後書きまで入れると537ページの短編集といったところです。94ページの「エルサレム賞・受賞の挨拶」では2023年末に発生し
2024年現在に続いているイスラエルとハマスのガザ地区における戦闘・騒乱は2009年2月にエルサレム賞受賞時の状況と同じです。苦渋の選択の中授賞式に出席した村上春樹さんのメッセージには心が打たれました。100ページの6行から15行 システムの壁に立ち向かう我々はとても勝ち目のない卵だが勝ち目があるとしたらお互いのかけがえのない魂の温かさを寄せ合う事
です。システムには生きた魂のがありません。システムが、我々を作ったのでは無く我々がシステムを作ったのです。うまく要約すると出来ませんがこの言葉に感動を覚えました。
この雑文集を読んでAmazonでレイモンド・カーヴァーの短編集を買いグレーとギャツビーをKindleでダウンロードしました。
464ページから467ページまでの隠居と熊さんのやりとりは爆笑しました。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥935¥935 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥935¥935 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥209¥209 税込
配送料 ¥240 5月15日-17日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】 販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
¥209¥209 税込
配送料 ¥240 5月15日-17日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
村上春樹 雑文集 (新潮文庫) 文庫 – 2015/10/28
村上 春樹
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥935","priceAmount":935.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"935","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"Cc5%2FE4yDK0LcYqnx8i9qrfdilq1raX9TMLfkSc8aHwfdiRWXejO4xlpCM7oMQPw9L%2FnopA7iIJ4M%2FrO4miqEHy9kGsTtCB5DS3s44SxkaTxZBLZzgIHZxqsB4wymaMhuRgA4yDd%2Fk3w%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥209","priceAmount":209.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"209","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"Cc5%2FE4yDK0LcYqnx8i9qrfdilq1raX9Tw5OFDLHmY8KARDDZgbGw%2FY4LMMapIkzjhMozR%2B%2FOIWx0MtbAxSZSqZVxXrSHywk%2BTVd7WfYmGaDo%2BBMqn81f0r43cubYPFdRpU%2Bl%2BradNO1Fq0GYPTdf9dLd8f0x6KUAS%2FmO8IC%2BUCXZYrJBMxE89g%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
デビュー小説『風の歌を聴け』新人賞受賞の言葉、伝説のエルサレム賞スピーチ「壁と卵」(日本語全文)、人物論や小説論、心にしみる音楽や人生の話……多岐にわたる文章のすべてに著者書下ろしの序文を付したファン必読の69編! お蔵入りの超短編小説や結婚式のメッセージはじめ、未収録・未発表の文章が満載。素顔の村上春樹を語る安西水丸・和田誠の愉しい「解説対談」付。
- 本の長さ544ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2015/10/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101001677
- ISBN-13978-4101001678
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 村上春樹 雑文集 (新潮文庫)
¥935¥935
最短で5月14日 火曜日のお届け予定です
