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零式戦闘機 (新潮文庫) 文庫 – 1978/4/3
吉村 昭
(著)
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昭和十五年=紀元二六〇〇年を記念し、その末尾の「0」をとって、零式艦上戦闘機と命名され、ゼロ戦とも通称される精鋭機が誕生した。だが、当時の航空機の概念を越えた画期的な戦闘機も、太平洋戦争の盛衰と軌を一にするように、外国機に対して性能の限界をみせてゆき……。機体開発から戦場での悲運までを、設計者、技師、操縦者の奮闘と哀歓とともに綴った記録文学の大巨編。
- 本の長さ384ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1978/4/3
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101117063
- ISBN-13978-4101117065
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【新潮文庫】吉村昭 作品 | 帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の巨艦「武蔵」──その極秘の建造から壮絶な終焉まで、壮大なドラマの全貌を描いた記録文学の力作。 | トンネル貫通の情熱に憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威との対決──綿密な取材と調査による黒三ダム建設秘史。 | 「解体新書」をめぐって、世間の名声を博す杉田玄白とは対照的に、終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いた前野良沢の姿を描く。 | 空の作戦に革命をもたらした”ゼロ戦”──その秘密裡の完成、輝かしい武勲、敗亡の運命を、空の男たちの奮闘と哀歓のうちに描く。 | 水もわかず、生活の手段とてない絶海の火山島に漂着後十二年、ついに生還した海の男がいた。その壮絶な生きざまを描いた長編小説。 | 《日本海海戦》の劇的な全貌。七カ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細などを克明に描いた空前の記録文学。 |
大本営が震えた日 | 羆嵐(くまあらし) | ポーツマスの旗 | 破船 | 雪の花 | 海馬(トド) | |
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開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容──。 | 北海道の開拓村を突然恐怖のドン底に陥れた巨大な羆の出現。大正四年の事件を素材に自然の威容の前でなす術のない人間の姿を描く。 | 近代日本の分水嶺となった日露戦争とポーツマス講和会議。名利を求めず講和に生命を燃焼させた全権・小村寿太郎の姿に光をあてる。 | 嵐の夜、浜で火を焚いて沖行く船をおびき寄せ、坐礁した船から積荷を奪う──サバイバルのための苛酷な風習が招いた海辺の悲劇! | 江戸末期、天然痘の大流行をおさえるべく、異国から伝わったばかりの種痘を広めようと苦闘した福井の町医・笠原良策の感動の生涯。 | 羅臼の町でトド撃ちに執念を燃やす老人と町を捨てた娘との確執を捉えた表題作など、動物を仲立ちにして生きる人びとを描く短編集。 |
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日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにしてゆく、まさに名人芸の掌編小説 21 編。 | 皇族でありながら朝敵となった上野寛永寺山主の輪王寺宮能久親王。その数奇なる人生を通して江戸時代の終焉を描く畢生の歴史文学。 | 闇に葬られた軍艦事故の真相、沖縄決戦の秘話……。正史にのらない戦争記録を発掘し、戦争の陰に生きた人々のドラマを追求する。 | 少年達の無動機の集団自殺を冷徹かつ即物的に描き詩的美にまで昇華させた表題作。ロマンチシズムと現実との出会いに結実した 6 編。 | ”ロシア皇太子、襲わる”──近代国家への道を歩む明治日本を震撼させた未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。 | 東京裁判がもたらした異様な空間……巣鴨プリズン。そこに生きた戦犯と刑務官たちの懊悩。綿密な取材が光る吉村文学の新境地。 |
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米兵捕虜を処刑した一中尉の、戦後の暗く怯えに満ちた逃亡の日々──。戦争犯罪とは何かを問い、敗戦日本の歪みを抉る力作長編。 | 浮気をした妻と相手の母親を殺して無期刑に処せられた男が、 16 年後に仮釈放された。彼は与えられた自由を享受することができるか? | 昭和 20 年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通して、〈昭和〉の転換点を見つめた作品集。 | 幕末日本を震撼させた「天狗党の乱」。水戸尊攘派の挙兵から中山道中の行軍、そして越前での非情な末路までを克明に描いた雄編。 | 犯罪史上未曽有の四度の脱獄を敢行した無期刑囚佐久間清太郎。その超人的な手口と、あくなき執念を追跡した著者渾身の力作長編。 | 肺癌に侵され激痛との格闘のすえに逝った弟。強い信念のもとに癌であることを隠し通し、ゆるぎない眼で死をみつめた感動の長編小説。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1978/4/3)
- 発売日 : 1978/4/3
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 384ページ
- ISBN-10 : 4101117063
- ISBN-13 : 978-4101117065
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 19,821位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年12月27日に日本でレビュー済み
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視点がしっかりしていてよくわかった
2016年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
だって、おかしいですよね?
