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走れメロス (新潮文庫) 文庫 – 2005/2/1
太宰 治
(著)
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それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ――。
友情、青春、愛。大人になって再読したい。誰もが親しんだ名作を。
表題作ほか、文学的、芸術的豊かさに溢れた「中期太宰」の魅力を存分に味わう。
人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な力強い文体で表現した『走れメロス』など、安定した実生活のもとで多彩な芸術的開花を示した中期の代表的短編集。「富士には、月見草がよく似合う」とある一節によって有名な『富嶽百景』、著者が得意とした女性の独白体の形式による傑作『女生徒』、10年間の東京生活を回顧した『東京八景』ほか、『駈込み訴え』『ダス・ゲマイネ』など全9編。
巻末に用語、時代背景などについての詳細な注解、解説、年譜を付す。
【目次】
ダス・ゲマイネ
満願
富嶽百景
女生徒
駈込み訴え
走れメロス
東京八景
帰去来
故郷
解説:奥野健男
本書収録「走れメロス」より冒頭
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を超え山超え、十里はなれた此(こ)のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気(りちぎ)な一牧人を、近々、花婿として迎える事になっていた。……
太宰治(1909-1948)
青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
友情、青春、愛。大人になって再読したい。誰もが親しんだ名作を。
表題作ほか、文学的、芸術的豊かさに溢れた「中期太宰」の魅力を存分に味わう。
人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な力強い文体で表現した『走れメロス』など、安定した実生活のもとで多彩な芸術的開花を示した中期の代表的短編集。「富士には、月見草がよく似合う」とある一節によって有名な『富嶽百景』、著者が得意とした女性の独白体の形式による傑作『女生徒』、10年間の東京生活を回顧した『東京八景』ほか、『駈込み訴え』『ダス・ゲマイネ』など全9編。
巻末に用語、時代背景などについての詳細な注解、解説、年譜を付す。
【目次】
ダス・ゲマイネ
満願
富嶽百景
女生徒
駈込み訴え
走れメロス
東京八景
帰去来
故郷
解説:奥野健男
本書収録「走れメロス」より冒頭
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を超え山超え、十里はなれた此(こ)のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気(りちぎ)な一牧人を、近々、花婿として迎える事になっていた。……
太宰治(1909-1948)
青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
- ISBN-104101006067
- ISBN-13978-4101006062
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日2005/2/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ304ページ
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晩年 | 斜陽 | ヴィヨンの妻 | 津軽 | 人間失格 | 走れメロス | |
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価格 | ¥572¥572 | ¥374¥374 | ¥407¥407 | ¥539¥539 | ¥308¥308 | ¥440¥440 |
