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イエスの生涯 (新潮文庫) 文庫 – 1982/5/27

4.3 5つ星のうち4.3 409個の評価

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「永遠の同伴者イエス」――。
著者の信仰の種が成長し円熟し、評伝の形で鮮かに開花した。
英語、イタリア語、中国語にも翻訳され、広い読者を獲得した作品。


英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?
――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。

著者の言葉
私はこのイエス像がそのすべてに触れたなど少しも思ってはおらぬ。聖なるものを表記することは小説家にはできぬ。私はイエスの人間的生涯の表面にふれたにすぎぬ。ただ日本人である私がふれたイエス像が基督(キリスト)教に無縁だった読者にも少くとも実感をもって理解して頂けるものであったならば、この仕事は無駄ではなかったような気がする。(「あとがき」)

本書「解説」より
「新約聖書」の中に、キリストの弟子パウロがローマの教会に宛てた手紙がおさめられているが、そこに次のような一節がある。
「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」
この共にという言葉にこそ、弟子たちがアガペーというギリシャ語でよんだ、キリスト教的愛の精髄がこめられているのである。とすれば、遠藤氏がイエスを「永遠の同伴者」としてとらえ、その視座からイエスの全生涯をとらえたということは、神学的にいってもまことに正統的な立場であるといわざるをえないであろう。
――井上洋治(カトリック司祭)

遠藤周作(1923-1996)
東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごす。神戸に帰国後、12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て1955年「白い人」で芥川賞を受賞。結核を患い何度も手術を受けながらも、旺盛な執筆活動を続けた。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品や歴史小説、戯曲、映画脚本、〈狐狸庵もの〉と称されるエッセイなど作品世界は多岐にわたる。『海と毒薬』(新潮社文学賞/毎日出版文化賞)『わたしが・棄てた・女』『沈黙』(谷崎潤一郎賞)『死海のほとり』『イエスの生涯』『キリストの誕生』(読売文学賞)『侍』(野間文芸賞)『女の一生』『スキャンダル』『深い河(ディープ・リバー)』(毎日芸術賞)『夫婦の一日』等。1995年には文化勲章を受章した。


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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1982/5/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1982/5/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 272ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101123160
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101123165
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 409個の評価

著者について

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遠藤 周作
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(1923-1996)東京生れ。

幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。

一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』『スキャンダル』等。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没。

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上位レビュー、対象国: 日本

2024年3月30日に日本でレビュー済み
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四つの「福音書」を資料と推測に基づいて、遠藤周作氏が独自に解釈したイエス伝です。

本書『イエスの生涯』は、クリスチャンではない私にも、自然に読むことが出来ました。
遠藤氏が「四福音書」を解釈していくと、イエスおよびその周囲の人間のドラマが、身近に感じられるのです。
ユダやぺトロについての『新約聖書』の不自然さも、本書によってある程度、納得できた気がします。

博愛というよりむしろ偏愛によって、見棄てられた者や軽蔑されている者と交わり続けたイエス。
彼らの「永遠の同伴者」であろうとしたイエス。
著者・遠藤周作氏の人柄が、伝わってくる筆致です。
誰をも裁くことなく、寄り添ってくれる、誠実なイエスを記しています。

「彼はただ他の人間たちが苦しんでいる時、それを決して見棄てなかっただけだ。女たちが泣いている時、そのそばにいた。老人が孤独の時、彼の傍らにじっと腰かけていた。奇蹟など行わなかったが、奇蹟よりもっと深い愛がその窪んだ眼に溢れていた。」
(『イエスの生涯』Kindle版 P.200 印刷書籍 P.244~P.245)