残り16点(入荷予定あり)
¥880¥880
最短で5月14日 火曜日のお届け予定です
在庫あり。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
出版社より
象工場のハッピーエンド | 村上朝日堂 | 螢・納屋を焼く・その他の短編 | 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〔上・下〕 | 村上朝日堂の逆襲 | 日出る国の工場 | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.3
44
|
5つ星のうち4.4
84
|
5つ星のうち4.2
256
|
5つ星のうち4.3
393
|
5つ星のうち4.6
66
|
5つ星のうち4.4
50
|
価格 | ¥781¥781 | ¥693¥693 | ¥605¥605 | ¥935¥935 | ¥572¥572 | ¥781¥781 |
【新潮文庫】村上春樹 作品 | 都会的なセンチメンタリズムに充ちた 13 の短編と、カラフルなイラストが奏でる素敵なハーモニー。語り下ろし対談も収録した新編集。 | ビールと豆腐と引越しが好きで、蟻ととかげと毛虫が嫌い。素晴らしき春樹ワールドに水丸画伯のクールなイラストを添えたコラム集。 | もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。静閑なリリシズムと奇妙なユーモア感覚が交錯する短編 7 作。 | 老博士が〈私〉の意識の核に組み込んだ、ある思考回路。そこに隠された秘密を巡って同時進行する、幻想世界と冒険活劇の二つの物語。〈谷崎潤一郎賞受賞〉 | 交通ストと床屋と教訓的な話が好きで、高いところと猫のいない生活とスーツが苦手。御存じのコンビが読者に贈る素敵なエッセイ。 | 好奇心で選んだ七つの工場を、御存じ、春樹&水丸コンビが訪ねます。カラーイラストとエッセイでつづる、楽しい〈工場〉訪問記。 |
ランゲルハンス島の午後 | 雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行― | 村上朝日堂 はいほー! | ねじまき鳥クロニクル 第1部~第3部 | 夜のくもざる―村上朝日堂短篇小説― | 村上春樹、河合隼雄に会いにいく | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.1
97
|
5つ星のうち4.3
283
|
5つ星のうち4.4
73
|
5つ星のうち4.3
398
|
5つ星のうち4.3
68
|
5つ星のうち4.3
388
|
価格 | ¥825¥825 | ¥539¥539 | ¥539¥539 | ¥825¥825 | ¥990¥990 | ¥737¥737 |
カラフルで夢があふれるイラストと、その隣に気持ちよさそうに寄りそうハートウォーミングなエッセイでつづる 25 編。 | ギリシャ正教の聖地アトスをひたすら歩くギリシャ編。一転、四駆を駆ってトルコ一周の旅へ──。タフでワイルドな冒険旅行! | 本書を一読すれば、誰でも村上ワールドの仲間になれます。安西水丸画伯のイラスト入りで贈る、村上春樹のエッセンス、全 31 編! | ’84 年の世田谷の路地裏から’38 年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、探索の年代記は開始される。〈読売文学賞受賞〉 | 読者が参加する小説「ストッキング」から、全篇関西弁で書かれた「ことわざ」まで、謎とユーモアに満ちた「超短篇」小説 36本。 | アメリカ体験や家族問題、オウム事件と阪神大震災の衝撃などを深く論じながら、ポジティブな新しい生き方を探る長編対談。 |
村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた | 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか | 辺境・近境 | 辺境・近境 写真篇 | 神の子どもたちはみな踊る | もし僕らのことばがウィスキーであったなら | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.3
86
|
5つ星のうち4.6
60
|
5つ星のうち4.3
283
|
5つ星のうち4.5
15
|
5つ星のうち4.3
417
|
5つ星のうち4.3
440
|
価格 | ¥880¥880 | ¥693¥693 | ¥649¥649 | ¥924¥924 | ¥605¥605 | ¥649¥649 |
