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夜明け前 (第1部 上) (新潮文庫) 文庫 – 1954/12/28
島崎 藤村
(著)
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迫る維新回天――。父をモデルに幕末を描いた、藤村最後の長編。
山の中にありながら時代の動きを確実に追跡する木曽路、馬籠宿。その本陣・問屋・庄屋をかねる家に生れ国学に心を傾ける青山半蔵は偶然、江戸に旅し、念願の平田篤胤没後の門人となる。黒船来襲以来門人として政治運動への参加を願う心と旧家の仕事にはさまれ悩む半蔵の目前で歴史は移りかわっていく。著者が父をモデルに明治維新に生きた一典型を描くとともに自己を凝視した大作。
用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。
本文より
木曽路はすべて山の中である。あるところは岨(そば)づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。
東ざかいの桜沢から、西の十曲峠まで、木曽十一宿はこの街道に添うて、二十二里余にわたる長い谿谷(けいこく)の間に散在していた。道路の位置も幾度(いくたび)か改まったもので、古道はいつの間にか深い山間(やまあい)に埋(うずも)れた。(「序の章 一」冒頭)
『夜明け前』について
『夜明け前』はわが国の近代歴史文学の代表作という評価をすでに確立している。個人の歴史をたどりながら、その背後に時代全体の移りゆく大きな流れを髣髴(ほうふつ)した重量感は比類ないが、小説の成立過程やモチーフにすこし踏みこんでみると、たんに歴史小説としての傑作というだけでなく、これが藤村の生にいかに重い意味をもつ作品であったかがわかる。
――三好行雄(国文学者、『夜明け前』第二部下巻より)
島崎藤村(1872-1943)
筑摩県馬籠村(現在の岐阜県中津川市)に生れる。明治学院卒。1893(明治26)年、北村透谷らと「文学界」を創刊し、教職に就く傍ら詩を発表。1897年、処女詩集『若菜集』を刊行。1906年、7年の歳月をかけて完成させた最初の長編『破戒』を自費出版するや、漱石らの激賞を受け自然主義文学の旗手として注目された。以降、自然主義文学の到達点『家』、告白文学の最高峰『新生』、歴史小説の白眉『夜明け前』等、次々と発表した。1943(昭和18)年、脳溢血で逝去。享年72。
山の中にありながら時代の動きを確実に追跡する木曽路、馬籠宿。その本陣・問屋・庄屋をかねる家に生れ国学に心を傾ける青山半蔵は偶然、江戸に旅し、念願の平田篤胤没後の門人となる。黒船来襲以来門人として政治運動への参加を願う心と旧家の仕事にはさまれ悩む半蔵の目前で歴史は移りかわっていく。著者が父をモデルに明治維新に生きた一典型を描くとともに自己を凝視した大作。
用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。
本文より
木曽路はすべて山の中である。あるところは岨(そば)づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。
東ざかいの桜沢から、西の十曲峠まで、木曽十一宿はこの街道に添うて、二十二里余にわたる長い谿谷(けいこく)の間に散在していた。道路の位置も幾度(いくたび)か改まったもので、古道はいつの間にか深い山間(やまあい)に埋(うずも)れた。(「序の章 一」冒頭)
『夜明け前』について
『夜明け前』はわが国の近代歴史文学の代表作という評価をすでに確立している。個人の歴史をたどりながら、その背後に時代全体の移りゆく大きな流れを髣髴(ほうふつ)した重量感は比類ないが、小説の成立過程やモチーフにすこし踏みこんでみると、たんに歴史小説としての傑作というだけでなく、これが藤村の生にいかに重い意味をもつ作品であったかがわかる。
――三好行雄(国文学者、『夜明け前』第二部下巻より)
島崎藤村(1872-1943)
筑摩県馬籠村(現在の岐阜県中津川市)に生れる。明治学院卒。1893(明治26)年、北村透谷らと「文学界」を創刊し、教職に就く傍ら詩を発表。1897年、処女詩集『若菜集』を刊行。1906年、7年の歳月をかけて完成させた最初の長編『破戒』を自費出版するや、漱石らの激賞を受け自然主義文学の旗手として注目された。以降、自然主義文学の到達点『家』、告白文学の最高峰『新生』、歴史小説の白眉『夜明け前』等、次々と発表した。1943(昭和18)年、脳溢血で逝去。享年72。
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1954/12/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101055084
- ISBN-13978-4101055084
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出版社より
