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食味風々録 (新潮文庫) 文庫 – 2004/3/28
阿川 弘之
(著)
食べ物の記憶は、これほどまでに思い出を鮮やかに甦らせるものだろうか。生まれて初めて食べたチーズの記憶、向田邦子と美味について語り合ったひととき、志賀直哉、斎藤茂吉など文士と鰻の話、敗戦をともに生き延びた海軍仲間の食事話など、いずれも人々の忘れがたい横顔を伝えるエピソードが心地よい。同時に、食を媒介とした極上の自叙伝としても堪能できる。読売文学賞受賞。
- 本の長さ317ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2004/3/28
- ISBN-104101110174
- ISBN-13978-4101110172
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2004/3/28)
- 発売日 : 2004/3/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 317ページ
- ISBN-10 : 4101110174
- ISBN-13 : 978-4101110172
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,047,016位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 11,488位新潮文庫
- - 29,370位エッセー・随筆 (本)
- - 94,971位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1920(大正9)年広島県生まれ。東大国文科を繰上げ卒業、海軍に入り、中国で終戦。戦後、志賀直哉に師事し、『春の城』、『雲の墓標』、『山本五十六』『米内光政』『井上成美』の海軍提督三部作などがある。『食味風々録』は読売文学賞受賞作品。1999年に文化勲章を受章。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中古本とはいえ、この価格で提供してもらいうのが申し訳ない位に状態の良いものであった。
2006年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
阿川佐和子さんの父上と紹介されるのがおもしろくないと、最近のインタビューで言っておられましたが、
そういう表現が巧まざるユーモアになっているのが氏の強みかもしれません。
本書の刊行直後に文化勲章を受けられて、本書で初めて氏の文章に接したひとは驚いたと思います。
書名からは想像もつかない軽妙さは、実はもう一つの本質なのですね。
いわゆる「大家」の書く食物談義のたぐいは、だいたいが「美食」になるか、
さもなければ開き直った「B級C級グルメ」なのですが、
本書はどこまでも「自然体」で、頭が健康になる感じです。
文学のヌーベル・バーグといわれた「第三の新人」も次々に世を去って、
ずいぶん世の中は変わりましたが、
あの時の魅力の本質の一端が、今になってようやくわかったような気がします。
小説でもなく、「阿房列車」でもなく、本書こそは氏の代表作と、勝手に思っています。
そういう表現が巧まざるユーモアになっているのが氏の強みかもしれません。
本書の刊行直後に文化勲章を受けられて、本書で初めて氏の文章に接したひとは驚いたと思います。
書名からは想像もつかない軽妙さは、実はもう一つの本質なのですね。
いわゆる「大家」の書く食物談義のたぐいは、だいたいが「美食」になるか、
さもなければ開き直った「B級C級グルメ」なのですが、
本書はどこまでも「自然体」で、頭が健康になる感じです。
文学のヌーベル・バーグといわれた「第三の新人」も次々に世を去って、
ずいぶん世の中は変わりましたが、
あの時の魅力の本質の一端が、今になってようやくわかったような気がします。
小説でもなく、「阿房列車」でもなく、本書こそは氏の代表作と、勝手に思っています。
2015年8月26日に日本でレビュー済み
ただ食べ物の話だけでなく、それにまつわるユーモアたっぷりにして随所に見え隠れする著者本人のわがままぶりが実に面白かったです。
個人的には、「ひじきの二度めし」が一番面白く、この話は是非とも食事中に声に出して読んでほしいと願いますが、本人のわがままぶりを以てしてもどうにもならないものの、結局わがままを通す「弁当恋しや」、卵料理への思い入れを文学を通して語る「卵料理さまざま」、日本とロシア(ソ連)に対して若干失礼な感じのする「鮨とキャビアの物語」も大変面白かったです。
それから作中に何度も紹介される、村井弦斎『食道楽』をはじめ読んでみたくなる面白そうな本を何冊も紹介しているのも良かったです。