マラソンで足腰を鍛え、「猫が喜ぶビデオ」の効果に驚き、車が盗まれ四苦八苦。水丸画伯と陽子夫人の絵と写真満載のアメリカ滞在記。 | 「裸で家事をする主婦は正しいか」「宇宙人に知られたくない言葉とは?」’90 年代の日本を綴って 10 年。「村上朝日堂」最新作! | 自動小銃で脅かされたメキシコ、無人島トホホ潜入記、うどん三昧の讃岐紀行、震災で失われた故郷・神戸……。涙と笑いの 7 つの旅。 | 春樹さんが抱いた虎の子も、無人島で水をかぶったライカの写真も、みんな写ってます!同行した松村映三が撮った旅の写真帖。 | 一九九五年一月、地震はすべてを壊滅させた。そして二月、人々の内なる廃墟が静かに共振する──。深い闇の中に光を放つ六つの物語。 | アイラ島で蒸溜所を訪れる。アイルランドでパブをはしごする。二大聖地で出会ったウィスキーと人と──。芳醇かつ静謐なエッセイ。 |
村上ラヂオ 1~3 | ポートレイト・イン・ジャズ | 海辺のカフカ〔上・下〕 | 東京奇譚集 | 1Q84 BOOK1~3 | 村上春樹 雑文集 | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.3
204
|
5つ星のうち4.3
194
|
5つ星のうち4.3
791
|
5つ星のうち4.3
542
|
5つ星のうち4.3
355
|
5つ星のうち4.2
134
|
価格 | ¥539¥539 | ¥1,100¥1,100 | ¥990¥990 | ¥605¥605 | ¥825¥825 | ¥935¥935 |
いつもオーバーの中に子犬を抱いているような、ほのぼのとした毎日をすごしたいあなたに贈る、ちょっと変わった50のエッセイ。 | 青春時代にジャズと蜜月を過ごした二人が、それぞれの想いを託した愛情あふれるジャズ名鑑。単行本二冊に新編を加えた増補決定版。 | 田村カフカは 15歳の日に家出した。姉と並んだ写真を持って。世界でいちばんタフな少年になるために。ベストセラー、待望の文庫化。 | 奇譚=それはありそうにない、でも真実の物語。都会の片隅で人々が迷い込んだ、偶然と驚きにみちた 5 つの不思議な世界! | 不思議な月が浮かび、リトル・ピープルが棲すむ1Q84年の世界……深い謎を孕みながら、青豆と天吾の壮大な物語が始まる。〈毎日出版文化省受賞〉 | デビュー小説『風の歌を聴け』受賞の言葉から伝説のエルサレム賞スピーチ「壁と卵」まで、全篇書下ろし序文付きの 69 編、保存版! |
職業としての小説家 | 村上さんのところ | 騎士団長殺し 第1部~第2部 | 本当の翻訳の話をしよう 増補版 | 小澤征爾さんと、音楽について話をする | みみずくは黄昏に飛びたつ | |
---|---|---|---|---|---|---|
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.5
303
|
5つ星のうち4.3
79
|
5つ星のうち4.4
315
|
5つ星のうち4.2
55
|
5つ星のうち4.5
302
|
5つ星のうち4.5
347
|
価格 | ¥737¥737 | ¥1,100¥1,100 | ¥693¥693 | ¥880¥880 | ¥880¥880 | ¥825¥825 |
小説家とはどんな人間なのか……デビュー時の逸話や文学賞の話、長編小説の書き方まで村上春樹が自らを語り尽くした稀有な一冊! | 世界中から怒濤の質問 3万 7465 通!1億PVの人気サイトの名回答・珍問答を厳選して収録。フジモトマサルのイラスト付。 | 一枚の絵が秘密の扉を開ける──妻と別離し、小田原の山荘に暮らす孤独な画家の前に顕あられわた騎士団長とは。村上文学の新たなる結晶! | 翻訳は「塩せんべい」で小説は「チョコレート」!? 海外文学と翻訳とともに生きてきた二人が交わした、7年越し14本の対話集。 | 音楽を聴くって、なんて素晴らしいんだろう……世界で活躍する指揮者と小説家が、「良き音楽」をめぐって、すべてを語り尽くす! | 作家川上未映子が、すべての村上作品を読み直し、「村上春樹」の最深部に鋭く迫る。 13 時間に及ぶ、比類なきロングインタビュー! |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2015/10/28)
- 発売日 : 2015/10/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 544ページ
- ISBN-10 : 4101001677
- ISBN-13 : 978-4101001678
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 42,358位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年4月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