「イエスの生涯はそれだけだった。それは白い紙の上に書かれたたった一文字のように簡単で明瞭だった。簡単で明瞭すぎたから、誰にもわからず、誰にもできなかったのだ。」
(同 Kindle版 P.200 印刷書籍 P.245)
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年3月4日に日本でレビュー済み
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戦後日本の名著というべき本です。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
キリスト教がここまで広まった事も知りたいが、イエスがキリストになったのかを教えてくれる本は今までなかった。しかしながらまだまだ勉強が必要だ。。。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一人の人間としてのイエスの物語を聖書と照らし合わせて書かれていて本当に解りやすい。
この本と出合ったことで 自分の人生・・・と言ったら大げさですが、心の中に何か芽生えたというか、考え方が多方向から見れる様になったというか、聖書って堅いものっていうイメージから解放されました。
この本がきっかけで聖書読む人もでてくるんじゃないかなー
もう10回以上読み返してます。
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
聖書にある奇跡の数々を鵜呑みにせず現実的な解釈、考察をした作品です
それ自体にはとても好感が持てたのですが、正直ちょっと退屈な部分も多い作品なので
☆3くらいだと思います、面白い部分はとても面白いです
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもおもしろかった。
単純に歴史ものの本として読んでも面白いが、肝心のイエスの姿をキリスト教徒以外にもその凄さがわかるように書かれているのに驚いた。
基本的にはかなり冷静な視点で淡々と書かれているのに、時折筆が熱くなるところにこちらも心を動かされる。
何度も聖書を読んで、聖書研究の本も読んで、イスラエルにもいって、何年もずっとイエスのことを考えてきたんだろうなというのが伝わってきた。
過度に礼賛するでもなく、達観しすぎてつまらなくなっているのではない、生きたイエスの姿を感じることができた。
作者はあとがきにキリスト教に無縁だった人に少しでも実感を持って理解していただければ、と書いているがそれは果たされてると思った。
28人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の『イエスの生涯』を映画化するというニュースがあったので、本棚から引っ張り出してきて再び読んでみた。

 カテゴリーは小説になっているが、イエスの評伝ととらえた方がしっくりくる作品だ。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書そのものも、聖書作家がイエスの死後、彼を目撃した弟子たちや地方に伝わっているイエス民話や伝承を集め、当時入手できたキリスト語録などの資料を使い、彼らなりにイエスの生涯をまとめた評伝だ。マタイにょる福音書は紀元70年頃に成立したと言われているので、イエスの死の30年後ぐらいにまとめられたと思われる。

 遠藤周作の描くイエス像は、無力だという特徴がある。

「イエスは群衆の求める奇跡を行えなかった。湖畔の村々では人々に見捨てられた熱病患者のそばにつきそい、その汗をぬぐわれ、子を失った母親の手を、一夜じっと握っておられたが、軌跡などはできなかった。そのやがて群衆は彼を「無力な男」と呼び、湖畔から去ることを要求した。だがイエスがこれら不幸な人々に見つけた最大の不幸は、彼らを愛する者がいないことだった。彼等の不幸の中核には愛してもらえぬ惨めな孤独感と絶望が何時もどす黒く巣くっていた。必要なのは「愛」であって病気を直す「奇蹟」ではなかった。人間は永遠の同伴者を必要としていることをイエスは知っておられた。自分の悲しみや苦しみをわかち合い、共に涙を流してくれる母のような同伴者を必要としている。」

 「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」という詩篇を口に出し死んでいくイエスを描いた受難物語のクライマックスを、遠藤周作は次のように描く。

「もし敢えて言うならば、イエスはこの物語では無力無能力の人として描かれているのである。彼は衆議会の訊問にもピラトの裁判にも相手を説得することもできなかった、兵士の侮辱にも抗うこともできなかった。群衆の裏切りにもただ沈黙されて耐えているだけだった。おしらくエルサレムの周辺に身をひそめていた弟子たちは最後の瞬間、イエスがこれを覆す奇蹟を待っていただろうが、それは何一つなされなかった。ゴルゴダの刑場でボロ布のように釘づけられた彼を見た者には神があるいは手をさしのべるかと期待したものもいたろうが、神は彼の苦しみを放っておかれたようにさえ見える。」

 マーティン・スコセッシ監督が、遠藤周作のイエス像を映像化したとしたら、それは神としてではなく、人間イエスを表現したとも言えるだろう。これが西洋人にどう映るのだろうか。最後に遠藤周作は次のように語っている。

「もちろん私はこの「イエスの生涯」の俯瞰によってイエス自身をとらえられたとはつゆとも思っていない。我々は自分の人生を投影してこの人を考えるからである。少なくともこの人の生涯には我々の人生を投影してなお掴み難い神秘と謎があるのだ。」

 遠藤周作は、イエスを「人」として捉えているのである。そこには西洋人の三位一体論を感じない。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年1月13日に日本でレビュー済み
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大変良かった
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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