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豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫) 文庫 – 2002/10/1
三島 由紀夫
(著)
維新の功臣を祖父にもつ侯爵家の若き嫡子松枝清顕と、伯爵家の美貌の令嬢綾倉聡子のついに結ばれることのない恋。矜り高い青年が、〈禁じられた恋〉に生命を賭して求めたものは何であったか?――大正初期の貴族社会を舞台に、破滅へと運命づけられた悲劇的な愛を優雅絢爛たる筆に描く。現世の営為を越えた混沌に誘われて展開する夢と転生の壮麗な物語『豊饒の海』第一巻。
- ISBN-10410105021X
- ISBN-13978-4101050218
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日2002/10/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ480ページ
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (2002/10/1)
- 発売日 : 2002/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 480ページ
- ISBN-10 : 410105021X
- ISBN-13 : 978-4101050218
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 156,734位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威。
1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。
主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月17日に日本でレビュー済み
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大変満足です。ありがとうございました。
2019年7月23日に日本でレビュー済み
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一の段で「大義ある割腹」の決意表明をする。
まず切腹ありき。しかし切腹には大義が必要であり、
三島には大義なき割腹と映る乃木将軍の
死に栄光が付きまとっていないことに嫌悪している。
二の段は登場人物二人は同根で三島の分身であることを示す。
清顕は「春の雪」で、三島の半生を描きながら
大義には無力と否定される。
なお清顕の生年を昭和天皇とを同じにし、
天皇が三島の心の中心にいることを暗示する。
三の段以降は、
切腹(の表層)は、大義をもって死ぬこと。
しかし真相は、かつての兵役回避の怯懦からの魂救済である。
死ぬ大義が無いことを証明し、生きることを確固としたかった。
第一巻は純心だけでは大義にはならない挫折を示し終わる。
主人公が20歳で死ぬのは、三島が戦争で死ぬ筈だった年齢に合わせている。
「豊饒の海」と伝統の干からびた日本を揶揄し、
「春の雪」では由紀(ゆき)夫の青春(はる)を、文語を多用し伝統豊に描いている。
余談ですが、聡子の旁は、公威の公の心。
つまり三島が真に愛した女がモデルだということ。
岩下尚史「ヒタメン」の表紙の富士額の美貌を拝見して腑に落ちました。
また、アナグラムもあり主人公「まつがえきよあき」は、
「余があつき絵巻」であり、第一巻は王朝絵巻を宣言している。
まず切腹ありき。しかし切腹には大義が必要であり、
三島には大義なき割腹と映る乃木将軍の
死に栄光が付きまとっていないことに嫌悪している。
二の段は登場人物二人は同根で三島の分身であることを示す。
清顕は「春の雪」で、三島の半生を描きながら
大義には無力と否定される。
なお清顕の生年を昭和天皇とを同じにし、
天皇が三島の心の中心にいることを暗示する。
三の段以降は、
切腹(の表層)は、大義をもって死ぬこと。
しかし真相は、かつての兵役回避の怯懦からの魂救済である。
死ぬ大義が無いことを証明し、生きることを確固としたかった。
第一巻は純心だけでは大義にはならない挫折を示し終わる。
