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ビルマの竪琴 (新潮文庫) 文庫 – 1959/4/17
竹山 道雄
(著)
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いまだ戦禍のあとも生々しい昭和22年、子供雑誌「赤とんぼ」に連載された戦後文学の名作。
詠み継がれて106刷、250万部のロングセラー。
ビルマの戦線で英軍の捕虜になった日本軍の兵隊たちにもやがて帰る日がきた。が、ただひとり帰らぬ兵士があった。なぜか彼は、ただ無言のうちに思い出の竪琴をとりあげ、戦友たちがが合唱している“はにゅうの宿”の伴奏をはげしくかき鳴らすのであった。
戦場を流れる兵隊たちの歌声に、国境を越えた人類愛への願いを込めた本書は、戦後の荒廃した人々の心の糧となった。毎日出版文化賞、文部大臣賞を受賞。用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。
目次
ビルマの竪琴
第一話 うたう部隊
第二話 青い鸚哥(インコ)
第三話 僧の手紙
ビルマの竪琴ができるまで
あとがき
解説 中村光夫
『ビルマの竪琴』余聞 平川祐弘
注解 牛村圭
楽譜…荒城の月、朧月夜、巴里の屋根の下、埴生の宿、蛍の光、春爛漫の花の色、秋の月、からたちの花、野なかの薔薇、嗚呼玉杯に花うけて、庭の千草、故郷の空、都の空に東風吹きて、あふげば尊し、海ゆかば
『ビルマの竪琴』関係図
本文より
「おーい、水島。一しょに日本にかえろう!」
そして、めいめいが手をあげて、呼びとめようとしました。
しかし、ビルマ僧はもう見かえることもなく、そのまま行ってしまいました。ただ、わずかに首を横にふりつづけているようでした。左の肩には竪琴をかついで、その上に一羽、それから裸の右の肩に一羽と、二羽の青い鸚哥がとまって、しきりに鳴きかわしていました。(「第二話 青い鸚哥」)
著者の言葉
こうして一日中書きつづけていると、夕方になって自分の家に帰るときに、妙な錯覚みたいなものを感じることがありました。往来をあるきながら、今度あの横丁を曲ったら、肩に青いインコをのせた黄いろい衣のビルマ僧が立っているのではないか――などと思いこんでいるのに気がついて、自分でおかしくなったことがありました。(「ビルマの竪琴ができるまで」)
竹山道雄(1903-1984)
大阪生れ。評論家、独文学者。東京帝国大学独文科を卒業と同時に一高に講師を務め、後に教授となる。戦前はシュヴァイツァー、ニーチェ、ゲーテ等の翻訳を手掛けた。1948(昭和23)年『ビルマの竪琴』で、毎日出版文化賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞。1951年からは教授を辞任し、批評を中心とした著作に専念する。『門を入らない人々』『昭和の精神史』『聖書とガス室』等、多数の著書がある。
詠み継がれて106刷、250万部のロングセラー。
ビルマの戦線で英軍の捕虜になった日本軍の兵隊たちにもやがて帰る日がきた。が、ただひとり帰らぬ兵士があった。なぜか彼は、ただ無言のうちに思い出の竪琴をとりあげ、戦友たちがが合唱している“はにゅうの宿”の伴奏をはげしくかき鳴らすのであった。
戦場を流れる兵隊たちの歌声に、国境を越えた人類愛への願いを込めた本書は、戦後の荒廃した人々の心の糧となった。毎日出版文化賞、文部大臣賞を受賞。用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。
目次
ビルマの竪琴
第一話 うたう部隊
第二話 青い鸚哥(インコ)
第三話 僧の手紙
ビルマの竪琴ができるまで
あとがき
解説 中村光夫
『ビルマの竪琴』余聞 平川祐弘
注解 牛村圭
楽譜…荒城の月、朧月夜、巴里の屋根の下、埴生の宿、蛍の光、春爛漫の花の色、秋の月、からたちの花、野なかの薔薇、嗚呼玉杯に花うけて、庭の千草、故郷の空、都の空に東風吹きて、あふげば尊し、海ゆかば
『ビルマの竪琴』関係図
本文より
「おーい、水島。一しょに日本にかえろう!」
そして、めいめいが手をあげて、呼びとめようとしました。
しかし、ビルマ僧はもう見かえることもなく、そのまま行ってしまいました。ただ、わずかに首を横にふりつづけているようでした。左の肩には竪琴をかついで、その上に一羽、それから裸の右の肩に一羽と、二羽の青い鸚哥がとまって、しきりに鳴きかわしていました。(「第二話 青い鸚哥」)
著者の言葉
こうして一日中書きつづけていると、夕方になって自分の家に帰るときに、妙な錯覚みたいなものを感じることがありました。往来をあるきながら、今度あの横丁を曲ったら、肩に青いインコをのせた黄いろい衣のビルマ僧が立っているのではないか――などと思いこんでいるのに気がついて、自分でおかしくなったことがありました。(「ビルマの竪琴ができるまで」)
竹山道雄(1903-1984)
大阪生れ。評論家、独文学者。東京帝国大学独文科を卒業と同時に一高に講師を務め、後に教授となる。戦前はシュヴァイツァー、ニーチェ、ゲーテ等の翻訳を手掛けた。1948(昭和23)年『ビルマの竪琴』で、毎日出版文化賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞。1951年からは教授を辞任し、批評を中心とした著作に専念する。『門を入らない人々』『昭和の精神史』『聖書とガス室』等、多数の著書がある。
- ISBN-104101078017
- ISBN-13978-4101078014
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1959/4/17
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ288ページ
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1959/4/17)
- 発売日 : 1959/4/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4101078017
