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冬の鷹 (新潮文庫) 文庫 – 2012/9/1
吉村 昭
(著)
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わずかな手掛りをもとに、苦心惨憺、殆んど独力で訳出した「解体新書」だが、訳者前野良沢の名は記されなかった。出版に尽力した実務肌の相棒杉田玄白が世間の名声を博するのとは対照的に、彼は終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いて巷に窮死する。わが国近代医学の礎を築いた画期的偉業、「解体新書」成立の過程を克明に再現し、両者の劇的相剋を浮彫りにする感動の歴史長編。
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2012/9/1
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101117055
- ISBN-13978-4101117058
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出版社より
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【新潮文庫】吉村昭 作品 | 帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の巨艦「武蔵」──その極秘の建造から壮絶な終焉まで、壮大なドラマの全貌を描いた記録文学の力作。 | トンネル貫通の情熱に憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威との対決──綿密な取材と調査による黒三ダム建設秘史。 | 「解体新書」をめぐって、世間の名声を博す杉田玄白とは対照的に、終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いた前野良沢の姿を描く。 | 空の作戦に革命をもたらした”ゼロ戦”──その秘密裡の完成、輝かしい武勲、敗亡の運命を、空の男たちの奮闘と哀歓のうちに描く。 | 水もわかず、生活の手段とてない絶海の火山島に漂着後十二年、ついに生還した海の男がいた。その壮絶な生きざまを描いた長編小説。 | 《日本海海戦》の劇的な全貌。七カ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細などを克明に描いた空前の記録文学。 |
大本営が震えた日 | 羆嵐(くまあらし) | ポーツマスの旗 | 破船 | 雪の花 | 海馬(トド) | |
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開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容──。 | 北海道の開拓村を突然恐怖のドン底に陥れた巨大な羆の出現。大正四年の事件を素材に自然の威容の前でなす術のない人間の姿を描く。 | 近代日本の分水嶺となった日露戦争とポーツマス講和会議。名利を求めず講和に生命を燃焼させた全権・小村寿太郎の姿に光をあてる。 | 嵐の夜、浜で火を焚いて沖行く船をおびき寄せ、坐礁した船から積荷を奪う──サバイバルのための苛酷な風習が招いた海辺の悲劇! | 江戸末期、天然痘の大流行をおさえるべく、異国から伝わったばかりの種痘を広めようと苦闘した福井の町医・笠原良策の感動の生涯。 | 羅臼の町でトド撃ちに執念を燃やす老人と町を捨てた娘との確執を捉えた表題作など、動物を仲立ちにして生きる人びとを描く短編集。 |
天に遊ぶ | 彰義隊 | 空白の戦記 | 星への旅 | ニコライ遭難 | プリズンの満月 | |
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日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにしてゆく、まさに名人芸の掌編小説 21 編。 | 皇族でありながら朝敵となった上野寛永寺山主の輪王寺宮能久親王。その数奇なる人生を通して江戸時代の終焉を描く畢生の歴史文学。 | 闇に葬られた軍艦事故の真相、沖縄決戦の秘話……。正史にのらない戦争記録を発掘し、戦争の陰に生きた人々のドラマを追求する。 | 少年達の無動機の集団自殺を冷徹かつ即物的に描き詩的美にまで昇華させた表題作。ロマンチシズムと現実との出会いに結実した 6 編。 | ”ロシア皇太子、襲わる”──近代国家への道を歩む明治日本を震撼させた未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。 | 東京裁判がもたらした異様な空間……巣鴨プリズン。そこに生きた戦犯と刑務官たちの懊悩。綿密な取材が光る吉村文学の新境地。 |
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米兵捕虜を処刑した一中尉の、戦後の暗く怯えに満ちた逃亡の日々──。戦争犯罪とは何かを問い、敗戦日本の歪みを抉る力作長編。 | 浮気をした妻と相手の母親を殺して無期刑に処せられた男が、 16 年後に仮釈放された。彼は与えられた自由を享受することができるか? | 昭和 20 年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通して、〈昭和〉の転換点を見つめた作品集。 | 幕末日本を震撼させた「天狗党の乱」。水戸尊攘派の挙兵から中山道中の行軍、そして越前での非情な末路までを克明に描いた雄編。 | 犯罪史上未曽有の四度の脱獄を敢行した無期刑囚佐久間清太郎。その超人的な手口と、あくなき執念を追跡した著者渾身の力作長編。 | 肺癌に侵され激痛との格闘のすえに逝った弟。強い信念のもとに癌であることを隠し通し、ゆるぎない眼で死をみつめた感動の長編小説。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (2012/9/1)
- 発売日 : 2012/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 432ページ
- ISBN-10 : 4101117055
