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猟銃・闘牛 (新潮文庫) 文庫 – 1950/12/4
井上 靖
(著)
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「小説の面白さを忘れようとしている我国で、それを久しぶりに思い出させるに足る」
――大家・佐藤春夫に認められた処女作、および芥川賞受賞作を収録。井上文学の出発点。
ひとりの男の十三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫りにした恋愛心理小説『猟銃』。
社運を賭した闘牛大会の実現に奔走する中年の新聞記者の情熱と、その行動の裏側にひそむ孤独な心情を、敗戦直後の混乱した世相のなかに描く芥川賞受賞作の『闘牛』。
無名だった著者の名を一躍高からしめた初期の代表作2編の他『比良のシャクナゲ』を収録。
目次
猟銃
闘牛
比良のシャクナゲ
解説 河盛好蔵
本書「解説」より
彼の小説構成には美学的考案と新聞社的時代感覚とが大に役立っている。そこに彼の比較的高級な大衆文学性が醸成された。あっさり言えば井上の文学はよく考えられた職人の細工である。
――佐藤春夫(小説家)
『猟銃』『闘牛』『比良のシャクナゲ』、そのいずれをとってみても、主人公の後姿はひどく寂しい。彼らはみな愛の砂漠のなかにいて、愛したい、愛されたいという強い祈願をもちながら、彼らの心のなかに棲む白い蛇が、愛情の十分な発露を妨げている。というよりも自己の情熱の性質を十分に見きわめることをしないで、常に現在の情熱の対象に自己の夢のみたされないことを嘆いている。
――河盛好蔵(文芸評論家)
井上靖(1907-1991)
旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。
――大家・佐藤春夫に認められた処女作、および芥川賞受賞作を収録。井上文学の出発点。
ひとりの男の十三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫りにした恋愛心理小説『猟銃』。
社運を賭した闘牛大会の実現に奔走する中年の新聞記者の情熱と、その行動の裏側にひそむ孤独な心情を、敗戦直後の混乱した世相のなかに描く芥川賞受賞作の『闘牛』。
無名だった著者の名を一躍高からしめた初期の代表作2編の他『比良のシャクナゲ』を収録。
目次
猟銃
闘牛
比良のシャクナゲ
解説 河盛好蔵
本書「解説」より
彼の小説構成には美学的考案と新聞社的時代感覚とが大に役立っている。そこに彼の比較的高級な大衆文学性が醸成された。あっさり言えば井上の文学はよく考えられた職人の細工である。
――佐藤春夫(小説家)
『猟銃』『闘牛』『比良のシャクナゲ』、そのいずれをとってみても、主人公の後姿はひどく寂しい。彼らはみな愛の砂漠のなかにいて、愛したい、愛されたいという強い祈願をもちながら、彼らの心のなかに棲む白い蛇が、愛情の十分な発露を妨げている。というよりも自己の情熱の性質を十分に見きわめることをしないで、常に現在の情熱の対象に自己の夢のみたされないことを嘆いている。
――河盛好蔵(文芸評論家)
井上靖(1907-1991)
旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1950/12/4
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410106301X
- ISBN-13978-4101063010
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対象商品: 猟銃・闘牛 (新潮文庫)
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【新潮文庫】井上靖 作品 | ひとりの男の十三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫りにした「猟銃」、芥川賞の「闘牛」等、3編。〈芥川賞受賞〉 | 無数の宝典をその砂中に秘した辺境の要衝の町敦煌──西域に惹かれた一人の若者のあとを追いながら、中国の秘史を綴る歴史大作。〈毎日芸術賞受賞〉 | あすは檜になろうと念願しながら、永遠に檜にはなれない”あすなろ”の木に託し、幼年期から壮年までの感受性の劇を謳った長編。 | 知略縦横の軍師として信玄に仕える山本勘助が、秘かに慕う信玄の側室由布姫。風林火山の旗のもと、川中島の合戦は目前に迫る……。 | 前穂高に挑んだ小坂乙彦は、切れるはずのないザイルが切れて墜死した──恋愛と男同士の友情がドラマチックにくり広げられる長編。 | 天平の昔、荒れ狂う大海を越えて唐に留学した五人の若い僧──鑒真来朝を中心に歴史の大きなうねりに巻きこまれる人間を描く名作。〈芸術選奨受賞〉 |