【新潮文庫】太宰治 作品 | 妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女創作集。 | ”斜陽族”という言葉を生んだ名作。没落貴族の家庭を舞台に麻薬中毒で自滅していく直治など四人の人物による滅びの交響楽を奏でる。 | 新生への希望と、戦争の後も変らぬ現実への絶望感との間を揺れ動きながら、命をかけて新しい倫理を求めようとした文学的総決算。 | 著者が故郷の津軽を旅行したときに生れた本書は、旧家に生れた宿命を背負う自分の姿を凝視し、あるいは懐しく回想する異色の一巻。 | 生への意志を失い、廃人同様に生きる男が綴る手記を通して、自らの生涯の終りに臨んで、著者が内的真実のすべてを投げ出した小説。 | 人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な文体で表現した「走れメロス」など、中期の安定した生活の中で、多彩な芸術的開花を示した9編。 |
お伽草紙 | グッド・バイ | 二十世紀旗手 | 惜別 | パンドラの匣 | 新ハムレット | |
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価格 | ¥737¥737 | ¥605¥605 | ¥649¥649 | ¥693¥693 | ¥572¥572 | ¥737¥737 |
昔話のユーモラスな口調の中に、人間宿命の深淵をとらえた表題作ほか「新釈諸国噺」「清貧譚」等5編。古典や民話に取材した作品集。 | 被災・疎開・敗戦という未曾有の極限状況下の経験を我が身を燃焼させつつ書き残した後期の短編集。「苦悩の年鑑」「眉山」等 16 編。 | 麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々──小市民のモラルと、既成の小説概念を否定し破壊せんとした前期作品集。「虚構の春」など7編。 | 仙台留学時代の若き魯迅と日本人学生との心あたたまる交友を描いた表題作と「右大臣実朝」──太宰文学の中期を代表する秀作 2 編。 | 風変りな結核療養所で闘病生活を送る少年を描く「パンドラの匣」。社会への門出に当って揺れ動く中学生の内面を綴る「正義と微笑」。 | 西洋の古典や歴史に取材した短編集。原典「ハムレット」の戯曲形式を生かし現代人の心理的葛藤を見事に描き込んだ表題作等5編。 |
きりぎりす | もの思う葦 | 津軽通信 | 新樹の言葉 | ろまん燈籠 | 地図―初期作品集― | |
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著者の最も得意とする、女性の告白体小説の手法を駆使して、破局を迎えた画家夫婦の内面を描く表題作など、秀作 14 編を収録する。 | 初期の「もの思う葦」から死の直前の「如是我聞」まで、短い苛烈な生涯の中で綴られた機知と諧謔に富んだアフォリズム・エッセイ。 | 疎開先の生家で書き綴られた表題作、『短篇集』としてくくられた中期の作品群に、”黄村先生”ものと各時期の連作作品を中心に収録。 | 地獄の日々から立ち直ろうと懸命の努力を重ねた中期の作品集。乳母の子供たちと異郷で思いがけない再会をした心温まる話など 15 編。 | 小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに五人の性格を浮彫りにするという野心的な構成をもった表題作など 16 編。 | 生誕百年記念出版。才気と野心の原点がここにある。中学生津島修治から作家太宰治へ、文豪の誕生を鮮やかに示す初期作品集。 |
商品の説明
出版社からのコメント
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (2005/2/1)
- 発売日 : 2005/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 304ページ
- ISBN-10 : 4101006067
- ISBN-13 : 978-4101006062
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 162,407位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。
在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月24日に日本でレビュー済み
精神的安定を得た中期の傑作短編集として有名だが、その中に太宰治の地 (じ) が露骨に出ていて非常に面白かった。