主人公が20歳で死ぬのは、三島が戦争で死ぬ筈だった年齢に合わせている。
「豊饒の海」と伝統の干からびた日本を揶揄し、
「春の雪」では由紀(ゆき)夫の青春(はる)を、文語を多用し伝統豊に描いている。
余談ですが、聡子の旁は、公威の公の心。
つまり三島が真に愛した女がモデルだということ。
岩下尚史「ヒタメン」の表紙の富士額の美貌を拝見して腑に落ちました。
また、アナグラムもあり主人公「まつがえきよあき」は、
「余があつき絵巻」であり、第一巻は王朝絵巻を宣言している。
2017年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三島由紀夫晩年の作品が超右翼的思想に彩られているのでこのシーズ完読後改めて評価したい。
2019年12月1日に日本でレビュー済み
初見は「禁断の恋」ってあらすじに、近親相姦とか教え子との純愛とかを予想してたんだけど……なるほど。この時代の最大の「禁断」はコレか、と。
皇族の登場シーンになると、もう文面が敬語だらけでわけわからなくなるくらいの、「現人神」という感覚は、皇族のネタが2chに書かれ、SNSで写真が回るような現代人には、真に理解することはできないんだろうな。
とはいえ、『ロミオとジュリエット』のような抗えない悲恋とは全く異なり、優雅という言葉で取り繕えない程のどうしようもないダメダメ野朗の主人公の自業自得であるというのが、悲恋モノとしては珍しい。
とはいえ、勅許が出てから聡子への恋心を自覚したのは、単に清顕のどうしようもなさを描いているのではなく、何度も繰り返される幼い頃の、皇后の「不可能の美」という思い出によって、性癖を歪められたから、という読み解き方もできるのかな、と。
思えば、『金閣寺』『仮面の告白』然り、幼い頃に性癖(美)が歪められたせいで、人生が歪んだ主人公は三島作品には多い。たぶん、本人もそうだったのだろう。だから自決したのだ。滅びの美学に魅せられたから。
ところで本作最大の被害者であり、最大の常識人の本多くん、彼は最後まで「自分は論理や現実を捨てられない」と唯識の世界に生きる清顕に憧れていたけれど……最後、試験勉強捨てて清顕の恋に付き合う所は、十分清顕同様、情念のみで動いてると思うんだがね。
本多にとっては、それでも受験に受かる自信があったってことなのかな。
文章は今更言うまでもない豪華絢爛なものなんだけど、三島由紀夫にしか書けない、今は失われた雅な日本語で、本物の大正時代の貴族社会が描かれていて、本当に素晴らしい。
更に本作は単なる美文というだけではなく、「ここを切り取るか」って驚く描写が多いのが特徴。ファーストキッスの瞬間の、詰め襟が首を圧迫するところとか。
しかし海を前にして見開き2ページ使って描写し尽くすシーンは……もはや驚きを通り越して、引く。
松枝邸の庭には憧れる。
最後に。
映画版は見ていないけれど、宇多田ヒカルの主題歌の「Be My Last」は素晴らしい。
一聴すると、英語混じりで作品と隔たったように感じるのだけど、歌詞を読み解くと、『春の雪』を完全に描ききっているどころか、『豊饒の海』全体を貫くテーマにまで踏み込んでいて驚く。三島由紀夫の大ファンの宇多田ヒカルだから書けた名曲だろう。鬱曲だけど。
というか22歳にして輪廻転生の苦界を認識して解脱を願うって……三島由紀夫並に早熟すぎてビビる。
皇族の登場シーンになると、もう文面が敬語だらけでわけわからなくなるくらいの、「現人神」という感覚は、皇族のネタが2chに書かれ、SNSで写真が回るような現代人には、真に理解することはできないんだろうな。
とはいえ、『ロミオとジュリエット』のような抗えない悲恋とは全く異なり、優雅という言葉で取り繕えない程のどうしようもないダメダメ野朗の主人公の自業自得であるというのが、悲恋モノとしては珍しい。
とはいえ、勅許が出てから聡子への恋心を自覚したのは、単に清顕のどうしようもなさを描いているのではなく、何度も繰り返される幼い頃の、皇后の「不可能の美」という思い出によって、性癖を歪められたから、という読み解き方もできるのかな、と。
思えば、『金閣寺』『仮面の告白』然り、幼い頃に性癖(美)が歪められたせいで、人生が歪んだ主人公は三島作品には多い。たぶん、本人もそうだったのだろう。だから自決したのだ。滅びの美学に魅せられたから。
