某ロボットアニメを思い出したけれど(笑) このことによりクレアはカルに 風に恋の歌を乗せて届ける。それからは幻想的な描写で 是非 映像化してほしい。
今回判明したこと。イグナシオ 良いキャラしてる。学生の間のあだ名はイグナシオにまさにぴったり。ラストはまた問題が出てきて 次回 最終巻?がすごく楽しみだ。
2010年8月17日に日本でレビュー済み
取り返しのつかない犠牲を払いながらも空族の侵攻を退け、癒しがたい悲しみから立ち直ろうとする学生たち。そんな中、戻ってこないクレアと偶然再会したカルエルは、自分たちの気持ちを自覚しながらも、衝撃の真実に気づく。
すれ違ったままの二人。もう戻らないかつての日々。しかし、いま残ったものだけでも守り切ろうとカルエルが再び立ち上がった時、空族が大規模な侵攻を再開する。
先の犠牲を顧みず、またしても学生が戦場に駆り出される。そういう意味で言うと、前巻の繰り返しに近い。ただ、最後の結末がちょっと違う。
大きな決断を下したイスラ上層部に対して、生まれ変わったカルエルはどう動くのか。立場を変えて新たな革命のときに挑む。
すれ違ったままの二人。もう戻らないかつての日々。しかし、いま残ったものだけでも守り切ろうとカルエルが再び立ち上がった時、空族が大規模な侵攻を再開する。
先の犠牲を顧みず、またしても学生が戦場に駆り出される。そういう意味で言うと、前巻の繰り返しに近い。ただ、最後の結末がちょっと違う。
大きな決断を下したイスラ上層部に対して、生まれ変わったカルエルはどう動くのか。立場を変えて新たな革命のときに挑む。
2010年8月21日に日本でレビュー済み
序章はいきなり全巻とは毛色の違う話が来て戸惑いますが、意外な人物の伏線で驚きました。
しかも、この人物結構重要な役割を演じます。ツンデレです。
主人公、カルエルはついに仇であるニナ・ヴィエントの正体を知り苦しむわけですが、
それすらも自分の独りよがりであり本当に大切なこと、大切な人に気づき初めて本質的な部分で
成長を遂げます。
戦闘中にニナに投げかける言葉は重いですね。
見所は飛空戦艦同士の戦闘シーンでしょうか。戦艦の主砲の撃ち合いの描写は素晴らしいと思います。
また、弾着確認機の壮絶な戦闘が圧巻です。
今回も学生が戦闘に参加することになるのですが、3巻ではある意味勢いで無謀な戦闘に参加したような
感じでしたが、今回は覚悟をもって望んでいます。
でも、なんといってもロマンスですね。
クレアのカルエルへのおさえきれない思い…感動です。
それぞれが事情を抱えながらも、それを乗り越えて思いを伝え合う。
特に風を呼ぶシーンの描写は鳥肌が立ちました。
さすがは恋歌といったところでしょうか。
そして、ラストにはまた新たな展開が用意されており次巻が待ち遠しくて仕方がないです。
しかも、この人物結構重要な役割を演じます。ツンデレです。
主人公、カルエルはついに仇であるニナ・ヴィエントの正体を知り苦しむわけですが、
それすらも自分の独りよがりであり本当に大切なこと、大切な人に気づき初めて本質的な部分で
成長を遂げます。
戦闘中にニナに投げかける言葉は重いですね。
見所は飛空戦艦同士の戦闘シーンでしょうか。戦艦の主砲の撃ち合いの描写は素晴らしいと思います。
また、弾着確認機の壮絶な戦闘が圧巻です。
今回も学生が戦闘に参加することになるのですが、3巻ではある意味勢いで無謀な戦闘に参加したような
感じでしたが、今回は覚悟をもって望んでいます。
でも、なんといってもロマンスですね。
クレアのカルエルへのおさえきれない思い…感動です。
それぞれが事情を抱えながらも、それを乗り越えて思いを伝え合う。
特に風を呼ぶシーンの描写は鳥肌が立ちました。
さすがは恋歌といったところでしょうか。
そして、ラストにはまた新たな展開が用意されており次巻が待ち遠しくて仕方がないです。
2010年8月17日に日本でレビュー済み
クライマックスとか書かれてますが、
