山崎豊子の処女作。大阪船場で昆布を商っていた実家をモデルに、
のれんを守って全力を振り絞って格闘する親子二代を描いた物語。
北前船と呼ばれた千石船が北海道の松前から多くの港を経由して
大阪まで昆布を運んだのは江戸時代初期から明治時代中頃までと
中学校で教えられた。この本のはじめのところで主人公の吾平が
北前船が到着して昆布の入札に参加するところが書かれている。
吾平は丁稚から叩きあげ。持ち前の才覚と努力でのれんわけして
もらうが、せっかく築き上げた店も戦争で失ってしまう。
ふりだしに戻った吾平の跡を継いだのは大学出の次男孝平。
インテリではあるが、親譲りの丁稚根性で、
・・合理的な計画と緻密な判断の上にたって、あとの頑張りだけは
原始的な丁稚精神でやる、これが強いていうたら大学出の丁稚精神や・・
遂には失った店の再興を成し遂げる。大阪船場の熱気や大阪商人の
考え方やいきざまがよくわかった。処女作であるが、中小企業に対する
著者の暖かいまなざしが見て取れ、強い権力と資本を持ったものへの
反発や抵抗を描いたのちの作品の片鱗が垣間見える。
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暖簾 (新潮文庫) 文庫 – 1960/7/19
山崎 豊子
(著)
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一介の丁稚から叩きあげ、苦労の末築いた店も長子も戦争で奪われ、ふりだしに戻った吾平の跡を継いだのは次男孝平であった。孝平は、大学出のインテリ商人と笑われながら、徹底して商業モラルを守り、戦後の動乱期から高度成長期まで、独自の才覚で乗り越え、遂には本店の再興を成し遂げる。親子二代“のれん"に全力を傾ける不屈の気骨と大阪商人の姿を描く作者の処女作。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1960/7/19
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101104018
- ISBN-13978-4101104010
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出版社より
暖簾 | ぼんち | 花のれん | しぶちん | 花紋 | 仮装集団 | |
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【新潮文庫】山崎豊子 作品 | 丁稚からたたき上げた老舗の主人吾平を中心に、親子二代”のれん”に全力を傾ける不屈の大阪商人の気骨と徹底した商業モラルを描く。 | 放蕩を重ねても帳尻の合った遊び方をするのが大阪の”ぼんち”。老舗の一人息子を主人公に船場商家の独特の風俗を織りまぜて描く。 | 大阪の街中へわての花のれんを幾つも幾つも仕掛けたいのや──細腕一本でみごとな寄席を作りあげた浪花女のど根性の生涯を描く。〈直木賞受賞〉 | ”しぶちん”とさげすまれながらも初志を貫き、財を成した山田万治郎──船場を舞台に大阪商人のど根性を描く表題作ほか4編を収録。 | 大正歌壇に彗星のごとく登場し、突如消息を断った幻の歌人、御室みやじ──苛酷な因襲に抗い宿命の恋に全てを賭けた半生を描く。 | すぐれた企画力で大阪勤音を牛耳る流郷正之は、内部の政治的な傾斜に気づき、調査を開始した……綿密な調査と豊かな筆で描く長編。 |
華麗なる一族〔上・中・下〕 | ムッシュ・クラタ | 沈まぬ太陽〔一〕~〔五〕 | 女系家族〔上・下〕 | 白い巨塔〔一〕~〔五〕 | 女の勲章〔上・下〕 | |
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価格 | ¥1,045¥1,045 | ¥572¥572 | ¥781¥781 | ¥825¥825 | ¥737¥737 | ¥781¥781 |
