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晩年 (新潮文庫) 文庫 – 2005/10/1
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妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女作品集。“撰ばれてあることの 慌惚と不安 と二つわれにあり"というヴェルレーヌのエピグラフで始まる『葉』以下、自己の幼・少年時代を感受性豊かに描いた処女作『思い出』、心中事件前後の内面を前衛的手法で告白した『道化の華』など15編より成る。
目次
葉
思い出
魚服記
列車
地球図
猿ヶ島
雀こ
道化の華
猿面冠者
逆行
彼は昔の彼ならず
ロマネスク
玩具
陰火
めくら草紙
解説 奥野健男
著者の言葉
「私はこの短篇集の一冊のために、十箇年を棒に振った。まる十箇年、市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。私は、この本一冊のために、身の置きどころを見失い、たえず自尊心を傷つけられて世のなかの寒風に吹きまくられ、そうして、うろうろ歩きまわっていた。(中略)舌を焼き、胸を焦がし、わが身を、とうてい恢復できぬまでにわざと損じた。百篇にあまる小説を、破り棄てた。原稿用紙五万枚。そうして残ったのは、辛うじて、これだけである。これだけ。(中略)
けれども、私は、信じて居る。この短篇集、『晩年』は、年々歳々、いよいよ色濃く、きみの眼に、きみの胸に滲透して行くにちがいないということを。私はこの本一冊を創るためにのみ生れた。(中略)
さもあらばあれ、『晩年』一冊、君のその両手の垢で黒く光って来るまで、繰り返し繰り返し愛読されることを思うと、ああ、私は幸福だ。(後略)」(「文芸雑誌」昭和十一年一月号)
本書「解説」より
太宰治に『晩年』という題名の小説はない。『晩年』は、作品十五篇を集めた第一創作集に付せられた総題であるのだ。なぜ満二十七歳の青年が、その処女創作集に老人くさい『晩年』などという題名をつけたか。そこに世の常の文学者と異なる太宰治の特異な文学的出発がある。つまり太宰治は自殺を前提にして、遺書のつもりで小説を書きはじめたのだ。ポーズや擬態ではなく、自分は滅亡の民のひとりだと信じ、せめて自分の一生を書き残したいと懸命に、『晩年』の諸作品を書いたのだ。
――奥野健男(文芸評論家)
太宰治(1909-1948)
青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
- ISBN-104101006016
- ISBN-13978-4101006017
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日2005/10/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ416ページ
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晩年 | 斜陽 | ヴィヨンの妻 | 津軽 | 人間失格 | 走れメロス | |
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【新潮文庫】太宰治 作品 | 妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女創作集。 | ”斜陽族”という言葉を生んだ名作。没落貴族の家庭を舞台に麻薬中毒で自滅していく直治など四人の人物による滅びの交響楽を奏でる。 | 新生への希望と、戦争の後も変らぬ現実への絶望感との間を揺れ動きながら、命をかけて新しい倫理を求めようとした文学的総決算。 | 著者が故郷の津軽を旅行したときに生れた本書は、旧家に生れた宿命を背負う自分の姿を凝視し、あるいは懐しく回想する異色の一巻。 | 生への意志を失い、廃人同様に生きる男が綴る手記を通して、自らの生涯の終りに臨んで、著者が内的真実のすべてを投げ出した小説。 | 人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な文体で表現した「走れメロス」など、中期の安定した生活の中で、多彩な芸術的開花を示した9編。 |
お伽草紙 | グッド・バイ | 二十世紀旗手 | 惜別 | パンドラの匣 | 新ハムレット | |
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昔話のユーモラスな口調の中に、人間宿命の深淵をとらえた表題作ほか「新釈諸国噺」「清貧譚」等5編。古典や民話に取材した作品集。 | 被災・疎開・敗戦という未曾有の極限状況下の経験を我が身を燃焼させつつ書き残した後期の短編集。「苦悩の年鑑」「眉山」等 16 編。 | 麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々──小市民のモラルと、既成の小説概念を否定し破壊せんとした前期作品集。「虚構の春」など7編。 | 仙台留学時代の若き魯迅と日本人学生との心あたたまる交友を描いた表題作と「右大臣実朝」──太宰文学の中期を代表する秀作 2 編。 | 風変りな結核療養所で闘病生活を送る少年を描く「パンドラの匣」。社会への門出に当って揺れ動く中学生の内面を綴る「正義と微笑」。 | 西洋の古典や歴史に取材した短編集。原典「ハムレット」の戯曲形式を生かし現代人の心理的葛藤を見事に描き込んだ表題作等5編。 |
