少年次郎の成長物語である本著は、作者下村湖人氏が長年の月日を費やし精魂込めて書き上げた傑作長編です。物語は第1部から第5部までありますが、小説としての面白さでいえば少年期を描いているこの上巻の第1部から第2部が最も長けているように思います。
母性愛を知らず家庭内で冷遇されて育てられた次郎が、ときには反発しながらも父や恩師、兄などの回りの温かな支えを受け、やがて自らの運命を享受し精神的に成長していく姿に読者は大きな感動を覚えます。
各巻それぞれに心に残る話や言葉が沢山ありますが、病床の母を看取り、母からの永遠の愛を知る次郎を描いた第1部後半は、特に深く印象付けられます。また、第5部にある早朝の板木の音に関する朝倉先生の言葉も心に染み入ります。
幅広い年齢層にいつまでも読み継がれてほしい名作です。
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次郎物語(上) (新潮文庫) 文庫 – 1987/6/29
下村 湖人
(著)
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生後すぐ里子に出されたことが次郎を変えた。
孤独に苦しみ、愛に飢えた青年が自力で切り拓いていく人生を、自伝風に描く大河小説。
次郎は孤独な子だった。生後間もなく里子に出されたため、生家に戻ってからも、母、祖母に疎まれ、兄や弟となじむことができなかった。ひねくれ、反抗的になりがちな次郎を支えてくれるのは父の俊亮だけだった。が、一家は没落。さらに、母の死、父の再婚、中学受験の失敗……と、次郎の周囲には、大きな変化が待ちかまえていた。
自伝的要素を交えて一人の少年の生き方を描く。上巻は第一部、第二部を収録。
著者の言葉
第一部において、彼(次郎)の幸不幸を決定したものは、主としてその環境であった。そして、彼はその環境に対して、いつも、自然児的、本能的、主我的な闘いを闘って来たのである。だが、第二部においては、彼は徐々に彼自身の内部に眼を向けはじめ、そこに、周囲から与えられる幸福以上の何ものかを、探し求めようとしている。かくて彼の闘いは、次第に、理性的、意志的、道義的になって行くのである。(「第二部」あとがき)
下村湖人(1884-1955)
小説家、教育家。佐賀県生れ。本名・虎六郎。旧姓は内田で、下村家の養子となる。東京帝大英文科卒。旧制中学・高校で教鞭を執り、台北高校校長となる。1933年から'37年まで大日本連合青年団講習所所長を務め、機関誌「青年」に「次郎物語」の第1部を連載、'41年に出版する。以後、終戦をはさんで第5部まで出版したが、未完のまま死去。他に『論語物語』('38)などの著書がある。
孤独に苦しみ、愛に飢えた青年が自力で切り拓いていく人生を、自伝風に描く大河小説。
次郎は孤独な子だった。生後間もなく里子に出されたため、生家に戻ってからも、母、祖母に疎まれ、兄や弟となじむことができなかった。ひねくれ、反抗的になりがちな次郎を支えてくれるのは父の俊亮だけだった。が、一家は没落。さらに、母の死、父の再婚、中学受験の失敗……と、次郎の周囲には、大きな変化が待ちかまえていた。
自伝的要素を交えて一人の少年の生き方を描く。上巻は第一部、第二部を収録。
著者の言葉
第一部において、彼(次郎)の幸不幸を決定したものは、主としてその環境であった。そして、彼はその環境に対して、いつも、自然児的、本能的、主我的な闘いを闘って来たのである。だが、第二部においては、彼は徐々に彼自身の内部に眼を向けはじめ、そこに、周囲から与えられる幸福以上の何ものかを、探し求めようとしている。かくて彼の闘いは、次第に、理性的、意志的、道義的になって行くのである。(「第二部」あとがき)
下村湖人(1884-1955)
小説家、教育家。佐賀県生れ。本名・虎六郎。旧姓は内田で、下村家の養子となる。東京帝大英文科卒。旧制中学・高校で教鞭を執り、台北高校校長となる。1933年から'37年まで大日本連合青年団講習所所長を務め、機関誌「青年」に「次郎物語」の第1部を連載、'41年に出版する。以後、終戦をはさんで第5部まで出版したが、未完のまま死去。他に『論語物語』('38)などの著書がある。
- 本の長さ592ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1987/6/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101105073
- ISBN-13978-4101105079
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1987/6/29)
- 発売日 : 1987/6/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 592ページ
- ISBN-10 : 4101105073
- ISBN-13 : 978-4101105079
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 202,113位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年12月30日に日本でレビュー済み
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2015年3月20日に日本でレビュー済み
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私の生まれる前に書かれたものですが、現在でも遜色なく色褪せることはない
各文章の所々に作者の人世訓が散りばめられ、とても勉強させられる
人間とはどういう物か、どういう心理を持つか
関心しながら上中下一気に読み通してしまった
最高の傑作でした!
