ライトノベルや一般的に「オタク向け」と呼ばれるジャンルの作品で直接的に社会状況に関わる様なメッセージを発する作品は多くないかと。
それもまさに現在進行形の政治的問題に触れる様な作品となると本当に希少ではないだろうか?
その社会状況との関わりの乏しさというのは原因がニーズの乏しさにあるとしてもライトノベルの一つの「壁」ではないだろうか?
今回ガガガ文庫で新人賞を受賞して刊行された本作はその「壁」を乗り越えた一冊ではないか、と個人的に思う。
本作は主人公の少年とその家族、平浦家の面々と彼を取り巻く幾人かの人間の関りを通じて描かれる。
タイトルにも登場する平浦家なのだけれども、これが実に個性的な面々が揃っているのである。
常人とはかけ離れた発想がもとで、勤めた会社で悉く戦力外となり45歳にしてフリーター生活を送る父親の竜吉。
かつては平浦家の「長男」でありながら今では「長女」となった高校中退のキャバ嬢の悠。
並外れた画力を持ちながらも11歳にして一度たりとも義務教育の場に顔を出した事が無い次女の岬。
そして185㎝の長身に優れた運動能力、母親譲りのソフトウェア開発能力を兼ね備えながら無断欠席の常習者である主人公の一慶。
「発達障害気味の中年フリーター」、「トランスジェンダー」、「引き籠りの不登校児」と見事なまでにはみ出し者が揃いながら、
在学中に開発したSNSがヒットした事から学生起業家となり、成功を収めたものの夭逝してしまった母親・ひとみを
三年前に失った状況で彼らは平日昼間に一家そろってアニメの鑑賞会などを楽しみながら暮らしている。
物語はそんなある日、担任の天野に授業参加への意欲の乏しさについて説教を受けた事で一か月半ぶりに八時半登校に臨んだ一慶が
昼食を済ますや、「今日はもう十分活動したから」と下校した自宅への道すがら一人の小学生と思しき女の子に出くわした事から動き始める。
路地裏で四、五人の女子中学生に囲まれながらカツアゲを受けていたその女の子を助けた際にスカートが破れてしまった事で
自宅に連れて帰る事にする一慶。
「みなり」と名乗ったその女の子は自分が裕福な家に生まれ育った事で自分たちと違うことにムカついた小学校時代の先輩に絡まれていると
自分の置かれた理不尽な状況に対する怒りを口にするが、着替えさせた際に妹の岬が引きこもり生活を送っている事知ったみなりは
岬を「そんなんじゃろくな大人になれない」と批判。自分が人と違う事で理不尽な目に遭っていると口にしながらその一方で
「不登校」という人と違う生活を送る岬を批判した事を一慶が指摘するや顔を真っ赤にして涙を浮かべ平浦家から出ていくみなり。
その翌週、学年主任の坂東から生徒指導室に呼び出された一慶は「女子児童を無理やり連れ回した」という連絡が警察から入ったと
伝えられ、不用意に自宅に連れ込んだことを一方的に責められた挙句自宅謹慎を命じられる。
余りに理不尽な処置に普段はのんびり屋の父親・竜吉をはじめ平浦家の面々が眉を顰める中、
謹慎が明けて学校に足を運んだ一慶に坂東は「悪いが、今回は退学処分という事になった」と伝えてくる…
「他者」というものに対して、
「他者」という言い方が悪ければ「自分と違う生き方を送り、自分と違う価値観を持つ人」と言い換えても良いが
およそ理不尽と言って良いほどに寛容さというものを欠く時代をここまで直接的に照射する作品が現れた事に驚いた。
おりしもどこかの国で「全体への奉仕者」である筈の行政府の長が選挙演説の際に批判的な言葉を浴びせてきた主権者に対し
「あんな人たちに負けるわけにはいかない」と口にした事からも見て取れる様に時代の空気は