蒼き狼 | 楼蘭 | 風濤 | 額田女王 | 後白河院 | 幼き日のこと・青春放浪 | |
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全蒙古を統一し、ヨーロッパへの大遠征をも企てたアジアの英雄チンギスカン。闘争に明け暮れた彼のあくなき征服欲の秘密を探る。 | 朔風吹き荒れ流砂舞う中国の辺境西域──その湖のほとりに忽然と消え去った一小国の運命を探る「楼蘭」等12編を収めた歴史小説。 | 朝鮮半島を蹂躙してはるかに日本をうかがう強大国元の帝フビライ。その強力な膝下に隠忍する高麗の苦難の歴史を重厚な筆に描く。〈読売文学賞受賞〉 | 天智、天武両帝の愛をうけ、”紫草(むらさき)のにほへる妹(いも)”とうたわれた万葉随一の才媛、額田女王の劇的な生涯を綴り、古代人の心を探る。 | 武門・公卿の覇権争いが激化した平安末期に、権謀術数を駆使し政治を巧みに操り続けた後白河院。側近が語るその謎多き肖像とは。 | 血のつながらない祖母と過した幼年時代──なつかしい昔を愛惜の念をこめて描く「幼き日のこと」他、「青春放浪」「私の自己形成史」。 |
孔子 | しろばんば | 夏草冬濤〔上〕 | 夏草冬濤〔下〕 | 北の海〔上〕 | 北の海〔下〕 | |
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戦乱の春秋末期に生きた孔子の人間像を描く。現代にも通ずる「乱世を生きる知恵」を提示した著者最後の歴史長編。〈野間文芸賞受賞〉 | 野草の匂いと陽光のみなぎる、伊豆湯ヶ島の自然のなかで幼い魂はいかに成長していったか。著者自身の少年時代を描いた自伝小説。 | 両親と離れて暮す洪作が友達や上級生との友情の中で明るく成長する青春の姿を体験をもとに描く、『しろばんば』につづく自伝的長編。 | 高校受験に失敗しながら勉強もせず、柔道の稽古に明け暮れた青春の日々──若き日の自由奔放な生活を鎮魂の思いをこめて描く長編。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1950/12/4)
- 発売日 : 1950/12/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 410106301X
- ISBN-13 : 978-4101063010
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 33,064位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1907-1991)旭川市生れ。
京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。
「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
海外で上演される舞台の原作ということらしいので購入してみました。好きな女優さんが出られるので現地に行って観劇もしたいところですが無理そうなので原作を読みます。上演のことを知り、原作を読みたいなと思ってからすぐに本を手にすることが出来て感謝です!
2023年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
【私はふと、ああ、あの猟人(ひと)のように歩きたいと思うことがある。—ゆっくりと、静かに、冷たく】
昭和24年の「猟銃」は、
旧友が編集する"狩猟雑誌"慣れぬテーマで
寄稿したのをきっかけに
知己を得た相手からもたらされた
三通の手紙を巡る《恋愛心理劇》。
入れ子構造のストーリー展開が
執筆された年代を感じさせない鮮烈な印象を受けた。
もうひとつの表題作「闘牛」は1950年の芥川賞受賞作。
本書購入のきっかけも、同作が『和田誠 切抜帖』収録
"親父を語る"の中で取り上げられていたから。
戦後間もない大阪の街で"闘牛"を興行しよと奔走する人々の姿を
実話を基に描き出す。
クリヤする毎にいもずる式に現れる"問題点"に悪戦苦闘を繰り返す主人公。
フォーサイス『ジャッカルの日』の結末が
史実に照らせば一目瞭然なのと同じで、
主人公たちの思惑通りに進んでいたら
春夏の甲子園では"野球"でなく"闘牛"が競われていたであろう?