春 | 桜の実の塾する時 | 破壊 | 千曲川のスケッチ | 藤村詩集 | |
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【新潮文庫】島崎藤村 作品 | 明治という新時代によって解放された若い魂が、様様な問題に直面しながら、新たな生き方を希求する姿を浮彫りにする最初の自伝小説。 | 甘ずっぱい桜の実に懐しい少年時代の幸福を象徴させて、明治の東京に学ぶ岸本捨吉を捉える青春の憂鬱を描き『春』の序曲をなす長編。 | 明治時代、被差別部落出身という自分の出生を明かした教師瀬川丑松を主人公に、周囲の理由なき偏見と人間の内面の闘いを描破する。 | 詩から散文へ、自らの文学の対象を変えた藤村が、めぐる一年の歳月のうちに、千曲川流域の人びとと自然を描いた「写生文」の結晶。 | 「千曲川旅情の歌」「椰子の実」など、日本近代詩の礎を築いた藤村が、青春の抒情と詠嘆を清新で香り高い調べにのせて謳った名作集。 |
夜明け前 第一部〔上〕 | 夜明け前 第一部〔下〕 | 夜明け前 第二部〔上〕 | 夜明け前 第二部〔下〕 | |
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カスタマーレビュー |
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【新潮文庫】『夜明け前』シリーズ | 明治維新の理想に燃えた若き日から失意の中に狂死するまで──著者の父をモデルに木曽・馬籠の本陣当主、青山半蔵の生涯を描く。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1954/12/28)
- 発売日 : 1954/12/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4101055084
- ISBN-13 : 978-4101055084
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 200,622位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2022年1月5日に日本でレビュー済み
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本は美品でしたが、発行が古く、昔の文庫本の字の小ささを再確認。老眼には厳しいものがあります。
2018年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古書価格1円で購入。すれや経年劣化はあったが、気になるほどでもなく満足しています。
勝者でもなく敗者でもない市井の人から眺めた視点に魅力がある。
「木曾路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。」
多くの人が知っている島崎藤村の「夜明け前」の冒頭である。冒頭で有名なものには、「雪国」、「平家物語」などたくさんある。
長い間気になっていたがやっと読了することができた。
冒頭で示した描写が数ページ続き、前回はこの部分で挫折してしまった。
しかし、読み進んでいくうちに木曽路の宿場町の一つである「馬籠宿」の生活の様子が淡々と描かれ、
歴史の中に埋もれていってしまう「宿場」の生活が生き生きと描写されていることに気付かされる。
幕末から明治にかけて、中山道・木曽路の「馬籠宿」の本陣・問屋・庄屋をかねる家に生れ国学に心を傾ける青山半蔵の目を通して描かれるこの大作である。武士が築いてきた封建制度が崩壊し、新しい時代の波が押し寄せ確実に来るのだ。
新しい時代か来るのだ。
半蔵は希望に燃え、時代の夜が明けるのだと期待に胸を膨らませる。 だが、半蔵の期待と裏腹に時代は意外な顔を見せ始める。
この歴史小説に登場する人物は、市井に生きる人々たちで、歴史に名を残す人物や英雄は一人も登場しない。
島崎藤村自身の父をモデルにした、幕末から明治の時代の変わり目に生きた半蔵の一生を描いた歴史小説である。
ストーリーの進展も遅く、大きな事件も描かれない。かなりの根気と、幕末の歴史に興味がないと読破するのは困難なのかもしれない。
しかし、このことと小説の偉大さはまったく別のものである。歴史的人物や英雄を描いた歴史小説は多いが、名もない庶民(青山半蔵)の目を通して描かれたところにこの小説の特徴がある。
幕府の威信が揺らぐような事件が次々に起こる。
ペリー来航→日米和親条約→日米修好条約→安政の大獄→桜田門外の変→和宮降嫁等大きな政変が起きるたびに木曽路は騒然となる。
京を目指して井伊家の家臣たちが半蔵の本陣に泊まる。皇女和宮の婚礼の行列が木曽路を通る。その度にそれらに携わる荷役人夫や荷馬の用意など少ない賃金で手当をしなければならない。献金の割り当て食料の用意など多額の拠出が強いられる。名字帯刀を許されるのさえ、多額の金を用意しなければならない。
そうした、細々したことが微に入り細にわたって小説は展開していく。
