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白痴 (新潮文庫) 文庫 – 1949/1/3

4.0 5つ星のうち4.0 55個の評価

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戦後文学の代表作家としらしめた『白痴』ほか、
太宰と人気を二分した無頼派・坂口安吾の主要7編を収録。


白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。

目次
いずこへ
白痴
母の上京
外套と青空
私は海をだきしめていたい
戦争と一人の女
青鬼の褌を洗う女
解説 福田恆存

本書収録「白痴」より
その家には人間と豚と犬と鶏と家鴨(あひる)が住んでいたが、まったく、住む建物も各々(おのおの)の食物も殆ど変っていやしない。物置のようなひん曲った建物があって、階下には主人夫婦、天井裏には母と娘が間借りしていて、この娘は相手の分らぬ子供を孕んでいる。
伊沢の借りている一室は母屋(おもや)から分離した小屋で、ここは昔この家の肺病の息子がねていたそうだが、肺病の豚にも贅沢すぎる小屋ではない。それでも押入と便所と戸棚がついていた。

本書「解説」より
かれにおいては、その創作行為とは、真の感動に達するためにおこなう感傷の削除作業を意味するものであって、ひとびとが作品の効果の詮議だてに口角あわをとばしているとき、作者の精神はすでにそこにはない。それはたえず作品を昇華し、作品を自己否定する。もともと作品はそこから飛びたつための基地工作のようなものであったのだ。
そういったからといって、かれの作品の自己目的性を疑ってよいものではない。むしろそこにこそ自己目的性が現れるのだ。
――福田恒存(評論家)

坂口安吾(1906-1955)
新潟市生れ。1919(大正8)年県立新潟中学校に入学。1922年、東京の私立豊山中学校に編入。1926年東洋大学文学部印度哲学倫理学科に入学。アテネ・フランセに通い、ヴォルテールなどを愛読。1930(昭和5)年同校卒業後、同人誌「言葉」を創刊。1931年に「青い馬」に発表した短編「風博士」が牧野信一に激賞され、新進作家として認められる。少年時代から探偵小説を愛好し、戦争中は仲間と犯人当てに興じた。戦後、『堕落論』『白痴』などで新文学の旗手として脚光を浴びる。


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書影 書影 書影 書影
白痴 墜落論 不連続殺人事件 不良少年とキリスト
カスタマーレビュー
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【新潮文庫】坂口安吾 作品 自嘲的なアウトローの生活を送りながら「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編。 『堕落論』だけが安吾じゃない。時代をねめつけ、歴史を嗤い、言葉を疑いつつも、書かずにはいられなかった表現者の軌跡を辿る評論集。 探偵小説を愛した安吾。著者初の本格探偵小説は日本ミステリ史に輝く不滅の名作となった。「読者への挑戦状」を網羅した決定版!〈探偵作家クラブ賞受賞〉 圧巻の追悼太宰治論「不良少年とキリスト」、織田作之助の喪われた才能を惜しむ「大阪の反逆」他、戦後の著者絶頂期の評論9編。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1949/1/3)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1949/1/3
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101024014
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101024011
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 55個の評価

著者について

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坂口 安吾
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上位レビュー、対象国: 日本

2020年8月9日に日本でレビュー済み
"あかりをつけると奇妙に万年床の姿が見えず、留守中誰かが掃除をしたということも、誰かが這入ったことすらも例がないので訝りながら押入をあけると、積み重ねた蒲団の横に白痴の女がかくれていた。"1946年発刊の本書は敗戦間近の奇妙な同棲生活からニヒリズムが伝わる著者の代表作。

個人的には『堕落論』に続く2冊目として、観念的私小説ともいえる表題の『白痴』含む7編が収録された本書を手にとりました。

さて、そんな表題の『白痴』は敗戦直後に、戦時中の価値観を逆説的に解体することで、どこか【どん底からの前向きなメッセージを感じる】『堕落論』の後に書かれた作品として、戦争末期の【怒涛の時代に美が何物だい、芸術は無力だ!】といった全体主義的な重苦しい空気の中、情熱もなくただ生きている伊沢のもとへ、近所の白痴の女が逃げ込んでくることから奇妙な同棲生活が始まるわけですが。