と考えれば・・・。
それでもなおかつラストまで読むものを引っ張ってゆく
作品のイキオイが素晴らしい!
昭和24年の「猟銃」は、
旧友が編集する"狩猟雑誌"慣れぬテーマで
寄稿したのをきっかけに
知己を得た相手からもたらされた
三通の手紙を巡る《恋愛心理劇》。
入れ子構造のストーリー展開が
執筆された年代を感じさせない鮮烈な印象を受けた。
もうひとつの表題作「闘牛」は1950年の芥川賞受賞作。
本書購入のきっかけも、同作が『和田誠 切抜帖』収録
"親父を語る"の中で取り上げられていたから。
戦後間もない大阪の街で"闘牛"を興行しよと奔走する人々の姿を
実話を基に描き出す。
クリヤする毎にいもずる式に現れる"問題点"に悪戦苦闘を繰り返す主人公。
フォーサイス『ジャッカルの日』の結末が
史実に照らせば一目瞭然なのと同じで、
主人公たちの思惑通りに進んでいたら
春夏の甲子園では"野球"でなく"闘牛"が競われていたであろう?
と考えれば・・・。
それでもなおかつラストまで読むものを引っ張ってゆく
作品のイキオイが素晴らしい!
2023年12月7日に日本でレビュー済み
3つの作品を収録。評価は以下の通りで平均すると星3つと凡庸な結果にはなるが、井上靖は割と好きな作家である。
『猟銃』 ★★★★☆
三者が関わる愛のひとつの形式を冷めた目線で描いており、それゆえに読者に孤独を感じさせる構図になっている。タイトル通り、その孤独はどこか男性的である。
『闘牛』 ★★★☆☆
テンポの良い進行がルポルタージュ的である。ここでいう闘牛はスペインの動的な闘牛とは違い、牛同士が一対一でじっくりと戦う静的なものである。この静けさがどこか不気味だ。
『比良のシャクナゲ』 ★☆☆☆☆
偏屈な老学級のひとり語りで、面白みもなければ共感も出来ない。これだけ偏屈だと、そりゃ孤独にもなるでしょうね・・・。
『猟銃』 ★★★★☆
三者が関わる愛のひとつの形式を冷めた目線で描いており、それゆえに読者に孤独を感じさせる構図になっている。タイトル通り、その孤独はどこか男性的である。
『闘牛』 ★★★☆☆
テンポの良い進行がルポルタージュ的である。ここでいう闘牛はスペインの動的な闘牛とは違い、牛同士が一対一でじっくりと戦う静的なものである。この静けさがどこか不気味だ。
『比良のシャクナゲ』 ★☆☆☆☆
偏屈な老学級のひとり語りで、面白みもなければ共感も出来ない。これだけ偏屈だと、そりゃ孤独にもなるでしょうね・・・。
2015年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やはり、なかなかよかった。さすが、芥川賞受賞作品と思う。これをはじめて勧めてくれたのはフランス人。今でも感謝している。
2023年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔読んだ記憶はあったが、再読。
文章で個性を書き分けること、雰囲気を違えて読ませることにやはりいつ読んでも感動する。
文章で個性を書き分けること、雰囲気を違えて読ませることにやはりいつ読んでも感動する。
2020年11月3日に日本でレビュー済み
井上靖の本です。新潮文庫です。
「猟銃」「闘牛」「比良のシャクナゲ」の三編の短編がおさめられています。
「猟銃」は、不倫の恋愛を描いた書簡の小説。「闘牛」は、闘牛大会に奔走する新聞社幹部の姿を描いた小説。「比良のシャクナゲ」は、老学者の毒づき独白体小説。
どれもが、シンプルで巧いのですが、ただ、いささかパンチはないですね。
おもしろいといえば面白いのでしょうし、文章もこなれています。