『ダス・ゲマイネ』:「私」こと佐野次郎 (さのじろ) とあだ名された大学生をはじめ、音楽学校生の馬場数馬、画家の佐竹六郎、新人作家の太宰治 (‼) と、いずれ劣らぬ個性的すぎるキャラクターが出てくる青春ドタバタ悲喜劇。作中に、太宰治という作者自身のカリカチュア (!?) を登場させ、芸術論をたたかわせたあげく、馬場に「ばけもの!」と言って殴らせるあたりは痛快。1935年 作者26歳。横光利一、川端康成に代表される新感覚派という前衛文学末期の風潮を考慮しても、かなり攻めた作品。
『満 願』:わずか3ページの掌編ながら心温まる作品。しかも、そのうち6割は、ケガをして診察をうけた酒飲みの医師との交流譚。自転車を泥酔運転して足にケガをしひどく出血した主人公の「私」が、あわてて医院に駆け込んだところ、診察室に現れた西郷隆盛ばりの豪胆な医師も負けず劣らず泥酔していて、2人はその後仲良しになるというもの。そして残りのわずか4割が、ある小学校教諭の若妻の話。夫の教諭が3年前に肺を病んで (肺結核?) その薬を定期的にもらいに来ていた若奥様が「奥さま、もうすこしの辛抱ですよ」と、夫が完治するまで夫婦の営みを医師から固く禁じられていたのだが、ある日、とうとう医師から「おゆるし」が出て、帰り道、若奥様がさも嬉しそうに歩いて帰ったという何とも微笑ましい話。全部で43行、キモにになる話は後半のわずか18行という短さで、これだけ印象深い話の書ける作者はやはり天才か。
『富嶽百景』:〈富士には月見草がよく似合う〉という作中に出てくるフレーズで有名な作品で、読者の私も、太宰治といえばコレ!と言いたいくらい好きです。内容も、最晩年の「人間失格」や「ヴィヨンの妻」「桜桃」などの暗さと絶望感とは対照的な、明るく健康的な叙述に終始している。文学上の師である井伏鱒二の滞在する甲府の天下茶屋 (みやげもの屋 兼 旅館) に作者が身をよせ井伏の付き添いで地元の石原美知子と実家でお見合いし結婚を即決する、というのがメインテーマなのだが、終始洒脱な筆致で書かれたその前後のエピソードや考察も面白く、今回3度目の通読で太宰屈指の好短編という印象をよりいっそう強くした。
『女生徒』:意識の流れ風の手法による好編。14歳の女生徒の1日を独白体で切れ目なく書き綴っているところは、作者独特の弾みのある文体と相まって小気味よいが、途中14歳の少女がこんな難解な哲学的思弁を行い得るだろうか、という箇所があるのが玉に瑕か。
『駆け込み訴え』:イスカリオテのユダがキリストを裏切るにいたるまでの心理が描かれている。本作は作者が酒を飲みながら美知子奥様に全文口述筆記させて成った特異な作品として有名。モーツァルトが眠気覚ましに妻のコンスタンツェに笑い話をさせたりポンチ (カクテル) を作ってもらったりしながら、「ドン・ジョヴァンニ」序曲をひと晩 (‼) で書いたことを思い出さずにはいられないほどの天才ならではのエピソードだ。確かに、本作における作者の筆致はよどみなく流れるようだ。
『走れメロス』:あまりにも有名な作品なので付言することなし。これも『駆け込み訴え』みたいに、一気呵成に書いたんだろうなあと思わずにはいられない。中学時代からの愛読作です。
『東京八景』『帰去来』『故郷』:この3作は、それこそ〈破滅と再生の三部作〉と呼びたいような印象深い作品。要するに、1939年正月に29歳で結婚 (6月で30歳) し一家を構え生活も安定した太宰治が、懶惰と飲酒とパビナール中毒と自殺未遂に彩られた過去の人生を一度きっちり清算するために書いた問題作というか佳品。人生最後の傑作『人間失格』の習作との見方もできるが、こちらの三部作のほうが詳細かつ歴史的事実の部分も多く、私的にはこれはこれで完成された三部作の自画像だと思っています。
『ダス・ゲマイネ』:「私」こと佐野次郎 (さのじろ) とあだ名された大学生をはじめ、音楽学校生の馬場数馬、画家の佐竹六郎、新人作家の太宰治 (‼) と、いずれ劣らぬ個性的すぎるキャラクターが出てくる青春ドタバタ悲喜劇。作中に、太宰治という作者自身のカリカチュア (!?) を登場させ、芸術論をたたかわせたあげく、馬場に「ばけもの!」と言って殴らせるあたりは痛快。1935年 作者26歳。横光利一、川端康成に代表される新感覚派という前衛文学末期の風潮を考慮しても、かなり攻めた作品。