旅行のお供に読んでいったが、正直、退屈な本だった。
熱狂的なファンにはいいのかもしれないが、それほど熱心ではない自分はなかなか「ハルキワールド」に入っていけない。
そんな傍観者の目から見てわかったことは、この人は意外とノーベル賞を欲しがってるんじゃないかなあ、ってことだ。無関心を装っているけど、それは多分違っている。エルサレム賞スピーチの再録そのものが、ある種のメッセージになっているように私には思える。同時に、文学者の作品でもあるスピーチだけで完結させなかったという事実には、いくばくかの落胆を覚えもするのだ。
そういう意味では、安西水丸氏について語った最終章だけは異彩を放っている。この文章は読み手の評価を意識していない。だから「もういない」というその事実だけが、深々と心に刺さってくる。
本書の価値の半分以上はここにあるだろう。
熱狂的なファンにはいいのかもしれないが、それほど熱心ではない自分はなかなか「ハルキワールド」に入っていけない。
そんな傍観者の目から見てわかったことは、この人は意外とノーベル賞を欲しがってるんじゃないかなあ、ってことだ。無関心を装っているけど、それは多分違っている。エルサレム賞スピーチの再録そのものが、ある種のメッセージになっているように私には思える。同時に、文学者の作品でもあるスピーチだけで完結させなかったという事実には、いくばくかの落胆を覚えもするのだ。
そういう意味では、安西水丸氏について語った最終章だけは異彩を放っている。この文章は読み手の評価を意識していない。だから「もういない」というその事実だけが、深々と心に刺さってくる。
本書の価値の半分以上はここにあるだろう。
2023年12月1日に日本でレビュー済み
この『村上春樹雑文集』には、2009年のエルサレム賞スピーチ「壁と卵」が収録されている。
2013年の時点で、ガザ地区問題が激化したことで、
村上春樹氏の「壁と卵」は、再度注目されるべきであるが、
ここに二つ大きな問題がある。
一つは、雑誌『文藝春秋』に掲載された、村上春樹氏の、
「僕はなぜエルサレムに行ったのか」が、本書に収録されていないのみならず、
「僕はなぜエルサレムに行ったのか」を収録している単行本は、
どこにも存在していないということである。
「壁と卵」だけを読むと、村上春樹氏の立場は、反イスラエル的にも見えるし、
実際に、「僕がなぜエルサレムに行ったのか」では、スピーチの途中から、
シモン・ペレス大統領の表情がこわばってきたことが書かれている。
しかし、それと同時に、町を歩いていたら多くの人に握手を求められたことや、
スピーチの前でもあとでも、みんなとても友好的だったことも書かれている。
これは、「壁と卵」が、反イスラエル的というよりも、
普通のイスラエルの人には、
「壁と卵」が、「システム」対「一人一人の人間」の問題についてのスピーチだ、
ということが伝わっている、ということである。
こういうことを、全体の状況について書かれた、「僕はなぜエルサレムに行ったのか」を併せて読まないと、
村上春樹は反イスラエルだからノーベル賞をとれない、といったことを、
短絡的に発言するような人間を生み出すことになってしまうと思う。
もう一つの問題は、
2009年の時点で、
村上春樹氏が、「エルサレム賞」という国際的な文学賞を受賞して注目されたにもかかわらず、
2013年の時点での日本においては、
ガザ地区問題とは何か、といったことが、一般向けの解説として必要な状況があること、
および、村上春樹氏の「壁と卵」を、日本人として再度注目しようとするようなジャーナリズムが、日本では、ほとんど見当たらない、ということである。
これらが何を意味しているかというと、
要するに、村上春樹氏が「壁と卵」で、「エルサレム賞」という、
「国際的に権威のある文学賞を受賞した」ということのみが関心の対象であって、
そこで「何が書かれていたかという内容」は、関心の対象ではなかった、という、
日本人の、
特に、日本のジャーナリズムの知的・文化的レベルが、
「芸能人のゴシップネタレベル」での反応でしかなかった、
ということが、露呈された、ということである。
これでは、もしも、村上春樹氏が、将来、ノーベル賞を受賞したとしても、
それは、村上春樹氏個人のレベルが、現在の日本人のレベルとは大きく異なっている、ということを、
国際的に知らしめるだけで、
日本の、特にジャーナリズムのレベルの低さを、同時に世界中に知られることになるのだろうと思う。
更に、
日本人でノーベル文学賞を受賞した、大江健三郎氏が、
文化勲章の受賞を拒否したのは、天皇制に対する考えからだが、
もしも、村上春樹氏がノーベル賞を受賞したとしても、
現在の日本の政治やジャーナリズムのレベル、
更に、それらを実質的には支ええいることになってしまっている、
日本人の知的・道徳的レベルを見て、
日本人として、文化勲章の受賞を受け入れるのかどうか、ということも、