個人的には「闘牛」と「比良のシャクナゲ」がいいですね。
「比良のシャクナゲ」は、老学者の学問一筋の生き方と、家族の対立で、偏屈そうな学者の生態がよく描かれていると思います。でも、なんか、どこかしら、かわいそうなんですね。
「闘牛」も、かっけえ中年のエグゼクティブですが、どこかしら孤独があるんですよね。
「闘牛」は、最後、失敗するのですが、「もし、ここで、こちらに行っていたら…」という、「失敗しない分岐点」があって、主人公たちが、ことごとくそれを外していく、というところが、面白いですね。
井上靖さんって、どうしても好きになれないんだけど、京都大学出身なのね。
うーん、京大の作家かぁ……京大の作家って、あんまり好きになれないんだよね。なんでだろ。
「猟銃」「闘牛」「比良のシャクナゲ」の三編の短編がおさめられています。
「猟銃」は、不倫の恋愛を描いた書簡の小説。「闘牛」は、闘牛大会に奔走する新聞社幹部の姿を描いた小説。「比良のシャクナゲ」は、老学者の毒づき独白体小説。
どれもが、シンプルで巧いのですが、ただ、いささかパンチはないですね。
おもしろいといえば面白いのでしょうし、文章もこなれています。
個人的には「闘牛」と「比良のシャクナゲ」がいいですね。
「比良のシャクナゲ」は、老学者の学問一筋の生き方と、家族の対立で、偏屈そうな学者の生態がよく描かれていると思います。でも、なんか、どこかしら、かわいそうなんですね。
「闘牛」も、かっけえ中年のエグゼクティブですが、どこかしら孤独があるんですよね。
「闘牛」は、最後、失敗するのですが、「もし、ここで、こちらに行っていたら…」という、「失敗しない分岐点」があって、主人公たちが、ことごとくそれを外していく、というところが、面白いですね。
井上靖さんって、どうしても好きになれないんだけど、京都大学出身なのね。
うーん、京大の作家かぁ……京大の作家って、あんまり好きになれないんだよね。なんでだろ。
2023年4月16日に日本でレビュー済み
『闘牛』は、一大事業となる闘牛大会の運営に打ち込む新聞社員のお話。難関に見舞われながらも闘志を燃やす熱情と、ふと襲いくる虚無感の反復が緻密に描かれている。表題にはないが、偏屈な老研究者の一人称を描いた『比良のシャクナゲ』も面白かった。
2017年4月14日に日本でレビュー済み
最初に『闘牛』を読んだ。
詩作活動を振り出しとする秀才とも思えず文章は観念的で俗っぽくジャーナリストのそれそのままだ。つまり月並み冗語ダブダブ、上滑りで切れのない冗漫な描写だらだら、そして流麗さとはほど遠い前後ギクシャク、等、それらが読んでいる間じゅう口にジャリつく。
芥川賞選考委員全員一致に近い好評だったというのが腑に落ちない中で、宇野浩二氏だけが多少まともな評を加えていた。
そこにある、「出てくる人物たちがみな自分の意志ではなく、作者の『かんがえ』どおりに思考し行動しているのが気になった。大衆小説ふうの興味があり(ママ)芸術味にかけているのがいやであった」と。(「大衆小説風の興味があり芸術味に欠ける」とはまたなんと奥歯にもののはさまった言い方。ここに出来レースの臭いプンプンだが、要は通俗的と言い捨てたいところを発砲睨みで遠慮したのだろう。)
その言うとおりに、語られているのは著者の頭の中の筋書きと駆け足解説にすぎず、どの登場人物も線画イラストでしかない。
主人公の津上にしてからが骨も肉も痛みも痒みも感じさせず立体感ゼロ生物感ゼロだが、いちばん気の毒にもロクでないのがさき子だろう。
思い入れたっぷりちょくちょく顔を出させてもらっているが、この人いったい何の用で出演しているのやら、最初からとうとう最後まで路上の立て看板で放置されている。
