登場人物の心情が丁寧に書かれてある。今の時代に読んで、思い当たる節がある。時が過ぎても、人間の思うことに変わりはなく、繰り返されると思った。自分自身の生き方に当てはめて、考えた。
次は、下巻だ。
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華麗なる一族(中) (新潮文庫) 文庫 – 1980/5/25
山崎 豊子
(著)
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購入オプションとあわせ買い
阪神特殊鋼の専務万俵鉄平は、米国企業からの増注契約をキャンセルされて危機に陥る。旧友である大同銀行の三雲頭取が多額の融資を了承してくれるが、その矢先、熱風炉が爆発するという事故が出来──。一方、万俵家の次女二子は、総理の縁戚と見合いをしながらも、鉄平の部下である一之瀬に惹かれていく。万俵家に同居する大介の愛人・高須相子が企む華麗な閨閥づくりの行方は……。
- 本の長さ640ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1980/5/25
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101104131
- ISBN-13978-4101104133
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1980/5/25)
- 発売日 : 1980/5/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 640ページ
- ISBN-10 : 4101104131
- ISBN-13 : 978-4101104133
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 54,754位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1924(大正13)年、大阪市生れ。京都女子大学国文科卒。
毎日新聞大阪本社学芸部に勤務。当時、学芸部副部長であった井上靖のもとで記者としての訓練を受ける。勤務のかたわら小説を書きはじめ、1957(昭和32)年に『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』により直木賞を受賞。新聞社を退社して作家生活に入る。
1963(昭和38)年より連載をはじめた『白い巨塔』は鋭い社会性で話題を呼んだ。『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』の戦争三部作の後、大作『沈まぬ太陽』を発表。1991(平成3)年、菊池寛賞受賞。2009(平成21)年には最新長編小説『運命の人』を刊行。同年10月より、「山崎豊子 自作を語る」シリーズ全三巻、『作家の使命 私の戦後』『大阪づくし 私の産声』『小説ほど面白いものはない』を刊行。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
太陽神戸三井には、親戚が在籍していたこともあり、興味深く読み進めています。移動も多く読書に費やせる時間も物理的にあるせいか、上巻より一気に読み進んでいます。
大介と鉄平の親子の嫉妬と争い。全く血が繋がらない訳ではないからこそ、骨肉の争いになってしまう。家族とは?血縁とは、互いの絶対的な安心感を生み出すモノでもあり、またその逆で切れない縁だからこその愛憎を生んでしまう。
親は子供だからと思い、子は親だからと思うからこそ、互いの存在をどう認めていくのか、そこに運命のイタズラではないかとも言える誰かの作為があるからこそ、憎しみがまた新たな憎しみを生んでしまう。
今のところ、鉄平の祖父が何故そのような行動に走ったのか?権力の誇示なのか、自身の欲望を追求した結果なのか、その点は凄く気になります。
と同時に、金融再編、銀行と日銀の関係。確か、私が小学生の頃だったかと思いますが、神戸と太陽が合併し、その後太陽神戸三井となり、さくら・・・と、当時はトマト銀行などと...金融再編がさかんに行われていた事を思い出します。
また、富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行の三行合併がみずほ銀行となった記憶も、10年前とはいえ記憶にまだ新しい。そんな事を回想しながら、読み進めていくと、当時は子供故に分からなかった事もしっくりと感じ得ます。
もちろん、小説の域は越えませんが、マンガで読む歴史のようにスイスイと読み進められる本だと思います。
大介と鉄平の親子の嫉妬と争い。全く血が繋がらない訳ではないからこそ、骨肉の争いになってしまう。家族とは?血縁とは、互いの絶対的な安心感を生み出すモノでもあり、またその逆で切れない縁だからこその愛憎を生んでしまう。
親は子供だからと思い、子は親だからと思うからこそ、互いの存在をどう認めていくのか、そこに運命のイタズラではないかとも言える誰かの作為があるからこそ、憎しみがまた新たな憎しみを生んでしまう。
今のところ、鉄平の祖父が何故そのような行動に走ったのか?権力の誇示なのか、自身の欲望を追求した結果なのか、その点は凄く気になります。
と同時に、金融再編、銀行と日銀の関係。確か、私が小学生の頃だったかと思いますが、神戸と太陽が合併し、その後太陽神戸三井となり、さくら・・・と、当時はトマト銀行などと...金融再編がさかんに行われていた事を思い出します。