きりぎりす | もの思う葦 | 津軽通信 | 新樹の言葉 | ろまん燈籠 | 地図―初期作品集― | |
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著者の最も得意とする、女性の告白体小説の手法を駆使して、破局を迎えた画家夫婦の内面を描く表題作など、秀作 14 編を収録する。 | 初期の「もの思う葦」から死の直前の「如是我聞」まで、短い苛烈な生涯の中で綴られた機知と諧謔に富んだアフォリズム・エッセイ。 | 疎開先の生家で書き綴られた表題作、『短篇集』としてくくられた中期の作品群に、”黄村先生”ものと各時期の連作作品を中心に収録。 | 地獄の日々から立ち直ろうと懸命の努力を重ねた中期の作品集。乳母の子供たちと異郷で思いがけない再会をした心温まる話など 15 編。 | 小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに五人の性格を浮彫りにするという野心的な構成をもった表題作など 16 編。 | 生誕百年記念出版。才気と野心の原点がここにある。中学生津島修治から作家太宰治へ、文豪の誕生を鮮やかに示す初期作品集。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (2005/10/1)
- 発売日 : 2005/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 416ページ
- ISBN-10 : 4101006016
- ISBN-13 : 978-4101006017
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 29,711位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。
在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
予想以上に自宅に早く届き、読めたのが良かった。
太宰治さんの本を読もうとしている人にはお勧めです。
「新釈諸国噺&お伽草子」が双璧で面白いのでないかと思う。
太宰の本当の晩年の独りよがりの暗さは少なく(道化の華くらい)、
作品の一つ一つに「何か新しい工夫を」というのが感じ取れる
「珠玉の作品集」という言葉がぴったりくる作品だ。
どれも面白いのだが、オススメは「葉」「道化の華」「猿面冠者」
「逆行」「彼は昔の彼ならず」「紙の鶴(「陰火」に収録)」
あたりか。
「葉」は捨ててしまった小説の中のどうしても捨て切れなかった
センテンスが並べてあるのだが、一通り読めば誰でもいくつかは
心に響いてくるフレーズが並べてある。
「道化の華」「猿面冠者」は題材もさることながら、手法が今日
に至っても新鮮に感じられることが素晴らしい。
「逆行」「彼は昔の彼ならず」は多少、暗くて重い題材を扱って
いながら、それを全てユーモアでくるんで面白さのみを読者に提供
していて、本当の晩年には無い太宰のサービスが現れている。
「紙の鶴」は個人的に一番好きなのだが、主観的には重過ぎる題材を
扱っておいて、他者(読者)には滑稽さしか感じさせないところが
素晴らしい。パラパラと読むと見逃しがちなので、これだけは読んで
頂きたい作品である。
本当は、ありのままがあるだけ。自分がここにいるだけであり、あなたがそこにいるだけだ。そして、そこにあるのは、どうすることもできずに、気付けば思ってしまう気持ち。ただ、湧いてくる感情。
そして、この本には、それを吐露し続ける太宰がいる。それは、ありのままの太宰の姿でありながら、どこか自分の姿と重なる。そんな太宰の姿を通して、僕は僕と出会うのかもしれない。
この作品でもう一つ、印象的な描写は、殺される本人の告白のとおり、少女の殺しっぷりである。私は、この少女のモデルは、ドストエフスキー「虐げられた人々」のネリーではないか、と勝手に思い込んでいる(ちなみに私は、ネリーをこっそり、女イエスと呼んでいる)。「富嶽百景」に出てくる天下茶屋の娘さんにも通ずる、純粋な応援ののち、少女は、指の先から消えていく。
ネリー、といえば、同じ『晩年』に収められている「葉」の断章の一つで、ネリーと同国人ロシアの少女が登場する。この少女の、「咲クヨウニ。咲クヨウニ」という祈りの言葉が、いい。日露戦争で、ロシアは日本に敗れた。日本橋に来ていた彼女の祈りに、太宰は、敗戦国ロシアが幸福になるよう、祈りをこめたのではなかったか。……などと読むのは、深読みだろうか? いずれにせよ、わが身は虐げられようとも、自分を虐げた者の幸福を祈る少女の姿は、切なく、美しい。敵を愛せ、というイエスの教えを、少女は守った。太宰は、このイエスの教えに、美を感じていたのではないか。……などと読むのも、深読みかもしれない。だめだ、こりゃ。
「逆行」についても一言。伊藤一郎氏の論稿「寓話としての「河童」」を読み(レビューは別のところに書いた)、この「逆行」からも、太宰の母胎回帰への願望を読み取ることが可能かもしれない、と考えたが、これもまた、深読みかもしれない。
『逆行』にしても、『道化の華』でも芥川賞のレベルではない。『猿面冠者』が一番良かった。これなら芥川賞を狙えたかもしれない。