枯葉散る窓辺のロメオかジュリエットかみたいなことばっか言ってないで人間のあれやこれやを演じなさいよと言いたい。
つまり小説に仕立てられておらず、何となく耳賑やかなばかりの通俗空虚なお祭り囃子と村芝居です。
授賞は結果オーライだったかもしれないが、敦煌を読んで楼蘭の素晴らしさを予測できた人がいただろうか。いはしまい。
秀作と駄作の落差が極端な作家だが、そこに一定の法則が見える。
要はジャーナリストではあっても文学者ではなかったのだ。作家ではあっても文学体質の乏しい作家だ。
東京製綱のナイロン・ザイル切断事件を時宜的に機敏に捉えた『氷壁』なんかも世評は高いが、通俗そのもので、同じことを感じさせた(通俗的だからこそ世評を高めてしまう人たちがごまんといるのだろうが)。
些事ながら、句読点の打ち方の下手さ加減はチャンピオンクラスで、比喩の下手くそ具合も一流だ。いったいどんな詩を作っておられた人なのか、そっちの側から興味を覚えるが、これでは、安物言葉でごてごて飾り立てただけの上っ面詩でしかなかっただろうこと容易に推測される。
研究熱心ではあるかもしれないジャーナリストの、ジャーナリストにしてはましな記事、とまあそんなところか。
記事としか感じない理由が、『猟銃』に典型的に表れて浮き彫りとなる。
手紙で語る手法をとっているが、これなら展開に何の悩みも苦労もない。あんなことがあったこんなことがあったの断片断片つなぎ放題解説し放題だ。
このありようが、警察発表に基づく現場取材と街頭インタビューでまとめられる新聞記事にソックリなのだ。どんなに細かく書こうが事件の筋書き説明の域を出ない。まさに宇野氏の言う通り。
こんな楽な後追いレポートに緊張や感慨のあらばこそ。そこに昔とった杵柄とばかりヘタな詩想だけをこらしてみたところで、ちょっと気の利いた自己陶酔女学生の日記ぐらいにしかなりません。
唯一褒めるとしたら何でもかんでも好き放題つなぎ放題、飾りつけ放題のこの手法を思い付いた点くらいのことだろうが、これとて文学とは程遠い素人レベルで、小説と呼べる代物ではない。
ひょっとしたら凡手初心者の誰もが試みて駄目出しに次ぐ駄目出しで神話的ゴミと化した手法ではないだろうか。
そもそも例えプロの手であろうと、「苦労」の無いところに佳品は生まれ得ないだろう。
作中三本目の手紙彩子の遺書辺りともなるとただただアホらしく、最初数行のあとは全部すっとばしたが、ただ最後の全体の締めくくり部分だけは読んだ。
理由は、作品冒頭の三頁半三杉穣介から手紙が届くところまでが、その部分だけは詩も緊張もあって大いに期待させてくれたからで、その閉め方が気になったのだが、これも空虚のうえに空虚でしかありようがなかった。竜頭蛇尾も甚だしい。
ついでに言うと、冒頭だけの名作ならド素人にもけっこう書ける。ただ本作冒頭部はそのレベルはさすがに超えており、唯一この三頁半のみは読み応えがある。
評価の星二つは二作を通じてこの部分ゆえのかろうじての得点だ。
詩作活動を振り出しとする秀才とも思えず文章は観念的で俗っぽくジャーナリストのそれそのままだ。つまり月並み冗語ダブダブ、上滑りで切れのない冗漫な描写だらだら、そして流麗さとはほど遠い前後ギクシャク、等、それらが読んでいる間じゅう口にジャリつく。
芥川賞選考委員全員一致に近い好評だったというのが腑に落ちない中で、宇野浩二氏だけが多少まともな評を加えていた。
そこにある、「出てくる人物たちがみな自分の意志ではなく、作者の『かんがえ』どおりに思考し行動しているのが気になった。大衆小説ふうの興味があり(ママ)芸術味にかけているのがいやであった」と。(「大衆小説風の興味があり芸術味に欠ける」とはまたなんと奥歯にもののはさまった言い方。ここに出来レースの臭いプンプンだが、要は通俗的と言い捨てたいところを発砲睨みで遠慮したのだろう。)