韻を踏んで【流れていくようなテキストこそ魅力的】とはいえ、タイトル含めて今だと差別的な表現として【問題になる言葉を多用した偽悪的な内容】は同時代ならともかく、現在においては賛否がわかれるのではないかと思いました。(このあたり、同じ無頼派でも普遍的に読める太宰治作品とは違った印象があります)

ただ、当時の戦後の荒廃した状況下、焼け野原の中から自分たちで立ち上がるしかなかった人々、空虚なスローガンに左右された事に疲れていたであろう人々にとって『白痴』の伊沢他の登場人物たちの姿は【自分たちを代弁してくれるような親近感があったのではないか?】とも想像する所もあり、読み終わった後に言語化はしにくいものの【何とも刺さり、残る感覚】がありました。

戦後文学を代表する一冊として、また流れるようなテキストに魅力を感じる人にもオススメ。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年9月29日に日本でレビュー済み
 坂口安吾の短編集。短編集なのだが、坂口安吾の考え方を吐露するための物語設定となっている。
 たとえば、
 食うために働くという考えがないから貧乏は仕方ない。遊ぶためなら働く。貧乏を苦にしない。夜逃げも断食も苦笑以外さしたる感懐もない。私の見つめる豪奢快楽は地上にはあり得ず、歴史的にもあり得ず、ただ私の生活の後ろ側にあるだけ。私は馬鹿なやつだが、人間そのものが馬鹿げている。
 生きるために持ち続けていなければならないのは、仕事、力への自信である。自信というものは、崩れる方が本来の性格である。
 私は貧乏を意としない肉体質の思想があったので、雰囲気的な落伍者になることはない。
 差引計算やバランスをとる心がけが好きではない。自分自身を潔く投げ出して、それ自体の中に救いの路をもとめる以外に正しさはないのではないか。
 一人の女に満足できる人間ではない。むしろ、如何なる物にも満足できない。つねにあこがれている人間である。恋をする人間ではない。もはや恋することができない。あらゆる物が「タカの知れたもの」だということを知ってしまったから。しかし、タカの知れた何物かと遊ばずにはいられなくなる。その遊びは常に陳腐で退屈である。
 男というものは四十くらいから女に接する態度がまるで違ってしまう。その年頃になると、男はもう女に対して精神的な憧れだの夢だの慰めだの持てなくなる。ヌカミソやオシメなどの臭いの外に精神的などというものは存在しないと否応なしに思いつく。そして女の肉体に迷い出す。男が本当に女に迷い出すのはこの年頃からで、精神などは考えずに始めから肉体に迷うから、さめることがない。
 恋の成功者になるためには、ぜったいに開き直ってはいけない。
 みたいな話。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年4月22日に日本でレビュー済み
「堕落論」をもとに描いた短編集です。現実と観念とにおける差異の甚だしさに自己の存在を置いています。その差にニヒリズムを見いだしたのかもしれません…。

「何か一つの純潔とその貞節を守らずには生きていけられなくなるものだ。」
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年9月20日に日本でレビュー済み
本作は坂口安吾による表題作他7編を含む作品集である。

時は戦時、情熱を失った伊沢の元に、隣人の妻が逃げ込んでくる。
「白痴」であるこの女とは、ロクに会話も成り立たないが、伊沢は自分の元でかくまうことにする。
こうして、空襲におびえる中で、伊沢と女との奇妙な生活が始まる。

全体的に気だるい雰囲気の中、ストーリーは無気力に淡々と進行する。
しかしクライマックスに進むにつれ、徐々に緊張感が高まる。
本作の読みどころは、空襲の中、女を連れて避難する時の伊沢と女とのやりとりである。
「死ぬ時は、こうして、二人一緒だよ。怖れるな。そして、俺から離れるな」
それに応えて女が頷くのだが、このシーンでは鳥肌が立った。
強烈なインパクトのあるシーンである。

本作には他にも著者の代表作が6本収録されている。
「デカダン派」と呼ばれる著者が表現したかったことや真のテーマは何であるかなどと、最初から重苦しく構えて読む必要はない。
作品によっては自然と感じ取れるものもあるし、どことなく斜に構えた表現も読んでいて面白い。
これから坂口安吾を読もうという人にはお勧めの一冊。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年10月9日に日本でレビュー済み
いやぁ〜、まったく読解力の無い人たちのレビューが多くて驚いちゃいました。

「ひょっとして堕落しちゃったほうが人生楽なんでしょうか、みたいな話」?