ところで本作最大の被害者であり、最大の常識人の本多くん、彼は最後まで「自分は論理や現実を捨てられない」と唯識の世界に生きる清顕に憧れていたけれど……最後、試験勉強捨てて清顕の恋に付き合う所は、十分清顕同様、情念のみで動いてると思うんだがね。
本多にとっては、それでも受験に受かる自信があったってことなのかな。
文章は今更言うまでもない豪華絢爛なものなんだけど、三島由紀夫にしか書けない、今は失われた雅な日本語で、本物の大正時代の貴族社会が描かれていて、本当に素晴らしい。
更に本作は単なる美文というだけではなく、「ここを切り取るか」って驚く描写が多いのが特徴。ファーストキッスの瞬間の、詰め襟が首を圧迫するところとか。
しかし海を前にして見開き2ページ使って描写し尽くすシーンは……もはや驚きを通り越して、引く。
松枝邸の庭には憧れる。
最後に。
映画版は見ていないけれど、宇多田ヒカルの主題歌の「Be My Last」は素晴らしい。
一聴すると、英語混じりで作品と隔たったように感じるのだけど、歌詞を読み解くと、『春の雪』を完全に描ききっているどころか、『豊饒の海』全体を貫くテーマにまで踏み込んでいて驚く。三島由紀夫の大ファンの宇多田ヒカルだから書けた名曲だろう。鬱曲だけど。
というか22歳にして輪廻転生の苦界を認識して解脱を願うって……三島由紀夫並に早熟すぎてビビる。
2020年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三島の作品はあまり読んだことがありませんでしたが、話に起伏があり、日本語が美しいこともあって楽しめました。
この作品は、恋愛小説でありながら、ところどころに書かれた法や思想といったものが影を落としつつ話が進んでいくように感じました。
春の雪は、豊饒の海の最初一冊であるため、残りの作品でこの後どのように話が展開されるのか楽しみです。
この作品は、恋愛小説でありながら、ところどころに書かれた法や思想といったものが影を落としつつ話が進んでいくように感じました。
春の雪は、豊饒の海の最初一冊であるため、残りの作品でこの後どのように話が展開されるのか楽しみです。
2020年4月25日に日本でレビュー済み
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若松孝二の三島の割腹自殺にいたる映画を見て、三島のことを知りたくなった。
この作品には、あまり感銘がなかったが、東大全共闘との対話集会の映画をみてみたい。
ノーベル賞を、川端康成と争った天才の作品とは、これからずっと向き合うのだろう。
この作品には、あまり感銘がなかったが、東大全共闘との対話集会の映画をみてみたい。
ノーベル賞を、川端康成と争った天才の作品とは、これからずっと向き合うのだろう。
2020年6月28日に日本でレビュー済み
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相変わらずの表現力です。
2019年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知識がついて勉強した事が文の端々にちりばめられた言葉に今更ながら天才の作家を感じる。
作者の原作ノートにはびっしりと研究した後があるのだろうと思いながら滑るように進む話の展開に今更ながら
素晴らしい本からスタートしたなあと思います。大学時代は漱石と三島由紀夫だけ特に貪るように読んでいました。勉強する時間よりも環境が悪かった分を取り戻すにはこの作家には感謝。リアルタイムで亡くなった時のことを鮮明におぼえているけれど子供心に何をしているのか何故なのかわからなかったが天才には色々と見えていたんだな。大学時代一緒に勉強していた先輩のお医者さんには一文一文意味がある。後でわかるよと言っていたが。蒙昧な時代だったからなあ。
作者の原作ノートにはびっしりと研究した後があるのだろうと思いながら滑るように進む話の展開に今更ながら
素晴らしい本からスタートしたなあと思います。大学時代は漱石と三島由紀夫だけ特に貪るように読んでいました。勉強する時間よりも環境が悪かった分を取り戻すにはこの作家には感謝。リアルタイムで亡くなった時のことを鮮明におぼえているけれど子供心に何をしているのか何故なのかわからなかったが天才には色々と見えていたんだな。大学時代一緒に勉強していた先輩のお医者さんには一文一文意味がある。後でわかるよと言っていたが。蒙昧な時代だったからなあ。