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駅路 傑作短編集6 (新潮文庫) 文庫 – 1965/8/3
松本 清張
(著)
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傑作短編集、推理小説の第6集。
平凡な永い人生を歩き、終点に近い駅路に到着した時、耐え忍んだ人生からこの辺で解放してもらいたいと願い、停年後の人生を愛人と過ごそうとして失踪した男の悲しい終末を描く「駅路」。邪馬台国の謎を追究する郷土史家を描きながら、“邪馬台国論争"に関する著者の独創的見解を織り込んだ力作「陸行水行」。他に「ある小官僚の抹殺」「万葉翡翠」など全10編。
目次 白い闇
捜査圏外の条件
ある小官僚の抹殺
巻頭句の女
駅路
誤差
万葉翡翠
薄化粧の男
偶数
陸行水行
解説 平野謙
本書「解説」より
「巻頭句の女」…ひとりの女性が俳句をたしなむという事実は、一般にはありふれたことだ。しかし、この被害者の場合、わずかに俳句に思いを託するということは、いわば全人的な救いにほかならなかった。それが全人的な救いになっていることを、一面識もないままに、句誌の主宰者たちはよく洞察していた。そういう人間的な連帯の前には、悪魔的な完全犯罪もついに破綻せざるを得なかったのである。そういう人生的な幅と厚みが、また著者の推理小説のひとつの特徴となっている。
――平野謙(文芸評論家)
テレビドラマ化原作!
○松本清張生誕100年記念作品ドラマ『駅路』
(フジテレビ2009年4月放映、出演・役所広司、深津絵里、石坂浩二)
○松本清張没後25年特別企画『誤差』
(テレビ東京2017年5月放映、出演・村上弘明、剛力彩芽、陣内孝則)
【松本清張傑作短編集全6巻】
現代小説『或る「小倉日記」伝』『黒地の絵』
歴史小説『西郷札』『佐渡流人行』
推理小説『張込み』『駅路』
松本清張(1909-1992)
小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派"の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
平凡な永い人生を歩き、終点に近い駅路に到着した時、耐え忍んだ人生からこの辺で解放してもらいたいと願い、停年後の人生を愛人と過ごそうとして失踪した男の悲しい終末を描く「駅路」。邪馬台国の謎を追究する郷土史家を描きながら、“邪馬台国論争"に関する著者の独創的見解を織り込んだ力作「陸行水行」。他に「ある小官僚の抹殺」「万葉翡翠」など全10編。
目次 白い闇
捜査圏外の条件
ある小官僚の抹殺
巻頭句の女
駅路
誤差
万葉翡翠
薄化粧の男
偶数
陸行水行
解説 平野謙
本書「解説」より
「巻頭句の女」…ひとりの女性が俳句をたしなむという事実は、一般にはありふれたことだ。しかし、この被害者の場合、わずかに俳句に思いを託するということは、いわば全人的な救いにほかならなかった。それが全人的な救いになっていることを、一面識もないままに、句誌の主宰者たちはよく洞察していた。そういう人間的な連帯の前には、悪魔的な完全犯罪もついに破綻せざるを得なかったのである。そういう人生的な幅と厚みが、また著者の推理小説のひとつの特徴となっている。
――平野謙(文芸評論家)
テレビドラマ化原作!
