第3巻に引続き重い内容です。理想論を声高に叫ぶけれど、それに対応出来ない現実… 「動物を守れ!」と言いつつ、「お肉を美味しいなあ」と食べて,生きている現実… 菜食主義だから私は大丈夫と言っても「植物は生きていないのか」と言う質問にどの様に答えるのか…
この巻では命の大切さを教えるべき義務教育の現場での多頭飼育崩壊の状況を訴え,更に動物の命を金に変えたり、生き物虐待と言うホモ・サピエンス(敢えて人間と言う用語は使いません)の究極の思い上がりを描いています。
「鶏さん、豚さん、牛さん、魚さんや植物を食べている自分にそれを非難出来るのか…」 「上から目線で非難できるのか…」,「私はどうすれば良いのか?!」と言う疑問がこれでもかと、ぶつけられます。それに対する答えが見つからず！思わず本をぶん投げて、「あっしには関わりの無いことでござんす」とって逃げ出したいうストーリーが続きます。
何時もの如く「誰かが理想を追求し,薔薇色の理想を実現してくれる」と言う「聖域」に逃げたくなります。
しかし理想論の果てには、凄まじい地獄が待っているというのは、今までの巻で見てきた通りです。「どうすれば良いのだろうか？私は今何ができるのだろうか？…」
戦いの最中に所謂「敵」に対して発砲できるのは、全兵士の2割だと言う研究があると言う記憶があります。「多頭飼育崩壊」はある一定数を越えると発生するようです。
と言うことは、この様な「見たくもない現実」である生き物(我々人間も含まれます)虐待を起こすのは「全人類の2割である」と言うことが出来ます。
更に「この漫画」を読むことで、古代ローマのカエサルが言うところの「見たくない現実」を観ることが出来る人間が増えていけばどうなるでしょうか？ 「多頭飼育崩壊」がある一定レベルを越えたときに発生するのと同じように、「見たくない現実」を見ようとする人間が、「一定のしきい値を越えたら、現状が大きく変わるかも」と言う考えは成り立つのではないでしょうか？
この漫画は「見たくない現実」を見ようとする私の背中をゆっくり押してくれるエネルギーを持っています。少しでも多くの方が手にとって頂けるよう祈っています。
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