『満 願』:わずか3ページの掌編ながら心温まる作品。しかも、そのうち6割は、ケガをして診察をうけた酒飲みの医師との交流譚。自転車を泥酔運転して足にケガをしひどく出血した主人公の「私」が、あわてて医院に駆け込んだところ、診察室に現れた西郷隆盛ばりの豪胆な医師も負けず劣らず泥酔していて、2人はその後仲良しになるというもの。そして残りのわずか4割が、ある小学校教諭の若妻の話。夫の教諭が3年前に肺を病んで (肺結核?) その薬を定期的にもらいに来ていた若奥様が「奥さま、もうすこしの辛抱ですよ」と、夫が完治するまで夫婦の営みを医師から固く禁じられていたのだが、ある日、とうとう医師から「おゆるし」が出て、帰り道、若奥様がさも嬉しそうに歩いて帰ったという何とも微笑ましい話。全部で43行、キモにになる話は後半のわずか18行という短さで、これだけ印象深い話の書ける作者はやはり天才か。
『富嶽百景』:〈富士には月見草がよく似合う〉という作中に出てくるフレーズで有名な作品で、読者の私も、太宰治といえばコレ!と言いたいくらい好きです。内容も、最晩年の「人間失格」や「ヴィヨンの妻」「桜桃」などの暗さと絶望感とは対照的な、明るく健康的な叙述に終始している。文学上の師である井伏鱒二の滞在する甲府の天下茶屋 (みやげもの屋 兼 旅館) に作者が身をよせ井伏の付き添いで地元の石原美知子と実家でお見合いし結婚を即決する、というのがメインテーマなのだが、終始洒脱な筆致で書かれたその前後のエピソードや考察も面白く、今回3度目の通読で太宰屈指の好短編という印象をよりいっそう強くした。
『女生徒』:意識の流れ風の手法による好編。14歳の女生徒の1日を独白体で切れ目なく書き綴っているところは、作者独特の弾みのある文体と相まって小気味よいが、途中14歳の少女がこんな難解な哲学的思弁を行い得るだろうか、という箇所があるのが玉に瑕か。
『駆け込み訴え』:イスカリオテのユダがキリストを裏切るにいたるまでの心理が描かれている。本作は作者が酒を飲みながら美知子奥様に全文口述筆記させて成った特異な作品として有名。モーツァルトが眠気覚ましに妻のコンスタンツェに笑い話をさせたりポンチ (カクテル) を作ってもらったりしながら、「ドン・ジョヴァンニ」序曲をひと晩 (‼) で書いたことを思い出さずにはいられないほどの天才ならではのエピソードだ。確かに、本作における作者の筆致はよどみなく流れるようだ。
『走れメロス』:あまりにも有名な作品なので付言することなし。これも『駆け込み訴え』みたいに、一気呵成に書いたんだろうなあと思わずにはいられない。中学時代からの愛読作です。
『東京八景』『帰去来』『故郷』:この3作は、それこそ〈破滅と再生の三部作〉と呼びたいような印象深い作品。要するに、1939年正月に29歳で結婚 (6月で30歳) し一家を構え生活も安定した太宰治が、懶惰と飲酒とパビナール中毒と自殺未遂に彩られた過去の人生を一度きっちり清算するために書いた問題作というか佳品。人生最後の傑作『人間失格』の習作との見方もできるが、こちらの三部作のほうが詳細かつ歴史的事実の部分も多く、私的にはこれはこれで完成された三部作の自画像だと思っています。
2013年2月1日に日本でレビュー済み
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再度読みたいと思ってました。昔かって本は家にあるのですが、再度本を買う気はしませんでした。しかしこれなら、買えました。
2019年7月11日に日本でレビュー済み
2019年57冊目/7月4冊目/『走れメロス』(新潮文庫)/太宰 治/P.304/2005年/★3.3 #読了 #読了2019
本書は9つの短編からなる。『走れメロス』は約20ページなので一瞬で読める。セリヌンティウスが一つ返事でメロスを承諾するのは謎。『帰去来』『故郷』は、『津軽』を読んでいたので、話が繋がって彼の背景を深く知ることができる。温和でいい人なのに若くして自殺するのはなぜ。他にも、太宰治といえば男性一人称と思っていたが『女生徒』は、若い女性のピュアな日常を描いていて面白かった。全体的に、文章体が潜在的な二人称で書かれていて、いつの間にか読者に語りかけているような気なるのが彼の作品のすごいところだと思った。
本書は9つの短編からなる。『走れメロス』は約20ページなので一瞬で読める。セリヌンティウスが一つ返事でメロスを承諾するのは謎。『帰去来』『故郷』は、『津軽』を読んでいたので、話が繋がって彼の背景を深く知ることができる。温和でいい人なのに若くして自殺するのはなぜ。他にも、太宰治といえば男性一人称と思っていたが『女生徒』は、若い女性のピュアな日常を描いていて面白かった。全体的に、文章体が潜在的な二人称で書かれていて、いつの間にか読者に語りかけているような気なるのが彼の作品のすごいところだと思った。
