無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
未来のための江戸学 (小学館101新書 52) 新書 – 2009/10/1
田中 優子
(著)
江戸学者による、過去と未来をつなぐ新講義
江戸文化の本質は江戸趣味として表面に現れるものだけでなく、「循環(めぐること)」の価値観であり、「因果(原因と結果)」を 検証しながら物事を決めてゆく方法である。これらを失ったことによって、近代日本人は勝ち負けを考えることに力をそそぎ、 欧米依存的となった。働くことを賃金でしか判断できなくなり、モノの価値を値段でしか理解できなくなった。自らが行った行為が 必ず自らに戻ってくる、という感覚を失ったとき、目の前の富のためなら、文化も自然も破壊することを厭わなくなる。(本文より)
競争原理主義の行き過ぎによる貧困や格差の拡大に対する怒り、未曾有の経済危機の前に立ちすくむ日本の経済、政治システムに対する挫折感、焦燥、将来への不安などが今の日本の社会に満ち満ちています。この本では江戸時代を知ることは、これからの日本にとってどのような意味で大事なのかを、複数の側面から明らかにしています。長年にわたる氏の江戸時代研究の成果を未来に向けて活用するための貴重な提言が満載です。
江戸文化の本質は江戸趣味として表面に現れるものだけでなく、「循環(めぐること)」の価値観であり、「因果(原因と結果)」を 検証しながら物事を決めてゆく方法である。これらを失ったことによって、近代日本人は勝ち負けを考えることに力をそそぎ、 欧米依存的となった。働くことを賃金でしか判断できなくなり、モノの価値を値段でしか理解できなくなった。自らが行った行為が 必ず自らに戻ってくる、という感覚を失ったとき、目の前の富のためなら、文化も自然も破壊することを厭わなくなる。(本文より)
競争原理主義の行き過ぎによる貧困や格差の拡大に対する怒り、未曾有の経済危機の前に立ちすくむ日本の経済、政治システムに対する挫折感、焦燥、将来への不安などが今の日本の社会に満ち満ちています。この本では江戸時代を知ることは、これからの日本にとってどのような意味で大事なのかを、複数の側面から明らかにしています。長年にわたる氏の江戸時代研究の成果を未来に向けて活用するための貴重な提言が満載です。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2009/10/1
- ISBN-104098250527
- ISBN-13978-4098250523
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2009/10/1)
- 発売日 : 2009/10/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4098250527
- ISBN-13 : 978-4098250523
- Amazon 売れ筋ランキング: - 446,239位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.6つ
5つのうち3.6つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
9グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦後、古いことは捨てようという風潮がある中で、伝統文化の永続を望む事のむなしさを感じていたものとしては、これぞ日本の文化だと思い起こさせてくれた。古希を迎えたとはいえ一層頑張りたいと思った。
2014年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、「戦後民主主義」派にあった、「江戸時代=封建的・反動的・野蛮→明治維新=歪みつつも近代的変革」というような図式を批判する視点を提示していることの意義が大きいと思います。しかも、この書はエッセイ集です。だからこそ、著者の軽やかでありつつ、深く洞察しようとする姿勢が滲みでているような感じがしました。
田中氏の専門は文学ですが、歴史学・社会科学の狭いアカデミズムを簡単に乗り越えて、現代から江戸時代を照射してくれます。それが、とても小気味よく感じるのは、マルクス主義を下敷きにした進歩史観とは異なり、私たちの直面する現実(成長の限界、効率主義の限界など)から課題をくみ取って考えられているからではないかと思われます。
私的には、本書の主題とはずれていると言えますが、「戦後民主主義」が嫌ったムラ社会的な人間・社会関係の側面についても、考えてみたくなりました。
田中氏の専門は文学ですが、歴史学・社会科学の狭いアカデミズムを簡単に乗り越えて、現代から江戸時代を照射してくれます。それが、とても小気味よく感じるのは、マルクス主義を下敷きにした進歩史観とは異なり、私たちの直面する現実(成長の限界、効率主義の限界など)から課題をくみ取って考えられているからではないかと思われます。
私的には、本書の主題とはずれていると言えますが、「戦後民主主義」が嫌ったムラ社会的な人間・社会関係の側面についても、考えてみたくなりました。
2013年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、『江戸時代を使って現代と未来を考えることの必要性を書いた本』です。江戸時代に関し、最近はなぜかブーム的な動きもありそれなりに世間にも知られてきてはいると思いますが、その本質は実はあまりよく知られておらず、知らないばかりか、全く勘違いして記憶している方も多いことが特徴的だと思います。