○松本清張生誕100年記念作品ドラマ『駅路』
(フジテレビ2009年4月放映、出演・役所広司、深津絵里、石坂浩二)
○松本清張没後25年特別企画『誤差』
(テレビ東京2017年5月放映、出演・村上弘明、剛力彩芽、陣内孝則)
【松本清張傑作短編集全6巻】
現代小説『或る「小倉日記」伝』『黒地の絵』
歴史小説『西郷札』『佐渡流人行』
推理小説『張込み』『駅路』
松本清張(1909-1992)
小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派"の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
- ISBN-104101109079
- ISBN-13978-4101109077
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1965/8/3
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ416ページ
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或る「小倉日記」伝 傑作短編集傑作短編集㈠ | 黒地の絵 傑作短編集㈡ | 西郷札 傑作短編集㈢ | 佐渡流人行 傑作短編集㈣ | 張込み 傑作短編集㈤ | 駅路 傑作短編集㈥ | |
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【新潮文庫】松本清張 作品 | 体が不自由で孤独な青年が小倉在住時代の鴎外を追究する姿を描いて、芥川賞に輝いた表題作など、名もない庶民を主人公にした 12 編。〈芥川賞受賞〉 | 朝鮮戦争のさなか、米軍黒人兵の集団脱走事件が起きた基地小倉を舞台に、妻を犯された男のすさまじい復讐を描く表題作など 9 編。 | 西南戦争の際に、薩軍が発行した軍票をもとに一攫千金を夢みる男の破滅を描く処女作の「西郷札」など、異色時代小説 12 編を収める。 | 逃れるすべのない絶海の孤島佐渡を描く「佐渡流人行」、下級役人の哀しい運命を辿る「甲府在番」など、歴史に材を取った力作 11 編。 | 平凡な主婦の秘められた過去を、殺人犯を張込み中の刑事の眼でとらえて、推理小説界に新風を吹きこんだ表題作など 8 編を収める。 | これまでの平凡な人生から解放されたい……。停年後を愛人と過ごすために失踪した男の悲しい結末を描く表題作など、 10 編の推理小説集。 |
半生の記 | 点と線 | 時間の習俗 | ゼロの視点 | 眼の壁 | 黒い画集 | |
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金も学問も希望もなく、印刷所の版下工としてインクにまみれていた若き日の姿を回想して綴る〈人間松本清張〉の魂の記録である。 | 一見ありふれた心中事件に隠された奸計!列車時刻表を駆使してリアリスティックな状況を設定し、推理小説界に新風を送った秀作。 | 相模湖畔で業界紙の社長が殺された!容疑者の強力なアリバイを『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼刑事が解明する本格推理長編。 | 新婚一週間で失踪した夫の行方を求めて、北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子がまき込まれた連続殺人!『点と線』と並ぶ代表作品。 | 白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形サギ。責任を負った会計課長の自殺の背後にうごめく黒い組織を追う男を描く。 | 身の安全と出世を願う男の生活にさす暗い影。絶対に知られてはならない女関係。平凡な日常生活にひそむ深淵の恐ろしさを描く 7 編。 |
蒼い描点 | Dの複合 | 死の枝 | 喪失の儀礼 | 共犯者 | 渡された場面 | |
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女流作家阿沙子の秘密を握るフリーライターの変死──事件の真相はどこにあるのか?代作の謎をひめて、事件は意外な方向へ……。 | 雑誌連載「僻地に伝説をさぐる旅」の取材旅行にまつわる不可解な謎と奇怪な事件!古代史、民俗説話と現代の事件を結ぶ推理長編。 | 現代社会の裏面で複雑にもつれ、からみあう様々な犯罪──死神にとらえられ、破滅の淵に陥ちてゆく人間たちを描く連作推理小説。 | 東京の大学病院に勤める医局員・住田が殺害された。匿名で、医学界の不正を暴く記事を書いていた男だった。震撼の医療ミステリー。 | 銀行を襲い、その金をもとに事業に成功した内堀彦介は、真相露顕の恐怖から五年前に別れた共犯者を監視し始める……表題作等 10 編。 | 四国と九州の二つの殺人事件が、小さな同人雑誌に発表された小説の一場面によって結びついた時、予期せぬ真相が……。推理長編。 |
水の肌 | 憎悪の依頼 | 黒い福音 | 影の地帯 | 眼の気流 | なぜ「星図」が開いていたか 初期ミステリ傑作集 | |
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利用して捨てた女がかつての同僚と再婚していた──男の心に湧いた理不尽な怒りが平凡な日常を悲劇にかえる。表題作等 5編を収録。 | 金銭貸借のもつれから友人を殺した孤独な男の、秘められた動機を追及する表題作をはじめ、多彩な魅力溢れる 10 編を収録した短編集。 | 現実に起った、外人神父によるスチュワーデス殺人事件の顚末に、強い疑問と怒りをいだいた著者が、推理と解決を提示した問題作。 | 信濃路の湖に沈められた謎の木箱を追う田代の周囲で起る連続殺人! ふとしたことから悽惨な事件に巻き込まれた市民の恐怖を描く。 | 車の座席で戯れる男女に憎悪を燃やす若い運転手、愛人に裏切られた初老の男。二人の男の接点に生じた殺人事件を描く表題作等5編。 | 清張ミステリはここから始まった。メディアと犯罪を融合させた「顔」、心臓麻痺で急死した教員の謎を追う表題作など本格推理八編。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1965/8/3)
- 発売日 : 1965/8/3
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 416ページ
- ISBN-10 : 4101109079
- ISBN-13 : 978-4101109077
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 75,823位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1909-1992)小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
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上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年3月10日に日本でレビュー済み
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やはり 表題に表示されている「駅路」の短編が一番すばらし !!