2021年8月9日に日本でレビュー済み
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子どもに読ませたくて購入
2020年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レポート提出で読みました。人間の内面をレポートに書くとなかなか難しい内容でしたね。
2019年12月16日に日本でレビュー済み
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今から10年ほど前の遣都くんが表紙、裏表紙になっています。巻頭グラビアはQRコードを管理する会社のサポートが終了したと言うことで、現在は見ることが出来ません。
ですが、ファンとしては表紙を飾っているだけでも嬉しいです。
若くてまだあどけなさが残る遣都くんが見れますよ♡オススメします。
ですが、ファンとしては表紙を飾っているだけでも嬉しいです。
若くてまだあどけなさが残る遣都くんが見れますよ♡オススメします。
2021年4月28日に日本でレビュー済み
戦時中に書けた小説と言えば、こんな程度の作品しかありません。
軍部の検閲が厳しく自由や権利、まして反抗をテーマにするのはご法度です。
それにしても、長らく中学校の教科書に載っている意義は何なのでしょうか。
道徳的な観点から学校という集団生活の中での個人の果たすべき美徳なのでしょう。
メロスやセリヌンティウスではなく、王様ディオニスに主眼を置くと
本作品を新たな見地で理解出来ます。
王様自身が何度も暗殺されそうになり、疑心暗鬼を生じ、人を信じることが出来ない。
当然の事です。メロスが幸運だったのは即座に処刑されなかったことです。
メロスの命を弄ぶ王様ディオニスは王座にいる神がかり的な人物なのです。
所詮、メロスが何をやっても、王様の手のひらの中にあるのです。
メロスの帰路で盗賊が待ち伏せている。もちろん王様ディオニスの差し金です。
最後の場面でメロスとセリヌンティウスが互いに抱擁する姿を見て、
私をも仲間に入れてくれと言いますが、解釈が違います。
「私をも仲間に入れて、やがて私の仲間になりなさい。」ということです。
権力者に歯向かう者はすべて抹殺される運命なのです。
王様ディオニスは民衆の前では、あのような寛大な態度をとりましたが、
腹の底はまったく違います。やはり王たる賢者であり悪徳者なのです。
これからメロスとセリヌンティウスをどう利用していくか。
二人の運命はすべて王様ディオニスの手の中にあります。
いつの世も権力者が弱者を虐げ、惨然たる状況へ陥れるのです。
戦時における太宰治の唯一の反骨精神のある作品です。
軍部の検閲が厳しく自由や権利、まして反抗をテーマにするのはご法度です。
それにしても、長らく中学校の教科書に載っている意義は何なのでしょうか。
道徳的な観点から学校という集団生活の中での個人の果たすべき美徳なのでしょう。
メロスやセリヌンティウスではなく、王様ディオニスに主眼を置くと
本作品を新たな見地で理解出来ます。
王様自身が何度も暗殺されそうになり、疑心暗鬼を生じ、人を信じることが出来ない。
当然の事です。メロスが幸運だったのは即座に処刑されなかったことです。
メロスの命を弄ぶ王様ディオニスは王座にいる神がかり的な人物なのです。
所詮、メロスが何をやっても、王様の手のひらの中にあるのです。
メロスの帰路で盗賊が待ち伏せている。もちろん王様ディオニスの差し金です。
最後の場面でメロスとセリヌンティウスが互いに抱擁する姿を見て、
私をも仲間に入れてくれと言いますが、解釈が違います。
「私をも仲間に入れて、やがて私の仲間になりなさい。」ということです。
権力者に歯向かう者はすべて抹殺される運命なのです。
王様ディオニスは民衆の前では、あのような寛大な態度をとりましたが、
腹の底はまったく違います。やはり王たる賢者であり悪徳者なのです。
これからメロスとセリヌンティウスをどう利用していくか。
二人の運命はすべて王様ディオニスの手の中にあります。
いつの世も権力者が弱者を虐げ、惨然たる状況へ陥れるのです。
戦時における太宰治の唯一の反骨精神のある作品です。