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破獄 (新潮文庫) 文庫 – 1986/12/23
吉村 昭
(著)
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昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和22年札幌刑務所脱獄。犯罪史上未曽有の四度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎。その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。読売文学賞受賞作。
- 本の長さ448ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1986/12/23
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101117217
- ISBN-13978-4101117218
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【新潮文庫】吉村昭 作品 | 帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の巨艦「武蔵」──その極秘の建造から壮絶な終焉まで、壮大なドラマの全貌を描いた記録文学の力作。 | トンネル貫通の情熱に憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威との対決──綿密な取材と調査による黒三ダム建設秘史。 | 「解体新書」をめぐって、世間の名声を博す杉田玄白とは対照的に、終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いた前野良沢の姿を描く。 | 空の作戦に革命をもたらした”ゼロ戦”──その秘密裡の完成、輝かしい武勲、敗亡の運命を、空の男たちの奮闘と哀歓のうちに描く。 | 水もわかず、生活の手段とてない絶海の火山島に漂着後十二年、ついに生還した海の男がいた。その壮絶な生きざまを描いた長編小説。 | 《日本海海戦》の劇的な全貌。七カ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細などを克明に描いた空前の記録文学。 |
大本営が震えた日 | 羆嵐(くまあらし) | ポーツマスの旗 | 破船 | 雪の花 | 海馬(トド) | |
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開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容──。 | 北海道の開拓村を突然恐怖のドン底に陥れた巨大な羆の出現。大正四年の事件を素材に自然の威容の前でなす術のない人間の姿を描く。 | 近代日本の分水嶺となった日露戦争とポーツマス講和会議。名利を求めず講和に生命を燃焼させた全権・小村寿太郎の姿に光をあてる。 | 嵐の夜、浜で火を焚いて沖行く船をおびき寄せ、坐礁した船から積荷を奪う──サバイバルのための苛酷な風習が招いた海辺の悲劇! | 江戸末期、天然痘の大流行をおさえるべく、異国から伝わったばかりの種痘を広めようと苦闘した福井の町医・笠原良策の感動の生涯。 | 羅臼の町でトド撃ちに執念を燃やす老人と町を捨てた娘との確執を捉えた表題作など、動物を仲立ちにして生きる人びとを描く短編集。 |
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日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにしてゆく、まさに名人芸の掌編小説 21 編。 | 皇族でありながら朝敵となった上野寛永寺山主の輪王寺宮能久親王。その数奇なる人生を通して江戸時代の終焉を描く畢生の歴史文学。 | 闇に葬られた軍艦事故の真相、沖縄決戦の秘話……。正史にのらない戦争記録を発掘し、戦争の陰に生きた人々のドラマを追求する。 | 少年達の無動機の集団自殺を冷徹かつ即物的に描き詩的美にまで昇華させた表題作。ロマンチシズムと現実との出会いに結実した 6 編。 | ”ロシア皇太子、襲わる”──近代国家への道を歩む明治日本を震撼させた未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。 | 東京裁判がもたらした異様な空間……巣鴨プリズン。そこに生きた戦犯と刑務官たちの懊悩。綿密な取材が光る吉村文学の新境地。 |