「我々」と「奴ら」を明確に分け、自分たちの側に属さない集団は頑ななまでに認めず、
一歩でも妥協し、歩み寄る事は敗北に過ぎないとばかりに排撃する方向へと傾いていることは火を見るよりも明らかな事かと。
近代民主主義の基盤の一つである「多元主義」。
平たく言えば「世の中、色々な生き方をする人がいるから互いに尊重してやっていこう」という考え方は急速に損なわれつつあるかと。
特定の国に限らず、ポピュリズムが世界的に猛威を振るい既存の政治家はその対抗軸を打ち出せずにいるのが現実であるが、
ポピュリズムの特徴と言えば「マイノリティへの攻撃」、「対話・討論の拒否」、「マスメディアの否定と『事実』の一方的決めつけ」
…と色々挙げられるのだけれども、本作ではそんな「一方的な正義」であるポピュリズムを容認する時代の空気を
序盤の女子小学生・みのりの「自分と違うからといって苛めのターゲットにしている」という中学生への批判を語った同じ口で
「不登校児なんかろくなものにならない」という身勝手な「正義」を口にした場面を描いた事を皮切りに
社会の理不尽さをこれでもかと描き出している。
どこぞの国の大統領は政治家に求められる事実の確認というステップを拒絶するかのように
自分に批判的なマスメディアを「フェイク!」と攻撃するのがお好きなようであるのだけれども
この「不都合な事実」に対する一方的嘘認定とでもいうべき場面は作品の序盤から盛り込まれている。
学年主任の坂東から一慶が退学処分を突き付けられる場面が描かれた後、不真面目ながら学業の実力で及ばない一慶を
面白くない存在として憎んできた「優等生」の千条が煽りにくる場面が続くのであるが、
一慶に対するタブーを口にしようとした千条に「お前は事実の何を知っている?」と珍しく煽り返し、事実を明かした一慶に
「嘘だ!嘘だ!」と喚きたてる千条に対して一慶が口にした言葉が振るっている。
「さっきからそればかりだな。先生の事も妹の事も調べれば分かる話だ。
それをしないでそうやって嘘、嘘と、お前が言い続ける理由を教えてやろうか?」
「お前は俺が無実だと困るんだよ。だってそうだろ。あれだけ散々人を罵倒したんだ。
俺の過去や親の話まで引き合いに出して。今さら実は違いましたじゃ、酷く滑稽だよな」
「正しい事をしていると思っただろ。でも違う。今、お前が思っている事を教えてやるよ。
『その小学生が、俺に悪さをされていますように』だ。お前は今、幼気なその小学生が被害に遭ってないと困るのさ。
勿論、正義の為じゃなく、お前の自己保身の為に」
「わたしの方からはこう見えた」という「平面」に過ぎない「見え方」を重ね合わせて「立体」としての事実を組み上げる
議論・討論のステップを否定し、「平面」でしかない一方的な「見え方」を押し通そうとする無茶がいかに危ういか、
一方的に「我々のみが正義である」と訴え他者を否定するだけの立場の人間がいかに脆い「事実」に拠って立っているかを
この高校生同士のやり取りで描いた場面では正直「ライトノベルでここまで踏み込んじゃうのか」と戦慄した。
ニュースを見れば証拠の信頼性を否定し、立体的な事実を浮かび上がらせる行為を否定する報道が相次ぐ中で、これである。
結果的に事実が明かされ、一慶の退学処分は撤回されるのだけれども過ちを認めた上で「自分が退学する」と言い出した
千条の極端から極端への振れは親や教師にウケが良い態度こそが全てだとして生きてきた権威志向型の人間にありがちな
「誰かに自分を罰して欲しい」というどこまでも他人の価値観に縋った生き方しかできない人間の弱さが描かれている。