その言うとおりに、語られているのは著者の頭の中の筋書きと駆け足解説にすぎず、どの登場人物も線画イラストでしかない。
主人公の津上にしてからが骨も肉も痛みも痒みも感じさせず立体感ゼロ生物感ゼロだが、いちばん気の毒にもロクでないのがさき子だろう。
思い入れたっぷりちょくちょく顔を出させてもらっているが、この人いったい何の用で出演しているのやら、最初からとうとう最後まで路上の立て看板で放置されている。
枯葉散る窓辺のロメオかジュリエットかみたいなことばっか言ってないで人間のあれやこれやを演じなさいよと言いたい。
つまり小説に仕立てられておらず、何となく耳賑やかなばかりの通俗空虚なお祭り囃子と村芝居です。
授賞は結果オーライだったかもしれないが、敦煌を読んで楼蘭の素晴らしさを予測できた人がいただろうか。いはしまい。
秀作と駄作の落差が極端な作家だが、そこに一定の法則が見える。
要はジャーナリストではあっても文学者ではなかったのだ。作家ではあっても文学体質の乏しい作家だ。
東京製綱のナイロン・ザイル切断事件を時宜的に機敏に捉えた『氷壁』なんかも世評は高いが、通俗そのもので、同じことを感じさせた(通俗的だからこそ世評を高めてしまう人たちがごまんといるのだろうが)。
些事ながら、句読点の打ち方の下手さ加減はチャンピオンクラスで、比喩の下手くそ具合も一流だ。いったいどんな詩を作っておられた人なのか、そっちの側から興味を覚えるが、これでは、安物言葉でごてごて飾り立てただけの上っ面詩でしかなかっただろうこと容易に推測される。
研究熱心ではあるかもしれないジャーナリストの、ジャーナリストにしてはましな記事、とまあそんなところか。
記事としか感じない理由が、『猟銃』に典型的に表れて浮き彫りとなる。
手紙で語る手法をとっているが、これなら展開に何の悩みも苦労もない。あんなことがあったこんなことがあったの断片断片つなぎ放題解説し放題だ。
このありようが、警察発表に基づく現場取材と街頭インタビューでまとめられる新聞記事にソックリなのだ。どんなに細かく書こうが事件の筋書き説明の域を出ない。まさに宇野氏の言う通り。
こんな楽な後追いレポートに緊張や感慨のあらばこそ。そこに昔とった杵柄とばかりヘタな詩想だけをこらしてみたところで、ちょっと気の利いた自己陶酔女学生の日記ぐらいにしかなりません。
唯一褒めるとしたら何でもかんでも好き放題つなぎ放題、飾りつけ放題のこの手法を思い付いた点くらいのことだろうが、これとて文学とは程遠い素人レベルで、小説と呼べる代物ではない。
ひょっとしたら凡手初心者の誰もが試みて駄目出しに次ぐ駄目出しで神話的ゴミと化した手法ではないだろうか。
そもそも例えプロの手であろうと、「苦労」の無いところに佳品は生まれ得ないだろう。
作中三本目の手紙彩子の遺書辺りともなるとただただアホらしく、最初数行のあとは全部すっとばしたが、ただ最後の全体の締めくくり部分だけは読んだ。
理由は、作品冒頭の三頁半三杉穣介から手紙が届くところまでが、その部分だけは詩も緊張もあって大いに期待させてくれたからで、その閉め方が気になったのだが、これも空虚のうえに空虚でしかありようがなかった。竜頭蛇尾も甚だしい。
ついでに言うと、冒頭だけの名作ならド素人にもけっこう書ける。ただ本作冒頭部はそのレベルはさすがに超えており、唯一この三頁半のみは読み応えがある。
評価の星二つは二作を通じてこの部分ゆえのかろうじての得点だ。