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パイレーティカ女海賊アートの冒険 下巻 (ルルル文庫) 文庫 – 2007/6/1

4.5 5つ星のうち4.5 3個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 小学館 (2007/6/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/6/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 257ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 409452018X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4094520187
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 3個の評価

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タニス・リ−
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星5つ中4.5つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2021年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻を読み終えてすぐ、下巻を読み始めました。ページをめくり続けるうちに、敵役はもちろん、脇役まで輝いていきます。主人公については言うまでもありません。
2008年11月18日に日本でレビュー済み
(上巻のレビューの続き)上巻でめでたく女海賊となり、歴戦のつわものたちと宝島の財宝を競うまでになったアート船長。夢を追い続ける彼女の前に下巻では暗雲が忍び寄ります。とにかく、表紙を開いて最初のページに書かれているバラッドの歌詞があまりにも衝撃的です。飛ばさないできちんと読んで下さいね。
 上巻のテーマは『夢が現実を変える/動かす』物語でした。それに対して下巻のテーマは『夢が現実になる』物語です。これは聞こえはいいですが、それまで人が心の内に抱いていた夢が、突然現実の一部に組み込まれ、否応なく現実の流儀と決断を迫られる。どのような夢であっても、それが実現されるためには何時か何処かで現実世界の一部にならなければならない。いわば、夢が悪夢の現実と直接対峙することになる物語なのです。アートは気丈にも誇りと理想を楯に現実の中でも夢の価値を保とうとします。しかしその代価は……。物語は終幕に向けてスリリングな展開が続きます。

 作者タニス・リーは70年代を中心に英米圏のファンタジー・SF界で活躍し、日本のSFや少女漫画のブームの時代に初期の代表作の多くが邦訳されました。当時の文学では冒険的だった、女性の自立・アイデンティティーの形成や耽美的でロマンティックな幻想の物語などのテーマを意欲的に扱って評価されたことで、日本のファンにはどうしてもその昔のイメージが強く残っているのでしょう。
 しかし、ジャンルにとらわれないベテラン作家へと変化していった90年代以降、日本で翻訳の途絶えている間タニス・リーの作品は新境地へと踏み出してゆきます。かつてのリーの邦訳書は本当に沢山刊行されたため、前述の主要テーマ以外にも多様な作品の魅力(児童文学・SFなど)の萌芽が実は日本に既に紹介されているのですけど。

 個人的な意見としては、現在のタニス・リーの魅力は
「かつては美しいものを描く腕前が素晴らしく、読者を魅了した。しかし現在は、それに加えて醜いもの・不快でおぞましいものも見事に描く腕前が加わった」
 という点だと思っています。昔リーが、世間が忘れている事柄の中からすくい出した数多の美しい輝きは、多くの人が素直に賞賛できる価値がありました。しかし現在のリーの作品は、我々の周囲を取り巻く醜さや悪意をひるむことなく直截に描き出します。「邪悪な存在を美しく描く」のではなく、そのネガティブな本質を否定したり対偶物に貶めずに特有の性質と価値を描き出そうとするのです。現実はいつの時代も厳しいもの、しかし現実を見ずには夢も人も生きてはゆけない。昔からリーの本は魅力的な悪役で知られていましたし、長年ゴシックホラーを書いてきたところから生まれた境地なのかもしれません。
 20年以上の時をおいて、タニス・リーが新視点からかつての名作を紡ぎ直した続編「銀色の恋人ふたたび」は、ファンの間で激しい賛否両論の嵐を巻き起こしました。あれは続編も(前作と全く異なる変奏曲として)優れた作品でしたが、日本のファンにはいささか過激すぎました。その点「パイレーティカ」は、じっくり読めば作者の新旧両方の魅力が楽しめる良作です。はじめての人にもおかえりのファンにも、共にお勧めできる作品だと思います。
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