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古都 (新潮文庫) 文庫 – 1968/8/27
川端 康成
(著)
京都の年中行事絵巻を背景に、まったく異なる人生を歩んできた美しい姉妹の交わりを描く。
川端が六十二歳で文化勲章を受けた、その年に書かれた作品。京都に暮らし、執筆された。
捨子ではあったが京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだった。互いにひかれあい、懐かしみあいながらも永すぎた環境の違いから一緒には暮すことができない……。
古都の深い面影、移ろう四季の景物の中に由緒ある史蹟のかずかずを織り込み、流麗な筆致で描く美しい長編小説。
著者の言葉
(新聞連載の間)私は毎日『古都』を書き出す前にも、書いているあいだにも、眠り薬を用いた。眠り薬に酔って、うつつないありさまで書いた。眠り薬が書かせたようなものであったろうか。『古都』を「私の異常な所産」と言うわけである。
したがって、私は読みかえすのが不安で、校正刷りを見るのを延し、出版もためらわれた。(略)
小説に作者の「あとがき」などは無用であるが、『古都』は新聞掲載のものをこの本でずいぶん直したので、そのわけを書きそえておきたかった。(「あとがき」)
本書「解説」より
京都に住む人、京都を知る人に、既知の風物に作中で出会うという快感を、ふんだんに味わせてくれる。これはある意味では、地理的、風土的小説と言ってもよい。そして作者は、美しいヒロインを、あるいはヒロイン姉妹を描こうとしたのか、京都の風物を描こうとしたのか、どちらが主で、どちらが従か、実はよく分らないのだ。
この美しい一卵性双生児の姉妹の交わりがたい運命を描くのに、京都の風土が必要だったのか。あるいは逆に、京都の風土、風物の引立て役としてこの二人の姉妹はあるのか。
――山本健吉(評論家)
本書に描かれた京都の年中行事
花見、葵祭(あおいまつり)、鞍馬の竹伐り会(たけきりえ)、祇園会、大文字、時代祭、北野踊、事始め
名所や風物
平安神宮、嵯峨、錦の市場、西陣、御室仁和寺、植物園、加茂川堤(かもがわづつみ)、三尾(さんび)、北山杉、鞍馬、湯波半、チンチン電車、北野神社、上七軒(かみしちけん)、青蓮院(しょうれんいん)、南禅寺、下河原町の竜村、北山しぐれ、円山公園の左阿弥(さあみ)ほか
川端康成(1899-1972)
1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行。以降約10年間にわたり、毎年伊豆湯ケ島に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋で自死。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。
川端が六十二歳で文化勲章を受けた、その年に書かれた作品。京都に暮らし、執筆された。
捨子ではあったが京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだった。互いにひかれあい、懐かしみあいながらも永すぎた環境の違いから一緒には暮すことができない……。
古都の深い面影、移ろう四季の景物の中に由緒ある史蹟のかずかずを織り込み、流麗な筆致で描く美しい長編小説。
著者の言葉
(新聞連載の間)私は毎日『古都』を書き出す前にも、書いているあいだにも、眠り薬を用いた。眠り薬に酔って、うつつないありさまで書いた。眠り薬が書かせたようなものであったろうか。『古都』を「私の異常な所産」と言うわけである。
したがって、私は読みかえすのが不安で、校正刷りを見るのを延し、出版もためらわれた。(略)
小説に作者の「あとがき」などは無用であるが、『古都』は新聞掲載のものをこの本でずいぶん直したので、そのわけを書きそえておきたかった。(「あとがき」)
本書「解説」より
京都に住む人、京都を知る人に、既知の風物に作中で出会うという快感を、ふんだんに味わせてくれる。これはある意味では、地理的、風土的小説と言ってもよい。そして作者は、美しいヒロインを、あるいはヒロイン姉妹を描こうとしたのか、京都の風物を描こうとしたのか、どちらが主で、どちらが従か、実はよく分らないのだ。
この美しい一卵性双生児の姉妹の交わりがたい運命を描くのに、京都の風土が必要だったのか。あるいは逆に、京都の風土、風物の引立て役としてこの二人の姉妹はあるのか。
――山本健吉(評論家)
本書に描かれた京都の年中行事
花見、葵祭(あおいまつり)、鞍馬の竹伐り会(たけきりえ)、祇園会、大文字、時代祭、北野踊、事始め
名所や風物
平安神宮、嵯峨、錦の市場、西陣、御室仁和寺、植物園、加茂川堤(かもがわづつみ)、三尾(さんび)、北山杉、鞍馬、湯波半、チンチン電車、北野神社、上七軒(かみしちけん)、青蓮院(しょうれんいん)、南禅寺、下河原町の竜村、北山しぐれ、円山公園の左阿弥(さあみ)ほか
川端康成(1899-1972)
1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行。以降約10年間にわたり、毎年伊豆湯ケ島に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋で自死。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。
- ISBN-104101001219
- ISBN-13978-4101001210
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1968/8/27