全四冊の内の一冊目は、騒然とした宿場の暮らしを描いて幕を閉じる。
(私のブログからの転載記事です。加筆・訂正)
勝者でもなく敗者でもない市井の人から眺めた視点に魅力がある。
「木曾路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。」
多くの人が知っている島崎藤村の「夜明け前」の冒頭である。冒頭で有名なものには、「雪国」、「平家物語」などたくさんある。
長い間気になっていたがやっと読了することができた。
冒頭で示した描写が数ページ続き、前回はこの部分で挫折してしまった。
しかし、読み進んでいくうちに木曽路の宿場町の一つである「馬籠宿」の生活の様子が淡々と描かれ、
歴史の中に埋もれていってしまう「宿場」の生活が生き生きと描写されていることに気付かされる。
幕末から明治にかけて、中山道・木曽路の「馬籠宿」の本陣・問屋・庄屋をかねる家に生れ国学に心を傾ける青山半蔵の目を通して描かれるこの大作である。武士が築いてきた封建制度が崩壊し、新しい時代の波が押し寄せ確実に来るのだ。
新しい時代か来るのだ。
半蔵は希望に燃え、時代の夜が明けるのだと期待に胸を膨らませる。 だが、半蔵の期待と裏腹に時代は意外な顔を見せ始める。
この歴史小説に登場する人物は、市井に生きる人々たちで、歴史に名を残す人物や英雄は一人も登場しない。
島崎藤村自身の父をモデルにした、幕末から明治の時代の変わり目に生きた半蔵の一生を描いた歴史小説である。
ストーリーの進展も遅く、大きな事件も描かれない。かなりの根気と、幕末の歴史に興味がないと読破するのは困難なのかもしれない。
しかし、このことと小説の偉大さはまったく別のものである。歴史的人物や英雄を描いた歴史小説は多いが、名もない庶民(青山半蔵)の目を通して描かれたところにこの小説の特徴がある。
幕府の威信が揺らぐような事件が次々に起こる。
ペリー来航→日米和親条約→日米修好条約→安政の大獄→桜田門外の変→和宮降嫁等大きな政変が起きるたびに木曽路は騒然となる。
京を目指して井伊家の家臣たちが半蔵の本陣に泊まる。皇女和宮の婚礼の行列が木曽路を通る。その度にそれらに携わる荷役人夫や荷馬の用意など少ない賃金で手当をしなければならない。献金の割り当て食料の用意など多額の拠出が強いられる。名字帯刀を許されるのさえ、多額の金を用意しなければならない。
そうした、細々したことが微に入り細にわたって小説は展開していく。
全四冊の内の一冊目は、騒然とした宿場の暮らしを描いて幕を閉じる。
(私のブログからの転載記事です。加筆・訂正)
2024年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久しぶりの単行本、何回も活字が見えて、懐かしい、電車でゆっくり読むのが良い
2021年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
馬籠宿から贄川宿まで歩こうと思っていろいろと調べていたら藤村の故郷だと分かった。買ってはみたが、なかなか進まない。次の展開が楽しみなところまでいかない。
2021年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
平成25年第92版という古さに負けない、とてもきれいな商品でした。
同じように古書で入手した商品は、もっと古く汚くとても読めたものでなかった。
古書でも販売しないでほしいと思うようなこともありますが、この商品はとても気持ちがよかったです。
同じように古書で入手した商品は、もっと古く汚くとても読めたものでなかった。
古書でも販売しないでほしいと思うようなこともありますが、この商品はとても気持ちがよかったです。
2021年11月22日に日本でレビュー済み
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つまらん
2024年4月27日に日本でレビュー済み
もう相当昔から知っている作品。手に取ったことはあるが、どうも興味がそそられなかった。まー、藤村自体、「破戒」しか読んだことがないのだ。この「夜明け前」は、舞台が木曽の馬籠という峠の宿場町、時代が明治維新の直前、そして藤村の父を題材とした歴史小説ということで、どうも関心がわかず、未読のままだった。
ところが、年というのは不思議。山に定期的に登るようになり、先月も熊野古道小辺路70kmを歩いて、ところどころで、山の中の昔の茶屋や宿場の跡に直面してみると、こういった場所での人生とは何だったのかという思いがわいてくる。そして、先日もあるyoutubeを見ていると、国学者の平田篤胤との絡みでこの「夜明け前」という作品に言及がされていた。そうか、ほな読んでみるかということで、図書館に出かけて、いわゆる日本文学全集を探してみた。
いや、この作品、大作なんやな。小さい文字で二段組みやで。文庫ではないかなと探してみると、岩波版があった。借りて、帰りに、本屋に寄ると、驚くべきことに、まだ入手可能なのだ。新潮文庫や。令和五年に判を重ねており、九十九刷と書いてある。めくってみると、巻末の注がかなり充実している。岩波文庫には注がないのだ。現代文で書かれた作品とはいえ、扱われている題材は明治の前や、もはや作品に登場するディテールは現代人には、理解不能や。これやということで、この新潮文庫版を即購入。