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米兵捕虜を処刑した一中尉の、戦後の暗く怯えに満ちた逃亡の日々──。戦争犯罪とは何かを問い、敗戦日本の歪みを抉る力作長編。 | 浮気をした妻と相手の母親を殺して無期刑に処せられた男が、 16 年後に仮釈放された。彼は与えられた自由を享受することができるか? | 昭和 20 年夏、敗戦へと雪崩れおちる日本の、辺境ともいうべき地に生きる人々の生き様を通して、〈昭和〉の転換点を見つめた作品集。 | 幕末日本を震撼させた「天狗党の乱」。水戸尊攘派の挙兵から中山道中の行軍、そして越前での非情な末路までを克明に描いた雄編。 | 犯罪史上未曽有の四度の脱獄を敢行した無期刑囚佐久間清太郎。その超人的な手口と、あくなき執念を追跡した著者渾身の力作長編。 | 肺癌に侵され激痛との格闘のすえに逝った弟。強い信念のもとに癌であることを隠し通し、ゆるぎない眼で死をみつめた感動の長編小説。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1986/12/23)
- 発売日 : 1986/12/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 448ページ
- ISBN-10 : 4101117217
- ISBN-13 : 978-4101117218
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,422位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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イメージ付きのレビュー
5 星
期待通りの作品
白鳥由江という人物に興味を持ち購入しました。彼の策や身体能力忍耐能力全てにおいて脱帽です。英雄視されるのもわかります。この後ビートたけし主演の映画を観ました。こちらは原作と内容が変わってきますが脚本の上手さがありますね。ただやはり小説を読むべきです。この時代背景や看守の生活や仕事の苦しさなどが伝わって初めてこの凄さがわかる作品です。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月16日に日本でレビュー済み
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ネタバレになるので内容はかけません
2022年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
通常、破獄できない刑務所と数度にわたって脱獄した者とのやりとりを忠実に描いた作品です。
戦中の食糧不足や刑務行政についても描かれており、興味深い。クライマックスは泣ける作ともなっていて
意外な感を受けました。
戦中の食糧不足や刑務行政についても描かれており、興味深い。クライマックスは泣ける作ともなっていて
意外な感を受けました。
2024年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
佐久間の体力、知力、精神力などに畏怖を感じた。
正しい方向に進んでたらスポーツ、ビジネスでも活躍出来たでしょうね。
どうすれば脱獄を防げるかのアドバイザーになってもらいたいなと思いました。
正しい方向に進んでたらスポーツ、ビジネスでも活躍出来たでしょうね。
どうすれば脱獄を防げるかのアドバイザーになってもらいたいなと思いました。
2024年1月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普段なかなか見聞きすることのない戦中戦後の刑務所事情。
それが佐久間と刑務官の攻防の背景としてしっかり描かれており、勉強になる。
人の温かさが人の心を変えれるのもタイミング次第ということもしっかり描かれている。
脱獄王の話、それを防ごうとする刑務官たちの話、戦中戦後の刑務所事情の話が巧みに絡み合い、最後まで飽きることなく読めた。
それが佐久間と刑務官の攻防の背景としてしっかり描かれており、勉強になる。
人の温かさが人の心を変えれるのもタイミング次第ということもしっかり描かれている。
脱獄王の話、それを防ごうとする刑務官たちの話、戦中戦後の刑務所事情の話が巧みに絡み合い、最後まで飽きることなく読めた。
2020年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
過去の事実に基づく小説を書く、吉村昭氏の作品に魅せられ、この作品が4作目となる。
以前にテレビで、「昭和の脱獄王」として紹介された白鳥由栄のことを思い出し、興味をもってこの本を手に取った。
昭和11年青森刑務所、17年秋田刑務所、19年網走刑務所、22年札幌刑務所と、4度にわたり脱獄を繰り返した事実を詳細に調査して描かれた物語である。主人公佐久間清太郎のその緻密で大胆、かつ優れた状況判断、看守の心理を見抜く洞察力、そして並外れた身体能力を活かして脱獄を繰り返す。
