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近代能楽集 (新潮文庫) 文庫 – 1968/3/27
三島 由紀夫
(著)
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はやくから謡曲に親しんでいた著者が、能楽の自由な空間と時間の処理方法に着目し、その露わな形而上学的主題を現代的な状況の中に再現したのが本書である。リアリズムを信条としてきた近代劇に対して、古典文学の持つ永遠のテーマを“近代能"という形で作品化した8編の大胆な試みは、ギリシャ古典劇にも通じるその普遍性のために、海外でも上演され好評を博した。
- ISBN-104101050147
- ISBN-13978-4101050140
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1968/3/27
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ272ページ
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出版社より
仮面の告白 | 花ざかりの森・憂国 | 愛の渇き | 盗賊 | 禁色 | 鏡子の家 | |
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【新潮文庫】三島由紀夫 作品 | 女を愛することのできない青年が、幼年時代からの自己の宿命を凝視しつつ述べる告白体小説。三島文学の出発点をなす代表的名作。 | 十六歳の時の処女作「花ざかりの森」以来、巧みな手法と完成されたスタイルを駆使して、確固たる世界を築いてきた著者の自選短編集。 | 郊外の隔絶された屋敷に舅と同居する未亡人悦子。夜ごと舅の愛撫を受けながらも、園丁の若い男に惹かれる彼女が求める幸福とは? | 死ぬべき理由もないのに、自分たちの結婚式当夜に心中した一組の男女──精緻微妙な心理のアラベスクが描き出された最初の長編。 | 女を愛することの出来ない同性愛者の美青年を操ることによって、かつて自分を拒んだ女たちに復讐を試みる老作家の悲惨な最期。 | 名門の令嬢である鏡子の家に集まってくる四人の青年たちが描く生の軌跡を、朝鮮戦争直後の頹廃した時代相のなかに浮彫りにする。 |
潮騒 | 金閣寺 | 美徳のよろめき | 永すぎた春 | 沈める滝 | 獣の戯れ | |
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明るい太陽と磯の香りに満ちた小島を舞台に海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。〈新潮社文学賞受賞〉 | 吃音の悩み、身も心も奪われた金閣の美しさ──昭和 2 年 5 の金閣寺焼失に材をとり、放火犯である若い学僧の破滅に至る過程を抉る。〈読売文学賞受賞〉 | 優雅なヒロイン倉越夫人にとって、姦通とは異邦の珍しい宝石のようなものだったが……。魂は無垢で、聖女のごとき人妻の背徳の世界。 | 家柄の違いを乗り越えてようやく婚約にこぎつけた若い男女。一年以上に及ぶ永すぎた婚約期間中に起る二人の危機を洒脱な筆で描く。 | 鉄や石ばかりを相手に成長した城所昇は、女にも即物的関心しかない。既成の愛を信じない人間に、人工の愛の創造を試みた長編小説。 | 放心の微笑をたたえて妻と青年の情事を見つめる夫。死によって愛の共同体を作り上げるためにその夫を殺す青年──愛と死の相姦劇。 |
美しい星 | 近代能楽集 | 午後の曳航 | 宴のあと | 音楽 | 真夏の死 | |
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自分たちは他の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核時代の人類滅亡の不安をみごとに捉えた異色作。 | 早くから謡曲に親しんできた著者が、古典文学の永遠の主題を、能楽の自由な空間と時間の中に”近代能”として作品化した名編 8 品。 | 船乗り竜二の㞖しい肉体と精神は登の憧れだった。だが母との愛が竜二を平凡な男に変えた。早熟な少年の眼で日常生活の醜悪を描く。 | 政治と恋愛の葛藤を描いてプライバシー裁判でかずかずの論議を呼びながら、その芸術的価値を海外でのみ正しく評価されていた長編。 | 愛する男との性交渉にオルガスムス=音楽をきくことのできぬ美貌の女性の過去を探る精神分析医──人間心理の奥底を突く長編小説。 | 伊豆の海岸で、一瞬に義妹と二児を失った母親の内に萌した感情をめぐって、宿命の苛酷さを描き出した表題作など自選による 11 編。 |
青の時代 | 女神 | 岬にての物語 | サド侯爵夫人・わが友ヒットラー | 鍵のかかる部屋 | ラディゲの死 | |
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名家に生れ、合理主義に徹し、東大教授への野心を秘めて成長した青年の悲劇的な運命!光クラブ社長をモデルにえがく社会派長編。 | さながら女神のように美しく仕立て上げた妻が、顔に醜い火傷を負った時……女性美を追う男の執念を描く表題作等、 11 編を収録する。 | 夢想家の早熟な少年が岬の上で出会った若い男と女。夏の岬を舞台に、恋人たちが自ら選んだ恩寵としての死を描く表題作など 13 編。 | 獄に繋がれたサド侯爵をかばい続けた妻を突如離婚に駆りたてたものは?人間の謎を描く「サド侯爵夫人」。三島戯曲の代表作2編。 | 財務省に勤務するエリート官吏と少女の密室の中での遊戯。敗戦後の混乱期における一青年の内面と行動を描く表題作など短編 12 編。 | 〈三日のうちに、僕は神の兵隊に銃殺されるんだ〉という言葉を残して夭折したラディゲ。天才の晩年と死を描く表題作等 13 編を収録。 |
小説家の休暇 | 殉教 | 葉隠入門 | 鹿鳴館 | 絹と明察 | 手長姫 英霊の声 1938 -1966 | |