大江健三郎氏との比較において、注目されることになると思う。
2013年の時点で、ガザ地区問題が激化したことで、
村上春樹氏の「壁と卵」は、再度注目されるべきであるが、
ここに二つ大きな問題がある。
一つは、雑誌『文藝春秋』に掲載された、村上春樹氏の、
「僕はなぜエルサレムに行ったのか」が、本書に収録されていないのみならず、
「僕はなぜエルサレムに行ったのか」を収録している単行本は、
どこにも存在していないということである。
「壁と卵」だけを読むと、村上春樹氏の立場は、反イスラエル的にも見えるし、
実際に、「僕がなぜエルサレムに行ったのか」では、スピーチの途中から、
シモン・ペレス大統領の表情がこわばってきたことが書かれている。
しかし、それと同時に、町を歩いていたら多くの人に握手を求められたことや、
スピーチの前でもあとでも、みんなとても友好的だったことも書かれている。
これは、「壁と卵」が、反イスラエル的というよりも、
普通のイスラエルの人には、
「壁と卵」が、「システム」対「一人一人の人間」の問題についてのスピーチだ、
ということが伝わっている、ということである。
こういうことを、全体の状況について書かれた、「僕はなぜエルサレムに行ったのか」を併せて読まないと、
村上春樹は反イスラエルだからノーベル賞をとれない、といったことを、
短絡的に発言するような人間を生み出すことになってしまうと思う。
もう一つの問題は、
2009年の時点で、
村上春樹氏が、「エルサレム賞」という国際的な文学賞を受賞して注目されたにもかかわらず、
2013年の時点での日本においては、
ガザ地区問題とは何か、といったことが、一般向けの解説として必要な状況があること、
および、村上春樹氏の「壁と卵」を、日本人として再度注目しようとするようなジャーナリズムが、日本では、ほとんど見当たらない、ということである。
これらが何を意味しているかというと、
要するに、村上春樹氏が「壁と卵」で、「エルサレム賞」という、
「国際的に権威のある文学賞を受賞した」ということのみが関心の対象であって、
そこで「何が書かれていたかという内容」は、関心の対象ではなかった、という、
日本人の、
特に、日本のジャーナリズムの知的・文化的レベルが、
「芸能人のゴシップネタレベル」での反応でしかなかった、
ということが、露呈された、ということである。
これでは、もしも、村上春樹氏が、将来、ノーベル賞を受賞したとしても、
それは、村上春樹氏個人のレベルが、現在の日本人のレベルとは大きく異なっている、ということを、
国際的に知らしめるだけで、
日本の、特にジャーナリズムのレベルの低さを、同時に世界中に知られることになるのだろうと思う。
更に、
日本人でノーベル文学賞を受賞した、大江健三郎氏が、
文化勲章の受賞を拒否したのは、天皇制に対する考えからだが、
もしも、村上春樹氏がノーベル賞を受賞したとしても、
現在の日本の政治やジャーナリズムのレベル、
更に、それらを実質的には支ええいることになってしまっている、
日本人の知的・道徳的レベルを見て、
日本人として、文化勲章の受賞を受け入れるのかどうか、ということも、
大江健三郎氏との比較において、注目されることになると思う。
2015年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村上春樹さんが作家としてデビューしてから35年余り・・・・、本書には、あれこれの目的で、あちこちの場所に書かれ、
これまで単行本に収録されていない、いろいろな文章が集められています。
しかし、一応その内容によって以下のように大別されています。 1:序文・解説など 2:あいさつ・メッセージなど
3:音楽について 4:『アンダーグラウンド』をめぐって 5:翻訳すること、翻訳されること 6:人物について
7:目にしたこと、心に思ったこと 8:質問とその回答 9:短いフィクション―『夜のくもざる』アウトテイク 10:小説を書くということ
しかし、いつも思うんですが、村上さんの文章は読みやすいですね!!村上さんのファンならいずれの項目も興味深いと思いますが、
私も音楽が大好きですから先ず3 について・・・。村上さんは、最初にポップスが好きになり、ジャズ、そして、クラシックが好きになったそうです。
ビートルズの「サージェンと・ペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」とビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」、
2枚の偉大なアルバム関する感想、小説のタイトルにもなっている「ノルウェーの森」に対する感想、
そして、「ジャズとはどういう音楽か?」に出てくるビリー・ホリディ―の歌を聴いていた若い黒人兵士のお話・・・・心に沁みました!!