単なる推理だけでなく、普通の小説のようなストーリの中に、意外性が最後にやってくる楽しみ。
単なる推理だけでなく、普通の小説のようなストーリの中に、意外性が最後にやってくる楽しみ。
2023年9月19日に日本でレビュー済み
この短編集は、松本清張おすすめ作品のwebページを2つ3つ調べた結果、かなり上位にランクインしていたので読んでみました。やはり面白かったです。全10編。
「白い闇」:これは名作長編『ゼロの焦点』と同じく〈夫の失踪もの〉。ストーリーは全く違いますが、夫に妻以外の女 (愛人) がいた、という点は共通しています。〈白い闇〉とは霧にとざされた十和田湖を意味するそうです。その夫の愛人・常子が十和田湖ちかくの林の中で死体となって見つかります。
信子は失踪した夫・精一を捜すため、さらには夫の愛人・常子を殺した犯人を捜すため、夫の従弟・俊吉とともに仙台さらには青森の十和田湖へと向かいます。殺された常子の実兄・白木をガイドにして……。結末の意外さが衝撃的です。文字どおり十和田湖の霧〈白い闇〉の向こうから衝撃の結末が姿を現します。
「捜査圏外の条件」:夫に先立たれた20代の妹・光子と2人で暮らす銀行員の黒井忠夫。その光子をたぶらかして不倫をしているヤリ手銀行マンの笠岡勇市。光子が旅先のホテルで心臓疾患により急死したとき、不倫相手の笠岡は彼女の身元が分からないように名刺などを奪ってそのまま逃走。それを知った兄の黒井忠夫は、笠岡殺害のための恐ろしく周到な計画を練る。そして銀行を辞め田舎で再就職して完全に事件のほとぼりの冷めた7年後に笠岡を殺す。しかし、とうていあり得ないくらい想定外のほんの僅かな手がかりからその犯罪が発覚してしまう。
「ある小官僚の抹殺」:「砂糖業界から政治家に金が流れている」という匿名の告発電話からドラマがはじまる。政界にも財界にも顔のきくいわゆる黒幕 (フィクサー) として暗躍する篠田正彦。砂糖業界と大物政治家、そして黒幕・篠田のあいだで、あやつり人形か子供の使いのように利用される小官僚・唐津淳平。そのあげく、唐津課長は巨悪 (疑獄) の発覚を未然に防ぐというだけの理由で黒幕・篠田によって自殺に追いこまれてしまう。まさか実話の虚構化では? との思いからネットで調べてみれば、本作は日本の政財界の真実を如実に反映しているというから恐ろしい。事実は小説よりも奇なりとは、まさにこの事です。
「巻頭句の女」:他社発行の短編集で既読の作品で、これで3度目の読了。何度読んでも最後は胸がキュンとなります。日本文学、いや世界文学を見渡しても、本作の志村さち女 (め) ほど悲惨な運命に翻弄されるヒロインは珍しいのではないか。俳句の才能だけがそんな彼女に与えられた唯一の慰め。それにしても、こんな30代前半の幸薄い女性 (※) を、おのが妻殺しを隠蔽するために利用する岩本という男は何度読んでも本当に許せません。まさに鬼畜の所業です。
(※) 志村さち女 (め) は末期がんを患っていて余命いくばくもなかった。
「駅路」:表題作でこれも〈夫の失踪もの〉。平凡な銀行員として、また良き夫として25年間勤めあげ、めでたく定年をむかえた小塚貞一。余生を10年来の愛人・福村慶子と過ごすべく妻子をおいて (最後の) 小旅行に出かける。ところが小塚の第二の人生設計は思いがけぬ事情によりすでに破綻していた。おまけに愛人・慶子と小塚のあいだの〈愛の連絡係〉を長年つとめてきた女性・福村よし子が情夫の山崎と結託して小塚をたくみにある場所へと誘い出し……。人生の終着駅へとむかった小塚の運命やいかに。
「誤差」:法医学上の死亡推定時刻は医師によって多少の誤差があり、多めに見積もる医師もあれば、少なめに見積もる医師もある。そんな医師の個性 (?) を巧みに生かして書かれた殺人ドラマ。