地球儀見たら日本って本当に小さな小さな島国でその国が、遥かインドの
西側まで侵攻していたなんて考えられません。しかも大国相手にフルボッコです。
米英露中の飛行機乗りにとって、零戦は本当に悪魔のようだったでしょうね。
でもねパイロットを守る為のシステムが無い戦闘機なんか乗りたくないですね( -_-)ヤダ
本書では正に艱難辛苦の開発物語がメインストーリーですが、世界屈指の傑作機の
栄光と悲しい結末が克明に描かれています。零戦の陥落はイコール日本の陥落だったんですねえ。
「深海の使者」からの連読ですが、本作は肝となる工学的なお話が大部分で、
そちらの方面に明るい方にとっては関心も興味も湧く内容だと思うのですが、
その反面、少々読みづらい箇所がありましたね。その点を「深海の使者」と比較すると★4です。
地球儀見たら日本って本当に小さな小さな島国でその国が、遥かインドの
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「深海の使者」からの連読ですが、本作は肝となる工学的なお話が大部分で、
そちらの方面に明るい方にとっては関心も興味も湧く内容だと思うのですが、
その反面、少々読みづらい箇所がありましたね。その点を「深海の使者」と比較すると★4です。
2018年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
資源のない日本、外国の模造品しか作れなかった航空機製造技術。これが出発点でした。それがなぜ外国もまねのできない戦闘機を作れるようになったのか。日本人のものづくりの原点が読み取れました。
2013年8月31日に日本でレビュー済み
第二次世界大戦を、零戦の歴史とともに振り返る。
戦争を美化することも、零戦を美化することもできない。
ただ、特攻のイメージが強い零戦であったが、
零戦が恐れられていたのは、その捨て身の攻撃だけでなく、機体性能にもあったことを知った。
そして、開発の裏側も。
なぜ、防弾設備がない戦闘機ができてしまったのか、
なぜ、特攻のようなかたちにはしっていってしまったのか。
たしかに、設計者の苦労はすごい。
技術力があったということだろう。
しかし、
物量や資本で劣る日本の限界は、悲しいくらいである。
もどかしいくらいの悲しい歴史。
なんども言うけれど、美化はできない。
零戦や日本のパイロットがどれだけ優れていたとしても、美化はしたくない。
“出羽は、近代的な飛行機工場の機体運送が牛によるものであることにすっかり呆れてしまったらしく、各務原飛行場についてもしばらくの間黙りこんでしまっていた。やがれかれらは、異口同音に「ペルシュロン」という言葉を口にした。
「なんです、それは」
田村が、いぶかしそうにたずねた。
「馬の種類ですよ」
卓次郎が、言った。”
戦争を美化することも、零戦を美化することもできない。
ただ、特攻のイメージが強い零戦であったが、
零戦が恐れられていたのは、その捨て身の攻撃だけでなく、機体性能にもあったことを知った。
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なぜ、防弾設備がない戦闘機ができてしまったのか、
なぜ、特攻のようなかたちにはしっていってしまったのか。
たしかに、設計者の苦労はすごい。
技術力があったということだろう。
しかし、
物量や資本で劣る日本の限界は、悲しいくらいである。
もどかしいくらいの悲しい歴史。
なんども言うけれど、美化はできない。
零戦や日本のパイロットがどれだけ優れていたとしても、美化はしたくない。
“出羽は、近代的な飛行機工場の機体運送が牛によるものであることにすっかり呆れてしまったらしく、各務原飛行場についてもしばらくの間黙りこんでしまっていた。やがれかれらは、異口同音に「ペルシュロン」という言葉を口にした。
「なんです、それは」
田村が、いぶかしそうにたずねた。
「馬の種類ですよ」
卓次郎が、言った。”
2014年9月16日に日本でレビュー済み
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米軍が対零戦戦術を確立する前、まだ圧倒的優位を保っていた頃、毎回変わる戦術、自身の部隊より必ず多くの
機数を繰り出してくる米軍を相手に、早々に「負け」を予感していたパイロットがいたように記憶している。
何より撃墜されても米軍パイロットの生残率は日本軍のものより相当高かったはずである。「西沢広義」「坂井
三郎」等1000人に1人のエース級ならともかく、戦争末期には零戦の「守勢に回ればはなはだ脆い」が故に、
経験を積む時間すらなく死んでいったパイロットたちは多かったはずである。
特攻作戦では、1000馬力級の非力なエンジンに爆装という戦闘機としての役割すら否定された。
結局、人間を大事にしなかった(できなかった)日本(軍)の体質(現代もこれはある)、言い換えるなら「大和魂」
万能論の帰結が零戦を希代の名機として押し出しているのではないか、と最近思うことが多い。
機数を繰り出してくる米軍を相手に、早々に「負け」を予感していたパイロットがいたように記憶している。
何より撃墜されても米軍パイロットの生残率は日本軍のものより相当高かったはずである。「西沢広義」「坂井
三郎」等1000人に1人のエース級ならともかく、戦争末期には零戦の「守勢に回ればはなはだ脆い」が故に、
経験を積む時間すらなく死んでいったパイロットたちは多かったはずである。
特攻作戦では、1000馬力級の非力なエンジンに爆装という戦闘機としての役割すら否定された。
結局、人間を大事にしなかった(できなかった)日本(軍)の体質(現代もこれはある)、言い換えるなら「大和魂」
万能論の帰結が零戦を希代の名機として押し出しているのではないか、と最近思うことが多い。
2019年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」に、もう少しこういった苦労話が描かれていたなら・・アカデミー賞の評価ももう少し違ったのではないか!と思いました。物資は少ないのに、何かを犠牲にしなければならないそんな状況の中で軍の要求はどんどんエスカレートして世界最高峰の性能を要求される主人公の気持ちを思うと、いたたまれません。それでも主人公「堀越 二郎」は78歳まで生き、6人の子供に恵まれたそうです。前向きに、自分がやれることに全力を尽くす主人公の生き方に感銘しました。製造工場の隣に飛行場が無く、飛行場まで牛で引いて何日もかかる状況に唖然としました。(映画では、チラッとしか描かれていませんでしたが・・)