この本では、江戸時代が備える、未来につなげるべきこととつなげるべきでないことを列挙し、つなげるべきポイントに対して様々な角度から江戸文化を現代に蘇らせようとアプローチしています。
「過去に達成されていたことを現代の文脈に蘇らせる」ことなどについて関心のある方には是非お勧めしたい一冊です。
この本では、江戸時代が備える、未来につなげるべきこととつなげるべきでないことを列挙し、つなげるべきポイントに対して様々な角度から江戸文化を現代に蘇らせようとアプローチしています。
「過去に達成されていたことを現代の文脈に蘇らせる」ことなどについて関心のある方には是非お勧めしたい一冊です。
2012年10月11日に日本でレビュー済み
表面的な「江戸趣味」にとどまらず、江戸期の良い面(リサイクルシステム、緑化など)と悪い面(社会保障制度が無かった、政治の階級的偏り、年貢の使い道の不透明性、禁教令など)を見直して、19世紀の「帝国主義」から21世紀の「覇権主義」という「グローバリズム」の中で、どう「温故知新」し人間らしい生き方を築いていくかを提案している書。
倭冠〜秀吉の朝鮮侵略〜徳川の大陸外交の流れもよく判って面白かったです。
倭冠〜秀吉の朝鮮侵略〜徳川の大陸外交の流れもよく判って面白かったです。
2009年11月22日に日本でレビュー済み
少し以前から江戸と言う時代に興味があって、関連する本をたまに開いたりしている。筆者の田中教授についてもその方面の権威として何冊か読ましてもらったところだ。
タイトルにあるように江戸という時代を考えることによって、私たちの現代や未来を考えようと目論む本書。歴史認識とともに語り口は明快で、非常に分かりやすい本といえるだろうと思う。詳細はともかくとして、最後に筆者が語って強調するのは、江戸には「循環」と「因果」との考え方があったが、私たちは江戸の崩壊とともにそれを忘れ去っているという点。つまりは、今の環境問題や飽くことにない金権体質・成長志向、能力主義・成果主義につらなる考え方ということだろう。田中先生が本書でも強調しているかつてあった、日本の「始末」の思想というのは分かりやすい。古着は最後まで使い尽くし、紙を燃やした灰や糞尿にいたるまでムダにしなかったというあの例示だ。いまのようなムダや使い捨ては江戸時代には考えられなかったという視点である。
もちろん、筆者も江戸のすべてが素晴らしいと言っているわけではないわけで、歴史学的に見た検証もそれなりに行われている。現代に残していい江戸と、そうでない江戸についても言及をしている。身分社会の問題などはたしかに一筋縄ではいかない問題だろうが、そことは別の生活意識とか人間同士のそれぞれの関係を考えるときに、こうした本によって以前を見直すのはいいことなのではないだろうか。ゴミの問題やエネルギーの将来を考えるとき、本書のような語りかけと宗教までを含んだ「因果」の思想――ものごとには原因と結果があり、浪費すればそれらのものはやがてなくなっていくことを考えることは重要と思う。あらためてその事実を痛感させられた。いまの浪費社会に生きているからこその所感である。
「未来のために」といわれるように、少し以前を振り返って現代を考え直す、評価し直して将来に備えるのは大切なことではないだろうか。そんな意味では、いいタイミングでの好著であるように思えた。
タイトルにあるように江戸という時代を考えることによって、私たちの現代や未来を考えようと目論む本書。歴史認識とともに語り口は明快で、非常に分かりやすい本といえるだろうと思う。詳細はともかくとして、最後に筆者が語って強調するのは、江戸には「循環」と「因果」との考え方があったが、私たちは江戸の崩壊とともにそれを忘れ去っているという点。つまりは、今の環境問題や飽くことにない金権体質・成長志向、能力主義・成果主義につらなる考え方ということだろう。田中先生が本書でも強調しているかつてあった、日本の「始末」の思想というのは分かりやすい。古着は最後まで使い尽くし、紙を燃やした灰や糞尿にいたるまでムダにしなかったというあの例示だ。いまのようなムダや使い捨ては江戸時代には考えられなかったという視点である。
もちろん、筆者も江戸のすべてが素晴らしいと言っているわけではないわけで、歴史学的に見た検証もそれなりに行われている。現代に残していい江戸と、そうでない江戸についても言及をしている。身分社会の問題などはたしかに一筋縄ではいかない問題だろうが、そことは別の生活意識とか人間同士のそれぞれの関係を考えるときに、こうした本によって以前を見直すのはいいことなのではないだろうか。ゴミの問題やエネルギーの将来を考えるとき、本書のような語りかけと宗教までを含んだ「因果」の思想――ものごとには原因と結果があり、浪費すればそれらのものはやがてなくなっていくことを考えることは重要と思う。あらためてその事実を痛感させられた。いまの浪費社会に生きているからこその所感である。
「未来のために」といわれるように、少し以前を振り返って現代を考え直す、評価し直して将来に備えるのは大切なことではないだろうか。そんな意味では、いいタイミングでの好著であるように思えた。
2017年8月14日に日本でレビュー済み
盲目的に江戸時代を礼賛する著者の姿勢に強い違和感を覚えました
残念です
残念です