「詩は裸身にて理論のいたり得ぬ堺を探り来る。そのこと決死のわざなり」
と言い残した賢治の詩は、非常に難解です。
けれど、深く考えずに文章を追うと、何とも形容しようのない心地良さがあります。
賢治の全ての作品やそれぞれの異稿、また書簡や手帳に書かれた文章配置まで全10巻にまとめられた筑摩書房発行の全集が秀逸であることは論を待ちません。
ただ、旧字体・フリガナ無し・用語解説なしという点、一般読者ではなく、賢治の本格的研究者向けと言わざるを得ません。
その点、本書はフリガナや用語解説など、一般読者にとっては最適なものと思います。
ただ、他の方のレビューにもありましたが最も新しい日付けの遺稿を採用しているため、一部の作品でよく知られている表現とは異なる表現で収録されていること。
また、用語解説が巻末にまとめられているため参照の手間がかかることは残念に思います。
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新編 宮沢賢治詩集 (新潮文庫) 文庫 – 1991/8/1
宮沢 賢治
(著)
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圧倒的な力量を伴って迫る「春と修羅」、
生前に唯一刊行された詩集に加え、詩稿用紙に書かれていたものなど、132篇を収録。
宮沢賢治の世界を堪能する一冊。
宮沢賢治の詩は、その圧倒的に豊富なイメージと斬新な語彙で、人々に新鮮な驚異を与えてきた。三十七年を多彩に生き急いだ彼は、常に自己の内奥に修羅を見据える。その熱いモノロオグは、山野を跋渉し森羅万象と交響して生起した心象のスケッチから生命を得、たゆまぬ推敲・改作をへて眼前の形に昇華されたのだ。
賢治の詩の世界のエッセンスとして慎重に抽出された132篇を収録。詳細な注解を付す。
本文より
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(「春と修羅」序冒頭)
本書「解説」より
『春と修羅』を最初から順に読んでいくと、読むこと自体の新鮮なおどろきが私たちをとらえる。
辻潤や佐藤惣之助を最初瞠目させたのは、語彙の斬新さだった。とりわけ、科学用語、宗教用語、そして方言。「屈折率」という科学用語は、その中では比較的に普通で、さりげない語といえよう。しかしその意味するところはすぐれて全体的である。
――天沢退二郎(詩人)
目次(作品番号と日付を付した)
『心象スケツチ 春と修羅』より
序
屈折率 (一九二二、一、六)
くらかけの雪 (一九二二、一、六)
恋と病熱 (一九二二、三、二〇)
春と修羅 ((一九二二、四、八))
春光呪詛 (一九二二、四、一〇)
谷 (一九二二、四、二〇)
真空溶媒 ((一九二二、五、一八))
蠕虫舞手(アンネリダタンツエーリン) (一九二二、五、二〇)
小岩井農場 (一九二二、五、二一)
(パート一)
(パート二)
(パート九)
報告 (一九二二、六、一五)
岩手山 (一九二二、六、二七)
高原 (一九二二、六、二七)
原体剣舞連 ((一九二二、八、三一))
東岩手火山 (一九二二、九、一八)
永訣の朝 ((一九二二、一一、二七))
松の針 ((一九二二、一一、二七))
無声慟哭 ((一九二二、一一、二七))
白い鳥 (一九二三、六、四)
青森挽歌 (一九二三、八、一)
風景とオルゴール (一九二三、九、一六)
一本木野 (一九二三、一〇、二八)
冬と銀河ステーシヨン (一九二三、一二、一〇)
「春と修羅 第二集」より
序
二 空明と傷痍 一九二四、二、二〇
一六 五輪峠 一九二四、三、二四
一九 晴天恣意 一九二四、三、二五
〔一九〕 塩水撰・浸種 一九二四、三、三〇
二五 早春独白 一九二四、三、三〇
六九 〔どろの木の下から〕 一九二四、四、一九
七五 北上山地の春 一九二四、四、二〇
一一八 函館港春夜光景 一九二四、五、一九
一五二 林学生 一九二四、六、二二
一五六 〔この森を通りぬければ〕 一九二四、七、五
一五八 〔北上川は熒気をながしィ〕 一九二四、七、一五
一六六 薤露青 一九二四、七、一七
一七九 〔北いっぱいの星ぞらに〕 一九二四、八、一七
三〇四 〔落葉松の方陣は〕 一九二四、九、一七
三一三 産業組合青年会 一九二四、一〇、五
三一四 〔夜の湿気と風がさびしくいりまじり〕 一九二四、一〇、五