個人的には、「ひじきの二度めし」が一番面白く、この話は是非とも食事中に声に出して読んでほしいと願いますが、本人のわがままぶりを以てしてもどうにもならないものの、結局わがままを通す「弁当恋しや」、卵料理への思い入れを文学を通して語る「卵料理さまざま」、日本とロシア(ソ連)に対して若干失礼な感じのする「鮨とキャビアの物語」も大変面白かったです。
それから作中に何度も紹介される、村井弦斎『食道楽』をはじめ読んでみたくなる面白そうな本を何冊も紹介しているのも良かったです。
2016年7月26日に日本でレビュー済み
何度も噴き出し笑いながら読みました。人生において食べることを大切にする=心豊かな人生につながる のだなあとあらためて感じます。食材へのこだわりや、(ある)料理に興味を持ったらつくってみる、など、日頃忘れかけているような楽しみをも教えて頂ける一冊です。センスあるユーモアとは、静かで落ち着いていて、こういうものではないか、とおもえる文章がいくつもあります。気取らない、でも格好よい 大人 に会える本です。
2010年12月27日に日本でレビュー済み
あの「ひじきの二度めし」が載ってます。
「蚊の目玉のスープ」は漢方薬、
「ジャコウネココーヒー」は高級コーヒーとして
実在するらしいですが、
「ひじきの二度めし」は実在するのでしょうか。
「蚊の目玉のスープ」は漢方薬、
「ジャコウネココーヒー」は高級コーヒーとして
実在するらしいですが、
「ひじきの二度めし」は実在するのでしょうか。
2009年5月7日に日本でレビュー済み
阿川さんのエッセー集である。私は巻末の「食堂車の思い出」が気に入っている。徒然に食堂車の思い出から当時の出来事が蘇る。
例えば広島での旧制中学時代に、信州アルプスを縦走して帰る途上、登山で薄汚れた学生服のまま食堂車に入り怪訝な顔をされ傷ついたこと。帝大生時代の幾度かの帰省で顔見知りなった女性給仕と学徒出陣の列車で再会し交わした言葉。満鉄「あじあ号」で出会った白系ロシア人給仕の美しさ。海軍から復員した敗戦後の数年間、ほぼ全ての食堂車付き列車が進駐軍専用になっていたこと。なぜか食堂車で朝に出された蜆汁が忘れがたいこと。
とかいいながら、まったくシリアスなエッセーじゃない。文庫版あとがきでの父と娘の対談は次のような形で終わってます。
娘「最近は『親孝行、したいときにまだ親はいる』っていうらしいわよ」。
父「遺言に書いといてやろうか、『娘がキノコの旨いのを食わせるといって殺したという疑いがあっても、どうか罪に問わないでください』ってね(笑い)」。
なぜか第三の新人のエッセーは作風と反対に面白おかしい。
例えば広島での旧制中学時代に、信州アルプスを縦走して帰る途上、登山で薄汚れた学生服のまま食堂車に入り怪訝な顔をされ傷ついたこと。帝大生時代の幾度かの帰省で顔見知りなった女性給仕と学徒出陣の列車で再会し交わした言葉。満鉄「あじあ号」で出会った白系ロシア人給仕の美しさ。海軍から復員した敗戦後の数年間、ほぼ全ての食堂車付き列車が進駐軍専用になっていたこと。なぜか食堂車で朝に出された蜆汁が忘れがたいこと。
とかいいながら、まったくシリアスなエッセーじゃない。文庫版あとがきでの父と娘の対談は次のような形で終わってます。
娘「最近は『親孝行、したいときにまだ親はいる』っていうらしいわよ」。
父「遺言に書いといてやろうか、『娘がキノコの旨いのを食わせるといって殺したという疑いがあっても、どうか罪に問わないでください』ってね(笑い)」。
なぜか第三の新人のエッセーは作風と反対に面白おかしい。
2007年8月28日に日本でレビュー済み
2001年に出た単行本の文庫化。
「風々録」は「ぶーぶーろく」と読む。食べ物についてブーブー我がままを言ってみるということらしい。
内容的には食べ物にまつわるエッセイ。著者お得意のテーマで、楽しく読むことが出来た。取り上げられているのは、チーズ、鰻、サンドイッチ、ツクシ、鮎など。いわゆるグルメというのとは違うが、著者なりのこだわりが滲み出ている文章で味わい深い。
特に印象に残っているのはキャビアの寿司の話。イクラはあるのに、なぜキャビアの寿司はないのかと思って鮨屋に行ってみると、本当にあって、でも食べるのはよしてしまうという展開。いかにも著者らしいし、こだわりがあって良い。
「風々録」は「ぶーぶーろく」と読む。食べ物についてブーブー我がままを言ってみるということらしい。
内容的には食べ物にまつわるエッセイ。著者お得意のテーマで、楽しく読むことが出来た。取り上げられているのは、チーズ、鰻、サンドイッチ、ツクシ、鮎など。いわゆるグルメというのとは違うが、著者なりのこだわりが滲み出ている文章で味わい深い。
特に印象に残っているのはキャビアの寿司の話。イクラはあるのに、なぜキャビアの寿司はないのかと思って鮨屋に行ってみると、本当にあって、でも食べるのはよしてしまうという展開。いかにも著者らしいし、こだわりがあって良い。