そんな困ったちゃんである千条に一慶がアニメ「歌舞伎男とアイドル女の危ない魔法遊戯」を突き付けて
「自分の」感想を聞かせろと要求する場面にはニヤリとさせられた。
権威に裏付けられた「正しい」感想なんかではなく、「自分が自分の王様になった状態での率直な感想」の要求、
権威主義者に対しては一番堪える仕打ちという物をこの主人公はよく分かっているのである。
しかし、ここで一慶がマイノリティの立場から「多元主義を否定するな」「弱者・少数者を否定するな」と声高に叫べばただの凡作である。
作中一番の困ったちゃんとして描かれるのが一慶自身なのだから堪らない。
慮るべきはあくまで平浦家のメンバーのみでそれ以外の他人は「どうなろうと知った事じゃない」という一慶の態度は徹底している。
サボり癖があっても成績は抜群、バッティングセンターに行けば140㎞台のマシンが投げてくる球をポンポン打ち返す、
何より現役の高校生でありながら母親譲りのソフト開発能力で平然と数百万円を稼ぎ出す
…一慶は能力だけ見れば極めて優れた人間なのである。
だが、一慶には他人の想いは一切伝わらない。
退学処分を突き付けられた際には必死で撤回させようと駆けずり回った担任・天野の献身を「ただの一時的な感傷でしょ?」と切り捨て
「人は本当の意味で誰かを助けたりなんかしない」と断じる一慶は
「自分は誰かに助けて貰ってほしいなんて思わない。だから他人を助ける義務が自分にあるとも思わない」と口にして憚らない。
この一慶の態度は幼い事から一貫している事が作中を通して描かれる。
トランスジェンダーの「兄」であった悠太が悠と名を変え女子の制服で登校を始めた際に当然の事ながら
陰湿な苛めを受け、表立った苛めが止んだ後も様々な形での嫌がらせが続く中、呼び出しを掛けてきた女子の撃退に乗り出すのだけど、
その女子の態度の裏には「男であった悠太」への想いがあった事を明かされた後で平然と切り捨てる姿が描かれる。
「ああいうのはさ、端からいない物だと思えば良い。構う必要が無かったんだ。
目を瞑っても許せる程度の、仕様も無いバグみたいなもんだ」
例え伝え方は間違っていても他人のそれなりには真剣な想いをバグとして切り捨てる態度に一慶という人間がよく出ているのだが、
かつて所属していた野球チームを辞めた理由、エラーを犯して試合後に泣くチームメイトにに平然と
「泣くぐらいなら、もっと真面目に練習しろよ」と言い捨て、「出来ない人間や弱い人間の気持ちが、お前には分からないのか」という
大人からの諭す様な声に一慶は「その弱い人間は誰の気持ちを考えるんだ?」と反感を抱き、誰かを思いやるなんてのは
いつか自分が蜜を吸う為に余裕があるうちに誰かを甘やかしているだけに過ぎない、そんな人間助けるに値しないとまで言い切るのである。
率直に言えば「能力を引っ掛けた態度を隠そうともしない鼻持ちならない狭量な人物」それが一慶なのである。
これまた今そこにある社会を照射しているとしか思えない。
先ごろ国民的英雄と称えられていたトップアスリートが不用意に
「不健康に暮らす人が一定数いてもいいが、その人の保険料は健康な人も負担している」と口にした事で批判を浴びたが
これまさに一慶の考え方のベースに通じているのではないだろうか?
彼らの業績は称えられるべきであるし、そこに至るまでの努力は認めるべきであろうが、
「自分は人の助けなど必要無いし、頼りにする事も無い。だから人の手を借りねば生きていけない人間を助ける義務はない」
そういった形で能力面で差のある「他者」の否定の果てには何があるのだろうか?