まだ続きます。
カルとニナについては、お互い正体がバレて色々ゴタゴタしますが、
何とか一区切り、という所までが今巻ですね。
テーマとしては、『憎しみとどのように向き合うか』でしょう。
大部分がシリアスで、ギャグはほとんどナシです。
ストーリー的には、痛みはあったものの、めでたしめでたしなのでしょう、多分。
しかし、カルも器が大きいんだか何なんだか。
王家への不平不満で民衆がカルを憎むのと、
親の仇でカルがニナを憎むのとじゃ、
全く話が違うと思うんですが・・・。
アリエルの父親にしても、もしカルが手を下してアリエルの家族を害していたら、
カルを普通に育てられたわきゃないと思いますし。
某兄弟に関しては、どこから見ても逆恨み以外の何物でもないですし。
本人的にはもういいんでしょうが、
王家を最後まで守って二ナのチート能力に捻り潰された近衛兵達のことも、たまには思い出して上げて欲しいですね。
カルが背負っていて、どうやら投げ捨てたらしきものは、個人的な復讐だけじゃないんですから。
そこには、ノブレス・オブリージュも含まれていたのですから。
カルがまだ何の責任も持てない子供だった事を考えれば、それは捨てても良いものなのでしょうが、
捨てるならば向き合わねばならない物でもあるはずです。
まだ続きます。
カルとニナについては、お互い正体がバレて色々ゴタゴタしますが、
何とか一区切り、という所までが今巻ですね。
テーマとしては、『憎しみとどのように向き合うか』でしょう。
大部分がシリアスで、ギャグはほとんどナシです。
ストーリー的には、痛みはあったものの、めでたしめでたしなのでしょう、多分。
しかし、カルも器が大きいんだか何なんだか。
王家への不平不満で民衆がカルを憎むのと、
親の仇でカルがニナを憎むのとじゃ、
全く話が違うと思うんですが・・・。
アリエルの父親にしても、もしカルが手を下してアリエルの家族を害していたら、
カルを普通に育てられたわきゃないと思いますし。
某兄弟に関しては、どこから見ても逆恨み以外の何物でもないですし。
本人的にはもういいんでしょうが、
王家を最後まで守って二ナのチート能力に捻り潰された近衛兵達のことも、たまには思い出して上げて欲しいですね。
カルが背負っていて、どうやら投げ捨てたらしきものは、個人的な復讐だけじゃないんですから。
そこには、ノブレス・オブリージュも含まれていたのですから。
カルがまだ何の責任も持てない子供だった事を考えれば、それは捨てても良いものなのでしょうが、
捨てるならば向き合わねばならない物でもあるはずです。
2010年9月15日に日本でレビュー済み
非常に見所の多い巻でした。
決め台詞、名台詞がいいシーンで輝いてます。
追憶の方は映像化が決定してますが、恋歌の方も映像化したら受けるだろうなぁとこの巻を見て思いました。
多少ボカして感想など。
「始めて愛した人は、最愛の母の仇だった――」
この広告文を読めば3巻まで読んだ人なら買わずにはいられないでしょう!
ついに交わる二人の過去。恋と復讐の狭間で苦しむカルエル。
そして、それでも闘いはやってきて―――。
聖泉上で行われるバトルは最高の盛り上がりを見せてくれます!
1〜2巻で見捨ててしまった方がおられましたらなんとか3〜4巻まで手にとって欲しいです!
5巻への期待を込めて文句無しの☆5で。
決め台詞、名台詞がいいシーンで輝いてます。
追憶の方は映像化が決定してますが、恋歌の方も映像化したら受けるだろうなぁとこの巻を見て思いました。
多少ボカして感想など。
「始めて愛した人は、最愛の母の仇だった――」
この広告文を読めば3巻まで読んだ人なら買わずにはいられないでしょう!
ついに交わる二人の過去。恋と復讐の狭間で苦しむカルエル。
そして、それでも闘いはやってきて―――。
聖泉上で行われるバトルは最高の盛り上がりを見せてくれます!
1〜2巻で見捨ててしまった方がおられましたらなんとか3〜4巻まで手にとって欲しいです!