それにしても人待ち顔で温泉宿に何日もひとり宿泊する美貌の澄子が、最愛の不倫相手・安西忠夫 (本名は竹田宗一) の到着したとたんに狂喜するさまは、いかにも女性ですね。澄子がどこにも出かけずに宿で待っているあいだ、しばしばちょっかいを出していた風来坊の大村に対する冷たい態度とは大違いです。
「万葉翡翠」:万葉集の記述にインスパイアされ、翡翠をもとめる探検の旅に出た3人の学生。手分けして2度にわたって往古の地を捜しまわるが成果なし。それどころか3人のうちのひとり今岡という学生は2度目の探検後、行方をくらませてしまう。警察が今岡の現地での行動範囲を何度探しても成果なし。ところが今岡の恋人で短歌が趣味の多美子が、短歌雑誌で偶然目にとめた投稿短歌の一節から〈今岡の死と彼を殺害した真犯人〉とが判明するというストーリー。本作は推理小説の仕掛けとしては独創的と言っていいのではないか。
「薄化粧の男」:本作における殺人隠蔽のトリックはアガサ・クリスティーの『スタイルズ壮の怪事件』とおなじ。これは誰でもまんまと引っかかるよなあ。それにしても、本作の殺され役・草村卓三ほどひどい男はいません。若い頃は美男子だったかも知れないけど、五十四にもなって〈俺はまだもてる〉と勘違いし薄化粧してまで若い女性に媚びを売るとは……。そりゃ奥さんからも愛人からも愛想をつかされるのも無理からぬことです。
「偶数」:「捜査圏外の条件」や「万葉翡翠」同様、本作も殺人発覚の仕掛けが秀逸です。まさかこんな些細なことで足がつくとは……と、犯人の城野光夫におとらず読者の私もびっくりしました。大枠のストーリーは、四十を目前にして出世が頭打ちの城野光夫が、目のうえの瘤である営業部長の黒原健一を失脚させるために彼の愛人女性を完全犯罪的に殺害するというもの。当然、殺人の嫌疑は黒原にかかり、捜査の結果、殺人容疑こそ晴れたものの会社の中における彼の地位は完全に失墜してしまう。ところが、ほぼあり得ないような些細な事がらから後日、城野の犯行が暴露されてしまう。犯行の帰りに小山という名の運転手のタクシーにさえ乗らなければ、と城野がいくら悔やんでもあとの祭りです。でも、あんなシャーロック・ホームズのような運転手が本当にいるのだろうか? というのが読後の私の素朴な疑問です。
「陸行水行」:本作はいわゆる邪馬台国の位置論争を小説化したもの。東京の某私大の万年講師である川田修一は大分県の史跡のある山中で浜中浩三という四国からはるばる来た熱心な郷土史家と出会う。それから先の2人の会話は、そのまま邪馬台国の位置 (九州か近畿 (大和) か) をめぐるミステリーとなる。浜中氏と別れたあと、氏の取った邪馬台国の位置研究のための大々的な活動は、いささか詐欺師めいてくるが、あげくの果てのラストは何とも歴史ロマン的というか、そのまま歴史ファンタジーです。
「白い闇」:これは名作長編『ゼロの焦点』と同じく〈夫の失踪もの〉。ストーリーは全く違いますが、夫に妻以外の女 (愛人) がいた、という点は共通しています。〈白い闇〉とは霧にとざされた十和田湖を意味するそうです。その夫の愛人・常子が十和田湖ちかくの林の中で死体となって見つかります。
信子は失踪した夫・精一を捜すため、さらには夫の愛人・常子を殺した犯人を捜すため、夫の従弟・俊吉とともに仙台さらには青森の十和田湖へと向かいます。殺された常子の実兄・白木をガイドにして……。結末の意外さが衝撃的です。文字どおり十和田湖の霧〈白い闇〉の向こうから衝撃の結末が姿を現します。
