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小説東京帝国大学 (新潮文庫 ま 1-34) 文庫 – 1975/10/1
松本 清張
(著)
- 本の長さ593ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1975/10/1
- ISBN-104101109354
- ISBN-13978-4101109350
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1975/10/1)
- 発売日 : 1975/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 593ページ
- ISBN-10 : 4101109354
- ISBN-13 : 978-4101109350
- Amazon 売れ筋ランキング: - 506,398位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1909-1992)小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年7月5日に日本でレビュー済み
丁寧な配送で送り主の心配りが気に入りました。以前読んだ本で久しぶりに読み返してみて懐かしい思いがしました。明治期の大学の様子がかなり詳しく書かれており、歴史本という観点からも興味深い一冊です。重次郎
2012年4月21日に日本でレビュー済み
「『国家ノ須要ナル』人材を養成する目的の東京帝国大学の性格を明治後半期から小説にしてみよう」(「あとがき」p.584)とした作品。
ムイアヘッドの倫理学をめぐる哲学館(東洋大学の前身)と文部省の対立、戸水教授をはじめとする七博士の対露強硬論に端を発した大学と桂内閣との確執、国定歴史教科書改訂で浮上した南北朝正閏論争での官僚と在野とのやりとり、これらを3本柱として、東京帝国大学の体質を解明している。
天皇問題での保守的性格、大学自治とは名ばかりの文部省との馴れ合い、私学に対する冷淡な態度、東京大学草創期の状況がリアルに描かれている。隠田の行者飯野吉三郎、謎めいた怪人奥宮健之、哲学館学生工藤雄三が舞台回しで登場。
「欧米先進国に早く追い付け主義の帝国大学の教育に科学性は、それが濃厚になってくるにつれて天皇制と衝突した。そのたびに『学問』は萎縮し、帝国大学は当初の溌剌性を失い、次第に蒼古たる殿堂と化して」いった(「あとがき」p.584)。まことに正鵠を射た結論である。
小説としては、成功していない。このことを著者は、「勝手な書き方をしてきた小説である」(「あとがき」p.584)と書いている。
ムイアヘッドの倫理学をめぐる哲学館(東洋大学の前身)と文部省の対立、戸水教授をはじめとする七博士の対露強硬論に端を発した大学と桂内閣との確執、国定歴史教科書改訂で浮上した南北朝正閏論争での官僚と在野とのやりとり、これらを3本柱として、東京帝国大学の体質を解明している。
天皇問題での保守的性格、大学自治とは名ばかりの文部省との馴れ合い、私学に対する冷淡な態度、東京大学草創期の状況がリアルに描かれている。隠田の行者飯野吉三郎、謎めいた怪人奥宮健之、哲学館学生工藤雄三が舞台回しで登場。
「欧米先進国に早く追い付け主義の帝国大学の教育に科学性は、それが濃厚になってくるにつれて天皇制と衝突した。そのたびに『学問』は萎縮し、帝国大学は当初の溌剌性を失い、次第に蒼古たる殿堂と化して」いった(「あとがき」p.584)。まことに正鵠を射た結論である。
小説としては、成功していない。このことを著者は、「勝手な書き方をしてきた小説である」(「あとがき」p.584)と書いている。
2005年3月18日に日本でレビュー済み
タイトルから東京帝国大学をテーマにした小説なのかなと思って読んだのですが、ちょっと趣きが違ってました。明治時代後半に起きた様々な政治問題の中で、教育に関する問題や学者が関わった問題を小説風に紹介するという趣旨の作品です。東京帝国大学は当時は国家権力と深く結びついていたので、例えば教科書検定委員が帝国大学の教授だったりする為、そうした問題においてたまたま大きな役割を演じることが多かったというだけの話で、決して東京帝国大学を描くことを意図した小説ではありません。
むしろ冒頭に出てくるのは哲学館(今の東洋大学)を舞台にした教科書問題で、哲学館の講師と生徒が主人公的な立場に立っています。あれ?全然東大の話じゃないぞ?と思っていると、さすがに中盤からは日露講和を巡って東京帝国大学の教授たちが全員で辞表を提出した事件が描かれたりしてタイトルに近くなってくるのですが、それと共に小説としてのパワーはダウンして行き、単に歴史的いきさつをなぞるだけになってしまっています。雑誌連載の為か途中で方針が変わってきてしまったのでしょうね。
むしろ冒頭に出てくるのは哲学館(今の東洋大学)を舞台にした教科書問題で、哲学館の講師と生徒が主人公的な立場に立っています。あれ?全然東大の話じゃないぞ?と思っていると、さすがに中盤からは日露講和を巡って東京帝国大学の教授たちが全員で辞表を提出した事件が描かれたりしてタイトルに近くなってくるのですが、それと共に小説としてのパワーはダウンして行き、単に歴史的いきさつをなぞるだけになってしまっています。雑誌連載の為か途中で方針が変わってきてしまったのでしょうね。