三二九 〔野馬がかってにこさへたみちと〕 一九二四、一〇、二六
三三〇 〔うとうとするとひやりとくる〕 一九二四、一〇、二六
三三八 異途への出発 一九二五、一、五
三四三 暁穹への嫉妬 一九二五、一、六
三五六 旅程幻想 一九二五、一、八
四〇一 氷質の冗談 一九二五、一、一八
四一一 未来圏からの影 一九二五、二、一五
五〇八 発電所 一九二五、四、二
三三三 遠足統率 一九二五、五、七
三三七 国立公園候補地に関する意見 一九二五、五、一一
三六九 岩手軽便鉄道 七月(ジャズ) 一九二五、七、一九
三七二 渓にて 一九二五、八、一〇
三七五 山の晨明に関する童話風の構想 一九二五、八、一一
三八三 鬼言(幻聴) 一九二五、一〇、一八
三八四 告別 一九二五、一〇、二五
四〇三 岩手軽便鉄道の一月 一九二六、一、一七
「春と修羅 第三集」より
七〇六 村娘 一九二六、五、二
七〇九 春 一九二六、五、二
七一一 水汲み 一九二六、五、一五
七三五 饗宴 一九二六、九、三
七四一 煙 一九二六、一〇、九
七四一 白菜畑
一〇〇三 実験室小景 一九二七、二、一八
一〇一二 〔甲助 今朝まだくらぁに〕 一九二七、三、二一
一〇一九 札幌市 一九二七、三、二八
一〇三三 悪意 一九二七、四、八
一〇五三 〔おい けとばすな〕 一九二七、五、三
一〇七五 囈語 一九二七、六、一三
一〇八二 〔あすこの田はねえ〕 一九二七、七、一〇
一〇二〇 野の師父
一〇二一 和風は河谷いっぱいに吹く 一九二七、八、二〇
一〇八八 〔もうはたらくな〕 一九二七、八、二〇
詩ノート より
七四四 病院 一九二六、一一、四
一〇〇四 〔今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです〕 一九二七、三、四
一〇二四 ローマンス 一九二七、四、二
一〇五三 政治家 一九二七、五、三
一〇五四 〔何と云はれても〕 一九二七、五、三
一〇五六 〔サキノハカといふ黒い花といっしょに〕
一〇七一 〔わたくしどもは〕 一九二七、六、一
生徒諸君に寄せる
詩稿補遺 より
阿耨達池幻想曲
法印の孫娘
〔こっちの顔と〕
火祭
牧歌
地主
境内
「疾中」より
眼にて云ふ
〔手は熱く足はなゆれど〕
〔丁丁丁丁丁〕
〔風がおもてで呼んでゐる〕
夜 一九二九、四、二八
「文語詩稿」より
〔いたつきてゆめみなやみし〕
五輪峠
流氷(ザエ)
〔夜をま青き藺むしろに〕
〔きみにならびて野にたてば〕
〔林の中の柴小屋に〕
雪の宿
〔川しろじろとまじはりて〕
〔血のいろにゆがめる月は〕
〔玉蜀黍を播きやめ環にならべ〕
母
岩手公園
早春
早害地帯
岩頸列
〔鶯宿はこの月の夜を雪ふるらし〕
巨豚
〔塀のかなたに嘉菟治かも〕
〔腐植土のぬかるみよりの照り返し〕
田園迷信
八戸
〔ながれたり〕
〔まひるつとめにまぎらひて〕
雪峡
国柱会
祭日〔二〕
敗れし少年の歌へる
「三原三部」より
三原 第一部 一九二八、六、一三
「東京」より
浮世絵展覧会印象 一九二八、六、一五
補遺詩篇 より
ある恋
〔雨ニモマケズ〕
小作調停官
〔雨すぎてたそがれとなり〕
夜
春 水星少女歌劇団一行
肺炎
歌曲 より
精神歌
牧歌(「種山ヶ原の夜」の歌〔三〕)
星めぐりの歌
大菩薩峠の歌
注解・解説 天沢退二郎
宮沢賢治(1896-1933)
明治29年、岩手県花巻生れ。盛岡高等農林学校卒。富商の長男。日蓮宗徒。1921(大正10)年から5年間、花巻農学校教諭。中学時代からの山野跋渉が、彼の文学の礎となった。教え子との交流を通じ岩手県農民の現実を知り、羅須地人協会を設立、農業技術指導、レコードコンサートの開催など、農民の生活向上をめざし粉骨砕身するが、理想かなわぬまま過労で肺結核が悪化、最後の5年は病床で、作品の創作や改稿を行った。生前刊行されたのは、詩集『春と修羅』童話集『注文の多い料理店』(1924)のみ。
生前に唯一刊行された詩集に加え、詩稿用紙に書かれていたものなど、132篇を収録。
宮沢賢治の世界を堪能する一冊。
宮沢賢治の詩は、その圧倒的に豊富なイメージと斬新な語彙で、人々に新鮮な驚異を与えてきた。三十七年を多彩に生き急いだ彼は、常に自己の内奥に修羅を見据える。その熱いモノロオグは、山野を跋渉し森羅万象と交響して生起した心象のスケッチから生命を得、たゆまぬ推敲・改作をへて眼前の形に昇華されたのだ。