ポピュリズム同様、世界で猛威を振るう新自由主義、「ネオリベ」とも称される思想の下で展開される社会ダーウィニズム。
これが行きつく先は20世紀半ばのドイツ人がT4作戦という形で証明したし、そんな昔の出来事を引き合いに出さなくとも
つい先ごろ起きたばかりなのに不思議なぐらい話題に上らなくなった相模原市での大量殺人が分かり易く教えてくれる。
一慶の「家族以外の他人を助ける必要などない」という極端な考え方に退学騒ぎで彼を責め立てた人間以上の
危うさを覚える読者は少なくないかと思われる。
幼い頃に母親のひとみが言って聞かせた「神の見えざる手」による神は放っておいても全体の利益の最大に導いてくれるという作用を
「全体が良ければそれでいいなんて、悲しいじゃない」という言葉に全く心が揺れなかったのだから筋金入りだとも言える。
無論、一慶がこういった極端な人間に育った理由も序盤から匂わされていた
「犯罪者の息子」というバックグラウンドあってこそという事が最終章に至って明かされるのだけど、
母親の作り上げた「ミリオンタイムズ社」に出資した投資家・堂善寺の
「君の母親も似たようなところがあったが、大学で様々な人間に出会った事で狭量な価値観が崩れ、
世界がどこまでも広がっていったと語っていた」
「君の世界は無限に広がっているかね?」
という問いに自分の家族を追い込んだ「他人」なんか知らない、否定もしないが受け入れもしないと激しい拒絶反応を見せる一慶は
他者との出会いを通じて、自分と違う価値観を持つ人間と関わりあう事で自分が変わっていく可能性そのものを否定し続ける。
作中で最も狭量な人物である一慶が最終的に「他者」という存在とどう向き合うに至るか、これから読まれる方にはそこに注目して欲しい。
「他者」を排撃し、「他者」と向き合い対話する事で少しずつ「自分」という存在の可能性を広げる事を拒絶する時代であり
社会状況であるからこそ、そこには注目するべき価値がある。
およそライトノベルのレビューとは思えない内容になってしまったかもしれないが、本作はそれだけ既存の「ライトノベル」という
カテゴリーの枠を取り払った、現在目の前にある状況を、時代を照射した作品なのである。
「他者=自分とは違った存在」と出会う事に少しでも可能性というのもを信じたい、希望を残したいという方には
間違いなく本作は読まれるべき作品であると申し上げたい。
このライトノベルどころか一般の文芸作品ですらまともに向き合おうとしない難しい時代と真っ向から組み合った作品を産み出した
作者の遍柳一氏、ならびにこの作品を世に送り出したガガガ文庫編集部諸氏の高い志に今は素直に敬意を払いたいと思う。
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平浦ファミリズム (ガガガ文庫 あ 15-1) 文庫 – 2017/7/19
家族がいれば、それでよかった。
五年前、ベンチャー企業の社長である母を亡くした平浦一慶。残されたのは、喧嘩っ早いトランスジェンダーの姉、オタクで引き籠りの妹、コミュ障でフリーターの父だった。かく言う一慶も、高校にもろくに通わず、母から受け継いだエンジニアとしての才能を活かし、ひとりアプリ開発に精を出す日々を送っていた。
そんな一慶をなんとか更生させようと、毎日のように電話をかけてくる担任の天野小春や、優等生であるがゆえ嫌々ながら彼にからんでくるクラスメイトの千条真理香。それぞれのエゴを押し付ける周囲に辟易しつつも、親のためにも高校くらいは卒業しようと中途半端に学校に通い続ける一慶。
そんなある日のこと、一慶は、いじめられていた小学生の女の子を偶然救ってあげたことが誤解を生み、児童暴行未遂の嫌疑をかけられ、学校側から退学処分を言い渡されてしまう。家族、教師、クラスメイト、様々な想いが交錯する中、一慶はずっと胸の奥底にひた隠してきた自分自身の心に、もう一度向き合わざるを得なくなる……。
『BLACK LAGOON』の著者・広江礼威氏も絶賛した珠玉の青春小説。第11回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作品。