- ISBN-13 : 978-4101117058
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 69,191位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月9日に日本でレビュー済み
吉村昭先生の作品はいずれも想像を極力排して徹底的な取材に基づいて書かれた名作ぞろい。しかも業績に反して知名度が低い主人公も多い。中学校の社会科で「解体新書」=杉田玄白と肖像画(最初見た時に妖怪ぬらりひょんかと思った、スミマセン)入りで書かれていたので前野良沢氏の功績はほとんど知りませんでした。何故このタイトルであるかがどこにも書かれていませんでしたので、愚見を記載。鷹は年中いますがマタギによる「鷹狩」は冬に行われます。「冬の鷹」というタイトルは主の命令で獲物を追い詰める鷹の様子を御主君に従いオランダ語の本を翻訳する様子を鷹狩=冬の鷹にダブらせたのではと思いました。
2011年4月5日に日本でレビュー済み
吉村昭の大ファンで、主だったものはすべてよんでいます。本書も大変楽しく読めたのですが、読む前に抱いていた期待感は十分満足されませんでした。私が期待していたものは、自分が語学関係の仕事をしていることもあり、ターヘル・アナトミアが辞書等もない状態でどのような困難とともに翻訳されて行ったかでした。確かにこの記述はありましたが、本書のわずか一部のみとなっています。未知の言葉に遭遇し、どのような紆余曲折を経て正解にたどり着いたかなど、実際に翻訳を進めるうで遭遇した逸話などをもっと期待していたのですが、そういった箇所はほんの少しで残念でした。また、良沢と玄白の翻訳完成後の人生の対比等は大変興味深かったのですが、良沢の後半生は少し記述が長すぎて、しかもあまり興味を引くようなイベント等がなく、むしろなくても良かったのかなとも思います。もう少し翻訳の部分にスポットライトを与えてくれたら、間違いなく星5つでした。
2023年7月30日に日本でレビュー済み
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前野良沢氏が実質翻訳したターヘルアナトミアの出版は、良沢氏が求める翻訳に出来ていないとの高度な学研意識から名前が表に出てこなかったに過ぎない・・・清貧を地で歩んだすごい人だったんだと感動しました。
2022年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小学生のとき、テストのために記憶させられた「解体新書」と「杉田玄白」、そしてそれらに付属のようについて回る「前野良沢」。私は中年に差し掛かった医師ですが、本書を読んで今更ながら、この三者の関係、成り立ちの過程、意義について知ることができました。
学究の徒として一生を捧げた良沢のありかた、功名心や自己顕示欲の高い源内や、それに加えて金銭欲まで持ち合わせた玄白の生き方、これらはそのまま現代医学の世界に通ずるものを感じました。
「綺麗に」「誉れ高く」自分自身を貫き通す生き方は潔く、崇高なものではあると思いますが、それは多くの方が容易に理解するように簡単なことではありません。そして周囲で生きる人々にとって、必ずしも有難いばかりのものでもありません。また、玄白が自身の態度のバックボーンに置いたような学術的な発展という大きな観点から言えばまったく無意味な拘りとすら断言し得ます。
しかし、我々、日本人の本性はどうしてもここで描かれる良沢の生き様のつましさ、侘しさ、頑迷さに、強く惹かれてしまいます。
そこのジレンマというか、感情的揺り動かされる部分に、本書を読んだ面白みを強く感じました。
学究の徒として一生を捧げた良沢のありかた、功名心や自己顕示欲の高い源内や、それに加えて金銭欲まで持ち合わせた玄白の生き方、これらはそのまま現代医学の世界に通ずるものを感じました。
「綺麗に」「誉れ高く」自分自身を貫き通す生き方は潔く、崇高なものではあると思いますが、それは多くの方が容易に理解するように簡単なことではありません。そして周囲で生きる人々にとって、必ずしも有難いばかりのものでもありません。また、玄白が自身の態度のバックボーンに置いたような学術的な発展という大きな観点から言えばまったく無意味な拘りとすら断言し得ます。
しかし、我々、日本人の本性はどうしてもここで描かれる良沢の生き様のつましさ、侘しさ、頑迷さに、強く惹かれてしまいます。
そこのジレンマというか、感情的揺り動かされる部分に、本書を読んだ面白みを強く感じました。
2022年2月22日に日本でレビュー済み
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小学校教科書で、チラリと掲載されている解体新書。その出版は、江戸後期における一つの転換点なのだが、翻訳の背景や登場人物の熱意、人生からはあまりにも教科書は無味な情報だと気づく。
内容として、サイドストーリーや歴史的背景の説明が四割ぐらいあるイメージだが、それも、解体新書の歴史的意義を知るには必要である。
小説としてのエンタメもしっかり用意されていて、序盤から中盤にかけては、プロジェクトXのような興奮、高揚を感じられる。終盤にかけては、前野良沢と杉田玄白の対比からくる秋風のような侘しさがある。
次は桜田門外ノ変を読みたいと思う。
内容として、サイドストーリーや歴史的背景の説明が四割ぐらいあるイメージだが、それも、解体新書の歴史的意義を知るには必要である。
小説としてのエンタメもしっかり用意されていて、序盤から中盤にかけては、プロジェクトXのような興奮、高揚を感じられる。終盤にかけては、前野良沢と杉田玄白の対比からくる秋風のような侘しさがある。
次は桜田門外ノ変を読みたいと思う。
2018年4月24日に日本でレビュー済み
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みなもと太郎の漫画、風雲児たちを見て興味を持って読みました。
中学校の歴史でサラッと学んだだけでしたので解体新書のことも
よく知らなかったのですが前野良沢の生き方に感動しました。
幕末の志士の話が人気ですが江戸中期の話に興味が湧きました。
中学校の歴史でサラッと学んだだけでしたので解体新書のことも
よく知らなかったのですが前野良沢の生き方に感動しました。
幕末の志士の話が人気ですが江戸中期の話に興味が湧きました。