大衆から預金を獲得し、裏では冷酷に産業界を支配する権力機構〈銀行〉──野望に燃える万俵大介とその一族の熾烈な人間ドラマ。 | フランスかぶれと見られていた新聞人が戦場で示したダンディな強靭さを描いた表題作など、鋭い人間観察に裏打ちされた中・短編集。 | 人命をあずかる航空会社に巣食う非情。その不条理に、勇気と良心をもって闘いを挑んだ男の運命。人間の真実を問う壮大なドラマ。 | 代々養子婿をとる大阪・船場の木綿問屋四代目嘉蔵の遺言をめぐってくりひろげられる遺産相続の醜い争い。欲に絡む女の正体を抉る。 | 癌の検査・手術、泥沼の教授選、誤診裁判などを綿密にとらえ、尊厳であるべき医学界に渦巻く人間の欲望と打算を迫真の筆に描く。 | 洋裁学院を拡張し、絢爛たる服飾界に君臨するデザイナー大庭式子を中心に、名声や富を求める虚栄心に翻弄される女の生き方を追究。 |
不毛地帯〔一〕~〔五〕 | 二つの祖国〔一〕~〔四〕 | 約束の海 | 山崎豊子読本 | |
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価格 | ¥979¥979 | ¥825¥825 | ¥781¥781 | ¥176¥176 |
シベリアの収容所で十一年間の強制労働に耐え、帰還後、商社マンとして熾烈な商戦に巻き込まれてゆく元大本営参謀・壹岐正の運命。 | 真珠湾、ヒロシマ、東京裁判──戦争の嵐に翻弄され、身を二つに裂かれながら、祖国を探し求めた日系移民一家の劇的運命を描く。 | 海自の潜水艦と釣り船が衝突、民間人が多数犠牲となり批判にさらされる自衛隊……。壮大なスケールで描く国民作家最後の傑作長編。 | 商家のお嬢様が国民作家になるまで。すべての作品を徹底解剖し、日記や編集者座談を特別収録。不世出の社会派作家の最高の入門書。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1960/7/19)
- 発売日 : 1960/7/19
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 4101104018
- ISBN-13 : 978-4101104010
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
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著者について
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1924(大正13)年、大阪市生れ。京都女子大学国文科卒。
毎日新聞大阪本社学芸部に勤務。当時、学芸部副部長であった井上靖のもとで記者としての訓練を受ける。勤務のかたわら小説を書きはじめ、1957(昭和32)年に『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』により直木賞を受賞。新聞社を退社して作家生活に入る。
1963(昭和38)年より連載をはじめた『白い巨塔』は鋭い社会性で話題を呼んだ。『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』の戦争三部作の後、大作『沈まぬ太陽』を発表。1991(平成3)年、菊池寛賞受賞。2009(平成21)年には最新長編小説『運命の人』を刊行。同年10月より、「山崎豊子 自作を語る」シリーズ全三巻、『作家の使命 私の戦後』『大阪づくし 私の産声』『小説ほど面白いものはない』を刊行。
イメージ付きのレビュー
4 星
親子二代に渡る昆布商人
明治から昭和に駈けて大阪を舞台に昆布製造販売を手掛けた親子二代の物語。淡路島から単身大阪へ出て偶然に昆布問屋の丁稚に採用してもらった八田吾平。真面目に働き頭角を得て暖簾分けを受ける。大阪大水害、関東大震災を乗り越えるが太平洋戦争の空襲で全てを失う。次男に託した暖簾を守り見事復活を果たす。大阪商人のど根性物語と言ってもよい。果たして暖簾とは何か。暖簾を守るということはどういうことかを教えてくれる。一般文学通算1843作品目の感想。2017/03/21 16:35
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年11月22日に日本でレビュー済み
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2014年1月11日に日本でレビュー済み