また、富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行の三行合併がみずほ銀行となった記憶も、10年前とはいえ記憶にまだ新しい。そんな事を回想しながら、読み進めていくと、当時は子供故に分からなかった事もしっくりと感じ得ます。
もちろん、小説の域は越えませんが、マンガで読む歴史のようにスイスイと読み進められる本だと思います。
2021年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
登場人物それぞれの個性が、上手にまるで本物の人物の様に描かれて、いつもながら唸ってしまいます。
2019年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古書店で縛ってあった「上・下」を買って「上」を読み終えた時に、「中」存在がわかり、慌てて注文しました。
新品同様のがすぐに届き感動しました。政界・金融界・産業界の内幕がのぞき見できて、庶民の幸せを再認識したことです。
新品同様のがすぐに届き感動しました。政界・金融界・産業界の内幕がのぞき見できて、庶民の幸せを再認識したことです。
2016年9月23日に日本でレビュー済み
この作家の作品は初めてであり、テレビドラマも見ていない。
文章はうまいし、構成も巧みで、ディテールも凝っている。
優れていることは確かだが、心ときめくような躍動感がない。
その原因の一つは、主人公が誰なのかはっきりしない上に、読者と主人公との同化を妨げる家庭内の事情だろう。
それぞれが屈折した家族像を持っているため、経済小説のようでありながら、ドロドロした主婦向けドラマの様相を呈している。
もう一つは、その家庭内の特殊事情や上流社会の生活を覗き見るという、昼ドラ風の趣向が不快である。
こんな話を延々と読んでいて何か意味があるのか、が最大の難関である。
くどい。
もっとも、この点は、TV版に限らずテレビドラマ好きにはかえって読みやすいかもしれない。
文章はうまいし、構成も巧みで、ディテールも凝っている。
優れていることは確かだが、心ときめくような躍動感がない。
その原因の一つは、主人公が誰なのかはっきりしない上に、読者と主人公との同化を妨げる家庭内の事情だろう。
それぞれが屈折した家族像を持っているため、経済小説のようでありながら、ドロドロした主婦向けドラマの様相を呈している。
もう一つは、その家庭内の特殊事情や上流社会の生活を覗き見るという、昼ドラ風の趣向が不快である。
こんな話を延々と読んでいて何か意味があるのか、が最大の難関である。
くどい。
もっとも、この点は、TV版に限らずテレビドラマ好きにはかえって読みやすいかもしれない。
2018年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
事件展開も人物描写もリアルで精緻。業界と官僚と政治家の人間模様と権力構造、栄華を極め奢る一族が宿命的に抱え込む破滅への時限爆弾。銀行と鉄鋼業の専門的話題も楽しい。新幹線車中で一気読み。
2011年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
万俵財閥は、創立者の敬介(故人)のあとを受けた大介が、阪神銀行頭取として差配するコンツェルンである。大介には鉄平(阪神特殊鋼・専務)と銀平(阪神銀行・貸付課長)という二人の息子がいるのだが、大介と鉄平の間にはわだかまりがある。それは、鉄平があまりにも祖父に似ていることと、祖父の鉄平に対する盲愛である。もしかしたら、鉄平は「祖父の子」でないかという疑念が大介の鉄平に対する感情を複雑にしている。
銀行家として堅い営利を見込めなければ簡単には財布のひもを緩めない堅実・冷酷な大介と、現状打開のために高炉建設に踏み切った熱血派の鉄平は親子といえども異人種である。豪壮なものが好きで大きな賭けのできた敬介の影を鉄平に観ることにより、敬介に対する複雑な感情(父に対する畏怖・疑念・敵視)がことあるごとに大介を捉える。鉄平の理想主義をあたたかく見守り支援を惜しまない大同銀行頭取の三雲と、三雲を快く思わない大同銀行専務の綿貫の確執が「大介の策」を生む。
銀行立入検査や、三十代のエリート官僚の処世術、市中銀行に対する日銀(=金融の法王庁)の存在感、など、昭和の話でありながら「単なる昔話」とは言い切れないような、どこか現代もそうなんじゃないかと思わせるリアルさはあいかわらず。預金者の大切なお金を使うのだから堅いところにしか融資しない、ひたすら国内序列という枠のなかで生き残りを必死に画策する「銀行というもの」に批判的な物語。
銀行家として堅い営利を見込めなければ簡単には財布のひもを緩めない堅実・冷酷な大介と、現状打開のために高炉建設に踏み切った熱血派の鉄平は親子といえども異人種である。豪壮なものが好きで大きな賭けのできた敬介の影を鉄平に観ることにより、敬介に対する複雑な感情(父に対する畏怖・疑念・敵視)がことあるごとに大介を捉える。鉄平の理想主義をあたたかく見守り支援を惜しまない大同銀行頭取の三雲と、三雲を快く思わない大同銀行専務の綿貫の確執が「大介の策」を生む。
銀行立入検査や、三十代のエリート官僚の処世術、市中銀行に対する日銀(=金融の法王庁)の存在感、など、昭和の話でありながら「単なる昔話」とは言い切れないような、どこか現代もそうなんじゃないかと思わせるリアルさはあいかわらず。預金者の大切なお金を使うのだから堅いところにしか融資しない、ひたすら国内序列という枠のなかで生き残りを必死に画策する「銀行というもの」に批判的な物語。
2016年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
急に読みたくなって購入しました。手元に届くのがとても早くて、驚きました。期待に違わず面白かったです。