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ288ページ
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出版社より
雪国 | 伊豆の踊子 | 愛する人達 | 掌の小説 | 舞姫 | 山の音 | |
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【新潮文庫】川端康成 作品 | 雪に埋もれた温泉町で、芸者駒子と出会った島村──ひとりの男の透徹した意識に映し出される女の美しさを、抒情豊かに描く名作。 | 伊豆の旅に出た旧制高校生の私は、途中で会った旅芸人一座の清純な踊子に孤独な心を温かく解きほぐされる──表題作など4編。 | 円熟期の著者が、人生に対する限りない愛情をもって筆をとった名作集。秘かに愛を育てる娘ごころを描く「母の初恋」など9編を収録。 | 優れた抒情性と鋭く研ぎすまされた感覚で、独自な作風を形成した著者が、四十余年にわたって書き続けた「掌の小説」122編を収録。 | 敗戦後、経済状態の逼迫に従って、徐々に崩壊していく”家”を背景に、愛情ではなく嫌悪で結ばれている舞踊家一家の悲劇をえぐる。 | 得体の知れない山の音を、死の予告のように怖れる老人を通して、日本の家がもつ重苦しさや悲しさ、家に住む人間の心の襞を捉える。〈野間文芸賞受賞〉 |
女であること | 虹いくたび | みずうみ | 名人 | 眠れる美女 | 古都 | |
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恋愛に心奥の業火を燃やす二人の若い女を中心に、女であることのさまざまな行動や心理葛藤を描いて女の妖しさを見事に照らし出す。 | 建築家水原の三人の娘はそれぞれ母が違う。みやびやかな京風俗を背景に、琵琶湖の水面に浮ぶはかない虹のような三姉妹の愛を描く。 | 教え子と恋愛事件を引き起こして学校を追われた元教師の、女性に対する暗い情念を描き出し、幽艶な非現実の世界を展開する異色作。 | 悟達の本因坊秀哉名人に、勝負の鬼大竹七段が挑む……本因坊引退碁を実際に観戦した著者が、その緊迫したドラマを克明に写し出す。 | 前後不覚に眠る裸形の美女を横たえ、周囲に真紅のビロードをめぐらす一室は、老人たちの秘密の逸楽の館であった──表題作等3編。〈毎日出版文化賞受賞〉 | 捨子という出生の秘密に悩む京の商家の一人娘千重子は、北山杉の村で瓜二つの苗子を知る。ふたご姉妹のゆらめく愛のさざ波を描く。 |
千羽鶴 | 川端康成・三島由紀夫 往復書簡 | 川端康成初恋小説集 | 少年 | |
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志野茶碗が呼び起こす感触と幻想を地模様に、亡き情人の息子に妖しく惹かれる中年女性を超現実的な美の世界に描く。続編「波千鳥」併録。 | 「小生が怖れるのは死ではなくて、死後の家族の名誉です」三島由紀夫は、川端康成に後事を託した。恐るべき文学者の魂の対話。 | 新発見書簡にメディア騒然!若き文豪が心奪われた少女・伊藤初代。「伊豆の踊子」の原点となった運命的な恋の物語を一冊に集成。 | 彼の指を、腕を、胸を、唇を愛着していた……。旧制中学の寄宿舎での「少年愛」を描き、川端文学の核に触れる知られざる名編。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1968/8/27)
- 発売日 : 1968/8/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4101001219
- ISBN-13 : 978-4101001210
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 264,348位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1899-1972)1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。
一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行、旅芸人の一行と知り合う。以降約10年間毎年、伊豆湯ヶ島湯本館に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋でガス自殺を遂げた。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年6月5日に日本でレビュー済み
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若い頃には手が伸びずに雪国も踊り子も読んでいなかった。この作品は正に古都の香りがして素晴らしい。
2023年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
京都の街並みやイベントと繋がって物語が進み、ひと昔前の京都の生活が感じられて、読んでて楽しい。一方で物語自体は寂しくもあり、美しくもあり、余韻が残る小説でした。
2023年12月25日に日本でレビュー済み
三十年近く前にこの新潮文庫で読みました。
感銘を受けたのを覚えています。
当時の新潮文庫版は、今のより活字が小さかったですね。確か。
新潮社も色々考えているようで、
数年前に市立図書館で手に取った新潮文庫版には、
私が最初に読んだ文庫本には無かった
小うるさいぐらいの注が付いていたような気がします。
それはこの作品ではなくて「雪国」だったかな?