「捜査圏外の条件」:夫に先立たれた20代の妹・光子と2人で暮らす銀行員の黒井忠夫。その光子をたぶらかして不倫をしているヤリ手銀行マンの笠岡勇市。光子が旅先のホテルで心臓疾患により急死したとき、不倫相手の笠岡は彼女の身元が分からないように名刺などを奪ってそのまま逃走。それを知った兄の黒井忠夫は、笠岡殺害のための恐ろしく周到な計画を練る。そして銀行を辞め田舎で再就職して完全に事件のほとぼりの冷めた7年後に笠岡を殺す。しかし、とうていあり得ないくらい想定外のほんの僅かな手がかりからその犯罪が発覚してしまう。
「ある小官僚の抹殺」:「砂糖業界から政治家に金が流れている」という匿名の告発電話からドラマがはじまる。政界にも財界にも顔のきくいわゆる黒幕 (フィクサー) として暗躍する篠田正彦。砂糖業界と大物政治家、そして黒幕・篠田のあいだで、あやつり人形か子供の使いのように利用される小官僚・唐津淳平。そのあげく、唐津課長は巨悪 (疑獄) の発覚を未然に防ぐというだけの理由で黒幕・篠田によって自殺に追いこまれてしまう。まさか実話の虚構化では? との思いからネットで調べてみれば、本作は日本の政財界の真実を如実に反映しているというから恐ろしい。事実は小説よりも奇なりとは、まさにこの事です。
「巻頭句の女」:他社発行の短編集で既読の作品で、これで3度目の読了。何度読んでも最後は胸がキュンとなります。日本文学、いや世界文学を見渡しても、本作の志村さち女 (め) ほど悲惨な運命に翻弄されるヒロインは珍しいのではないか。俳句の才能だけがそんな彼女に与えられた唯一の慰め。それにしても、こんな30代前半の幸薄い女性 (※) を、おのが妻殺しを隠蔽するために利用する岩本という男は何度読んでも本当に許せません。まさに鬼畜の所業です。
(※) 志村さち女 (め) は末期がんを患っていて余命いくばくもなかった。
「駅路」:表題作でこれも〈夫の失踪もの〉。平凡な銀行員として、また良き夫として25年間勤めあげ、めでたく定年をむかえた小塚貞一。余生を10年来の愛人・福村慶子と過ごすべく妻子をおいて (最後の) 小旅行に出かける。ところが小塚の第二の人生設計は思いがけぬ事情によりすでに破綻していた。おまけに愛人・慶子と小塚のあいだの〈愛の連絡係〉を長年つとめてきた女性・福村よし子が情夫の山崎と結託して小塚をたくみにある場所へと誘い出し……。人生の終着駅へとむかった小塚の運命やいかに。
「誤差」:法医学上の死亡推定時刻は医師によって多少の誤差があり、多めに見積もる医師もあれば、少なめに見積もる医師もある。そんな医師の個性 (?) を巧みに生かして書かれた殺人ドラマ。
それにしても人待ち顔で温泉宿に何日もひとり宿泊する美貌の澄子が、最愛の不倫相手・安西忠夫 (本名は竹田宗一) の到着したとたんに狂喜するさまは、いかにも女性ですね。澄子がどこにも出かけずに宿で待っているあいだ、しばしばちょっかいを出していた風来坊の大村に対する冷たい態度とは大違いです。
「万葉翡翠」:万葉集の記述にインスパイアされ、翡翠をもとめる探検の旅に出た3人の学生。手分けして2度にわたって往古の地を捜しまわるが成果なし。それどころか3人のうちのひとり今岡という学生は2度目の探検後、行方をくらませてしまう。警察が今岡の現地での行動範囲を何度探しても成果なし。ところが今岡の恋人で短歌が趣味の多美子が、短歌雑誌で偶然目にとめた投稿短歌の一節から〈今岡の死と彼を殺害した真犯人〉とが判明するというストーリー。本作は推理小説の仕掛けとしては独創的と言っていいのではないか。
「薄化粧の男」:本作における殺人隠蔽のトリックはアガサ・クリスティーの『スタイルズ壮の怪事件』とおなじ。これは誰でもまんまと引っかかるよなあ。それにしても、本作の殺され役・草村卓三ほどひどい男はいません。若い頃は美男子だったかも知れないけど、五十四にもなって〈俺はまだもてる〉と勘違いし薄化粧してまで若い女性に媚びを売るとは……。そりゃ奥さんからも愛人からも愛想をつかされるのも無理からぬことです。