五年前、ベンチャー企業の社長である母を亡くした平浦一慶。残されたのは、喧嘩っ早いトランスジェンダーの姉、オタクで引き籠りの妹、コミュ障でフリーターの父だった。かく言う一慶も、高校にもろくに通わず、母から受け継いだエンジニアとしての才能を活かし、ひとりアプリ開発に精を出す日々を送っていた。
そんな一慶をなんとか更生させようと、毎日のように電話をかけてくる担任の天野小春や、優等生であるがゆえ嫌々ながら彼にからんでくるクラスメイトの千条真理香。それぞれのエゴを押し付ける周囲に辟易しつつも、親のためにも高校くらいは卒業しようと中途半端に学校に通い続ける一慶。
そんなある日のこと、一慶は、いじめられていた小学生の女の子を偶然救ってあげたことが誤解を生み、児童暴行未遂の嫌疑をかけられ、学校側から退学処分を言い渡されてしまう。家族、教師、クラスメイト、様々な想いが交錯する中、一慶はずっと胸の奥底にひた隠してきた自分自身の心に、もう一度向き合わざるを得なくなる……。
『BLACK LAGOON』の著者・広江礼威氏も絶賛した珠玉の青春小説。第11回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作品。
- 本の長さ374ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2017/7/19
- ISBN-104094516891
- ISBN-13978-4094516890
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2017/7/19)
- 発売日 : 2017/7/19
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 374ページ
- ISBN-10 : 4094516891
- ISBN-13 : 978-4094516890
- Amazon 売れ筋ランキング: - 888,162位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年7月21日に日本でレビュー済み
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2017年9月10日に日本でレビュー済み
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ラノベを久しぶりに読んだ。
こんなにも読みやすくて、すぐに世界観がストンと入ってくる。
そこから好き勝手に登場人物が動き出して、状況は目まぐるしく動く。
主人公の徹底した行動や思考が物語を加速させていく。
とにかく読んでよかったと思える作品で、このままアニメになっても人気が出ることは明白。
人嫌い、というよりかは興味すら持ててない主人公が変わっていく様が痛快で、そのあたりを仔細に読んでみるだけでも価値のある小説だと思います。
次作も期待してます。
こんなにも読みやすくて、すぐに世界観がストンと入ってくる。
そこから好き勝手に登場人物が動き出して、状況は目まぐるしく動く。
主人公の徹底した行動や思考が物語を加速させていく。
とにかく読んでよかったと思える作品で、このままアニメになっても人気が出ることは明白。
人嫌い、というよりかは興味すら持ててない主人公が変わっていく様が痛快で、そのあたりを仔細に読んでみるだけでも価値のある小説だと思います。
次作も期待してます。
2019年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章は上手いです。ストーリーの組み立ても上手いです。でも面白くはない……。というか面白いのを目的にしていない作品です。引きこもりとか、冤罪とか、母親の死とか、トランスジェンダーとか、圧迫感に満ちています。それでも読もうかな、という人には向いている作品だと思います。とはいえテーマが分散しすぎており、けっして面白くはないです。おそらく主人公が楽しそうに生きていないからだと思います。
2017年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラノベと侮ってはダメです!