各文章の所々に作者の人世訓が散りばめられ、とても勉強させられる
人間とはどういう物か、どういう心理を持つか
関心しながら上中下一気に読み通してしまった
最高の傑作でした!
2013年8月24日に日本でレビュー済み
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私が中学1年生でこの作品と出会い、自分の倫理観が決定づけられたような作品だった。現在中1の息子のために購入し改めて読み直して懐かしさと、今の中学生に読ませるべきだと切に思った。息子に勧めてみて良かった。時代は古いが、内容は色あせない普遍のものである。
2020年6月3日に日本でレビュー済み
やはり「愛読書」「無人島に持参する一冊」として最有力です。赤い表紙のハードカバーで読んで以来、ほぼ50年ぶりです。書店も開いておらず、通販サイトもなかなか新刊が発送されないなかで、読み物に困り、とうとう老後の備えとして買いだめてあった「次郎物語」(上)に手を付けてしまいました。するとまさに「禍転じて福と為す」「人間万事塞翁が馬」という言葉がしみじみと実感できました。
子供の時には「周りに理解されない孤立感、焦燥感、爆発する感情」に深く同意した覚えがありますが「人に愛されることより、人を愛することを考える」「卑怯なことはしない」など50年後でも新鮮でした。もちろん、たいへん教条主義的な部分はまさに教師の説教であり、読者の向かっていきなり作者が話しかける古臭さ、戦争に向かった時勢のなかでの「死生観」は違和感もありますが、全体を通してみれば超一級品の衰えることのない小説でした。幸い(中)(下)も手元にありますので通読します。
子供の時には「周りに理解されない孤立感、焦燥感、爆発する感情」に深く同意した覚えがありますが「人に愛されることより、人を愛することを考える」「卑怯なことはしない」など50年後でも新鮮でした。もちろん、たいへん教条主義的な部分はまさに教師の説教であり、読者の向かっていきなり作者が話しかける古臭さ、戦争に向かった時勢のなかでの「死生観」は違和感もありますが、全体を通してみれば超一級品の衰えることのない小説でした。幸い(中)(下)も手元にありますので通読します。
2008年5月10日に日本でレビュー済み
なんとなく言うのが恥ずかしい気もするが 次郎物語は僕の愛読書である。
なんで恥ずかしいのかを自答しているが やはり ストレートなまでの素直な本だからかと思う。
例えば 僕は 芥川龍之介という作家の著作も非常に好きだ。これは言っていて恥ずかしくない。芥川という稀代の芸術家の作品を讃することには問題がないのだと思う。
その点 下村湖人という方は「芸術家」とは言い難いものがある。むしろ「教育者」の資質がきわめて強いと思うのだ。
僕は芥川の作品を読んで 何かを学ぶということは出来ない。彼の著作が好きだとしたら それは 圧倒的な「美」がそこにあるからだと思っている。実際 芥川の作品のいくつかは まるで工芸品のような美しさを持っている。壊れやすいガラス細工のような。
それと比較すると「次郎物語」には かような美は見いだせない。但し 行間から聞こえてくる著者の「教え」には 中年になった今でも学ぶ点が多い。
いい年をして「勉強」していることが恥ずかしいのだろうか?