「偶数」:「捜査圏外の条件」や「万葉翡翠」同様、本作も殺人発覚の仕掛けが秀逸です。まさかこんな些細なことで足がつくとは……と、犯人の城野光夫におとらず読者の私もびっくりしました。大枠のストーリーは、四十を目前にして出世が頭打ちの城野光夫が、目のうえの瘤である営業部長の黒原健一を失脚させるために彼の愛人女性を完全犯罪的に殺害するというもの。当然、殺人の嫌疑は黒原にかかり、捜査の結果、殺人容疑こそ晴れたものの会社の中における彼の地位は完全に失墜してしまう。ところが、ほぼあり得ないような些細な事がらから後日、城野の犯行が暴露されてしまう。犯行の帰りに小山という名の運転手のタクシーにさえ乗らなければ、と城野がいくら悔やんでもあとの祭りです。でも、あんなシャーロック・ホームズのような運転手が本当にいるのだろうか? というのが読後の私の素朴な疑問です。
「陸行水行」:本作はいわゆる邪馬台国の位置論争を小説化したもの。東京の某私大の万年講師である川田修一は大分県の史跡のある山中で浜中浩三という四国からはるばる来た熱心な郷土史家と出会う。それから先の2人の会話は、そのまま邪馬台国の位置 (九州か近畿 (大和) か) をめぐるミステリーとなる。浜中氏と別れたあと、氏の取った邪馬台国の位置研究のための大々的な活動は、いささか詐欺師めいてくるが、あげくの果てのラストは何とも歴史ロマン的というか、そのまま歴史ファンタジーです。
2010年4月11日に日本でレビュー済み
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白い闇:信子の夫の精一が失踪した。精一の従兄である俊吉に相談する。俊吉は重大な情報を信子に漏らす。それに基づき信子は行動する。俊吉も協力する。最後まで犯人はどちらかわからない傑作。
捜査圏外の条件:一流銀行に勤める主人公の妹光子が失踪した。死亡がすぐ確認されたが、どうやら男と二人連れでの投宿中に狭心症の発作を起こして亡くなったらしい。そこから、主人公の犯人に対する長い時間をかけての復讐が始まる。最後まで飽きずに読ませる傑作。
ある小官僚の抹殺:捜査線上に浮かぶエリート官僚が、熱海の旅館で自殺した。これで、汚職事件の捜査は完全に崩壊する。事件の数年後、興味を持った主人公が自殺の真相を追いかける話。通常の推理小説とは異なった趣が作品を特徴づけている。
巻頭句の女:俳句雑誌の前途有望な投稿者が亡くなった。素人による執拗な追跡が事件を解明する。わずかな「不可解さ」がその背後にある事件を浮き立たせていた。
駅路:銀行の営業部長を定年で退職した小塚が行方不明になった。趣味であるカメラと旅行が残した写真から刑事はある一つの推測を行う。女っ気が全くない小塚には、実は秘密があった。刑事の職業的カンに脱帽させられる短編。
誤差:警察嘱託医の死亡推定時間と解剖医のそれが1・2時間ずれている。この差が事件に決定的な影響を与えるという話。思い込みの嘘を事件にはめこんだ傑作。
薄化粧の男:妾のいる男が殺される。複雑な婦人関係から妻も妾も洗われるが、結局物盗りの強盗説で捜査は40日で解散。ところが、2年後に真犯人は馬脚を現す。わずかな言動が致命的な証拠となり得ることを知る。
偶数:犯人は目の上のたんこぶである嫌な上司に殺意を抱き実行する。「必ず茶碗は五個でなければならない」という妻の何気ない一言。伏兵のちょっとした機転。完全犯罪はもろくも崩れ去った。一番の傑作。
陸行水行:邪馬台国のロマンを推理小説に織り込んだ力作。
捜査圏外の条件:一流銀行に勤める主人公の妹光子が失踪した。死亡がすぐ確認されたが、どうやら男と二人連れでの投宿中に狭心症の発作を起こして亡くなったらしい。そこから、主人公の犯人に対する長い時間をかけての復讐が始まる。最後まで飽きずに読ませる傑作。