賢治の詩の世界のエッセンスとして慎重に抽出された132篇を収録。詳細な注解を付す。
本文より
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(「春と修羅」序冒頭)
本書「解説」より
『春と修羅』を最初から順に読んでいくと、読むこと自体の新鮮なおどろきが私たちをとらえる。
辻潤や佐藤惣之助を最初瞠目させたのは、語彙の斬新さだった。とりわけ、科学用語、宗教用語、そして方言。「屈折率」という科学用語は、その中では比較的に普通で、さりげない語といえよう。しかしその意味するところはすぐれて全体的である。
――天沢退二郎(詩人)
目次(作品番号と日付を付した)
『心象スケツチ 春と修羅』より
序
屈折率 (一九二二、一、六)
くらかけの雪 (一九二二、一、六)
恋と病熱 (一九二二、三、二〇)
春と修羅 ((一九二二、四、八))
春光呪詛 (一九二二、四、一〇)
谷 (一九二二、四、二〇)
真空溶媒 ((一九二二、五、一八))
蠕虫舞手(アンネリダタンツエーリン) (一九二二、五、二〇)
小岩井農場 (一九二二、五、二一)
(パート一)
(パート二)
(パート九)
報告 (一九二二、六、一五)
岩手山 (一九二二、六、二七)
高原 (一九二二、六、二七)
原体剣舞連 ((一九二二、八、三一))
東岩手火山 (一九二二、九、一八)
永訣の朝 ((一九二二、一一、二七))
松の針 ((一九二二、一一、二七))
無声慟哭 ((一九二二、一一、二七))
白い鳥 (一九二三、六、四)
青森挽歌 (一九二三、八、一)
風景とオルゴール (一九二三、九、一六)
一本木野 (一九二三、一〇、二八)
冬と銀河ステーシヨン (一九二三、一二、一〇)
「春と修羅 第二集」より
序
二 空明と傷痍 一九二四、二、二〇
一六 五輪峠 一九二四、三、二四
一九 晴天恣意 一九二四、三、二五
〔一九〕 塩水撰・浸種 一九二四、三、三〇
二五 早春独白 一九二四、三、三〇
六九 〔どろの木の下から〕 一九二四、四、一九
七五 北上山地の春 一九二四、四、二〇
一一八 函館港春夜光景 一九二四、五、一九
一五二 林学生 一九二四、六、二二
一五六 〔この森を通りぬければ〕 一九二四、七、五
一五八 〔北上川は熒気をながしィ〕 一九二四、七、一五
一六六 薤露青 一九二四、七、一七
一七九 〔北いっぱいの星ぞらに〕 一九二四、八、一七
三〇四 〔落葉松の方陣は〕 一九二四、九、一七
三一三 産業組合青年会 一九二四、一〇、五
三一四 〔夜の湿気と風がさびしくいりまじり〕 一九二四、一〇、五
三二九 〔野馬がかってにこさへたみちと〕 一九二四、一〇、二六
三三〇 〔うとうとするとひやりとくる〕 一九二四、一〇、二六
三三八 異途への出発 一九二五、一、五
三四三 暁穹への嫉妬 一九二五、一、六
三五六 旅程幻想 一九二五、一、八
四〇一 氷質の冗談 一九二五、一、一八
四一一 未来圏からの影 一九二五、二、一五
五〇八 発電所 一九二五、四、二
三三三 遠足統率 一九二五、五、七
三三七 国立公園候補地に関する意見 一九二五、五、一一
三六九 岩手軽便鉄道 七月(ジャズ) 一九二五、七、一九
三七二 渓にて 一九二五、八、一〇
三七五 山の晨明に関する童話風の構想 一九二五、八、一一
三八三 鬼言(幻聴) 一九二五、一〇、一八
三八四 告別 一九二五、一〇、二五
四〇三 岩手軽便鉄道の一月 一九二六、一、一七
「春と修羅 第三集」より
七〇六 村娘 一九二六、五、二
七〇九 春 一九二六、五、二
七一一 水汲み 一九二六、五、一五
七三五 饗宴 一九二六、九、三
七四一 煙 一九二六、一〇、九
七四一 白菜畑
一〇〇三 実験室小景 一九二七、二、一八
一〇一二 〔甲助 今朝まだくらぁに〕 一九二七、三、二一
一〇一九 札幌市 一九二七、三、二八
一〇三三 悪意 一九二七、四、八
一〇五三 〔おい けとばすな〕 一九二七、五、三
一〇七五 囈語 一九二七、六、一三
一〇八二 〔あすこの田はねえ〕 一九二七、七、一〇
一〇二〇 野の師父
一〇二一 和風は河谷いっぱいに吹く 一九二七、八、二〇
一〇八八 〔もうはたらくな〕 一九二七、八、二〇
詩ノート より
七四四 病院 一九二六、一一、四
一〇〇四 〔今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです〕 一九二七、三、四