凄いですなぁ〜、これ。
こんな風にしか感じ取れない人は、そりゃ、面白くないはずだ。
それは、まったく、この本を読んでいない事に等しい。

安吾は無気力な駄目人間なんかじゃない。
彼は常に戦い続けた。
ニートなんかと一緒にするな。
もし、この小説からニート的なものを感じるならば、それは、唯単に読者に読解力が無いだけである。
気安く現代の社会問題と結びつけて、評論した気になるなよ。

また、安吾からは文学性が感じられないという意見もあるが、それは、安吾が谷崎潤一郎などの美文を嫌い、「小説は文章よりも内容」という自説を説き、「悪文」こそが「美文」という安吾独自の逆説が、そう感じさせるのだろう。

そもそも「文学性」がある作品=良い作品なの?
なんで?
それに、「文学性」ってつまりはなんなの?
40人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年5月24日に日本でレビュー済み
坂口安吾の小説は基本的に暗い。たとえば、最初の短編「いずこへ」の書き出しはこんな感じである。

<私はそのころ耳を澄ますようにして生きていた。もっともそれは注意を集中しているという意味ではないので、あべこべに、考える気力というものがなくなったので、耳を澄ましていたのであった。>

無気力で厭世的である。暗い。

もちろん、「考える気力」がなければ、こんな知的な文章を紡ぎだせるはずがないので、正確にこの状況を描写するならば、「何も考えたくない」という方が適切だろう。坂口安吾が生きた時代というのは、そんな息苦しい時代だったかもしれない。彼は1906年生まれ(生誕100周年で去年からたくさん本が出ているらしい)で、戦前に青年期を過ごし、戦中に壮年期を過ごし、戦後日本が明るくなっていく前に没した。ちなみにこの作品群は、戦後間もなく、日本がまだ荒土だった頃のものである。

で、作品に戻ると、何も考えたくないときに人間が何を考えるか、ということがこれらの作品群に描かれているとぼくは感じる。人間、なぜかは分からないが、何も考えないでいるということは非常に難しい。実際不可能である。煩悩とはほとんどあらゆる思考のことであるが、煩悩を捨てることがいかに難しいかは熱心な仏教徒でなくても分かる。

さて、思考を放棄したいときに人間はどうなるかというと、「思考を放棄するというのはどういうことか」ということを考えるようになる。そういう閉塞、逃げ道のなさを坂口は描いているように見える。「デカダン」とはそういう後退的なループに知的リソースを投入(浪費)することではないかと思う。表題作の「白痴」は象徴的で、「白痴」とは(象徴的に)何も考えない人を意味していて、作品内では語り手は白痴の女を侮蔑的に語るけれども、そこに裏返しの羨望を読み取ることはたやすい。

ということで、なんだか行き着くところのないどんよりとした思索を楽しめる人にはお薦めである。(要はあんまり今風じゃないのね)。
26人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2007年11月24日に日本でレビュー済み
全編にわたって気だるく薄暗い雰囲気が漂い、どこかしらネチネチとしてグダグダで陰湿な展開ぶりである。ゆえに思わず苦笑してしまった場面もあったが、読後にそれが不快という感情を呼び起こすことはなかった。むしろ今までにないフワリとした不思議な感覚を得た。ぼんやりと心地よささえ感じた。
「私は始めから不幸や苦しみを探すのだ。もう、幸福など希わない」
「幸福などというものは、人の心を真実なぐさめてくれるものではない」
「私はただ、私の魂が何物によっても満ちたることがないことを確信した」
などと、印象的な文が散見される。

「続堕落論」には、文学は制度や政治への反逆と復讐であり、反逆と復讐自体が協力なのだと述べられているが、確かに「幸福を追求し何事にも前向きに積極的に生きよう、前進し続けよう」という現代社会のスローガンに対して、この小説は強烈なカウンターパンチを浴びせる代物だ。しかし、それを浴びせることもまた協力への一歩。むしろこの小説の側の方が生きている人間の真実なのかも知れないと思った。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年5月12日に日本でレビュー済み
なんかグダグダでイヤ。これのどこが名作なんだ。
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