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四十八歳の抵抗 (新潮文庫) 文庫 – 1958/10/30

3.8 5つ星のうち3.8 17個の評価

ダブルポイント 詳細
五十五歳停年の時代に、退職が現実のこととして見えてきた保険会社次長の西村耕太郎。家庭を持ち、何不自由ない毎日を送っているが、心に潜む後悔と不安を拭えない。その心中を見透かすかのように島田課長にヌード撮影会に誘われる。日常への「抵抗」を試みた西村は、酒場で知り合った十九歳のユカリと熱海に出かけるが──。書名が流行語にまでなった日本的男性研究の原典。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1958/10/30)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1958/10/30
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 413ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101015147
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101015149
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 17個の評価

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石川 達三
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今は昭和なら97年、この小説は昭和30年に読売新聞に連載されたので、67年前である。娘が昭和8年生まれとある。
熱海へ慰安旅行、ヌード撮影会など時代を感じさせるものがあるが、人間の心理は67年前のものでも臨場感がある。今の48歳は老人とは分類されないが、当時の48歳は既に老境であるのが興味深い。随分と健康をめぐる環境は改善されている。戦後10年程度なのに、普通に日本は復興して、テレビがなくラジオ、エアコンがなく火鉢、漸く自動洗濯機が導入ということを除けば、心理描写にはハラハラドキドキするばかりだ。
(ネタバレあり、注意)

西村耕太郎は熱海までユキを連れ出すが、最後の一線を無理には超えない。その時の情けなさと安堵の感情は非常に共感を覚える。ユキとの熱海旅行のシーンからラストまではページをめくる手を止めることができなかった。抜群に面白い。当時の風俗というか生活の様子の描写が誠に詳しくて楽しい。現代は進歩はしているのは機械類で、人間はそんなに進歩もしていない。歴史を学ぶことには意味がある。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昭和30年に読売新聞に連載された作品です。
大衆小説或いはユーモア小説という印象でした。
昭和30年頃の風俗・世相を背景にしていますので、現代感覚からすれば可笑しなこととか懐かしいことが随所に顔を覗かせます。
冒頭に慰安旅行に熱海温泉に行くシーンがあるのですが、このあたりから現代とは少し異なります。
昼飯代160円。電気洗濯機25000円。ヌード撮影会。
電気洗濯機がようやく家庭に入り始めた頃です。
定年は55歳。48歳は定年が視界に入ってきた頃、老境の手前を示しています。
主人公の西村耕太郎は保険会社次長。
定年が迫り老境に入りかけている今、「このまま老いさらばえてゆくのか?」という深い迷いが生じています。
西村がどうしてもやっておきたいことは、身を焦がす恋愛であることを自覚します。
ゲーテの『ファウスト』を下敷きにして、時にファウストと西村が交錯します。
読み終えて感じるのは時代は変わっても男は全然変わっていないなぁ、という事でした。
男の性癖を愉快に暴露した面白い作品です。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ふつうに取引ができました。
物の良しあしはわかりません。
梱包状態も大丈夫でした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年4月28日に日本でレビュー済み
いまどき、石川達三氏の小説などを読むのはよほどの好事家だろうから、新本が出るとは思わなかったのだが、数年前に本書が活字も大きくなった改訂版で出たのには驚いた。すぐに廃版になったのにも驚いたが。

『蒼茫』『生きている兵隊』をはじめとするお仕事も重要だろうけれど、私は本書をはじめとした石川氏の風俗小説が読んでいて何とも楽しい。

モラリストで性的描写がほとんどないのも望ましいし、何より文章に緩やかなリズムがあって読んでいて心地よいのである。小説を読む場合、これは重要である。

石川達三氏の心地よい文章の波に揺られながら読書を楽しむ歓びは、なかなかほかの作家では味わえない醍醐味である。こういう心地の良い文章を書く作家はほかに思いつかない。

昭和30年(1955年)読売新聞に連載。翌年に単行本発行だから、すでに半世紀以上前の小説だけれど、当時の風俗をよく映しながら、いまだ小説としては古びていないのが名作の証である。

保険会社火災部の次長、西村耕太郎は数年後には定年を迎える48歳。(当時は55歳定年制)

老い先短いと感じる彼は、人生を楽しみたいと思い、愉しむとは異性をたのしむことだと思い至るが、そこに再保険課の島田課長と、火災部技術課の曽我法介という二人の誘惑者が現れて、西村耕太郎のささやかな『抵抗』が始まるのである。

ヌード撮影会に誘う島田課長も妖しいが、曽我法介こそが本作のメフィストフェレスの役どころで、西村耕太郎は散々翻弄されるのだが、結局自分の殻から踏み出せずに終わる西村耕太郎の『48歳の抵抗』が私には心地よい読後感である。

これが誘惑に負けて西村耕太郎の社会的地位や家庭が失われてしまったらむしろつまらないと思う。結局淡い諦観を抱いてゆるい坂をゆっくりとおりていくのが人生なのだと教えてくれる心地よいユーモア小説。

『人間はときどき行方不明になる必要があります。』という曽我法介の誘惑の決め台詞も名言である。

『窮屈な人生の中で、たった一つだけ、法律にも触れず、大して金もかからず、しかもやろうと思えば直ちに得られるところの自由は、自分が行方不明になることです。』と。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
経年劣化は避けられませんが予想以上に綺麗な状態に感激しております。半世紀前、横浜に勤務の際、主人公の年齢と職業・舞台・名前迄が
自分自身と偶然一致した小説が有ったことを定年を迎えた今思い出し購入しました。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年2月11日に日本でレビュー済み
 石川達三の作品を読むといつも、人生の先輩というか、神の視点から諭されているように感じてしまう。それが嫌いだったり、古くさい、説教臭いと感じる人も多いだろうが、個人的には一度は手に取ってみるべき作家だと思う。
 本作品では老年にさしかかった主人公が、今までの平凡な人生から一歩踏み出そうという葛藤が描かれている。会社でこそ次長の立場にある主人公も、家庭においては妻子には相手にされないという典型的なオヤジである。しかもいまさらのように若い娘との恋愛にワクワクする一方、娘の恋愛・結婚問題に過敏になる二面性に気づいてその矛盾とも暗闘している。
 全体にゲーテ「ファウスト」を案内役としているが、、いろいろな個性の人物が登場し、案内されるままに飲屋街を彷徨う辺りは、それが近場の温泉街であっても、幻想的な雰囲気すらする。
 逡巡と内省を繰り返し、外部にも翻弄されながら、最後の落としどころとしてはこの作家らしいと思える。そこがまたこの作家の限界として好き嫌いの分かれるところかもしれない。
 ところで本書には違和感というか不満がある。「四十八歳」と言う主人公の枯れ具合である。現在の同じ年齢ではこれほど枯れていないのではないかと思うからだ。それは時代がもたらした幼稚化なのだろうか。喜ぶべきなのか、憂うべきなのか、石川達三に聞いてみたいところだ。。
26人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年12月12日に日本でレビュー済み
とってもリアルで何とも、いえない小説だ。
熱海温泉、ヌード撮影会など時代がかっているが、人間の方はそれほど進化していない部分もあるのかもしれない。

唯一分からないのが、メフィストフェレスに例えられている曽我法介。彼は一体何者であったのか。何故、西村耕太郎の秘密を知っていたのか。わざと謎解きをしていないのかもしれないが、中途半端な扱いである。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者の中年男性論を体現した、小説である。まあありきたりの風俗小説だが、石川なりの倫理観がこの小説を風俗小説にしていない。
男性論、ともとらえられるが、それは昭和の男性論としてはいいものだ。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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