もともとは冤罪で罪を着せられ囚人となり、看守からの執拗な虐待に対して復讐をするために脱獄を試みたという見方もあるらしい。壁をイモリのように這い上がっていったり、2,3メートルの高さの塀であれば、斜めに走っていけば越えられるという身体能力の高さを持っている。また、3度目の網走刑務所では、初めは模範囚人を装い、脱獄をあきらめているかのように過ごしていた。やがて、看守も油断をするようになる。手錠のボルト部分と鉄格子の枠の部分に、食事に供される味噌汁を少量ずつ吹きかけ続け、鉄を腐食させ、脱獄の準備を地道に続けていた。
頃は戦争真っただ中の時代で、国全体が困窮にあえぐ中、囚人たちへの食糧や生活環境も困難を極めていた。戦後、アメリカ軍が刑務所の実態を調査し、囚人への虐待を行った看守は罰則を受けることになり、その結果、看守の地位も落ちていく。その中で3度目の脱獄が行われた。やがて、東京の府中刑務所へ移送されることになるが、ここでは、今までとは違った待遇を受ける。それまでは、佐久間に関わる看守は屈強な力を持つものが選ばれてきたが、力で抑えられることには反抗する姿があるので、温厚で丁寧に対応ができる看守が関わることになった。府中刑務所の所長も穏やかに、佐久間を人として、信頼を得られるように扱っていく。それが佐久間の心を動かし、脱獄をあきらめさせることになった。
人は力で抑えることはできない。心と心を通わせ合うことによって信頼関係を築き上げることが何より大切なのだということがメッセージとしての残った。
以前にテレビで、「昭和の脱獄王」として紹介された白鳥由栄のことを思い出し、興味をもってこの本を手に取った。
昭和11年青森刑務所、17年秋田刑務所、19年網走刑務所、22年札幌刑務所と、4度にわたり脱獄を繰り返した事実を詳細に調査して描かれた物語である。主人公佐久間清太郎のその緻密で大胆、かつ優れた状況判断、看守の心理を見抜く洞察力、そして並外れた身体能力を活かして脱獄を繰り返す。
もともとは冤罪で罪を着せられ囚人となり、看守からの執拗な虐待に対して復讐をするために脱獄を試みたという見方もあるらしい。壁をイモリのように這い上がっていったり、2,3メートルの高さの塀であれば、斜めに走っていけば越えられるという身体能力の高さを持っている。また、3度目の網走刑務所では、初めは模範囚人を装い、脱獄をあきらめているかのように過ごしていた。やがて、看守も油断をするようになる。手錠のボルト部分と鉄格子の枠の部分に、食事に供される味噌汁を少量ずつ吹きかけ続け、鉄を腐食させ、脱獄の準備を地道に続けていた。
頃は戦争真っただ中の時代で、国全体が困窮にあえぐ中、囚人たちへの食糧や生活環境も困難を極めていた。戦後、アメリカ軍が刑務所の実態を調査し、囚人への虐待を行った看守は罰則を受けることになり、その結果、看守の地位も落ちていく。その中で3度目の脱獄が行われた。やがて、東京の府中刑務所へ移送されることになるが、ここでは、今までとは違った待遇を受ける。それまでは、佐久間に関わる看守は屈強な力を持つものが選ばれてきたが、力で抑えられることには反抗する姿があるので、温厚で丁寧に対応ができる看守が関わることになった。府中刑務所の所長も穏やかに、佐久間を人として、信頼を得られるように扱っていく。それが佐久間の心を動かし、脱獄をあきらめさせることになった。
人は力で抑えることはできない。心と心を通わせ合うことによって信頼関係を築き上げることが何より大切なのだということがメッセージとしての残った。
2023年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おそらく実話を元に創作された小説。
もっとも堅牢とされる網走刑務所はじめ、四回の脱獄を繰り返した主人公の類稀な体力、知力に驚く。
犯罪ではなく実社会で活かせばよかったものをとは思うが、それを許さない家庭環境、社会環境があったのだろう。
最後収容されていた府中刑務所所長の強圧的な要素を排除して人間として扱ったことで主人公の心の殻がほぐれ、最終的に仮釈放まで辿り着きハッピーエンドを迎えて気持ち良い読後感が残った。
もっとも堅牢とされる網走刑務所はじめ、四回の脱獄を繰り返した主人公の類稀な体力、知力に驚く。
犯罪ではなく実社会で活かせばよかったものをとは思うが、それを許さない家庭環境、社会環境があったのだろう。
最後収容されていた府中刑務所所長の強圧的な要素を排除して人間として扱ったことで主人公の心の殻がほぐれ、最終的に仮釈放まで辿り着きハッピーエンドを迎えて気持ち良い読後感が残った。
2023年6月14日に日本でレビュー済み
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大変良かった。一気に読み終えた。