さっそく読み始めてみる。有名な「木曽路はすべて山の中にある」という冒頭で始まるこの作品だが、岐阜や長野ということで、山の中のど田舎の濃密な人間関係を想像していたのだが、実は大いなる誤解。この時代の情報はすべて人力でもって伝達されている。というわけで、岐阜の山奥とはいえ、中山道街道沿いの宿場は情報の伝達の重要な結節点を果たしていたのだ。定期的な参勤交代に加えて、様々な重大事件に伴う幕府の中心人物の移動に絡んで、おびただしい数の人間や重要人物がこの馬籠という場所を通る。そして、この儀式化した大量の武士の移動を支えるものとして、本陣、問屋、庄屋というインフラの制度が完成していたというわけだ。この仕組みの中で、本陣の当主でもある、主人公の父親は名字帯刀を許されたいわゆる地方の名士なのだ。
武士の東西の移動に関わるために、本陣の当主のアンテナは時代の移り変わりに敏感であり、また武士の移動のlogisticsに農民を動員するため、農民との関係も深い。というわけで、時代の実相とその矛盾に直接的にかかわることになる。この第一部上巻では、主人公の父親から主人公(半蔵)にその職務が継がれる時代が対象となる。具体的には、黒船が来航する1853年から始まり、参勤交代制度が大幅に変更される文久三年(1863年)までだ。
第一部の上は以下のような結語で締めくくられている。
「御岳の裾を下ろうとして、半蔵が周囲を見廻した時は、黒船のもたらす影響はこの辺鄙な木曽谷の中にまで深刻に入り込んでいた来ていた。...今まで眠っていたものは眼をさまし、一切がその価値を転倒し始めていた。...眼前に潰えていく古くからの制度がある。....中世以来の異国の殻もまだ脱ぎ切らないうちに、今また新しい黒船と戦わなければならない。半蔵は「静の岩屋」の中に遺った先師の言葉を繰り返して、測りがたい神の心を畏れた。」
中世以来の異国の殻や「静の岩屋」などについては、本書を読まないとわからないだろう。さらに主人公の半蔵がなぜ平田篤胤没後の門人になるのかという部分についても、あまり深堀はされていない。様々な関係する人物たちが言及されるだけだ。
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いや、この作品、大作なんやな。小さい文字で二段組みやで。文庫ではないかなと探してみると、岩波版があった。借りて、帰りに、本屋に寄ると、驚くべきことに、まだ入手可能なのだ。新潮文庫や。令和五年に判を重ねており、九十九刷と書いてある。めくってみると、巻末の注がかなり充実している。岩波文庫には注がないのだ。現代文で書かれた作品とはいえ、扱われている題材は明治の前や、もはや作品に登場するディテールは現代人には、理解不能や。これやということで、この新潮文庫版を即購入。
さっそく読み始めてみる。有名な「木曽路はすべて山の中にある」という冒頭で始まるこの作品だが、岐阜や長野ということで、山の中のど田舎の濃密な人間関係を想像していたのだが、実は大いなる誤解。この時代の情報はすべて人力でもって伝達されている。というわけで、岐阜の山奥とはいえ、中山道街道沿いの宿場は情報の伝達の重要な結節点を果たしていたのだ。定期的な参勤交代に加えて、様々な重大事件に伴う幕府の中心人物の移動に絡んで、おびただしい数の人間や重要人物がこの馬籠という場所を通る。そして、この儀式化した大量の武士の移動を支えるものとして、本陣、問屋、庄屋というインフラの制度が完成していたというわけだ。この仕組みの中で、本陣の当主でもある、主人公の父親は名字帯刀を許されたいわゆる地方の名士なのだ。
武士の東西の移動に関わるために、本陣の当主のアンテナは時代の移り変わりに敏感であり、また武士の移動のlogisticsに農民を動員するため、農民との関係も深い。というわけで、時代の実相とその矛盾に直接的にかかわることになる。この第一部上巻では、主人公の父親から主人公(半蔵)にその職務が継がれる時代が対象となる。具体的には、黒船が来航する1853年から始まり、参勤交代制度が大幅に変更される文久三年(1863年)までだ。
第一部の上は以下のような結語で締めくくられている。
「御岳の裾を下ろうとして、半蔵が周囲を見廻した時は、黒船のもたらす影響はこの辺鄙な木曽谷の中にまで深刻に入り込んでいた来ていた。...今まで眠っていたものは眼をさまし、一切がその価値を転倒し始めていた。...眼前に潰えていく古くからの制度がある。....中世以来の異国の殻もまだ脱ぎ切らないうちに、今また新しい黒船と戦わなければならない。半蔵は「静の岩屋」の中に遺った先師の言葉を繰り返して、測りがたい神の心を畏れた。」
中世以来の異国の殻や「静の岩屋」などについては、本書を読まないとわからないだろう。さらに主人公の半蔵がなぜ平田篤胤没後の門人になるのかという部分についても、あまり深堀はされていない。様々な関係する人物たちが言及されるだけだ。