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これは一人の青年が大阪に来て偶然出会った旦那さんの昆布の販売店に入り、丁稚から苦しい修行して暖簾わけをしてもらい店主となった男の明治から昭和を生き抜き、最後まで店の暖簾を命がけで守った話です。いい話です。
2017年7月30日に日本でレビュー済み
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山崎氏の小説は毎回興味深く読んでいますが、今回の船場もので昆布の歴史がわかりまた一つ知識が増えたなという気持ちです。
2017年12月11日に日本でレビュー済み
「たしかに企業は絶え間なく変化してはいるが、しかしその根本は変化していない。つまり、明確に区切られた「エポック」が次々に移り変わっていくたびに経済の本質に革命が起こり、それに応じて経済的中核に適用される原則は別のものに取って代わられるというわけではない」J.A.シュンペーター『 企業家とは何か 』(清成忠男編訳,東洋経済新報社,1998年)
山崎豊子さん(1924~2013)のこの処女作品を読むと、まずもって、ある種の「懐かしさ」が私には感じられる。私の亡父は、北海道の中都市で、卸問屋を兄と営んでいた。恰度、この物語の戦後の立役者、八田孝平と忠平の働きをひっくり返した位置関係にあった。そして、物語のタイトルとなっている「暖簾」、さらに物語に出てくる「木綿の厚司(亡父の店は印袢纏)」とか「前垂掛け(同じく前掛)」といったものが、何より懐かしさを覚える。私の父方は滋賀県の出身(江州人)で、一応「三方よし」で知られた“ 近江商人 ”の流れを汲んでいると、私は勝手に思っているのだが、本作品では八田吾平という淡路人(淡路島出身者)が前半部(第一部)の主人公だ。この吾平が船場で昆布問屋を営む同郷の浪花屋利兵衛に偶然拾われ、「浪花屋」に奉公するところから物語はスタートする。
さて、当小説で貫かれているのは、何と言っても“大阪商人の生き様”であろう。“大阪商人”は“近江商人”“伊勢商人”とともに「日本三大商人」と呼ばれているけれども、この“大阪商人”の真髄について、山崎さんは八田吾平の口を借りて「節約(しまつ)」と言わせている。吾平は本家から「暖簾分け」された後も、この「暖簾」を命のように大事にするとともに、「金儲けも一つの修行や、節約、勤勉、努力することや」「お客はんのいいはることは天皇陛下の言葉と思え」といった精神を生涯にわたって守り通す。そして、三男一女に恵まれた吾平の子どもたち(ただし、長男辰平は戦死)が奮闘するのが後半部(第二部)だ。そこでは、吾平の跡を継いだ孝平が「暖簾」というものを大切にしつつも、それに安易にもたれかからず、戦後、裸一貫から「浪花屋」の再興、発展を目指していく…。
「商人の氏(うじ)、素性(すじょう)は暖簾なり」という。また、「暖簾は商家の命」ともいう。山崎さんは「あとがき」の中で、「暖簾は大阪商人の生命であり、また庶民の旗印でもあります」と述べている。だからこそ、昭和9年9月21日の「室戸台風」で吾平が苦労して建てた工場が被災し、銀行融資を願う際、「本家から分けていただいた浪花屋の暖簾が抵当だす、大阪商人にこれほど堅い抵当はほかにおまへん、信じておくれやす、暖簾は商人(あきんど)の命だす―」と懇請して融資を受けるのである。無論、この挿話は生家が昆布屋であった山崎さんの想像上のものか否かは分からないが…。山崎さんは生前、重厚骨太の長編大作を次々と世に送り出していたのは周知の事実だ。しかしながら、この「理想の大阪商人」(あとがき)を描いた小説も、実に味わい深く、今に通ずるものがある。
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山崎豊子さん(1924~2013)のこの処女作品を読むと、まずもって、ある種の「懐かしさ」が私には感じられる。私の亡父は、北海道の中都市で、卸問屋を兄と営んでいた。恰度、この物語の戦後の立役者、八田孝平と忠平の働きをひっくり返した位置関係にあった。そして、物語のタイトルとなっている「暖簾」、さらに物語に出てくる「木綿の厚司(亡父の店は印袢纏)」とか「前垂掛け(同じく前掛)」といったものが、何より懐かしさを覚える。私の父方は滋賀県の出身(江州人)で、一応「三方よし」で知られた“ 近江商人 ”の流れを汲んでいると、私は勝手に思っているのだが、本作品では八田吾平という淡路人(淡路島出身者)が前半部(第一部)の主人公だ。この吾平が船場で昆布問屋を営む同郷の浪花屋利兵衛に偶然拾われ、「浪花屋」に奉公するところから物語はスタートする。