一〇二四 ローマンス 一九二七、四、二
一〇五三 政治家 一九二七、五、三
一〇五四 〔何と云はれても〕 一九二七、五、三
一〇五六 〔サキノハカといふ黒い花といっしょに〕
一〇七一 〔わたくしどもは〕 一九二七、六、一
生徒諸君に寄せる
詩稿補遺 より
阿耨達池幻想曲
法印の孫娘
〔こっちの顔と〕
火祭
牧歌
地主
境内
「疾中」より
眼にて云ふ
〔手は熱く足はなゆれど〕
〔丁丁丁丁丁〕
〔風がおもてで呼んでゐる〕
夜 一九二九、四、二八
「文語詩稿」より
〔いたつきてゆめみなやみし〕
五輪峠
流氷(ザエ)
〔夜をま青き藺むしろに〕
〔きみにならびて野にたてば〕
〔林の中の柴小屋に〕
雪の宿
〔川しろじろとまじはりて〕
〔血のいろにゆがめる月は〕
〔玉蜀黍を播きやめ環にならべ〕
母
岩手公園
早春
早害地帯
岩頸列
〔鶯宿はこの月の夜を雪ふるらし〕
巨豚
〔塀のかなたに嘉菟治かも〕
〔腐植土のぬかるみよりの照り返し〕
田園迷信
八戸
〔ながれたり〕
〔まひるつとめにまぎらひて〕
雪峡
国柱会
祭日〔二〕
敗れし少年の歌へる
「三原三部」より
三原 第一部 一九二八、六、一三
「東京」より
浮世絵展覧会印象 一九二八、六、一五
補遺詩篇 より
ある恋
〔雨ニモマケズ〕
小作調停官
〔雨すぎてたそがれとなり〕
夜
春 水星少女歌劇団一行
肺炎
歌曲 より
精神歌
牧歌(「種山ヶ原の夜」の歌〔三〕)
星めぐりの歌
大菩薩峠の歌
注解・解説 天沢退二郎
宮沢賢治(1896-1933)
明治29年、岩手県花巻生れ。盛岡高等農林学校卒。富商の長男。日蓮宗徒。1921(大正10)年から5年間、花巻農学校教諭。中学時代からの山野跋渉が、彼の文学の礎となった。教え子との交流を通じ岩手県農民の現実を知り、羅須地人協会を設立、農業技術指導、レコードコンサートの開催など、農民の生活向上をめざし粉骨砕身するが、理想かなわぬまま過労で肺結核が悪化、最後の5年は病床で、作品の創作や改稿を行った。生前刊行されたのは、詩集『春と修羅』童話集『注文の多い料理店』(1924)のみ。
- ISBN-104101092079
- ISBN-13978-4101092072
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1991/8/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ464ページ
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1991/8/1)
- 発売日 : 1991/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4101092079
- ISBN-13 : 978-4101092072
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 142,660位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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(1896-1933)明治29年、岩手県花巻生れ。盛岡高等農林学校卒。
富商の長男。日蓮宗徒。1921(大正10)年から5年間、花巻農学校教諭。中学時代からの山野跋渉が、彼の文学の礎となった。教え子との交流を通じ岩手県農民の現実を知り、羅須地人協会を設立、農業技術指導、レコードコンサートの開催など、農民の生活向上をめざし粉骨砕身するが、理想かなわぬまま過労で肺結核が悪化、最後の5年は病床で、作品の創作や改稿を行った。生前刊行されたのは、詩集『春と修羅』童話集『注文の多い料理店』(1924)のみ。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年10月31日に日本でレビュー済み
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汚れもなく、綺麗な状態でした。
2019年11月20日に日本でレビュー済み
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早々