なんで恥ずかしいのかを自答しているが やはり ストレートなまでの素直な本だからかと思う。
例えば 僕は 芥川龍之介という作家の著作も非常に好きだ。これは言っていて恥ずかしくない。芥川という稀代の芸術家の作品を讃することには問題がないのだと思う。
その点 下村湖人という方は「芸術家」とは言い難いものがある。むしろ「教育者」の資質がきわめて強いと思うのだ。
僕は芥川の作品を読んで 何かを学ぶということは出来ない。彼の著作が好きだとしたら それは 圧倒的な「美」がそこにあるからだと思っている。実際 芥川の作品のいくつかは まるで工芸品のような美しさを持っている。壊れやすいガラス細工のような。
それと比較すると「次郎物語」には かような美は見いだせない。但し 行間から聞こえてくる著者の「教え」には 中年になった今でも学ぶ点が多い。
いい年をして「勉強」していることが恥ずかしいのだろうか?
2013年9月19日に日本でレビュー済み
古典文学の名作だということで、私の親はおそらく早熟だった私にふさわしいものだとおもったのであろうか、私が小学校6年のときにこれを買ってきて私に読ませた。しかし当時の私は少しも面白いと思わず、最後まで読みとおすこともしなかった。だが今日読み返してみて、これが古典的名作とされてきた理由がわかる。教育に携わるものがぜひ読むべき素晴らしい本である。
2012年9月17日に日本でレビュー済み
次郎が6年生〜中学生になった後の「先生」の教訓こそ下村湖人先生が伝えたい処世術だと思う。
500ページもあるが、噛み締めながら読んでいくと幾らか想うところがでてくると思う。
500ページもあるが、噛み締めながら読んでいくと幾らか想うところがでてくると思う。
2005年2月20日に日本でレビュー済み
次郎物語(上)には、第一部と第二部が掲載されている。
第一部は、幼い頃に里子に出された次郎が、実家に連れ戻され、家族間の葛藤の中で成長していくところから、一家の没落、母の死までが描かれている。第二部は、母の死後、父の再婚から、中学に入学し朝倉先生に出会い、「愛されようとすること」から「他者を愛することへ」自らの生き方を転換させていこうと次郎が決意するまでが描かれている。
この手の作品(少年の成長を描いた作品)は数多くあるが、次郎物語はその中でも群を抜いて優れた作品だと思う。それは、少年の心理描写の緻密さと、物語としての不自然ではない面白さが群を抜いているからだ。物語は、たくさんの小さい出来事から構成されているが、ひとつひとつの出来事の描写が味わい深く、何度でも読み返したくなる。愛されないことからくる苛立ちからつい犯してしまう乱暴や失敗、大人に誉めてもらいたいがためのスタンドプレーのような行動、そしてその後にくるほろ苦い気持ち・・・子どもの頃なら誰でも覚えがあるのではないだろうか。この作品を読むと、少年の成長過程に、「大人」がいかに重要であるかを思い知らされる。
下村湖人は、この少年心理を誰よりも深く理解していたに違いない。大人が読めば、子どもの頃の気持ちを切々と思い出すこと間違いなしであるし、少年少女が読めば、夢中になって読み、自らの生き方について考えることができることと思う。この次郎物語(上)は、文句なしの秀逸な日本文学である。
第一部は、幼い頃に里子に出された次郎が、実家に連れ戻され、家族間の葛藤の中で成長していくところから、一家の没落、母の死までが描かれている。第二部は、母の死後、父の再婚から、中学に入学し朝倉先生に出会い、「愛されようとすること」から「他者を愛することへ」自らの生き方を転換させていこうと次郎が決意するまでが描かれている。
この手の作品(少年の成長を描いた作品)は数多くあるが、次郎物語はその中でも群を抜いて優れた作品だと思う。それは、少年の心理描写の緻密さと、物語としての不自然ではない面白さが群を抜いているからだ。物語は、たくさんの小さい出来事から構成されているが、ひとつひとつの出来事の描写が味わい深く、何度でも読み返したくなる。愛されないことからくる苛立ちからつい犯してしまう乱暴や失敗、大人に誉めてもらいたいがためのスタンドプレーのような行動、そしてその後にくるほろ苦い気持ち・・・子どもの頃なら誰でも覚えがあるのではないだろうか。この作品を読むと、少年の成長過程に、「大人」がいかに重要であるかを思い知らされる。
下村湖人は、この少年心理を誰よりも深く理解していたに違いない。大人が読めば、子どもの頃の気持ちを切々と思い出すこと間違いなしであるし、少年少女が読めば、夢中になって読み、自らの生き方について考えることができることと思う。この次郎物語(上)は、文句なしの秀逸な日本文学である。