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芸術および芸術家に関わる多岐広汎な問題を、日記の自由な形式をかりて縦横に論考、警抜な逆説と示唆に満ちた表題作等評論全 10 編。 | 少年の性へのめざめと倒錯した肉体的嗜虐の世界を鮮やかに描いた表題作など 9編を収める。著者の死の直前に編まれた自選短編集。 | ”わたしのただ一冊の本”として心酔した「葉隠」の闊達な武士道精神を現代に甦らせ、乱世に生きる〈現代の武士〉たちの心得を説く。 | 明治 19 年の天長節に鹿鳴館で催された大夜会を舞台として、恋と政治の渦の中に乱舞する四人の男女の悲劇の運命を描く表題作等 4 編。 | 家族主義的な経営によって零細な会社を一躍大紡績会社に成長させた男の夢と挫折を描く。近江絹糸の労働争議に題材を得た長編小説。 | 一九三八年の初の小説から一九六六年の「英霊の声」まで、多彩な短篇が映しだす時代の翳、日本人の顔。新潮文庫初収録の九篇。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1968/3/27)
- 発売日 : 1968/3/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4101050147
- ISBN-13 : 978-4101050140
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 29,535位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9位日本の戯曲・シナリオ
- - 704位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威。
1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。
主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年2月6日に日本でレビュー済み
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神宮寺勇太くんが舞台をやるということで予習のために購入しました。
読みやすく、面白かったです。
読みやすく、面白かったです。
2023年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1956年の三島由起夫のあとがきによると、能楽で自由な空間と時間の処理や、露な形而上学的主題などを、そのまま現代に生かすために、シチュエーションを現代化した、とあり、そのために選ばれた8編。
文中から気になった文章を以下に記載しますが、あまり三島を読んだことがなければ、他に読むべき小説が多数あると思いました。
以下、『弱法師』より。
・この光が僕の魂だよ。僕の魂は真っ裸でこの世を歩き廻っているんだよ。この光は人の体も焼くけれど、僕の心にもたえず火傷をつけるんです。
・この世はもう終わっているんだから。わかりますか。あなたが幽霊でなければ、この世界が幽霊なんだ。
・この世の終わりの時にしか、人間はあんな正直な声(空襲時の阿鼻叫喚)をきかせないのだ。
文中から気になった文章を以下に記載しますが、あまり三島を読んだことがなければ、他に読むべき小説が多数あると思いました。
以下、『弱法師』より。
・この光が僕の魂だよ。僕の魂は真っ裸でこの世を歩き廻っているんだよ。この光は人の体も焼くけれど、僕の心にもたえず火傷をつけるんです。
・この世はもう終わっているんだから。わかりますか。あなたが幽霊でなければ、この世界が幽霊なんだ。
・この世の終わりの時にしか、人間はあんな正直な声(空襲時の阿鼻叫喚)をきかせないのだ。
2016年11月4日に日本でレビュー済み
シモーヌ・ヴェーユの「戦争と革命への省察 初期評論集」との類似点は、不条理で哲学的であることくらいか。
日本人的な美意識が見え隠れするあたりが面白く、原典である能とは大きく異なる結末も楽しめる。
日本人的な美意識が見え隠れするあたりが面白く、原典である能とは大きく異なる結末も楽しめる。
2015年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
攻殻機動隊の架空の著者と本、パトリック・シルベストルの初期化革命評論集のもととなったもの。
そこから知って読んでみたのだが、読みにくいと感じつつも、内容は面白い
そこから知って読んでみたのだが、読みにくいと感じつつも、内容は面白い
2015年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
汚れや傷もほとんど無く、とても良い状態でした。もちろん内容も。
2020年3月13日に日本でレビュー済み
いくら子供時代から能や歌舞伎を見ていたとしても、20代にこの中の何作かを書けるのはよほどの才能。
しかもNYCで苦労しながら、初演を待ったり、敗戦後10年も経たない時代に、恐らく彼は戦争に参加できなかった後ろめたさと敗戦からどう日本が立ち直れるのかということまで意識して小説や戯曲を書いていた。
当時はそんな批評はなかったでしょう。当局の現代化版という難業に取り組んだ理由もそこにあるのでしょう。
この名作選の評価が低くて驚いたけれど、良くレビューを見たら低評価を付けるスパムまがいのものも多い。
そういう低俗な行為と対極にあるのがこの作品なのでⅯ、それも非常に興味深かった。
しかもNYCで苦労しながら、初演を待ったり、敗戦後10年も経たない時代に、恐らく彼は戦争に参加できなかった後ろめたさと敗戦からどう日本が立ち直れるのかということまで意識して小説や戯曲を書いていた。
当時はそんな批評はなかったでしょう。当局の現代化版という難業に取り組んだ理由もそこにあるのでしょう。
この名作選の評価が低くて驚いたけれど、良くレビューを見たら低評価を付けるスパムまがいのものも多い。
そういう低俗な行為と対極にあるのがこの作品なのでⅯ、それも非常に興味深かった。
2006年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三島由紀夫の作品は過去に何冊も読んだが、この作品が一番面白く、今回久しぶりに読み返えしてみて、また新たな感動が沸いてきた。
シュールな戯曲で、人生の機微や男女の心理を、三島由紀夫独特の冷淡でシニカルなせりふの中に描写している。
能楽という手法で、時間と空間を凝縮し、一編の作品のなかに中篇の一小説分のエッセンスが詰まっている。また、どの作品も結末が鮮やかでしばらく余韻が残るが、後味は悪くない。
何度も読みたい本なんて、そうざらにない。お勧めです。
シュールな戯曲で、人生の機微や男女の心理を、三島由紀夫独特の冷淡でシニカルなせりふの中に描写している。
能楽という手法で、時間と空間を凝縮し、一編の作品のなかに中篇の一小説分のエッセンスが詰まっている。また、どの作品も結末が鮮やかでしばらく余韻が残るが、後味は悪くない。
何度も読みたい本なんて、そうざらにない。お勧めです。