2007年2月25日に日本でレビュー済み
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賢治の眼に映った岩手の自然の風景を、ささっとスケッチして掴まえてきたような詩がいっぱい。青白い光を放ちながらぺかぺかと明滅する鉱石の間を、しゅうふっふと息を吐きながら、岩手軽便鉄道が走っていたり。海のように光る山から、ホウと声を立てながら風が走ってきたり。すきとおった景色が、幻燈機が映し出すスクリーンを流れていく・・・・・・。そんな気がして、不思議にいい心持ちになりました。
また、賢治のすぐ下の妹、とし子(宮澤トシ。1898-1922)の死に立ち会った賢治の深い悲しみを、妹に呼びかけるように歌ったいくつかの詩に、胸がぐっと詰りましたね。「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」の三つの詩。
それから、「早春独白」の中、次の詩句がいいなあ。くらくらっときました。
≪ ・・・・・・雨はすきとおってまっすぐに降り 雪はしづかに舞ひおりる 妖しい春のみぞれです・・・・・・ ≫
さて、一等賞のメダルはどの詩にあげよう。「眼にて云ふ」、これに決めました。こんなにもすきとおって美しい詩も、そうはないでしょう。おしまいの三行の言葉が、ことのほか、綺麗です。余談ですが、この「眼にて云ふ」と「生徒諸君に寄せる」の中にある詩句が、伊坂幸太郎『魔王』の物語で、かなり印象深い使われ方をしています。興味をお持ちになった方は、『魔王』もぜひ!
また、賢治のすぐ下の妹、とし子(宮澤トシ。1898-1922)の死に立ち会った賢治の深い悲しみを、妹に呼びかけるように歌ったいくつかの詩に、胸がぐっと詰りましたね。「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」の三つの詩。
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さて、一等賞のメダルはどの詩にあげよう。「眼にて云ふ」、これに決めました。こんなにもすきとおって美しい詩も、そうはないでしょう。おしまいの三行の言葉が、ことのほか、綺麗です。余談ですが、この「眼にて云ふ」と「生徒諸君に寄せる」の中にある詩句が、伊坂幸太郎『魔王』の物語で、かなり印象深い使われ方をしています。興味をお持ちになった方は、『魔王』もぜひ!
2014年3月27日に日本でレビュー済み
宮沢賢治の詩自体が、硬質な結晶のように、硬く煌めき、
その反面いくばくかの読みにくさを持ち合わせているように自分も感じます。
その中でも、本書はレイアウト、よみがな、解説などもろもろで
工夫されており、それでいて元の雰囲気と思われるものが
損なわれていない編纂の見事な詩集と思われます。
すべての詩を読めないにしても、
わたしのように、ある一編が、青白く仄めいて照らしてくれる
そんな出会いもあるかと思われます。
パラパラと眺めてみて、何か不思議な色や光や悲しみや
はたまた世界の不思議に出会えるかもしれない、そんな詩集かと思われます。
その反面いくばくかの読みにくさを持ち合わせているように自分も感じます。
その中でも、本書はレイアウト、よみがな、解説などもろもろで
工夫されており、それでいて元の雰囲気と思われるものが
損なわれていない編纂の見事な詩集と思われます。
すべての詩を読めないにしても、
わたしのように、ある一編が、青白く仄めいて照らしてくれる
そんな出会いもあるかと思われます。
パラパラと眺めてみて、何か不思議な色や光や悲しみや
はたまた世界の不思議に出会えるかもしれない、そんな詩集かと思われます。
2016年12月26日に日本でレビュー済み
"宮沢賢治""彼の詩"は最高なんだ・・・・きっと彼は大地をしっかりと足を・・力強く踏みしめて・・彼の詩は"祈り"なんだ"万象の在り様"を・・・・きっと・・・・
2018年5月30日に日本でレビュー済み
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斬新であるという、外国語や科学用語の多用のせいなのかもしれませんが、意味がよくわかりませんでした。これは作品のせいではなく、私の感性・素養の無さによるものとも思いますが、残念ながら、本書の良さがわかりません。唯一、妹の死についての詩『永訣の朝』は、じんときましたが。