5巻への期待を込めて文句無しの☆5で。
2010年8月18日に日本でレビュー済み
3巻の後半からいよいよ本格的に敵勢力との戦いが始まり、
4巻も学園生活よりも敵と戦いの中徐々に疲弊していく登場人物たちの心と、
圧倒的に不利な状況で奮闘するイスラの人々の闘いが描かれています
序章で「えっ?」と思うような描写がありますが、後半で見事にその伏線を回収しています。
前半はカルエルとクレアの過去、後半は憎しみ合う二人の「共闘」を描いています。
艦隊戦のシーンの臨場感は圧倒的で、戦争映画を見ているような気分にさせてくれます。
クライマックスシーンで泣きました。
3巻を上回る盛り上がりです。是非読んでみてください。
4巻も学園生活よりも敵と戦いの中徐々に疲弊していく登場人物たちの心と、
圧倒的に不利な状況で奮闘するイスラの人々の闘いが描かれています
序章で「えっ?」と思うような描写がありますが、後半で見事にその伏線を回収しています。
前半はカルエルとクレアの過去、後半は憎しみ合う二人の「共闘」を描いています。
艦隊戦のシーンの臨場感は圧倒的で、戦争映画を見ているような気分にさせてくれます。
クライマックスシーンで泣きました。
3巻を上回る盛り上がりです。是非読んでみてください。
2010年8月22日に日本でレビュー済み
参りました。もぅ、声も出ない。こんなスペクタクルな興奮と感動があっていいのかという激動の展開が圧巻の筆致で描かれている。絶望の淵にあっても全てを受け入れ、それでもなお生きたいと願う強い想いが、『
追憶
』と見事な対を成すニナ(クレア)の表紙で示されている。悲嘆に暮れる出だしだっただけに重苦しかった前半だが、再度の戦争、そして絶体絶命の中で顕現する奇跡が実に見事。二転三転するジェットコースター展開を2段階で盛り上げるクライマックスに至っては、これを歓喜の涙なくして読めるかという素晴らしさだった。
バトルにおいては、あえて古典的な艦隊決戦で前回との違いを出しつつ、カルエル達に学生らしい任務を与えて面白さを演出している。そして、ここでの主役はノリアキとベンジャミンである。訓練時のコンビや幼馴染みといった背景を巧みに用いたドラマが華を添えながら、前回のミツオにも負けない活躍を見せ、悪夢再びか……という心配を鮮やかに裏切る捻りまで加えた顛末は喝采に値する。また、若干お株を奪われた形のカルエルにも覚醒と成長をきっちり描いて凄みを持たせている。この契機となったイグナシオの、写し鏡のような秘密を通して、母の言葉に宿る真意を理解する流れにも説得力を持たせ、さらにはニナ(クレア)の覚醒を呼び込み、「恋歌」として奇跡を生む素晴らしさに繋がっていた。
さて、最後にはまた厳しい局面を迎えるようだが、これについては、かつて初恋を引き裂かれながらも新たな生き甲斐を見出だし、後に「西海の聖母」とまで崇められるアノ人の意見を是非とも聞かせてほしい。この2人の行く末を案じるのか、それとも政治に翻弄される宿命と諭すのか。願わくば、かつての自分達と同様の運命に振り回されそうな2人の一助となる言葉を聞かせてほしい。
バトルにおいては、あえて古典的な艦隊決戦で前回との違いを出しつつ、カルエル達に学生らしい任務を与えて面白さを演出している。そして、ここでの主役はノリアキとベンジャミンである。訓練時のコンビや幼馴染みといった背景を巧みに用いたドラマが華を添えながら、前回のミツオにも負けない活躍を見せ、悪夢再びか……という心配を鮮やかに裏切る捻りまで加えた顛末は喝采に値する。また、若干お株を奪われた形のカルエルにも覚醒と成長をきっちり描いて凄みを持たせている。この契機となったイグナシオの、写し鏡のような秘密を通して、母の言葉に宿る真意を理解する流れにも説得力を持たせ、さらにはニナ(クレア)の覚醒を呼び込み、「恋歌」として奇跡を生む素晴らしさに繋がっていた。
さて、最後にはまた厳しい局面を迎えるようだが、これについては、かつて初恋を引き裂かれながらも新たな生き甲斐を見出だし、後に「西海の聖母」とまで崇められるアノ人の意見を是非とも聞かせてほしい。この2人の行く末を案じるのか、それとも政治に翻弄される宿命と諭すのか。願わくば、かつての自分達と同様の運命に振り回されそうな2人の一助となる言葉を聞かせてほしい。