- ISBN-13 : 978-4101078014
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 111,672位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小6の゙孫に読んでもらいたくて購入しましたが、きれいな本なので買ってよかったです。
2023年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
安岡正篤氏のお孫さんの安岡定子氏が
祖父との思い出を綴った本の中で
正篤氏が定子氏にこの本と
「路傍の石」は読んでおいた方が良い
とアドバイスされていたので興味を持って
読んでみました。
日頃あまり本を読む習慣のない私ですが
そんな私でも読み易く、
また考えさせられる事の多い
良書だったと思います。
ここに描かれているビルマ人の生き方と
日本人の生き方は対照的ですが、
はたしてどちらがより優れた生き方
なのでしょう。
この後路傍の石も読んでみたいと思います。
祖父との思い出を綴った本の中で
正篤氏が定子氏にこの本と
「路傍の石」は読んでおいた方が良い
とアドバイスされていたので興味を持って
読んでみました。
日頃あまり本を読む習慣のない私ですが
そんな私でも読み易く、
また考えさせられる事の多い
良書だったと思います。
ここに描かれているビルマ人の生き方と
日本人の生き方は対照的ですが、
はたしてどちらがより優れた生き方
なのでしょう。
この後路傍の石も読んでみたいと思います。
2020年1月19日に日本でレビュー済み
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人の在り方、人の生き方、人類の在り方を深く考えさせられる本。
2021年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説を読んで大きくこころを揺さぶられるのは、ビルマの人々が、実利や効率、物質的な豊かさなどを度外視した生きていたり、水島上等兵が、他者のために尽くす道を選んだりしたためです。
私は家族を持つようになってから、家族のことを第一に考えて生きてきました。
一方で、時間がないため効率ばかりを追い求めたり、家族以外の他者への思いやりの気持ちが薄くなってきた気がします。
「ビルマの竪琴」は、あくせく真面目に働いて消耗している現代の日本人にとって、生きる意味を違って視点で考え直すきっかけをくれる本であると思います。
実際、この本を読んだことで、実利ばかりを考えていた自分の姿勢に気づかされ、反省させられることになりました。
私は家族を持つようになってから、家族のことを第一に考えて生きてきました。
一方で、時間がないため効率ばかりを追い求めたり、家族以外の他者への思いやりの気持ちが薄くなってきた気がします。
「ビルマの竪琴」は、あくせく真面目に働いて消耗している現代の日本人にとって、生きる意味を違って視点で考え直すきっかけをくれる本であると思います。
実際、この本を読んだことで、実利ばかりを考えていた自分の姿勢に気づかされ、反省させられることになりました。
2021年9月22日に日本でレビュー済み
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中学生の時に読んだこの小説が忘れられず、ずっと記憶の端に残っていましたが、息子がそのときの私と同じ年になったのを機に、夏休みの読書感想文用として購入しました。水島の取った行動は理解出来ないようでしたが、それでも内容を理解して面白い話だと言ってくれたので、読ませて良かったと思いました。
2022年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語の趣旨はよくわかる。
盟友に身分を隠してビルマで僧侶となって戦没兵士の供養をするというスートリーから、自己犠牲的な日本人の気質がよく伝わってくる。
外国で宗教的な活動する人や、外国でボランティア活動、慈善活動をする人はけっこういる。
戦友に事情を話して理解を得てビルマでの活動を激励してもらうというストーリーもありえただろう。
あるいは、いったん日本に帰国した後に、日本でボランティア団体を組織してビルマで遺体収容、慰霊活動を行うこともできただろう。
そうではなく日本に帰国することなく自己犠牲的にビルマでの供養活動をすることが、当時の日本人の涙をさそい、日本人の気質に合うストーリーなのだろう。
ハッピーエンドで終わるスト-リーは日本人に受けにくい。自己犠牲や涙を誘う物語が日本人に受けやすい。「フランダースの犬」の物語も、原作と違って日本版では主人公が死ななければならないのだ。
盟友に身分を隠してビルマで僧侶となって戦没兵士の供養をするというスートリーから、自己犠牲的な日本人の気質がよく伝わってくる。
外国で宗教的な活動する人や、外国でボランティア活動、慈善活動をする人はけっこういる。
戦友に事情を話して理解を得てビルマでの活動を激励してもらうというストーリーもありえただろう。
あるいは、いったん日本に帰国した後に、日本でボランティア団体を組織してビルマで遺体収容、慰霊活動を行うこともできただろう。
そうではなく日本に帰国することなく自己犠牲的にビルマでの供養活動をすることが、当時の日本人の涙をさそい、日本人の気質に合うストーリーなのだろう。
ハッピーエンドで終わるスト-リーは日本人に受けにくい。自己犠牲や涙を誘う物語が日本人に受けやすい。「フランダースの犬」の物語も、原作と違って日本版では主人公が死ななければならないのだ。
2021年7月26日に日本でレビュー済み
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入手が困難ではないかと思って思っておりましたが、直ぐに送付頂き助かりました。
2021年6月8日に日本でレビュー済み
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古い話だけどとてもよかったです。