この作品集をご紹介するに当たり、私はまずはじめに掲載されている随筆「窓とおんぼろ楽器」を挙げたいと思う。この作品には作家として数々の意欲的な作品を物してきた大家の一つの到達点を見る思いがする。ページにして14ページくらいである。文章を書くことを本業としているものにとって、この長さの文章はなかなかの力仕事であることを知っている。それを90を超えた女史の仕事として私はその確かな文章の巧みさにただ驚嘆するばかりなのである。そして著者は自らの序文において花と名づけた由来を語っている。「自らのことをいたづらに咲き、いたづらに散った老木の色も香もない花びらながら、名残惜しみいささかあつめて見たにすぎない」という品のよい謙虚さをお持ちのでありながら、実は枯淡の境地で仕舞を艶やかに舞う、女史の姿を重ね合わせるのである。
随筆の話題は洋の東西に及び、まさに宝箱のような佳品が多い。この美しい花を、本当の年齢を重ねるた婦人によるほとんど奇跡的といってよい美しさを是非多くの婦人に味わってみていただきたいと思う。
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花: 随筆集 (新潮文庫 草 44-3) 文庫 – 1984/4/1
野上 彌生子
(著)
- 本の長さ187ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1984/4/1
- ISBN-104101044031
- ISBN-13978-4101044033
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1984/4/1)
- 発売日 : 1984/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 187ページ
- ISBN-10 : 4101044031
- ISBN-13 : 978-4101044033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,042,143位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 11,472位新潮文庫
- - 15,471位近現代日本のエッセー・随筆
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