「アンダーグラウンド」は、村上さんにとって重要なノン・フィクションだと思うのですが、それについても文章も非常に興味深いです。
また、村上さんは、自身でも翻訳されますし、自身の著作も他の言語に翻訳されます。
そして、村上さんが、なぜ、名作の新訳をされるのか、本書を読めば、その理由がよく理解できます。
9:「夜のくもざる」のアウトテイクですが、村上さんて、ダジャレが好きなんですね!!しかし、編集者がボツにしたのがわからないでもありません!!
有名な「壁と卵」については、多くの人が感想を述べていますから、私なんかが別にあれこれ言うことはないと思います。
最後は、安西水丸さんと和田誠さんの愛情あふれる対談で締めくくられています。しかし、単行本が出版されたのは、2011年、
安西水丸さんは既に逝去されています。まさに「歳月人を待たず」です!!
これまで単行本に収録されていない、いろいろな文章が集められています。
しかし、一応その内容によって以下のように大別されています。 1:序文・解説など 2:あいさつ・メッセージなど
3:音楽について 4:『アンダーグラウンド』をめぐって 5:翻訳すること、翻訳されること 6:人物について
7:目にしたこと、心に思ったこと 8:質問とその回答 9:短いフィクション―『夜のくもざる』アウトテイク 10:小説を書くということ
しかし、いつも思うんですが、村上さんの文章は読みやすいですね!!村上さんのファンならいずれの項目も興味深いと思いますが、
私も音楽が大好きですから先ず3 について・・・。村上さんは、最初にポップスが好きになり、ジャズ、そして、クラシックが好きになったそうです。
ビートルズの「サージェンと・ペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」とビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」、
2枚の偉大なアルバム関する感想、小説のタイトルにもなっている「ノルウェーの森」に対する感想、
そして、「ジャズとはどういう音楽か?」に出てくるビリー・ホリディ―の歌を聴いていた若い黒人兵士のお話・・・・心に沁みました!!
「アンダーグラウンド」は、村上さんにとって重要なノン・フィクションだと思うのですが、それについても文章も非常に興味深いです。
また、村上さんは、自身でも翻訳されますし、自身の著作も他の言語に翻訳されます。
そして、村上さんが、なぜ、名作の新訳をされるのか、本書を読めば、その理由がよく理解できます。
9:「夜のくもざる」のアウトテイクですが、村上さんて、ダジャレが好きなんですね!!しかし、編集者がボツにしたのがわからないでもありません!!
有名な「壁と卵」については、多くの人が感想を述べていますから、私なんかが別にあれこれ言うことはないと思います。
最後は、安西水丸さんと和田誠さんの愛情あふれる対談で締めくくられています。しかし、単行本が出版されたのは、2011年、
安西水丸さんは既に逝去されています。まさに「歳月人を待たず」です!!
2021年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても良い状態でした。丁寧な包装ですが廃棄しやすくて良かったです
2015年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章の書き方については音楽から学んできたという、そして小説を書くと
いうことは物語を作ること、自分の部屋を創ることという表現に作者の小説
を書くことへの強い思いを感じた。特に音楽エッセイは圧巻である。
いうことは物語を作ること、自分の部屋を創ることという表現に作者の小説
を書くことへの強い思いを感じた。特に音楽エッセイは圧巻である。