さて、当小説で貫かれているのは、何と言っても“大阪商人の生き様”であろう。“大阪商人”は“近江商人”“伊勢商人”とともに「日本三大商人」と呼ばれているけれども、この“大阪商人”の真髄について、山崎さんは八田吾平の口を借りて「節約(しまつ)」と言わせている。吾平は本家から「暖簾分け」された後も、この「暖簾」を命のように大事にするとともに、「金儲けも一つの修行や、節約、勤勉、努力することや」「お客はんのいいはることは天皇陛下の言葉と思え」といった精神を生涯にわたって守り通す。そして、三男一女に恵まれた吾平の子どもたち(ただし、長男辰平は戦死)が奮闘するのが後半部(第二部)だ。そこでは、吾平の跡を継いだ孝平が「暖簾」というものを大切にしつつも、それに安易にもたれかからず、戦後、裸一貫から「浪花屋」の再興、発展を目指していく…。
「商人の氏(うじ)、素性(すじょう)は暖簾なり」という。また、「暖簾は商家の命」ともいう。山崎さんは「あとがき」の中で、「暖簾は大阪商人の生命であり、また庶民の旗印でもあります」と述べている。だからこそ、昭和9年9月21日の「室戸台風」で吾平が苦労して建てた工場が被災し、銀行融資を願う際、「本家から分けていただいた浪花屋の暖簾が抵当だす、大阪商人にこれほど堅い抵当はほかにおまへん、信じておくれやす、暖簾は商人(あきんど)の命だす―」と懇請して融資を受けるのである。無論、この挿話は生家が昆布屋であった山崎さんの想像上のものか否かは分からないが…。山崎さんは生前、重厚骨太の長編大作を次々と世に送り出していたのは周知の事実だ。しかしながら、この「理想の大阪商人」(あとがき)を描いた小説も、実に味わい深く、今に通ずるものがある。
2017年3月21日に日本でレビュー済み
明治から昭和に駈けて大阪を舞台に昆布製造販売を手掛けた親子二代の物語。淡路島から単身大阪へ出て偶然に昆布問屋の丁稚に採用してもらった八田吾平。真面目に働き頭角を得て暖簾分けを受ける。大阪大水害、関東大震災を乗り越えるが太平洋戦争の空襲で全てを失う。次男に託した暖簾を守り見事復活を果たす。大阪商人のど根性物語と言ってもよい。果たして暖簾とは何か。暖簾を守るということはどういうことかを教えてくれる。
一般文学通算1843作品目の感想。2017/03/21 16:35
一般文学通算1843作品目の感想。2017/03/21 16:35
明治から昭和に駈けて大阪を舞台に昆布製造販売を手掛けた親子二代の物語。淡路島から単身大阪へ出て偶然に昆布問屋の丁稚に採用してもらった八田吾平。真面目に働き頭角を得て暖簾分けを受ける。大阪大水害、関東大震災を乗り越えるが太平洋戦争の空襲で全てを失う。次男に託した暖簾を守り見事復活を果たす。大阪商人のど根性物語と言ってもよい。果たして暖簾とは何か。暖簾を守るということはどういうことかを教えてくれる。
一般文学通算1843作品目の感想。2017/03/21 16:35
一般文学通算1843作品目の感想。2017/03/21 16:35
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2015年2月8日に日本でレビュー済み
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映画も面白くなかったが、小説も面白くなかった。短い小説の中で人生での出来事を羅列しているだけ。処女作だからしようがないか。
2019年6月23日に日本でレビュー済み
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さすがの山崎豊子、おもしろすぎる。関西ではいま現在も贈答品として昆布が珍重されているんだけど、それがなぜなのかずっと分からなかった。なんで昆布? もっと高級なものがあるでしょ? と思っていた。いや、値段は高いんですけどね、贈答品昆布。この本を読んで初めて理由がわかった。山崎豊子作品にはいつものことだけど、文化歴史まで深く深く踏み込んでるんだよね。もちろんキャラもストーリーも最高。