間違ってたらすみません。
文庫本読んでて、解らない用語が出てきたら、
今は気軽にスマホなんかで調べられる時代です。
「そんなことお前に言われなくても分っとるがな」
みたいな細かい注はウザイだけという事は
しばしばあります。
そのウザイ注を廃して、当代の人気作家・綿矢りさ氏
の解説を付けたのはナイス判断かもしれません。
円地文子訳源氏物語改版の、石田衣良氏の
軽薄短小を絵に描いたような解説は、
全然感心しませんでしたけれど…
大体F4って何なんだ…
日本の空自も使ってたアメリカ製のジェット機かと思った…
感銘を受けたのを覚えています。
当時の新潮文庫版は、今のより活字が小さかったですね。確か。
新潮社も色々考えているようで、
数年前に市立図書館で手に取った新潮文庫版には、
私が最初に読んだ文庫本には無かった
小うるさいぐらいの注が付いていたような気がします。
それはこの作品ではなくて「雪国」だったかな?
間違ってたらすみません。
文庫本読んでて、解らない用語が出てきたら、
今は気軽にスマホなんかで調べられる時代です。
「そんなことお前に言われなくても分っとるがな」
みたいな細かい注はウザイだけという事は
しばしばあります。
そのウザイ注を廃して、当代の人気作家・綿矢りさ氏
の解説を付けたのはナイス判断かもしれません。
円地文子訳源氏物語改版の、石田衣良氏の
軽薄短小を絵に描いたような解説は、
全然感心しませんでしたけれど…
大体F4って何なんだ…
日本の空自も使ってたアメリカ製のジェット機かと思った…
2021年5月30日に日本でレビュー済み
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52歳で信じられないほどに小説にハマってます。ここ数ヶ月で有名な方の小説を海外問わず拝見してきました。川端康成先生の小説 は「やわらかい表現」ですね。長時間、拝見していても疲れにくいですね。やはり人柄が出ているのかと感じました。
2023年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は川端康成氏が亡くなる直前に作った幻のような日本の古都京都の美を感じ取った。
各国の言語に翻訳されているというこの作品は、美しい絵を見ているようであった。
雪国を読んだ方は次に読んでみてはいかがだろうか。
各国の言語に翻訳されているというこの作品は、美しい絵を見ているようであった。
雪国を読んだ方は次に読んでみてはいかがだろうか。
2024年1月21日に日本でレビュー済み
本作は1961~62年に朝日新聞で連載された。ノーベル文学賞授賞(1968年)対象作の1つである。川端は1899年生まれなので60歳頃の作品で、双子の娘の話である。私が購入したものは令和4年発行(百刷を超えている)で、表紙の絵は「伏見 千本鳥居」(森村玲)の版画である。
細部が充実している。例えば朝鮮系の女性たちの踊りには風情があったと記述している。また、外国人向けの服地の店でソニーの小型ラジオが外貨獲得のために販売されていたとの記述もある。『伊豆の踊り子』や『雪国』がそうであるように、実体験がかなり盛り込まれているのだろう。
会話の中に建て替えられた金閣寺の話が出てくる。ちなみに川端と交流があった三島由紀夫の『金閣寺』は1956年に発表されている。
細部が充実している。例えば朝鮮系の女性たちの踊りには風情があったと記述している。また、外国人向けの服地の店でソニーの小型ラジオが外貨獲得のために販売されていたとの記述もある。『伊豆の踊り子』や『雪国』がそうであるように、実体験がかなり盛り込まれているのだろう。
会話の中に建て替えられた金閣寺の話が出てくる。ちなみに川端と交流があった三島由紀夫の『金閣寺』は1956年に発表されている。
2023年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
京都に憧れてこの本を手にしました。
本の中に出てくる場所を確認しながら読み進めていましたが後半の展開には思わずページを進める手が早くなりました。
本の中に出てくる場所を確認しながら読み進めていましたが後半の展開には思わずページを進める手が早くなりました。
2021年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
美しい風景が目に浮かび、京言葉のリズムに癒される1冊でした。