よかった、泣きました。
おすすめです。
よかった、泣きました。
おすすめです。
2017年7月22日に日本でレビュー済み
文句なしの快作。
全編にわたってシリアス寄り、且つ350ページ超の大ボリュームになっていますが、筆者の高い文章力のおかげか、スラスラと読むことができます。
物語の主軸は、主人公が抱く社会や他人に対しての強い不信感、そして家族に対する深い愛情です。頭身高めの綺麗なイラストがそれらを上手く引き立てています。
ひねくれた主人公ですが、不快感はまるでありません。
文武両道に加え、185センチの長身というのはラノベ主人公としては珍しいハイスペックぶりだと思います。
懸念があるとすれば、1ページあたりの文字数です。下手な一般文芸よりもギッチリ詰まっています。
なので、一般的なラノベのレイアウト以外を受け付けられない人は読むのがやや苦痛かもしれません。
もしかしたらガガガ文庫以外のレーベルからは出版できなかったかもしれない、そんな一冊を世に送り出した作者とガガガに拍手。
続き、本当に待ってます。
全編にわたってシリアス寄り、且つ350ページ超の大ボリュームになっていますが、筆者の高い文章力のおかげか、スラスラと読むことができます。
物語の主軸は、主人公が抱く社会や他人に対しての強い不信感、そして家族に対する深い愛情です。頭身高めの綺麗なイラストがそれらを上手く引き立てています。
ひねくれた主人公ですが、不快感はまるでありません。
文武両道に加え、185センチの長身というのはラノベ主人公としては珍しいハイスペックぶりだと思います。
懸念があるとすれば、1ページあたりの文字数です。下手な一般文芸よりもギッチリ詰まっています。
なので、一般的なラノベのレイアウト以外を受け付けられない人は読むのがやや苦痛かもしれません。
もしかしたらガガガ文庫以外のレーベルからは出版できなかったかもしれない、そんな一冊を世に送り出した作者とガガガに拍手。
続き、本当に待ってます。
2019年11月11日に日本でレビュー済み
なかなか個性的な家族に囲まれた、いろんなトラウマを持っている主人公。
そんなに登場人物も出てこないし、序盤は事件らしい事件も起きないんですが、形態や状況は違えど、
映画「ショーシャンクの空に」
を見た後のような気分になれました。
異世界とか剣と魔法とか、アクションと美少女目的の方には向いていませんが、人生いろいろあった人に向いていると思いましたね。
そんなに登場人物も出てこないし、序盤は事件らしい事件も起きないんですが、形態や状況は違えど、
映画「ショーシャンクの空に」
を見た後のような気分になれました。
異世界とか剣と魔法とか、アクションと美少女目的の方には向いていませんが、人生いろいろあった人に向いていると思いましたね。
2019年10月19日に日本でレビュー済み
クラスで浮いてる人嫌い主人公のスペック
・クラスみんな解けない東大入試レベルの難問も余裕の頭脳
・長身
・睨むだけで他人を黙らせられる眼力
・子供の頃からパソコンで働いていて独りでソシャゲリリースして月収数百万
妹は引きこもりだけど芸術センスバリバリで素人でも唸るレベル
トランスセクシャルの兄は超美形で運動神経バツグンで姉になっても美人
父は生活力皆無だけど性格はすごく良い
なんか欠点がなさすぎて現実感が無かったです。
こんな恵まれてる人たちが、ムカつく人たちを裁いてスカッとするっていう、ツイッターでよくある展開です。
スカッとしたいなら良いと思います。
・クラスみんな解けない東大入試レベルの難問も余裕の頭脳
・長身
・睨むだけで他人を黙らせられる眼力
・子供の頃からパソコンで働いていて独りでソシャゲリリースして月収数百万
妹は引きこもりだけど芸術センスバリバリで素人でも唸るレベル
トランスセクシャルの兄は超美形で運動神経バツグンで姉になっても美人
父は生活力皆無だけど性格はすごく良い
なんか欠点がなさすぎて現実感が無かったです。
こんな恵まれてる人たちが、ムカつく人たちを裁いてスカッとするっていう、ツイッターでよくある展開です。
スカッとしたいなら良いと思います。
2019年1月31日に日本でレビュー済み
人生に迷った時、目標を見失った時、これから何かに取り組もうと思っている人にオススメ。
・目標を持って人生を歩むことの大切さ
・多様性を受け入れることの重要性
・家族の愛と友情
これらの普遍的なテーマをカジュアルな物語の中でリアルに伝える文章、表現力にはただただ脱帽。
生まれて初めて読んだラノベにして一生忘れない名作です。
ラノベの枠を超えて多くの人に読んで欲しいストーリーなのでアニメ化か実写映画化を強く希望!
・目標を持って人生を歩むことの大切さ
・多様性を受け入れることの重要性
・家族の愛と友情
これらの普遍的なテーマをカジュアルな物語の中でリアルに伝える文章、表現力にはただただ脱帽。
生まれて初めて読んだラノベにして一生忘れない名作です。
ラノベの枠を超えて多くの人に読んで欲しいストーリーなのでアニメ化か実写映画化を強く希望!