椎名麟三の初期3編を収録している。
デビュー作『深夜の酒宴』、そして次の『重き流れの中に』は、終戦直後の作者自身の実生活が基になっているのだろうと思われる。表題作の最後の方に出てくる言葉によれば、「愚劣な、飽くことなく繰り返される日常的な行事」が描かれていく。一切が愚劣だとしながらも、一方で「もっとも愚劣なるこの日常を愛する」と作者は書いている。そしてそのような愚劣な日常的な出来事に、「耐える」という言葉が繰り返し使われている。時には「耐えがたい」ともなるが。
しかしこの人の文章でちょっと引っ掛かりを感じるのが、「〜のだ」「〜なのだ」という言い回しの多いことなのだ。ただ「〜している」で止めてもいいような文でも、「しているのだ」と書いていたりするのだ。それが何となく作者の主観を込めた感じを出していて、おもしろくもあるのだ。
最後の『深尾正治の手記』は、結末が意外な展開になっていて、びっくりさせられた。
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重き流れの中に (新潮文庫 B 4-5) 文庫 – 1950/7/1
椎名 麟三
(著)
- 本の長さ212ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1950/7/1
- ISBN-104101051011
- ISBN-13978-4101051017
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1950/7/1)
- 発売日 : 1950/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 212ページ
- ISBN-10 : 4101051011
- ISBN-13 : 978-4101051017
- Amazon 売れ筋ランキング: - 217,399位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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