ある小官僚の抹殺:捜査線上に浮かぶエリート官僚が、熱海の旅館で自殺した。これで、汚職事件の捜査は完全に崩壊する。事件の数年後、興味を持った主人公が自殺の真相を追いかける話。通常の推理小説とは異なった趣が作品を特徴づけている。
巻頭句の女:俳句雑誌の前途有望な投稿者が亡くなった。素人による執拗な追跡が事件を解明する。わずかな「不可解さ」がその背後にある事件を浮き立たせていた。
駅路:銀行の営業部長を定年で退職した小塚が行方不明になった。趣味であるカメラと旅行が残した写真から刑事はある一つの推測を行う。女っ気が全くない小塚には、実は秘密があった。刑事の職業的カンに脱帽させられる短編。
誤差:警察嘱託医の死亡推定時間と解剖医のそれが1・2時間ずれている。この差が事件に決定的な影響を与えるという話。思い込みの嘘を事件にはめこんだ傑作。
薄化粧の男:妾のいる男が殺される。複雑な婦人関係から妻も妾も洗われるが、結局物盗りの強盗説で捜査は40日で解散。ところが、2年後に真犯人は馬脚を現す。わずかな言動が致命的な証拠となり得ることを知る。
偶数:犯人は目の上のたんこぶである嫌な上司に殺意を抱き実行する。「必ず茶碗は五個でなければならない」という妻の何気ない一言。伏兵のちょっとした機転。完全犯罪はもろくも崩れ去った。一番の傑作。
陸行水行:邪馬台国のロマンを推理小説に織り込んだ力作。
2020年12月17日に日本でレビュー済み
松本清張の短編小説集です。「白い闇」「捜査圏外の条件」「ある小官僚の抹殺」「巻頭句の女」「駅路」「誤差」「万葉翡翠」「薄化粧の男」「偶数」「陸行水行」の一〇編をおさめています。
「白い闇」は、蒸発した夫の妻の話。「捜査圏外の条件」は、何年もかけて復讐しようとする話。「ある小官僚の抹殺」は、汚職事件をめぐって官僚が自殺…に見えるけど、殺されたんだろうなぁ、という話。「巻頭句の女」は、俳句雑誌に投稿していた肺病の女の話。「駅路」は、やはり失踪した男の話。「誤差」は、死亡推定時刻の差異による真相究明の話。「万葉翡翠」は、翡翠を発見した男を殺す話。「薄化粧の男」は、夫の浮気が原因になる話。「偶数」は、殺人事件をおこなった犯人の犯行が露見する話。「陸行水行」は、邪馬台国の場所についての詐欺事件。
というわけで、いくつかパターンがでていると思いました。ただ、基本は、偶然やたまたまによって犯行が露見するというもので、それはなかなかスリリングではあります。
「さすが松本清張」という感じで、よくまとまっていると思いました。
「白い闇」は、蒸発した夫の妻の話。「捜査圏外の条件」は、何年もかけて復讐しようとする話。「ある小官僚の抹殺」は、汚職事件をめぐって官僚が自殺…に見えるけど、殺されたんだろうなぁ、という話。「巻頭句の女」は、俳句雑誌に投稿していた肺病の女の話。「駅路」は、やはり失踪した男の話。「誤差」は、死亡推定時刻の差異による真相究明の話。「万葉翡翠」は、翡翠を発見した男を殺す話。「薄化粧の男」は、夫の浮気が原因になる話。「偶数」は、殺人事件をおこなった犯人の犯行が露見する話。「陸行水行」は、邪馬台国の場所についての詐欺事件。
というわけで、いくつかパターンがでていると思いました。ただ、基本は、偶然やたまたまによって犯行が露見するというもので、それはなかなかスリリングではあります。
「さすが松本清張」という感じで、よくまとまっていると思いました。
2013年2月9日に日本でレビュー済み
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携帯のない社会。
のんびり感が良く、懐かしい。
電車の中、部屋の中、たばこの煙が漂っていそう。
のんびり感が良く、懐かしい。
電車の中、部屋の中、たばこの煙が漂っていそう。